今回の話は今聖者ニキがモーセに目醒めた日の昼頃のお話です……要は沖縄支部の日常的な風景ですな(黒札抜きの)
ガイア連合沖縄支部……嘗ては日本に存在する存在を知られている大規模異界の中でも特に最低最悪のクソ異界と世界規模で悪名高い【銃火暴風怨嗟域】を擁し、更には
この地で嘗て起きた戦禍の爪痕やメシア教のやらかし等々数多くの悲惨な事件や厄介事をどうにか解決し続け、戦士として再起不能になろうとも命が未だ在るならば銃後から未だ闘える身体の
『比嘉 翔太』
『琉球ニキ』のコテハン*2を冠するガイア連合沖縄支部の支部長にして電撃魔法のエキスパートかつガイア連合でも稀少な正統派悪魔召喚士、そしてガイア連合有数のデビルサナマー兼メシアンスレイヤー集団『沖縄チーム』のリーダーである沖縄の希望である
今回はそんな彼と『沖縄チーム』……ではなくその友人兼部下達や土着名家達、所謂『殆ど名も無いモブ達』よる割と日常的な沖縄での業務について語りたい
沖縄支部はその性質上基本的に激戦区であり、常にこの支部メンバー達は修練や精進を求められる環境に在る……故に常に異界にて悪魔を狩り悪魔の持つエネルギーこと『生体マグネタイト』と呼ばれるものを奪い強くなることが日常となる
だが異界というものに巣食う悪魔と呼ばれる怪物は最低ランクの代物でも『只人の眼には見えぬ熊の如き力と蜚蠊にも似た素早さとしぶとさを備えた怪物』であり、常人や覚醒したばかりの者では容易く縊り殺されて餌食にされるのがオチだろう
沖縄にも【銃火暴風怨嗟域】以外の危険……だがそれよりは遥かにマシな異界は結構な数が存在する。半世紀ほど前のあの戦争の余波やその最中に起きた人間関係や不況の余波、沖縄に巣食う『日米安保』に護られそれを悪用する
その危険な異界を大概は平定撃破し、時には『訓練に使えそうな異界』を管理するのもガイア連合沖縄支部の職務の一環である
今回は沖縄で最も有名な廃墟である【中城高原ホテル】に発生した異界……これはその建築様式やコンセプトから『チャイナタウン』とも俗称される沖縄県中頭郡中城村の中城城跡公園内にあったホテル跡地であり、様々な曰くや噂話が型を得て異界と化した沖縄の異界としては易しい部類の代物である……【銃火暴風怨嗟域】の悪影響で悪霊やスライムが常にわんさか沸く事さえ除けば、だが
また、沖縄の異界は【銃火暴風怨嗟域】の性質*3を結構引き継ぐものらしく大概の結界などで保護されている『沖縄妖怪達の住処』以外の異界は必ず幾許かの件の異界の厄介なギミックが追加されているものだ
今回の【中城高原ホテル異界】に付与されたギミックは『貧困*4』『瘴気の霧*5』『火炎耐性付与*6』の三つだ……火炎耐性付与はまだしも後の二つはどれか一つでも非常に厄介な特性だとガイア連合の黒札達からも嫌われている
そんな糞ギミックが搭載された非常に悪質な異界だが……沖縄の異界としては比較的弱い悪魔ばかりが出る場所なので沖縄名家にとっては比較的マシな鍛錬場として数十年前のこのホテルが完成前に諸般の事情*7で放置された結果異界化して今に至る訳である
しかし……今は『貧困』のギミックはガイア連合沖縄支部の活躍で崩壊しているので財務的には上向きにはなっている事から近年のこの異界には攻略のし甲斐はあるだろう
今から数年前にとある有名女性歌手のプロモーションビデオのロケ地に使われて真っ当な当時の沖縄名家達が死ぬほど苦労して彼女やスタッフを護り通した事は日本のオカルト業界では今なお語り草になる偉業だと謂れていたりする*8
今日はそんな異界の沸き潰し……放置すれば溢れ出す低級悪魔達の一斉駆除が行われる日だ。そして今回は実験的に支部長や幹部達沖縄支部の六大特筆戦力やその実力に追従出来る彼女達抜き*9という比較的一般戦力*10達だけで回してみることとなった
勿論、沖縄名家枠の戦士達……嘗て再起不能になったがガイア連合の協力に拠りて戦線復帰出来た歴戦の猛者達と共に行うので問題はない。そもそも沖縄名家には今まで今より遥かに悪い条件下でこの悲惨極まりない環境をちゃんと人が住める程度に維持出来ていた実績がある*11
「おーい、三八式は準備出来たか?」
「弾帯とか数や仕様は合っているな?間違えて怨嗟弾使ったり現世に薬莢残したりしたら大問題だから慎重に管理しとけよ?」
「拠点に今日の支給品があるから皆並んで受け取ってくれ。残っても自主練か何かに使って良いからな?」
「天幕設営よし、給水サーバと医療班の準備よし、霊力補充用式神配置よし」
「霊柩車キャリアー*12三機オールスタンバイ、搭載アガシオン・スパルトイ初号から玖号までオールグリーン。今回のバディ担当は直ちに指定されたスパルトイの元に向かって下さい*13」
「すみません、今回七号機担当の緑葉は山梨支部に緊急招集を受けてます、代役はローデリヒさんにお願いします」
「なら七号機は槍に装備変更、私は大車輪で突っ込みますので!」
「俺もローン組んで通常品質だけどアガシオン買えたんだ!魔法援護やアイテム習熟でマジ助かってるんだ!……魔力回復やアイテム購入は結構大変だけど」
「俺もローンで支給より良いガイア連合製武装を整えたんだよ、もうあの
「やはり亡者退治にはうちの呵責鋼造りの武具だよな。あれなら沖縄支部なら直ぐに再支給してくれるしな……規制デザインの軍刀、牛蒡剣とか普通の武器だけだけど」
「山梨支部製のハイエンド品も最高だぞ?呵責鋼仕立ては工業刀だから基本的な切れ味や耐久性は……だけど山梨支部製は代々継承出来る銘品だから一振りは持っておきたいものだよ」
「新装備は大いに結構だが、揃いのドルフィンヘルム*14は着用しろよ?デビルシフターや乳の親部隊以外は支部長様達だってちゃんと着用義務果たしているんだからな?」
沖縄土着名家と六人の幹部衆の合流出来た身内達がわちゃわちゃ今回の掃討作戦の準備や打ち合わせに精を出している。沖縄支部のメイン兵装の一つである『三八式歩兵銃』を弾倉と一緒に拝領したり、共用アガシオンやスパルトイを拝領したり、ガイア連合から送られてきた密かに沖縄支部の重要な生命線である『霊力回復用シキガミ*15』を設置する医師や治癒魔法適性持ちやガイアカレーをルウから作って設置したりするおばちゃんメンバーやら弾盒やら歩兵銃、支給品の傷薬や治療薬、煙幕などを戦士達に手渡す老人など様々なバックアップスタッフ達が忙しなく働いている
その支給品配布場にちゃんと列を作って並びながら支給品を受け取る支部員達。受け取った支部員達はそれぞれ予め指定されていたチームに分かれて合流して指定の位置に付く
沖縄の地を昔から護ってきた土着名家達は前線に立ち、術者や未だ未熟な者達……大概の合流組などは土嚢を積んで陣地を構築しながら歩兵銃に弾丸を込めながら準備を急ぐ
……この日本の現状、
その日、普段は静かな廃墟……いや異界としてなら亡者や中華系統の悪魔が大量に発生する騒がしい異界に老若男女問わぬ様々な怒号と銃声の金切り音、そして悪魔の断末魔が盛大に響いていた
【銃火暴風怨嗟域】から出る無数の廃鉄や鉛、薬莢など様々なジャンクとガイア連合実銃愛好部の秘宝である『火栗の木*16』を用いた火薬で作成された『対亡者用弾丸:呵責弾*17』を数の暴力でばら撒いてゆく……塹壕にて伏せながらボルトをガシャガシャ操作する必要のある小銃を構えて撃ち、そしてクリップから弾薬を供給してまた撃つ。比較的銃器を使うことに長けた親子二代の森林管理官という経歴を持っている『アルトゥル=バウマイスター』氏とその息子である『エーリッヒ=バウマイスター』氏が本来なら素人も素人である合流組の銃器支援チームを指揮している
「総員射線を考えて撃て!外れるだけならまだしも仲間に誤射は厳禁だからな!!」
「皆落ち着いて撃つんだ!仲間の邪魔にはならない様に弾幕を張って!!」
ドイツの『黒い森』を監視・保護する管理官として真っ当に過ごしていた為か、それとも沖縄名家にとって末代まで足を向けて眠れない大恩人の一人である『八男ニキ』の親兄弟だからか、人員指揮も割と堂に入った良采配を見せている……少なくとも彼らの指揮下で友軍への誤射は無く、そして今まで悪魔が後衛の土嚢を魔法や投擲物以外でダメージをあたえさせてはいない辺りも評価に値する。ちなみにそれぞれ才能限界15と30とそこそこの才覚がある親子のしっかりした支持の元弾薬の雨霰で前線を支える。そして前線の方はと言うと……
「よし、皆気合いを入れて後衛を護るぞ!後衛達の為にちゃんと射線を考えろ!!」
「大丈夫だ!、俺みたいな
沖縄名家のダブルヒーローこと……様々な貢献に次ぐ貢献の果てに息子が『沖縄の希望』となった日本霊能者界隈では再起不能になってさえ『伝説の大英雄』であった『琉球ゴリラ』こと『比嘉 勲』と。勲の『沖縄戦士達の纏め役』としての後継者である『盲目の猛者』こと『魚沼 宇水』の歴戦のベテランコンビが前線にて総指揮を取っている
嘗てこの地が琉球と呼ばれていた時に居た
「……しかし、久しぶりにお前と背中合わせて闘えるとはな?俺はもう二度と戦えない身体になった筈だがな?」
「ならガイア連合……いや翔太に心から感謝することだな先輩」
「違いない。あいつにも後でちゃんと泡盛の味を教えてやらないとな?」
「……あー、悪いがあいつ既に先輩の秘蔵古酒ガメて仲間達と酒盛りやってたぞ?」
「……はっはっはっ。あンのバカ息子め……いやまぁ俺もあいつの秘蔵日本酒頂いたがな」
「……この似たもの親子が」
そんな愉快な会話を行う二人の沖縄英雄達、こういう馬鹿話が出来る余裕があるのもひとえに彼らの『息子』が持ち帰って来た『希望』が意味を成したのは偏に彼ら沖縄名家の誇りと赤心で壊れかけた沖縄の地を必死に維持出来ていた事が起因するだろう
「えっと……ボルトはこうやって操作、陽介達はこれを難なく出来るのよね?」
「三浦さん、私達も弾の装填で結構つっかえてしまうからわかります」
「咲もあれで容易くこなしてるんだよな……」
「大丈夫、皆さんゆっくりと自分のペースで装填して下さい。今は実習みたいなものですから」
後衛の一部では『銀剣ニキ』の母とその恋人である『八神 咲』の両親が悪戦苦闘しながらも射線を造り、それを指導するのは『琉球ニキ』の母親である『琉球メスゴリラ』と渾名される女傑『比嘉 妙子』。嘗て色々蟠りのあった三浦女史と八神夫妻だったが……息子や娘が深く関わってしまった『この世界の裏側から見える深淵と理不尽』に触れて色々啓蒙が拓いた結果今では普通に仲良く家族として付き合う事が出来るぐらいには関係が修復されている*18
八神夫妻や三浦女史は今は沖縄支部の事務員として働いているが、仮にも覚醒者なので時には訓練で実戦に赴く事もある……沖縄にはあの悪名高い
こういう鉄火場に慣れない人々は割と容易くメシア教に絆され入信してしまうものだ……そういう被害に遭った俺たちは結構な数存在し、中にはその致命的な悪縁の果てに『親メシア教』という頭がキチ◯イレコードした?いや脳味噌が餃子化した様な危機管理能力が致命的に欠落した愚かな黒札まで出現する有り様だ。彼らは同じ転生者として最低限でも『メシア教の危険性』を識り学んでいる筈なのだが?
故に沖縄支部では常にメシア教の悪事とその証拠を集めて集めて資料化して『メシア教と
今の時代ならアンチメシアンや被害者達から様々なメシア教の悪事の証拠をコピーして預かったり、また他のアンチメシアン達や運営などからメシアンを追い詰める為の証拠を渡したりと深く狭く禍々しい界隈だけでのやり取りだけだが……半終末期辺りになれば『メシアンへの警戒呼びかけ』などで様々な支部に大々的に資料を貸したり提供したりもする*20
そしてこの『黒の章』は後々後世まで徹底的にメシア教を苦しめる枷にして軛にして呪詛、そして永遠に消えず癒えない傷痕や烙印となる。少なくとも数世紀、いや千年の歳月はその爪痕による罪穢れへの禊ぎに用するぐらいには……
まぁ
「ヒャッハー!逃げる悪魔は唯の悪魔よ!!逃げない悪魔は訓練された悪魔だぁー!!!」
「アパーム!弾持って来ーいっ!!弾ァ!!!」
……息子同様ガンマニアな南雲夫妻の姿だった。彼らはいつの間にベトナム戦線に(頭が)逝ってしまったのだろうか?ハイテンションな言動を騙されそうではあるが、実際には全く無駄弾を撃たずに弾丸を悪魔の身体に的確に命中させている。更に正確かつ的確に前衛達に援護を飛ばしている
ガンスミスニキの父親である『南雲 愁』は日本有数の人気ゲームメーカー社長、母親である『南雲 菫』は少女漫画界の大御所という正に『エリートオタクの中のエリートオタク』と言うか『オタクとしての名家中の名家』、それこそが南雲家である
実際ガンスミスニキももしガイア連合に関わらなければ今頃は多分漫画家として新連載を持ったりまたは父親の会社で新作ゲームのプロデューサーとして活躍していただろう……しかし運命が彼の天職はクリエイターだとは認めず、その天職を『戦士にして銃技師』だと決めてしまったらしい
偶にその『運命の聲』に逆らって暇を見てはゲーム設計したり、読み切り漫画を描いたりはしているが今は沖縄に纏わる厄介事の解決が最優先なので進展はあまり良くないらしい
そんな過酷な運命を背負った息子を暖かく支えて愉快にヲタトークをし合いながら朗らかに、先程みたいに偶にネタに走ったりもしながら息子を……その前世である『娘』の分まで優しく見守っていた
ある意味これは『黒札の親』としてのある意味究極の理想像の一つかも知れない。前世の記憶がある為か彼らは基本的に家族にもその秘密を抱え、同じ転生者に逢えるまでそこから来る孤独に耐えている場合が殆どである
南雲夫妻の場合は他五つの家庭と違い『幼くして亡くなった少女としての記憶と想い、そして身体の差違』を抱えて苦しみ藻搔いても生きている息子をちゃんと理解してその中にある『娘』の分まで愛情を注いで我が子が『息子』にも『娘』にもなれる様にちゃんと支えていた……ある意味我が子と同じ境遇の知己である『ガイアアニメーションの社長*21』の存在を知っている事が大きいかも知れない
そこから紆余曲折あって『息子』として生きる事を選択し、この夏休み直前に彼女を作って連れて来た我が子はガイア連合に加入し……あらゆるガイア連合支部の中でも一際過酷な沖縄支部担当新人幹部となった。夫婦の知己であるアル社長ですら頭を抱える過酷かつ苛烈で狂気に満ちた冥府魔道が如き修練を短時間でブチ破って鬼も魔も即日踏破して荒ぶる鬼神と化した我が子を彼らはそれでも心から愛している
兎に角、この六人の抱える共通点の一つに『親兄弟や身内関係には非常に恵まれた環境下に居る』というものがある。南雲夫妻はその中でも特に愛情深いのだろう……常に家業に息子を巻き込んでいるが当のガンスミスニキもノリノリで家業に従事して父の会社でも母のスタジオでも『先生の後継者』だと双方から深く認識されているそうだが
そして暫し時は流れ……この異界内部の悪魔は粗方清掃完了し、後は参加メンバーほぼ全員でドロップアイテム拾いの時間だ。一定数の実力者達が見張りとなって残り全員が悪魔の落とした生体パーツことフォルマや魔石、魔貨を拾って持ち帰る。何度でも言うがこのアイテム拾いはデビルバスター達の生命線であり、偶に武具として使える落としものことドロップアイテムなどで武装したり魔貨や魔石といった売れるお宝を売ったりして生計や活動資金を得るものだ
「おや綾瀬さん、そっちに魔貨がまだまだ落ちてますよ?」
「おや確かに、しかしこれ金貨?なんですよね?なんでも悪魔のエネルギー源だともうちの愚息が言ってましたよ……全く、とんでもない世界が我々の足元にあったものですよ」
執事ニキの父と一般的沖縄名家のチームがそんな取り止めのない会話をしながら収穫物を拾っている。悪魔討伐の褒章ではあるが、こと沖縄ではその最低限の褒章すら殆ど無かったのが普通だった
魔貨はこの異界攻略でも今回規模で二枚三枚出れば行幸、魔石はどんなクズ品質でも
嘗て沖縄名家が本土に出稼ぎに向かっていた理由の一つに『適当な異界で魔石採取』という目的も有ったからだ。勿論魔貨も武具も必要であり、沖縄名家には違法にこの武具を沖縄本島に輸送する手段も幾つか有るし、何なら本当に目敏い本土名家達との交渉手段や『お目溢しの賄賂』にも使う事だってやる
……最悪、沖縄は近い未来には物理的に沈みかねない環境であり、その最悪の未来に備えてちゃんとした避難先を選定・確保する為に飴玉を撒くのは必要経費だと認識している。実際ガイア連合が来なければ早くて来年以内には沖縄は滅んでいただろうから
「今日……いや、ここ数ヶ月は支部長様達のおかげで我々の収入は右肩上がりだよ。今までは地元有志の寄付と出稼ぎ頼りで常にピーピーだったんだよな」
「私の息子や支部長さん達って結構凄いことしてるんですね……娘も大概らしいけどうちの息子どうなってんの?」
「沖縄の救世主だよ」
そんな会話をする二人の元に数人の女性……鴉の濡れ羽色の艶やかで長い黒髪をした非常に豊満な、男ならむしゃぶり付きたくなる様な美女達が近付いてくる。恐らくは沖縄固有妖怪の一種『乳の親』だろう
「皆さん、怪我などの治療は必要ですか?」
これはある種の推定だが乳の親は『零落した地母神の系譜』に属する妖怪という解釈もあり、故になのか乳の親は回復・治癒魔法などに長けた妖怪だとされている。沖縄が未だあの戦争による被害で壊滅してからは沖縄霊能者も乳の親も殆ど後が無かった為乳の親との子が結構な数産まれたものだ*23
この采配で沖縄はある程度の実力ある霊能者を増やす事には成功したが……その代わり嘗ての沖縄名家や霊能者も代々割と乳の親との混血で霊能を高めていた。その弊害で『妖怪の血が濃くなり始めてしまった』という問題が発生している
そして……その弊害の発露に
「……あの美人さん達が皆男ってマジか?」
「……あぁ、うん、そうだな……残念ながらマジなんだ。悪魔との混血って結構とんでもない結果起こすんだよないやそれやった
彼女、いや『彼ら』は『乳の親のアウトサイダー*24』であり、その身体に流れる血と生体マグネタイトの力で『鬼女:乳の親』に変身出来る異能者である
沖縄霊能者に数少ない魔法系異能者であり、更に稀少な回復・治癒魔法の使い手達なので重宝する……が、此処が沖縄である為に魔力の回復は非常に難しかったのでこの変身能力は実は割と死にスキルだったりする
普通なら乳の親から産まれた子供は女ならほぼ間違いなく乳の親になり、男は普通の人間……である筈だった。確かにその性質上殆ど男以外には発現しない『乳の親のアウトサイダー』は沖縄霊能者史でも稀に顕れるが、今の様に複数顕れるものでは決してない
これは『乳の親の因子が非常に増大して男の因子すら塗り潰す』という……『乳の親の血が濃くなり過ぎた故に起きる現象』である。沖縄土着名家はもしもこのまま乳の親との交配を続ければ間違いなく全ての産まれる子は乳の親になるだろう。『乳の親のアウトサイダー』すら超えて全てが
故に琉球ニキ達はスケベ部のミナミィネキの伝手で悪魔しょうかんに『娼婦業に興味ある乳の親』達を斡旋して黒札の胤を使って沖縄土着名家達の血を薄める事にした訳である。ミナミィネキ的にも琉球ニキ達沖縄チームに恩を売れる上に最初からエロエロな爆乳黒髪美女悪魔達を平和裏に斡旋して貰えたから双方にとってWinWinという訳だ
勿論、それだけでは足りないから他の対策を考慮していたが……丁度沖縄で『琉球ニキの許嫁事件』が発生したのでこれを奇貨として沖縄土着名家達の濃くなった血を薄める計画が突発的に考案された
この数ヶ月でガイア連合でも尻込みする*25様な最低最悪の異界に挑む齢15其処らの小僧六人の破竹の大活躍と、そもそも日本では稀少極まりない実力派霊能者集団である沖縄土着名家の集まりとの婚姻は日本の霊泉が殆ど枯渇した霊能名家としても非常に美味しい話である。沖縄名家の価値をいち早く察知して彼らの求めるものを理解できたフットワークが軽く優秀な名家達故にこの計画は彼らにとっても『渡りに船』であろう
こうして……後々までガイア連合沖縄支部の名物となるイベント『異能者用婚活パーティー』が拓かれるきっかけはこんなものである。異能者界隈では『厄災の大地』とも『呪われた島』とも『日本一のエンガチョ県』とも散々揶揄されて来た沖縄県が遂にその酷評に逆襲する時が来た訳である
今回は『主人公ズの親御さん特集』かも知れない
『鬼女:乳の親』
沖縄方言で『ちーぬぅや』と発音する沖縄固有妖怪の一種。基本的には姑獲鳥や飴買い幽霊の様な性質を持つ『幼児』に対して非常に縁深い妖怪
『水木しげるの絵』では殆ど老婆の様な姿だが、実際の言い伝えでは洗いざらしの様な長い黒髪に非常に豊かな乳房を持つ柔和な女性という姿の妖怪だが、生きている子供を己の世界に攫う(命を奪う)性質と、死んだ子供を愛情を以て育ててくれる性質のある意味反発する性質を兼ねた妖怪
悪魔としては治癒・回復に呪殺属性とバフ系魔法を備えたサポート枠。筆者の個人的見解だが乳の親は『零落した地母神』としての性質があるので、育て上げれば何かの地母神系悪魔に昇華すると予定している(ガチ勢黒札の戦いに付いて来るぐらいのガッツがあるなら、だが)
その性質上乳の親は大概が地母神脳であり、アウトサイダーも高い確率で精神すら女性化して完全に乳の親となるだろう
ちなみに『【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち』の『人類ママ活計画』の触媒になった乳の親は……この作中に出て来た『完全にメスって言うかママ落ちした乳の親のアウトサイダーだった元人間』だったりする(綾瀬父に語りかけたあの乳の親の事)。今は一応未だ人間だけど実はもう既に乳の親化寸前
ちなみに人間形態は筋骨隆々のガチムチ兄貴だった(カオ転らしいTS要素)……つまりあのダイアナは実は『元男』である!!しかも本来の姿は某所の三羽鴉みたいなムキムキマッチョな益荒男!!!(だった)
現在『管制官』として活動中の稀少な深層対応可能な『ナビ・ペルソナ使い』の現地民『乃木坂 春香』さんを『現地民黒札』と認定しますか?
-
はい
-
いいえ