凡庸でありふれた転生者達の小話   作:血涙鬼・彼岸

44 / 62

今回は文字通り『悪魔召喚術』を本気で無法に使ってメシアン狩りですね……作中の言及通り正にメシアンどもへの因果応報です



第十八話 『悪魔召喚術』の使い方

 

A「メシア教の良いところを1つ挙げなさい」

B「知らない。ただ連中の経典は美麗字句ばかり書いてあるけど……いや、奴等は嘘をつく天才ってところがあったわ!」

 

(ガイア連合式メシアンジョーク集の一節より)

 

 

地中をまるで泳いで?いやむしろ飛ぶ様に進む狗頭の悪魔が五体……それは沖縄チームと意識を共有状態にある彼らの仲魔である『地霊:コボルト』達だ

 

 

『ナンガミヅガッダガ?』

『ジンコウブツダ、タブンコレダロ?』

『ヨジ、メジアンドモニバレナイヨウニキヲヅゲロ』

『ガイヂョヴドモノケハイハ?』

『ソレモナイ、ダガヨウチュウイダ』

 

それぞれのコボルト達が地中からメシアンの研究施設と思わしき人工物を調査して辺りを覗き見る……メシアンの中には結構覚醒済みが多いので警戒する必要はあるが、今のご時世に『古式悪魔召喚術』を達人の域まで磨いた猛者はそうそう存在しない。メシア教ですら殆ど天使を運び易く、その垂れ流しの莫大かつ無駄なMAGを節約する為の簡易管術ぐらいしか知らない者ばかりである*1

 

嘗てメシア教が世界各国殆ど全ての古式悪魔召喚術をGHQや米軍などと共に冤罪や暗殺、焚書など様々な外道行為の果てに殆ど滅ぼした……故に今現在で『デビルサマナー』と名乗る者は非常に重い対価などでどうにか主従のバランスをギリギリ維持しているだけの半端な悪魔召喚士ばかりだったりする。簡易管術が使えるなら気の利いた部類だと言えるだろうか?

 

しかし、その徹底的な弾圧が今メシア教の首を因果応報に締め上げる……古式悪魔召喚術を滅ぼしたという驕りから『真の悪魔召喚士なぞもう御伽噺の中ぐらいにしか存在しない』とタカを括り、硬直し、更に弛んだ思考で殆ど見張りもまともにやっているとは言えない

 

まぁ……これが異界の内部などなら悪魔などにも警戒するが、流石に異界でもない通常空間ならばこの状況では『警戒するだけ無駄』という認識に縛られてしまうのは仕方ないだろう

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

コボルト達の覗き見……潜望鏡で姿を見せない様に施設内部を偵察したりしながら彼らはそれぞれの調査した結果を紙に書いて地図を描く、彼らは鉱山妖精であるから闇の中でも視界は効くし地中の普請や地図の筆記など地中からの偵察行為はお手のものである。大概の召喚士達は彼らを巧く使いこなせなかったためあまり知られてはいない話ではあるが

 

 

『ヒドジジ、ミヅゲダ』

『オリニ、タクサン』

『ホカノ、ヒトジチ、マダ、サガセ』

『サツエイ、ジュンビ、イロイロ』

『シジル、オイテキタ』

 

 

幾つかの準備と共に被害者達の多数が存在するであろう監禁部屋の間取りや見える限りの監視カメラの配置、見張りの有無や被害者達の状態を細かく記入しておく。ちゃんと読めるが字を書くのに適した手ではないので仕方ない話ではあるが、まぁ結構下手な字で様々な内容が記されたノートにシャッター音のしない様に違法改造されたガイアフォンを纏めてコボルト達の一体……今回は八男ニキが契約している個体が地上の拠点に届けてまた直ぐに戻る。そもそも意思の疎通はMAGの繋がりで普通に出来ている

 

メシアンの汚偉いさんの私室と思わしき場所で繰り広げられる性犯罪沙汰、実験場でどう見ても手遅れな状態となった犠牲者……メシアンの施設では常に見られる光景だが、まぁ本当に胸糞過ぎてもう笑うしかない。非常にカラカラと乾いて張り付いた笑いしか出てこない

 

 

ふざけるのも大概にしとけよメシアンども

 

よくもまぁこんな所業やらかした身でベラベラ美麗字句を吐けるものだ

 

やはりメシアンは全て恥知らずで病気持ちのドブネズミだ

 

やはりアンドロマリウスとセエレに契約を結んだのは正解だった

 

なら……今から制裁の時間だ。皆は着いたか?

 

 

余りにも禍々しい、血赤の様なマグネタイトの流れ……いや、これは最早マグネタイトではなく高濃縮の負の感情から来る『禍ツ気(マガツヒ)』と呼ばれる瘴気化したマグネタイトの変種が五人から吹き出している。しかし直ぐに収まった

 

 

「いや失礼、メシアンどもの存在を感じると負の感情が強くなり過ぎてね……」

「師匠達も『早く直せ』とは言っているんだけどな」

「メシアン見てると負の感情が激しくなってしまってついね」

「聖者の奴は結構こういうの隠すの巧いんだよな……少なくとも俺たちの中では」

「前に来たテンプルナイト輿水って奴への殺意は一番抑えられてはいたよなあいつ」

 

 

全員顔は笑顔だが顳顬(こめかみ)辺りに太い血管が幾つも浮き出ている……激しい怒りを抑えているのだろう。一目で分かるが眼は一切笑っていない

 

そろそろ多数の旧日本陸軍装束に同一した集団と岡山支部の雑多な霊装で武装した増援達が様々な車やバス、転移魔法などでやって来た。彼らが一例に並びきちんと整列して上官(沖縄チーム)の号令を待つ……沖縄支部代表である琉球ニキが依頼主である岡山支部代表である樽ニキに問う

 

 

「樽ニキ、岡山支部の指揮権を一時的に預かりますが宜しいでしょうか?」

 

「構わん、沖縄支部の力を存分に振るってくれ。我々も全力であの畜生どもを叩き潰してやるから……始末は沖縄支部に任せた方が良いだろうがな?」

 

 

琉球ニキと樽ニキの会話後、沖縄チームが最近全員が習得出来た『収納魔法』や『霊符収納術』を駆使して持ち込んだ岡山支部分の『試作型穢教滅閃砲』やその弾丸……『エンジェル型穢教殲滅・ゴモラ怨嗟式』や『アークエンジェル型穢教滅閃・ソドム火焔式』を数発ずつセットで配布する

 

今の穢教滅閃砲ではプリンシバリティーまでの下位クラスまでしか砲身が安定出来ず、パワーなどの中位クラスを素体にした弾丸を使うと暴発の恐れがある。また量産を前提とした試作機故に耐久性に難があり一発撃つごとに最低限一分は冷却期間をおく必要がある。無理矢理連射も出来るが暴発率が上がるのでオススメは出来ない*2

 

一応、良質な魔鋼……沖縄の今の異界廃鋼リサイクルで出来る怨嗟鋼などではなくガイア連合製の非常に良質な素材を使えば連射も効くし、ダウンサイジングも簡単に出来る。ガンスミスニキの提唱した技法を山梨第一支部なら更にブラッシュアップしてより良いものが作れるかも知れない

 

しかし以外と天使部が存在する製造部では決してこの装備は作れない。だから天使嫌いばかりが集まる沖縄支部がこの穢教滅閃砲を、沖縄の素材を活用しながら完成させる必要があるのだ

 

既に全員に試作型穢教滅閃砲が支給されて、ある程度の試射も*3済ませて岡山支部の者達に簡単な使い方を教えている

 

使い方とは言っても『弾丸の見分け方』、『中折れ式機構の操作法』や『通常と穢教殺という摘みの意味』を教えるだけでありそれを再確認すれば後は殆ど突入準備は完了だ

 

 

『ダンナ、タダイマカエリヤシタ』

 

 

沖縄チームのコボルト達が帰還して来た。彼らが普請した地図を確認してこの襲撃参加者全員にその情報をガイアフォンにて共有する、その情報を元に制圧に向かう面子をざっと編成する

 

コボルトだけであっさりと丸裸にされたメシアンどもの秘密研究施設……しかし、このコボルト達がやった事は決して『それだけ』ではない。幾つかえげつない悪戯と『大功績の布石』を準備してくれている

 

……さて、その準備の為には先ずコボルト達を管に還して新しい仲魔を召喚する必要がある。そしてそれは実行された

 


 

その一般メシアンは今日も上機嫌だった……良くある話だが嘗て仕えていた名家を裏切りメシア教に尻尾を降ってドブネズミ(天使)人間に落ちぶれて(成って)から日々は好調子故に

 

『天使様のお相伴』という名目によりメシア教の威光で日々やりたい放題、気に入らない奴はメシア教の権力で楽に潰せるし、権力が通用しないなら沢山のミュータント(天使人間)としての暴力でやりたい放題。気に入った女は『マリア候補』だと嘯けば拉致して犯して好き放題、飽きれば人体実験の材料にするなり脳缶にするなりで簡単に処分出来る

 

……特権意識に穢れ果てた宗教というものはこうまで無様で悍ましい代物に堕ちぶれるものらしい。何処かで行っていた『免罪符を容認した一神教が辿る末路』もこういう為体だろうか?この世界に於ける『一般的な、まさに一般的な増長したメシアン』のありふれた姿だった

 

しかし……この世の中には『因果応報』という言葉が存在する。善き行いに善き因果が、悪しき行いに悪しき因果が何時かは知らぬが必ず廻るものだという

 

時に、貴方はこういう話を聞いたことは無いだろうか?

 

 

悪因とは、当人にとって最悪のタイミングにこそ帰って来るものである

 

 

少なくとも今回の一般メシアンにもその因果は成立する。この施設に存在する全てのメシアンや穢教鳥(天使)にも勿論完全に成立する……そろそろだ

 

 

ぷすっ

 

 

最初は、その一般メシアンも『それ』が何だか気付いてはいなかった。それこそ『虫刺され』か何かだと思っていたが……身体が全く動かなくなってゆく、声も出せない、この地点で既に手遅れも手遅れだが彼は『敵襲』という言葉を漸く思い出せた

 

選民意識の塊である一般メシアンどもにとってこの日本で『敵襲』なぞ先ず有り得ない御伽噺未満の与太話でしか無かった。嘗ての大粛正で日本の霊能は殆どズタズタに破壊されてメシア教に刃向かう力なぞ何処にも無い状態である

 

それこそこのメシアンも『見張り何ぞ今から空が墜ちてくるのを恐れて見張る』ぐらい無意味かつ愚かなことだと思っていた……いたが

 

 

ざっ!ざっ!ざっ!

 

 

硬い靴音がメシア教秘密研究施設にて規則的に響く。それはメシアンという畜生未満に落ちぶれた男からしても異様な集団であった。様々な体躯の……だが全員旧日本軍の軍服をしっかり着込み、『殺』『穢』と描かれたおどろおどろしい覆面を被っている

 

 

「……えっ?。あう?」

 

 

最早呂律の回らぬ舌でそう意味の無い言葉を搾り出すのが精一杯で、このメシアンには『逃げようとする』という判断さえ撃ち込まれた毒で出来ない有り様だ

 

軍服姿達の中でも特に豪華……だと思う存在の肩に纏わりつく蛇がシューシューと舌を出している。その蛇がメシアンの眼を覗き込んでいる。頭がくらくらする、まるでしこたま酒を飲んだ時みたいだ……昔天使様と合体した時みたいな気分になる。ふわふわくらくらする

 

しかし、このメシアンの酩酊は直ぐに終わる

 

 

汝、罪有りき

 

 

そんな声が頭の中に激しく響く、まるで酷い二日酔いの様に……いや何だこの脳味噌を無理矢理掻き回されたかの様な気持ち悪さは!?頭を無理矢理覗き込まれて滅茶苦茶に捻じ曲げられているのか!!?

 

最期の最期でこのメシアンの考えは当たっていた。これはアンドロマリウスの『洗脳』であり、これから彼は直ぐに意識を喪い……何故か傍に置いてあるテープレコーダーにこれまでのメシアンとしての悪事を全て記録してからこの軍服集団に遭遇した事を全て忘れ、そして全財産を処分してから即座にこの場所に財産と共に戻ってくる。そして運び屋(セエレ)の手で生きたまま魔界送りとなって未来永劫悪魔達の玩具として弄ばれる事となる

 

ちなみにその全財産は先に挙げたこのメシアンの被害者達に様々かつ執拗なマネーロンダリングの果てに賠償として引き渡される……決してその程度で晴らせる様な被害ではないが沖縄支部自身に出来る支援はその程度でしかない。一応は財界&政界俺たちに被害者のリストを渡してちょっとした手助けを依頼する程度はやったがそっちの手助けは被害者達の日頃の行い次第で可変するからこういう意味でも『因果応報』というものはあるかも知れない

 

感情的にはギタギタに痛め付けてから即座に悪魔の競り市にかけたいが……その前に被害者救済と『メシアンの悪事の証拠』を出来るだけ集めて後世に残したい。未来永劫メシアンの悪事を晒してメシア教を『人類史上最低最悪の淫祠邪教』として全世界に完全に認識される様に証拠を集めておきたいのであるそれが沖縄支部に於ける黒の章メシアン編計画である*4

 

あるチームは資料室を制圧して様々な裏帳簿や悪行の証拠を抑える

あるチームはこの研究施設の資産や資材を掠奪して今回の費用補填や被害者救済に充てる算盤を弾く

あるチームは武器庫から武装や消耗品を奪ってやはり様々な費用補填や友好名家の戦力補強に回す

あるチームは捕獲した幹部に拷問を行いながら様々な情報や隠し財産を暴いたり他の外道メシアンの情報を吸い出す

 

聡い部類のメシアンどもが襲撃に気付いて人質になり得る犠牲者達の檻に走る……が、既に全ての檻や陵辱されていた被害者も全て消えている。これもまたコボルトが仕組んだ『仕込み』の結果である。前に調査中のコボルトがこんな台詞を吐いていなかっただろうか?

 

 

()()()()()()()()()()()

 

 

この台詞の中にある『シジル』というものは主に西洋魔術で使われる図形、記号、紋章、線形であり今回のものは『ソロモン第七十の悪霊:セエレを示した印章』という意味になる。人質の居た牢獄の片隅に放り込まれた『木星印を削ってセエレの印章を刻んだ代用品たる魔貨』を基点にセエレが転移して被害者達を救助したという訳である。本来ならセエレの印章は錫で作る必要があるがまぁ魔貨の魔力なら代用にはなる

 

この沖縄支部流シジル魔術流用式人質救助メゾットは更なる応用編もあり、この印章を仲間に持たせてピンチの時はセエレにその仲間を送還してもらうという使い方もある……琉球ニキ達みたいに『権能特化』で召喚契約したから出来る秘儀である。通常召喚出来るセエレではここまで器用な芸当は不可能だろう*5

 

また、セエレの権能の一つに『盗まれたもの、隠された宝物を見つける』というものがあり、それを拡大解釈して『他の被害者の身柄探索』なども調査出来る。後は『もう終わらせてあげるべき犠牲者達』だけが残っているだけだと分かるまで探索して、最後に犠牲者の魂を救う手順を果たす為にメシアン研究施設を襲撃している訳だ

 

その工程の中で『洗脳』を使って穢教鳥と契約しているメシアンからその契約を強奪して……手足や羽根を雑に落として『穢教鳥達磨』を作っては血樽管に無理矢理押し込める工程を流れ作業みたいに繰り返す。やはり怨嗟刀はこういう作業に適した工具である

 

積み重なる『加工前血樽管』はやはりまたセエレに頼んで初音郷の工場や山梨の工房に運び込んで新しい穢教滅閃の材料になる……やはり穢教鳥は嫌いなのだろう、凄くいい感じの笑顔で血樽管の山を目的地に運び込むセエレの姿があった

 

時々、臨戦態勢を取れた聡いタイプや真正の狂信者などが「神」だの「冒頭」だのとギャンギャン盛り狂った駄犬、いや狂犬の様に喚き散らしながら来るが大概召喚した穢教鳥共々穢教滅閃砲一発で撃沈しておしまいだ*6

 

最後の制圧ポイントである実験場……穢教鳥が現世で存在を維持する為に必要な生体マグネタイトを搾り出す為の『脳缶』という仕掛け、要は水槽に犠牲者を脳だけにしてホルマリンだか何だかわからない謎の培養液と麻薬のちゃんぽん溶液に浸けて生体マグネタイトを搾り出す機構である。メシア教は何時脳味噌をミ=ゴ*7に置き換えたのか?とはガイア連合内部の全く笑えないジョークとして悪名高い

 

琉球ニキ達沖縄支部的には『メシア教に某N*8がミ=ゴの技術を悪意的に流入させたから』だと予想しているが、基本的にこの話はアンドロバリウスやセエレを紹介してくれた脳缶ニキ……有名なメシア教被害者かつメシアンキラー同盟の同胞である彼の話を最初に聞いた日にクトゥルフ神話に一番詳しいガンスミスニキが提唱した話ではあるが、即座にショタおじから『その話は出来れば二度とやらない事』と言われてそれ以降酒の席ですら二度と出てこない、出してはならない話題となった

 

その脳缶からエネルギーバックアップを受けた多数のパワーや首領格のヴァーチャー……どうやらこの施設はメシアンどもにとっても結構重要な施設らしい

 

やはり馬鹿の一つ覚えの様に「天使様」だの「聖務」だのとぐだぐだぐちぐち喚き散らす阿呆どもの戯言を無視して琉球ニキ達沖縄チームと破魔ネキの計六人が穢教滅閃砲のカスタムバリエーションを出す

 

穢教滅閃砲は言うなればマスケット銃や信号銃みたいな単発銃の一種である。先にも挙げた冷却期間などの制約もあり先込め式とも呼ばれるマスケット銃並みに再装填は兎も角再発射には時間が掛かる

 

ガンスミスニキは……その問題を不良品の血樽管で解決する策を考えた。彼の知る珍銃の一種たる『家鴨(アヒル)の足』と揶揄される『ボレーガン』という多数のマスケットを一緒くたに括り付けた銃とボウガンをモチーフに考案したバリエーションだ

 

その不良品穢教滅閃弾を複数家鴨の足やボウガンみたいにくくり付けて、撃てば横一列に連なる銃身を破棄して新しい銃身を取り付けて連射する……ついでに複数同時発射も出来るというガンスミスニキが煮詰まった頭で考えた代物である

 

これを見た破魔ネキからは「これはピーコックスマッシャー*9とでも名付けたいですね」と言われなかったら単に『アヒル銃』とでも仮名のままそれが制式採用されていただろう

 

ついでにこの方法なら霊質的に穢教滅閃が使えない聖者ニキやエリーゼ、春香といった一神教系列に適性が高過ぎる霊能者にも擬似的でも穢教滅閃が行使出来るか?という実験検証機という側面もある。一応後で今回急遽不参加となった聖者ニキ含めた三人に実験検証して貰う予定だ

 

六人一斉に『アークエンジェル型穢教滅閃・ソドム火焔式』に同一したピーコックスマッシャーを『穢教殺モード』でドカドカ撃ち貫きぶちのめしてゆく……破魔ネキもこの撃ち心地に撃つ度に放たれる穢教鳥どもの苦痛や怨嗟、そして悲鳴と絶望を愉しめているらしい

 

五人の場合はニ、三発の試射から今度は自分達の生身で行い『本当の穢教滅閃』に切り替えて穢教鳥狩りを敢行する……更に激しい穢教鳥の悲鳴で大概の沖縄支部若手メンバー達の鼓膜には厳しいが幹部衆に土着メンバーと破魔ネキはその騒音を愉しんでさえいる

 

やがて辺りには瀕死のメシアン畜生どもだけが残され、沖縄支部が連中の手足の関節を粉砕したり、顎を砕いて猿轡を噛ませたり、全裸になるまで身包みを剥いだりと様々な処置を取る。最低限意識が戻る程度には回復させてから連中の穢教鳥の契約含めた全てを掠奪しておく……勿論最期は全員悪魔に売却であるが

 

メシアンどもの中には海外の銀行や利権持ちも一定数存在し、そいつらの財産を差押えるのには多少苦労はしたがそれらも根こそぎ奪って被害者補償にも多少は使えた……まぁその莫大かつ広範囲極まりない被害の補填には『屁のつっぱりにもならない』程度でしか無いが

 

兎に角、沖縄支部と岡山支部による今回のメシアン畜生と穢教鳥どもへの仕置きはこれにて成された……メシアンどもは魔界で競りにかけられて落札した悪魔次第ではあるだろうがまぁ未来永劫喰われたり犯されたりサンドバッグにされる末路を迎える、買った悪魔がそのメシアンに飽きたなら魂を破壊して二度と輪廻の輪に戻れない様にしてくれる筈だ*10

 

そして……最後にやるべきことがあと一つ。脳缶や人体実験の果てに壊された被害者達の魂を救済する大事な仕事が未だ残っている

 

沖縄の地ならば琉球ニキの勾玉の力と導きでニライ=カナイの身許に送る術式で手早く被害者達の魂を救う儀式が出来るが此処は本土である為それは出来ない……だから日本でも『成仏』という言葉に縁深く、沖縄支部も日本の地では初仕事の時からちょくちょく頼りにしている神仏の加護を借り請ける

 

そう、地蔵菩薩である

 

 

「「「「「「Oṃ ha ha ha vismaye svāhā(オン・カカカ・ビサンマエイ・ソワカ)」」」」」」

 

 

沖縄支部の五人と破魔ネキがこの場で護摩壇を焚いてこの理不尽な苦しみに喘ぐ魂達の救いを地蔵菩薩に求め訴える……流石に初仕事の時みたいに沢山の黒札達が長時間一心不乱の大祈祷祭沙汰にはならなかった*11

 

 

タスケテクレテアリガトウ

モウ、イタクナイヨ

アノヒカリニムカエバヨイノネ

オニイチャンタチ、アリガトウ

 

 

辺りに現れた輝き……恐らくは地蔵菩薩の済度だろうに導かれたメシア教の犠牲者達の魂が天に昇って逝く。その中でも比較的自我の残った魂達が琉球ニキ達を中心に御礼の言葉を言って昇る

 

 

「……やったな」

「……あぁ、そうだな」

「彼女達の魂だけとはいえ……救えたな」

「俺たちの手はそんなに大きくはないけどさ……」

「ショタおじだって無理だこんな拡がり切った惨状とか、兎に角今は彼女達の冥福を祈るだけさ」

「……やはりメシア教は決して赦してはならない邪教ですね」

『それな』*12

 

 

 

最早、この忌まわしき建造物の主人どもは皆未来永劫の地獄に堕ち、その特に悲惨な犠牲者達は魂だけではあれど救済された。麻薬と汚液の中に浮かぶ脳髄はたちどころに朽ち果て、悍ましい実験の犠牲者達に安らかな眠りを、そしてこの施設の奴隷としてこき使われていた『穢教鳥の羽根』を脳に埋め込まれた被害者や拉致されて色々酷いことをされた被害者達も『救助してくれた旧日本軍の亡霊達』の事を忘れてどうにか社会に復帰出来た

 

そして最後に一つ……ほぼ全ての家探しで箪笥の中身も裏も価値あるものやメシアンの悪事の証拠も隠し部屋やら含み資産やら全てを根こそぎ奪い尽くした後の殆ど伽藍堂と化したメシアン秘密研究施設を処分する必要がある

 

皆様にも一度『コボルト達に仕掛けて貰った悪戯』が有るとは言った筈だが……さて、その悪戯とは?それは既に地上に出て岡山支部の転移ポイントに転移準備中である琉球ニキの手にある謎のスイッチが押されて五分後にだいたい分かるだろう

 

 

その五分後に深度ニから三ぐらいの地震が発生し、嘗ての洞窟も防空壕跡地だったメシアン秘密研究施設は完全に崩壊してあそこに邪悪な淫祠邪教の秘密施設があったとは真っ当な人々は誰も知る事は無いだろう

 

唯……後日『メシア教穏健派リーダー』だと嘯く女*13の寝室に、その女が目を覚ました時、室内の何処かにナイフが突き立ったドブネズミの腐乱死体と一緒に『メシア教が岡山市付近でやらかした悪事の概要とその代表的な悪事の証拠資料』が放り込まれていたから一応穏健派には情報が伝わってはいるのだろう*14

 

メシア教穏健派の胃に多大なダメージを与えて苦しむ姿を愉しみながら……だが、これからその事件についての盛大な報告資料の作成と報告が明日の朝一番迄にある。今回は秘書スキルを持った聖者ニキのシキガミは居ない、故に何時もより更にハードな書類仕事をこなしながら彼らは今日もヒイヒイ言いながら岡山支部の会議室であーだこーだと書類と取っ組み合いである*15

 

聖者ニキは聖者ニキで……事情を知る恋人である間宮莉子と自身や莉子の両親、勿論麻宮家の保護者や時雨自身との三家族会議で色々あったらしい。まぁ聖者ニキは何も悪いことはしていないし、むしろ前世の善行かつ死因に纏わることなのである種の誉め殺しに遭っていたという話だ

 

その結果何がどう反応したか……莉子と時雨が奇妙な共鳴反応を見せて二人とも聖者ニキと同じペルソナ使いに覚醒したらしい。当分は聖者ニキが二人にペルソナ使いとしての教導をしながら一応見習いクラスとはいえ事務員資格もある時雨が沖縄支部に新規事務員兼戦闘員として転任が決まった

 

沖縄支部には何時もの六人に現在名無しの事務員黒札二名(共にレベル一桁覚醒者)、近いうちに来る予定のペスト医師ニキで予定含めて計九名の黒札が存在する。其処に時雨の加入で沖縄支部には現在十名の黒札が存在することとなる

 

それと……あと数ヶ月で技術部に帰る予定だがブランカニキも居る。一応実は沖縄出身でそう遠くない頃合いに同じ技術部所属で沖縄北部の大宜味村に帰郷する予定の親子黒札も居るという話だがそれが何時になるかはさっぱりわからない話である*16

 

そして琉球ニキにはもう既に明日には『お見合い』という既に昨日より更に(畑違いという意味で)厄介な話が来ている。さてどうしよう?と懊悩する前世純童貞で今生は人間童貞な琉球ニキであった

 

*1
連中の言葉で『契約者』だったか?

*2
実験の結果、連射すれば悪くて三発、良くて五発ぐらいで暴発する

*3
訓練用ホーリーゴースト弾という弱い呪殺属性の模擬弾使用による、穢教滅閃工房の新人はこのホーリーゴーストで訓練を積みエンジェルを使った正式雇用試験で一人前の職人になる、ちなみに沖縄チームは最初からエンジェル素体弾頭で訓練していた

*4
幽☆遊☆白書に存在する『人類の歴史において最も悍ましい悪事』を記録したビデオテープの事。これをメシアンや穢教鳥の悪事に特化してこの世界が終わるまで、いやこの世界が終わってすら未来永劫その悪事を晒し続ける意図を込めた沖縄支部からのメシアン、穢教鳥、そして四文字への嫌がらせ計画

*5
この方法でセエレを召喚出来るのは余程セエレに気に入られるか、余程重い対価を支払うか、さもなくば魔界でも非常に偉い存在の介入があったかというレベルである

*6
勿論、直ぐに蘇生させて『アンドロマリウスの洗脳コース』行きだ

*7
ユゴス、若しくは冥王星より来たりし甲殻生物みたいな神話生物

*8
名前を呼んではいけない這い寄るあん畜生

*9
クロスボーンガンダムに出る急造兵器、廃棄予定のジャンク品から急造したという点も同じ。展開状態がピーコック(孔雀)が尾羽を広げたような形をとることから命名された

*10
これは穢教滅閃の素材になった穢教鳥にも言える事だが、そのバラバラに砕かれた魂には決して救いは無く、世界が終わっても全てが砕け散る激痛に苛まれながら闇の底をのたうち回る末路を迎える事となる、穢教滅閃の製作者はわざと穢教鳥がこう苦しむ様に術式を構築している、悪魔にも『メシアン限定』という制約で悪魔にその砕き方を教えていたりもする……それこそ救いの手は冥府を司る神か四文字辺りが気まぐれに伸ばさない限りまぁ無いだろうし仮に救ったとしてもその魂のままでは再起不能な事は変わらない

*11
それでも被害者数が百人近く存在するので三十分くらいの長丁場にはなったが

*12
その場に居た沖縄・岡山支部全員の唱和

*13
テンプルナイト輿水

*14
勿論、沖縄支部がセエレの権能で伝えた情報である……セエレからの堕天使基準なら可愛い範囲の嫌がらせ込みで

*15
勿論、今回は聖者ニキに代わって破魔ネキが参加する……後々にこの書類地獄体験が以外と姫路支部再建の役に立ったらしい

*16
頓西南北様、ファッション無惨様のごちゃサマライフより





破魔「土方ニキ、連中を『貴方の原作』らしく玩具にしたくは無いんですか?無責任にヤリ捨てして良いケツばかりですけど?むしろそのケツ裂いて欲しいんですが」
土方「馬鹿言え破魔ネキ、あんたはヘキにも合わない、いやそれ以前の問題であんな穢らわしいケダモノ未満とサカれるんか?糞遊びは同好の士以外の前で話題にすることさえNGやで」
破魔「なるほど……確かにそうですねすみません、なら(捕虜メシアンのケツを焼いた怨嗟鋼杭で掘る音)」
琉球「おいおい破魔ネキ、そいつらは魔界の競り市に出して売り飛ばす『商品』だから達磨にする以外で商品を傷付けるのはやめておくれよ……やるなら歯を全部麻酔無しで抜く程度にしてね?それなら競り単価ちょっと上がるし」
土方「……今時のアンチメシアンって凄いねぇ、そこまで殺る?」
琉球「やだなぁ土方ニキ、単に殺したって『だけ』ならまた連中はゴキブリやドブネズミの様に甦る恐れだってあるし……こいつら取り逃がして『アマノサクガミイベント』とか真っ平御免だよ。だからちゃんと魂ごと破滅させないとね?」


『土方ニキ』

齢だいたい五十代半ばの小柄で堅太りな脂ぎった中年男、岡山支部で一番レベルが高い高位の魔術師型霊能者。初期登場時のレベルは40ぐらいある

地変系、念動系魔術を駆使した土木建築の達人かつ、転移魔法を使いこなす便利屋枠。転移魔法を応用して建築物を日本列島内なら何処にでも転移出来るショタおじもびっくりさせた権能クラスの異能持ち……恐らくは『山などを移動する逸話を持った神格の転生体』か何かだったと思われる

同じ魔法土方である八男ニキとは割と縁が深い……八男の原作世界にも土方ニキみたいな特技持ちが居るし

『日本で一番有名なインターネットミームの一種』と『とある検査してはいけない言葉』が元ネタであり、その彼が出る話の内容そのまんまな非常に独特かつ強烈な性癖持ち……だが、その界隈では『単なるガチな人』扱いらしいが

先の破魔ネキみたいに『その性癖を拷問に使って』と言われるのは(ホモが一般人から向けられる誤解やレッテルのせいで)大嫌いで、その性癖は同好の士同士で楽しく遊ぶこと以外では行わないし見世物扱いも嫌い。ついでに最低でも三十代以上のおっさん以外は射程外の老け専主義者

ノンケに無理矢理手を出したり染めたりする事を激しく忌み嫌う性質故に某QBニキの結嵌学園には苦い顔をしているが、一応その必要性や当人達の必死さは理解しているから完全に不干渉を貫く方針

琉球ニキ達みたいに『自分の元ネタを全く知らないし興味無い人』、『知っても真っ当に接してくれる人』は大好きで沖縄チームとは『飲兵衛の会』を通じて生涯の飲み友となる

基本的にその濃い性癖のせいであまり他者との付き合いは少ないが、真っ当な友人関係を築けるなら非常に良い友人になる逸材。間違いなく性癖以外なら優等生黒札の一員

同じ岡山支部の友人にして上司の樽ニキは『ちゃんと結婚とかして欲しい』とは思っているらしいが……彼のシキガミである『汚れ好きな土方の兄ちゃん(四十代)』と『ホームレスのおっさん(七十代)』と何人かの『同好の士』達で終末後に一応子供は作った。樽ニキは宇宙猫状態から頭を抱えたらしい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。