沖縄チームが真っ当に悪魔召喚士やってゆきます
メシアン「私は貴女と結婚出来ないなら死んでしまいます」
女黒札「なら日取りを決めないといけませんね」
メシアン「えっ、本当に!?」
女黒札「ええ、どの葬儀屋が良いかしら?」
(ガイア連合式メシアンジョーク集の一節より)
沖縄における資本、資源問題に明るい兆しが見えても……それでも湧いて出る危険は常日頃存在する。出来れば夕方から今夜の真夜中迄に片付けて聖者ニキと
そして明日は今日の研修で更に強くなった新人達をまた本土に送って沖縄支部支部長室で雪崩を起こしている嘗ての沖縄名家らのコネで捩じ込まれた追加依頼解決に半月は送り出す予定となっている
支部長&幹部四人はその間非常に危険な塩漬け依頼の片付け、暇を作ってはあのスクラップの再利用研究。最後の幹部である聖者ニキは管制官となった乃木坂春香と共に東京で人命救助デスマーチに参加という次第だ、そして期間中真夜中には必ず妖怪タルタロス誘いに拉致される
少なくともこの半月は所謂『月月火水木金金』*1という奴である……皆で仲良くデスマーチで厄介事を片付けようという訳だ。沖縄支部は開設したてだからこういうトラブルはままある。いや沖縄支部はかなりトラブルに愛された過酷な環境とはいえこれは酷いとしか言えない
そして今日残った緊急依頼三つだが……まぁ、名家勢のコネで民間人が近寄らない様に封鎖した出没ポイントに集魔の水を撒いて更に集魔の笛を吹いて誘き寄せてそれぞれ力押しで囲んでボッコボコになるまで叩きのめした上で悪魔交渉(恫喝)でフィニッシュである。どの悪魔も単体かつレベル30前後程度だから仕方ないね*2
怪異クチサケ、怪異テクテク、悪霊耳切坊主の三体だが……これらの編成はクチサケは悪魔合体の素材か気が向けば手駒に、怪異テクテクと耳切坊主はミナミィネキの要望でスケベ部引き渡しとなった
それは何故かと言うと……この耳切坊主、実は今で言うなら『催眠おじさん』というエロジャンルをやらかした色欲に溺れ狂った悪僧だからである。嘗ては説法の上手い高僧だったが欲に飲まれて魔道に誑かされ悪魔にまで堕ちたという訳だ。何ともスケベ部向けの悪魔だろうか?
しかし、こういう『天然の催眠種付けおじさん』はスケベ部的には非常に面白い玩具らしく……まぁ多分ミナミィネキによる『わからせ』が炸裂して飼い慣らされる未来しかないだろう。少なくともこの耳切坊主がやらかさない限りは
前にも言ったが、俺たちの中でサマナー資格を持った者は限られている。資格試験はハードな覚醒修行を超えた者ですらトラウマになって脱落する者が多数出る様な過酷な代物であり、ごく稀にガイア連合に加入する前に悪魔召喚術を会得した俺たちも存在はする*3がちゃんと試験は受講しているらしい
こういう『珍しいご当地悪魔』である耳切坊主と沖縄バリエーションとも言えるテクテクは研究素材としてスケベ部は提供を求めていた。特に耳切坊主は本拠地である沖縄でもレアな悪魔であり前述の通りミナミィネキも欲しかった悪魔である為報酬は期待しても良いとのお達しである
報酬なら……悪魔召喚士としての大先達であるミナミィネキに何種類かの悪魔の召喚補助を依頼しようと思っている。今必要になる重機代わりの大柄な『蛮力属』、後々絶対に必要になる水中戦に対応する為の水棲馬、あと偵察や小技に有益な回復魔法持ちの小妖精といった戦闘やそれ以外でも使い道のある悪魔を召喚したり円満に契約したりする手助けを求めようと思っている。召喚手順さえちゃんと学習すればまた使えたり応用が効く技術でもあるし
そう遠くない未来には間違いなく敵対するだろう穢教鳥やメシアン対策に必要な呪殺悪魔は未だ後回しになるが……その辺りは現状なら呪殺系カードを買ってシキガミに差し込んでおくつもりだ
実はこのスケベ部とのトレードは師匠である比翼連理夫婦の提案である。ガイア連合においてショタおじを除けば悪魔召喚関連の最先端はスケベ部であり、性質的にスケベ部とは微妙に反りの合わない沖縄チームに多少なりともスケベ部との縁を補強する腹積りの提案である
彼らは未だ新米かつ契約をやってない悪魔召喚士であり、使役悪魔はそれぞれのシキガミとスパルトイに管狐、後は琉球ニキの地縁と言うかニライ=カナイの協力で契約出来たシーサー(レベル20)ぐらいであり……そろそろちゃんと悪魔召喚を実践するべきだろう
蛮力属の悪魔ならまぁ彼らでもそれなりに相性の良いものが呼べるだろう、しかしそれでもスケベ部のデータから比較的彼らそれぞれに相性の良い悪魔を呼んだ方が良いだろうか?
水棲馬は……なるべく低レベル召喚も出来て数を揃えられる奴が欲しいという事情がある。沢山の配下に預けて海中戦という想定がある。小妖精の類は彼ら自身の偵察、サポート用の手札増加に
ついでに願うならなるべくレベルの高い
いや今蛮力属は数に入れずジャックフロストをメインにする方が良いかも知れない。一応沖縄にも鬼に纏わる伝説『鬼餅*4』があるがあれは旧暦の十二月八日に行うものであり今はむしろ言い伝えに頼らない術式の方が良いかも知れない……あの鬼は荒くれの人喰い鬼な上に割と弱い*5だろうし
とりあえずは【銃火暴風怨嗟域】で拾ってきた石ころやスクラップでも触媒にして『地獄で罪人を呵責する鬼』辺りを狙って呼ぶか?とあーだこーだ話し合う六人だった
そして時計を見ればそろそろ午後十時半、聖者ニキと乃木坂春香をタルタロスに送る為比較的霊力に余裕のある琉球ニキが転移魔法で送って後は五人で深夜にしか出来ない塩漬け案件の解決に向かっていった
タルタロスからまたペルソナ系救援依頼にハシゴ中の聖者ニキ以外のメンバーは……多分、山梨第一支部の中でも2番目ぐらいに関わりの薄い場所に向かって歩いていた
『スケベ部・悪魔しょうかん』
その名の通り基本的に女悪魔や美少年悪魔とすけべぇする為の施設である。暫く前……彼らがガイア連合に所属する直前にとある事件……『シキガミの十戒』が誕生するきっかけとなった『シキガミ脳破壊暴走事件』というある意味凄まじく酷いガイア連合史に残る大惨事ともシキガミ虐待事件*6とも言える悲惨な事件の余波?いや爆心地となって爆散していたのだがつい最近復活した『全ての嫁、婿シキガミの忌み地』である
元に琉球ニキの嫁シキガミであるルカもこの場所に来るのは嫌……ではあるが、この施設にはもう一つ重要な機能と意味があるからその不快感なぞおくびにも出さず様々な意味で琉球ニキの護衛に専念している
その場所に対しての所感からか……今日は雲一つ無い快晴なのに空は曇天の様に晦く感じ、逆風に邪魔される様な感覚さえ抱いてしまう。其処は『通常の用途』ならば恋人持ちはそうそう足を踏み入れない場所だからそう感じるのだろう
「……あそこに行くの何か憂鬱だね」
「少し聖者が羨ましくなるぜ」
「おいおい、聖者は後日一人で行くんだぞ?俺たちの方がまだ五人で行けるだけマシだろ?」
「まるで前世の予防接種の気分だなこりゃ」
「俺自身で後日が大変なのはわかっているさ……だがそんな態度は今すぐ止めとけ。待っているあの人やスケベ部にマジで失礼だしな」
「……すまん、でもそもそもあそこは俺たちみたいな資格持ちにとっては重要な施設だけど何故娼館とセットなんだよ?」
「「「「「それな」」」」」
昨日男六人で交わしたそんな愚痴を僅かに思い出しながら寡黙に進む、琉球ニキのルカやガンスミスニキのシアみたいな女性人格持ちのシキガミ達も主でなければわからない範囲だが心なしか嫌そうな気配を漂わせている。それから山梨第一支部の奥まった場所に向かうこと暫し……
「あら?皆さん時間より早いお着きですね?」
その、目的地である桃色の瘴気が漂うイメージを持ってしまう謎の館の前に居た栗色の長く艶やかな髪、一見するとスレンダーだが出るべき処はしっかりメリハリの効いたプロポーション、その一見清楚に見えるが隠し様の無い、いや隠す気すらない淫蕩さを剥き出しにした正に聖娼か何かの様な印象の彼らより幾らか年上の、推定するならだいたい比翼連理夫妻に近い年代の美女は『ミナミィネキ』、このガイア連合がネットのオフ会だった頃からの最精鋭の一角にして大幹部の一人である
基本的にはただのスケベで綺麗なおねーさんという童貞の夢と欲望のハッピーセットみたいな人であるが、ことエロ関係ともう一つの技能でガイア連合に貢献する女傑である……支部長やその支部の幹部とはいえぺーぺーの新米幹部でしかない五人には本来雲上の存在ではあるが、今回はエロ関係ともう一つ以外の『非常に限られた資格保有者』以外には厳として門戸を開かぬあと一つの側面の為の面会である
ここは『悪魔しょうかん』……この『しょうかん』という言葉には勿論『娼館』という意味もあるが『召喚』という意味もまたある。此処は悪魔の娼館でもあり悪魔を召喚する悪魔召喚士としての施設でもあり、そして『邪教の館』とも呼ばれる施設でもある
ちなみに……シキガミの強化などもこの悪魔しょうかんが最大手*7であり、まぁそれ故にシキガミ達もこの場に関わる事が多くなるのが痛し痒しらしい
先ずはこの館の主であるミナミィネキに幾つかの封魔管……先に挙げた二体の捕獲した悪魔と、交渉で来てくれた沖縄固有の妖怪である『妖精キジムナー(デビルサマナー仕様)』、『聖獣シーサー(メガテン3仕様の通常個体)』、『鬼女乳の親』が数体、『魔獣カタキラウワ(ストレンジジャーニー仕様)』といった比較的大人しく弱い妖怪達のセットを渡しておく。乳の親以外は割と昆虫採集のノリで張り切って集めていたらしい
キジムナーは珍しい念動系魔法の使い手でありこの中では一番弱い悪魔である、シーサーは電撃も使える物理型で騎乗用にも使える、カタキラウワは説明不要の呪殺使い、乳の親達は戦力以前に勿論悪魔娼館用……特に人間の常識を学習していて尚且つ性にオープンな性格の個体を乳の親の長から紹介して貰い悪魔娼館に出稼ぎに来て貰った訳である。次の日から淫乱爆乳美女の新しい女悪魔達が入荷したとスケベ部スレがちょっとした祭りになったとかならなかったとか?
まぁ……彼女達にも事情があるから琉球ニキ達もこの取り引きに協力した。乳の親達は嘗ての戦争やメシアン畜生のやらかしでかなりその数を減らしてきている為になるべく強い力と精を持った男を求めていたのである
比較的人間に近く少なくとも人間の美的基準なら美しい妖怪なので人間との交わりもなくも無い妖怪故か……沖縄名家や野生の霊能者の家系図には偶に乳の親が混じっていたりする。琉球ニキの家系図にも実はあの戦争で命を落としてしまったが乳の親が居たりするぐらいである。沖縄名家はこれを利用して乳の親が子攫いの悪さをしない様に乳の親と交わり子を成して貰っていたりもする
乳の親の子は女なら乳の親に、男なら人間であるとされている。乳の親の元で育った男達は自立する頃には沖縄名家に婿入りしたり普通に人間として暮らしたりで沖縄の人々の中に溶け込んでゆく。丁度琉球ニキの家系の様に
しかしそれだと狭い島故に乳の親の血が濃くなり過ぎる為、なるべくなら新しい血を取り入れたいとガイア連合のスケベ部の協力を得る契約を立てて琉球ニキ達に協力して貰って悪魔娼館の従業員に雇用させて貰う事が出来たという訳だ……古来の日本の村における『旅人に女を宛てがいその血を取り入れて血が濃くなるのを防ぐ』という夜這いの派生みたいな隠習と様は同じ事である
……隔世で『御先祖様と兄弟になってしまった』みたいな沖縄名家固有の笑い話から、ごく稀に隔世遺伝で名家や一般家庭が乳の親を産んだり乳の親のデビルシフターが産まれたりもするという欧州の取り替え仔とでも言うべき『鶏卵問題』みたいな問題もあったりするがそれはまぁ単なる余談である
ちなみに、琉球ニキの母親である比嘉妙子女史は前にも挙げた様に『銀魂の志村妙に瓜二つ』である。故に……その絶壁手前レベルの胸の無さから『乳の親の血を一切引いてない珍しい強い霊能持ち』だと一部の血の濃さが深刻化していた沖縄名家から大人気だったらしい。流石にそれだけでなく気立てと性根の良さからも人気はあったらしいが
ミナミィネキが希望した悪魔達の持ち込みや、運営の口利きなどの力で今日は召喚施設を優待待遇で借りることが出来た。『ショタおじに準ずる実力のデビルサマナー』だと評価されるミナミィネキの監修の元彼らは悪魔召喚術を行使する
少なくとも彼らもショタおじの試験を越えられた逸材である。些細な補強ポイントを指摘する以外では問題もなく、召喚した悪魔との交渉も問題はなかった
召喚儀式だけでも非常に複雑で面倒くさい代物であり、今回召喚する程度の悪魔ならだいたいの時間で普通に儀式をやれば出来るがこれ以上の高位悪魔相手だと天候や場所、時間や空の天体の動きといった細かい指定ポイントが増え、更に供物も細かい指定が入るから更に大変になってくる
今のご時世なら生体マグネタイトの結晶や魔貨といった万能代替品が存在するが、それでも伝統的なその悪魔の嗜好品を供物にいれておくと喜ばれる事は変わりない
交渉でも……今回の悪魔はそこそこ高レベルではあるが基本的に弱い方の種族なので詐欺みたいな契約にはならずちゃんとした雇用契約で済んだ。やはり高位悪魔ともなると契約書に良からぬ仕込みを施したりと碌でもない事をやらかすので警戒が必須である
その辺りの悲惨な末路をそれこそ何度でも見せられるのが『ショタおじの悪魔召喚士資格試験』であり、それこそ自分自身だけでなく『大切な身内がその末路を辿るヴィジョンクエスト』を体験させられたりもする……それでも心折れずに徹底的に対策したり覚悟を極めた修羅のみが『ガイア連合の悪魔召喚士』を名乗れる訳である*8。あの試験を越える前に彼らが恋人達を抱いていた事でどうにか心が折れなかったと真面目に言う訳である。むしろ良く正気を保っていられたものだ
そしてその荒業や技能習得を時間短縮の為丸一日……体感数年?いや人生何回分かを濃縮に濃縮した。正直あれはもう二度と体験したくない、今だに思い出すだけで手が震える。視界がぐにゃぐにゃになって気持ち悪くなる、あれ?足元がぐらつくなぁ、俺は酒には強い筈だしそもそも今日は素面なんだが?
……っ!!?あの体験は少し思い出すだけで精神が崩壊しそうになる。息切れ眩暈不正脈等々様々なフラッシュバックが脳を灼き焦がす後遺症に偶に悩まされてしまう。思い出してしまうと今はなるべく酒、いやそんなものより恋人の躯に溺れたくなるがそれは後だ。少なくともこの場に居ない聖者ニキや恋人が遠方に出張中の執事ニキはそれが出来ないから皆で我慢?いや多分夜は我慢出来なくなって琉球ニキなり八男ニキなりにチャクラチップを提出してまで真夜中の逢瀬を愉しみたくなってしまう。巌戸台支部に滞在中の聖者ニキと乃木坂春香に間宮莉子と執事ニキを夜にお届けして朝帰りって日々になりそうではある
その後遺症を彼女との逢瀬というニンジン鼻先に吊るした馬になった気分になりながらその全てをポーカーフェイスで抑えつつそれぞれが必要な悪魔の召喚儀式を行使してゆく
かえんむこう つけたげる から きさいどおり の しもこぞう おいで
みず の おうまさん ともだち たくさんいる よいこ は ちから を かしに おいで
ばんりきの あくまさん ちからしごと とくいな よいこ は おいで
ちいさな ようせいさん いやし の ちから つかえるよいこ は おいで
おてつだい かじ と こうざん の おしごと とくいな よいこ な ようせいさん ちから かしに おいで
少なくとも普通の人間には発音不可能な神代言語*9で発音しながら儀式を行使する五人……今回は全員それぞれ五種類の悪魔を召喚することとなった
それぞれ召喚した悪魔は……
1:妖精ジャックフロスト(女神転生5仕様)に火炎無効と呪殺耐性を付けたバージョン
2:ギリシャ神話の海神ポセイドンの馬車を牽く海馬である魔獣ヒッポカンパス
3:葛葉ライドウ仕様の破壊神:チェルノボーグ(基本アバドン王仕様)火炎無効付与
4:妖精:ハイピクシー(ストレンジジャーニー仕様)呪殺無効付与
5:地霊:コボルト(割と銀剣ニキの登場作品寄り?)
こんな面子が出てきた
一応は前線でも通用する後衛役のジャックフロスト、スケベ部の厚意で頂いた触媒で召喚出来た、劣化した状態とはいえ曲がりなりにも高位悪魔であるチェルノボーグ、支援に最適なハイピクシーなどといった戦力補強や、海中戦を想定した手札であるヒッポカンパス、召喚コストが一番安く作業用の助手だけでなく地中に潜れるし闇視も効く上に方向感覚抜群という偵察や見張りにも向いたコボルト、だけど豆柴ニキと違って可愛さは欠片も無いけど……といった様々な使い道のある悪魔を召喚に成功した。ちなみに後日聖者ニキもスケベ部の先輩召喚士達が協力して同じ儀式で同一の仲魔を得たのはやはり余談だろう
ちなみに銀剣ニキのコボルトはその彼女である八神咲に懐いて後々そのコボルトの使役権を彼女に譲る事になるが……これも間違いなく『原作再現現象』だろう。まぁこれは比較的良い方向の原作再現ではあるが
管式召喚術は基本的に一体ずつしか召喚出来ない。一応極めれば二体同時召喚使役も出来るがほぼあの伝説の十四代目葛葉ライドウぐらいしか出来ない禁忌扱いの秘儀中の秘儀らしい……彼らも一応はショタおじ監修の元試してはみたがやはり駄目だった。一体ならば普通に使役出来るが二体、それも弱くて大人しい見習い悪魔召喚士御用達のピクシーとブラウニーですら制御がガクンと弱くなり激しい頭痛にみまわれた。これで戦闘をやるとかとてもではないが無理だ。全員一分そこらの維持だけで鼻血や血涙を流しながら吐瀉物を吐いてぶっ倒れたぐらいだし
だからこそ女神転生本来の世界ではCOMPが古式悪魔召喚術を殆ど駆逐した訳である。あれは作中次第だが基本的に力量さえあれば三体から四体同時召喚使役出来る。しかも契約を簡略化して双方に不条理な契約をハネられるから楽だとあの試験を越えた身として骨の髄から理解出来た
しかし、古式悪魔召喚術にもメリットはある。捜査術を中心とした調査能力、即座に出来る物質化のオンオフ、近距離なら召喚者の意思一つで出来る『召し寄せ』と呼ばれるテレポート、さらに召喚者と視界共有出来たりもする
こういう様々な特技を利用して戦闘以外の様々な局面に対応出来るのが古式悪魔召喚士の強みではあるのだが……悪魔との契約は基本的に非常に厳しいものである。よく御伽噺にある様な『狡賢い農民』になれる者はごく僅かであり、大概は悪魔との契約を甘く見て未来永劫の苦痛と破滅に終わるのが普通だ
その厳しさ故にあの過保護なショタおじは『悪魔召喚士になる為』ならあれだけ厳しい試練を俺たちに与える訳である……やはり悪魔召喚術は沖縄では黒札の独占技術として扱うべきか?その辺りは師匠である比翼連理夫妻と真面目に相談するべきだろう
だが、それでも彼らが最初に行った簡易悪魔召喚術ぐらいならスパルトイ関係で教えても良いだろう……あれならガイア連合が現地民用に調整した使役悪魔の運用にも役立つ。なるべくならヒッポカンパスみたいな海中戦用の悪魔も現地民に合わせた劣化召喚で扱わせたいとも思う。出来ればショタおじも立ち合いの元ミナミィネキと相談したいものだ
悪魔召喚を終えた五人が、そろそろ悪魔しょうかんからお暇しようとした時、ふとミナミィネキがこう言ってきた
「皆さんもそろそろ『房中術』を学んで見る気はありませんか?」
……ミナミィネキの言葉に固まる五人。ある意味五人、いや此処には居ない聖者ニキ含めて六人皆それは今はなるべく考えない用にはしていた内容だった
房中術、それはガイア連合の修羅にはある意味悪魔召喚術と同じぐらい更に必須項目だと言える技術である……性の合一による昇仙を目指す技法であるが、高位霊能者が低位の霊能者や未覚醒者を抱き殺したりしない為には必須の技能である
一応、そうならない様にちゃんと制御装置は貰っているがあの程度では所詮は単なる時間稼ぎにしかならないだろう……故になるべく早くこの技術を修得する必要がある
普通なら少なくともレベル50までにはある程度の房中術は納めておいた方が良いだろう。琉球ニキ以外の彼女達は高い素養を持った霊能者ではあるからゆっくり教本で学んでも問題はない筈だ
もしもこれが『名家の娘さんを迎える』とでもいうなら今すぐミナミィネキに実技指導*10して貰わなくてはならないだろう
まぁ、普通にそんな事ある訳無いだろ?とかんらからからと笑いながら彼らはスケベ部有志が共同執筆した基礎編を買ってから契約した悪魔達の具合を確かめる為に今日も塩漬け依頼に飛び込んでゆくのであった……出来れば『房中術のスキルカード』が欲しかったがそのカードは常に品切れ予約待ち年単位だから諦める事にした
琉球ニキの頭に何か変な旗が見える……ミナミィネキが何やら野獣の眼光を……