今回は本編で少し語られていた『とある小道具』の補強補足します
時はやはり半終末の初期……沖縄支部でもガイア連合の優秀な困ったちゃんこと狩人ニキによるアメリカ支援の際に送る支援物資を考えていた。普通の民間人ならまぁ良いがメシアンにまともな食い物を与えるのはもやっとする沖縄支部では色々その製品についての会議が紛糾していた
「よし、メシアンどもには『ビッグ3』*1でもわざわざ再現して送ろうぜ!!」
こんな意見が嬉々として出るぐらい激しいアンチメシアンぶりを隠さぬ沖縄支部……の幹部衆だが、流石にそれは不味いと彼らの外付け良心?いやメシアンヘイト抑制装置であるちひろネキも止めるだろうと流石に毒殺牛缶を送りつける案はお蔵入りとなった
しかしそこまでやらなくても今度は『マカノッチー*2』とか『Dレーション*3』だのといった不味さで悪名高いレーションの再現でメシア教に嫌がらせを考えもした……しかし料理に自信のある琉球、執事、八男。特に八男ニキの『料理人としての誇り』でこの嫌がらせ案は完全却下となった*4
しかし……『ちゃんと美味しく食べられるものでメシア教に嫌がらせ』ならば?と考えて脳缶ニキ*5に相談して沖縄名物である豚や山羊の余り肉を使ったワイン煮や追加支援物資にワインやドライレーズン、そして最近給食ネキ*6による聖者ニキが権能を応用して創造した『聖者麦*7』と件のドライレーズンを組み合わせて作ったレーズンパンなど様々な葡萄推し支援物資を構築している
この葡萄というのが何を隠そう脳缶ニキの力作である『バプテスマ*8』、そしてそれをワインにした『喜劇*9』をドシドシ沖縄支部自体が資金援助してまでメシア教にも浸透する様に忍ばせてゆく。ある時は件のレーズンパン……同じ一神教由来の代物故か聖者麦との相性が異常に良い。誰が呼んだか『ジェネリック喜劇』を支援物資に大量に混ぜ込んだり、件の喜劇の規格外品を無印ワインとして出したり、質の悪いバプテスマをドライレーズン加工を推し進めて支援物資や『珍味のおつまみセット*10』やガチャ、そしてナッツ詰め合わせなどに含めていたりもする
そしてこの支援物資だが、その中に『補助栄養食』と呼ばれる代物が存在する。これは未覚醒者や素養の低い覚醒者、または体質次第なら甘いと感じる噛み煙草擬きだが……強力な悪魔忌避剤が多量に混入した代物であり、高い霊的素養の持ち主、悪魔寄りの体質者や悪魔そのものからはそれこそ汚物未満の扱いをされる超不人気支援物資である
この『補助栄養食』は何を隠そう沖縄支部が開発した代物であり、これを現在開発出来るのは沖縄支部以外には存在しない。その理由は……沖縄支部に存在するとある名家?いや間違いなく新しい名家かつ支部長の母親である『比嘉 妙子』の特異性である『作る料理が必ず
話は……これをとある『強い方の三馬鹿*13』と呼ばれるガイア連合有数の困ったちゃん達が彼らの、いやその内の『宮城の暴れ幼女』こと幼女ネキ*14が運営する『ヤードポンド法とDレベル撲滅協会』で不定期に開催されているコラボ企画『創造って遊ぼ』という件の三馬鹿が色々やらかすショタおじも偶に頭を抱える企画のなかでこの
勿論、この悪魔忌避剤は件の三馬鹿達の味覚には致命的に合わず……仙道の秘儀である『捨食・捨虫*15』を成した彼らをして一口で吐き出し気絶し、暫くは舌にこびり付く酷い味に悶え苦しみ続けるぐらい酷いものだった。今回は幼女ネキの仲魔である人魚のセリリさんと恐山のカス子ネキ*16の保護者こと邪視ネキ*17や魔人ネキ*18が制裁として『お残しは許しまへんで!』した。セリリ&邪視ネキ&魔人ネキ当人も一緒に責任を取ったが一口で轟沈した
結果、食べた全員がノックアウトしたこの惨事の中で……これが比較的霊的素養の無い者や未覚醒者なら希釈さえすれば以外と美味しいという謎の特性*19を活かして製造部が支援物資に組み込んだ『補助栄養食』の重要素材誕生由来がこれである*20
この悪魔忌避剤を仕事で頭が煮詰まり煮え繰り返った製造部の一人が無理矢理意識を覚醒させる為に口に入れた結果……他にも口にしていた怪しい薬品と変な化合反応した事を観測し、それを調査したり、希釈に希釈を重ねてようやくちゃんとしたバランスの試作品をやはり地獄湯支部や十勝支部の者達が試食した結果。一部では評価そこそこかつまた一部では評価最低最悪の『補助栄養食』が誕生した訳である
……遠い、遠い未来に比嘉 妙子がニライ=カナイに召された時に琉球ニキもあの
「……いや、こんなもん本当に世に出して大丈夫かね?」
「いやいや翔太、いつもの奴に比べれば間違いなく味は向上しているだろ?」
「……なら親父、あんたは『これ』をまた食べたいのか?」
「……すまん」
ついでに沖縄支部でもとある父子の間でこんな与太話が有ったとか無かったとか?
一応はこの補助栄養食のおかげで食糧輸送中などに起きる悪魔の襲撃はある程度塞がれ、また襲撃してきた悪魔に忌避されて命だけは拾えた被害者達の証言もあり、この補助栄養食や悪魔忌避剤はロングセラー商品にはなったが一つだけ商品として致命的な欠陥点が存在する
悪魔忌避剤の一番重要な原料である
故に彼女……それなり以上。沖縄の異能者区分で言うなら『小英雄*21』である為200歳ぐらいまでは生きたが。流石にそれ以降はこの忌避剤や補助栄養食の製法はガイア連合を以てしても失伝してしまった
ちなみに自身の料理……少なくとも彼女自身は
勿論、沖縄支部でも色々と食料は増産し、ちゃんと食べられる規格外品などを素材にした保存食や素材そのものを救援物資に送ったりもしている。特にアジア方面では『短粒種しかない』と不満の有った米問題で……沖縄だけが用意出来る、本来ならば泡盛*22用のタイ米だけでなく少数ながらも煮炊き用タイ米を用意する事に成功して長粒種を求める地域に限定的ながらも配れてはいる……流石にガイア連合が本腰入れて準備した短粒種米に比べれば質は遥かに劣るがそれは仕方ない話だろう。それでも嘗て何時も食べていた米より上質ではあるし
また、沖縄には『乳の親*23』とい妖怪が存在する……そして沖縄は移民渡航の歴史からか何気に南米やハワイとも縁深い。その影響から乳の親は稀にとある南米妖怪に変異する事例が存在する
鬼女:サッパン・スックーン
それはアルゼンチン並びにボリビアに伝わる妖怪。南米の農村に出現するとされ、見た目は小麦色の肌をした長い髪と魅力的な大きな瞳を持つ普通の人間の姿をしているが、何故か掌だけは雪のように白いとされ、何よりも特徴的なのは一糸まとわぬ姿と巨乳を通り越した物凄い豊満な胸の持ち主という事が掲げられる。なお名前の由来はこの豊満なバストを揺さぶりながら歩いている際に、擦れた胸がこすれ合った時になる音が由来であるらしい
サッパン・スックーン
と、それはもう見事に揺れ跳ね動く。琉球ニキの母(平たい胸族)も歯軋りするぐらい見事に
農村で母親たちが畑仕事に精を出している際に何処からともなく現れて、仕事で忙しい母親たちに変わって子供たちが仕事の邪魔にならない様に遊び相手になってくれたり、時には母乳を飲ませてあげる事もある心優しい妖怪だが、1つだけ注意することがある。それはビクーニャという動物を絶対狩猟してはならないというもので、もしこのタブーを破るとビクーニャを殺した人物の子供を何処かへと連れ去って行き、二度と帰してくれないという
また怠け者を懲らしめるなまはげの様な一面も持っているらしく、ある地域に伝わる伝承では巨大なサッパン・スックーンが現れて、仕事をさぼって勝手に休んでいた男どもを、その巨大なバストで何人も捕まえて何処かへ連れ去っていったという
イナゴマメと呼ばれるカカオに似た豆の化身であり、このサッパン・スックーンを祀る儀礼は今も存在する辺りから下位若しくは零落した地母神としての性質もあるらしい……先に挙げた幼女ネキのヘキに見事な迄にブッ刺さる妖怪だろう*24
残念ながら嘗ての戦争で今まで沖縄に居た彼女達は全滅したが、それでも沖縄のオカルト環境改善の影響か久しぶりにこのサッパン・スックーンに変異した乳の親が現れたのである
このサッパン・スックーンなる教育に非常に宜しくないが魅惑的な妖怪はイナゴ豆……チョコレートの代替え品になる植物の化身であり、終末後に沖縄ひいては日本のチョコレート需要を支える重要なインフラとして永らく活躍する事となる……その性質上決して表には出られない事はご愛嬌だが
後……八男ニキがちょっとした冗談で改良型マカノッチー(レトルトパック式蕪抜き)を出したらまぁイギリス辺りから絶賛されもしたが、これを
激しく木刀が撃ち交う音、そしてその木刀が肉を打つ音、様々な打撃音がその場。裏ジュネス那覇の道場*25に響く。それは沖縄支部の戦士達の日常的な稽古風景だ
「そんなもんかこぉンの馬鹿息子がぁぉッ!!!」
「うるせぇぞこのクソバカドラ親父ィっ!!!」
ノー武芸 ノー戦士
沖縄支部では必ずこの言葉と共に最低限体術の講習と基礎体力の向上、そして三八式歩兵銃の取り扱いを必須技能とする風潮がある。必要最低限の荷物を持っての行軍や万が一の逃げ足確保など最低限兵士としてやって行ける様に鍛錬は必須なのである
それは魔術師タイプである琉球ニキや八男ニキも例外ではなく、彼らも普段から暇を見つけては筋トレや手隙きの仲間を誘って実戦的訓練に勤しむ様にしている*26
嘗て刀一本で沖縄を護り通した伝説の猛者である『比嘉 勲』とその息子にして『沖縄の救世主』となったガイア連合沖縄支部長『
「はいはい!補佐が六、支部長四で補佐が有利!まだ受け付けてるぞー!!」
「俺は補佐に100魔貨!」
「私は支部長に200魔貨!!」
「よし、俺は大穴で相打ちに千魔貨賭けるぜ!」
「俺は補佐に」
「こっちは支部長に」
……賭けの対象にされている。琉球ニキもその父も中々気安く愛されている様だ。まぁこういうガス抜きも有りだろう。そしてその結末は
「ごふぁ!?」
「げふっ!?」
「よし、俺の一人勝ちだ!!」
どうやらクロスカウンターで見事なWTKO。大穴の相打ちだった様だ……唯一それに賭けた八男ニキがほぼ総取りしたが、まぁ後でメシア教被害者基金の募金箱に放り込んでおしまいだ。元々から金に困った事は前世今生含めて一度もないぐらい金運お化け故に*27
沖縄支部のこういう風潮に琉球ニキは……それこそ最初から適合していると言える。そもそも初戦闘から
最初は比較的同年代の若手である『伊佐川 糸魚*28』という新人にもこちら得物あり糸魚無手でもあっさり叩きのめされる日々だった……が、まぁ琉球ニキの『黒札としての莫大な潜在能力』や琉球ニキ当人の精神力、そして実戦で培った経験から見る見る白兵戦でも強くなり遂には『当代沖縄最高の戦士』である父とも武芸のみで渡り合える優れた戦士に育っていた*29
追加で言うならば、彼ら沖縄チームの師匠でもある比翼ネキ連理ニキの勧め……特に連理ニキは身の丈2米近くある巌の様な益荒雄ながらも琉球ニキと同じ魔術師である。故にその言葉の含蓄を正しく理解した訳である
見れば今度は糸魚の師匠であり勲に比肩する盲目の猛者『魚沼 宇水』と八男ニキが壮絶な試合を行なっているし、最近加入出来た聖者ニキに縁深い技術者達も全身に重石を付けてヒイヒイ走り込みをしている、他にも琉球ニキの嫁達もまためいめいにトレーニングに来ている……今は皆、次の好マッチである宇水氏と八男ニキの激闘に被り寄りだが
そんな
しかもこの支部には『とある対天使武術の達人』が存在する……そんな気風故にこの支部ではあるファンタジー武術が開花した訳で
「よし、皆もこいつの再現協力感謝するぜ」
件の『
それはヤコブ神拳をベースに琉球空手や聖者ニキ自身の趣味である中国拳法を組み込み、肉体改善や不老長生を以て身体を強化するコンセプトの為に為に必要だから求めた重要な要素である『仙道』は同じペルソナ使いの誼でガイア連合最高峰の仙女である探究ネキ*30、仲間である執事ニキの義父かつ沖縄関係プロジェクト筆頭パトロンである堅気功の達人マダオニキやそのライバルである軟気功の名手であり岡山支部長である樽ニキといった武芸者仲間達に協力して貰い開発したのが……
波紋法・穢教滅
そう聖者ニキが命名した呼吸法にして戦技である。仙人の修行法と天使を討つ為の絶技、この地で根付く格闘技を組み合わせて編み出した新たな闘法……此れを拓いた訳である
身体に強く空気を取り込み、身体中の血液をコントロールする事で『波紋』の力を発生させて身体を著しく強化する技法……魔法に依らぬ癒しの力や身体制御、太陽光の波と同じ波長の生命エネルギーを生み出す秘法により闇の者を討つ力、そして『神の使徒』と嘯く
【銃火暴風怨嗟域】でも非常に有効故に沖縄支部ではこの技法は広く使われ、一神教調和派にもヤコブ神拳をメインにしつつも沖縄流のこの技法も断片的に教えてはいる……聖者ニキはヤコブ神拳ははっきり言ってほぼ感覚的にしか伝えられないが、この波紋法ならば探究ネキや他の俺たち、特に太陽神が本霊である破魔ネキ*31の協力も得て『太陽の生命エネルギー』を再現に成功しているから割と的確に教導出来ている
最近の沖縄支部では『波紋法で水上を走れる』ぐらいにならないと一人前とは扱われないのが基準になる程である
この波紋法開発から割と後に彼らのお気に入りの後輩*32である三馬鹿ラス*33達が『レベル20の壁を突破した』との吉報があり、しかも琉球ニキが嘗て彼らにお小遣い感覚であげた物資を駆使して頑張ったという話を聞いて六人全員のテンションがブチ上がっていた……のだが
先の探究ネキの秘技を記した本をとある事の報酬から得ていた三人に理不尽な襲撃を行った
「「「「「「やあ……俺たちの可愛い後輩が随分
それと特に悪質な数匹は『
故に……あの三人に指導書を認めて渡す予定が崩れ、今度機会を作って彼らに直接教授したいと思ってはいる。あの三人ならば根性はある方だから短期間で基礎ぐらいは習得出来ると思う。多分
一先ずは彼らと沖縄チーム双方の都合が合う機会を待つだけである
沖縄のとある港の倉庫の中、灯りも灯さぬ夜の闇の中で琉球ニキは一人『待ち合わせ』をしていた。相手は同じアンチメシアン過激派俺たちの一角だが彼らは『闇の転生者』と呼ばれるアウトローな一派である……何せ同じ転生者仲間や一部の支部長から賞金首指定されているぐらいだし
同じアンチメシアンとはいえ、琉球ニキは何故そんな存在を相手に待ち合わせて交渉事を成そうと考えているのか?それは待ち合わせ時間である今から直ちに分かるだろう
『ゆらり』と何かが動く気配がする……琉球ニキが識る限り『彼ら』は超一流の暗殺者である。故に警戒は必須である。壁を背にしようが相手はその壁を破壊するなど朝飯前、コンクリートの地面からいきなり手を伸ばして来る事だって普通にあり得る非常に高位の仙道使いだとも把握している
まぁ、琉球ニキが知る限り『彼ら』は割りと悪戯好きなので……
「其処だなレイプニキぃッ!!!」
「流石だな琉球ニキィ!!!」
袖口に仕込んだ投擲用ナイフを目星を付けた場所に力の限り投げつける。しかしそのナイフは投げ付けたポイントから『ぬらり』と現れた二本の指に摘まれノータイムで琉球ニキに投げ返される
「まぁ、やっぱりこの程度じゃあんたには無駄だしな」
やはり琉球ニキもその投げ返されたナイフを軽々と把み取りそれを同じ鞘に収める……やはりあの気配のブレはわざとだったのだろう
「さて……そろそろ今回の『取り引き』を始めようじゃないか。戦友」
そう言って闇の中から現れたのは……青単色の覆面。間違いなく非常に高度な認識阻害効果のある高位神器級の代物を被った怪人だった。その身の熟しは琉球ニキの知る修羅達の中でも間違いなく上澄みのものだ。まるで琉球ニキの仲間である忍者戦士である執事ニキにも似た凄腕の暗殺者とも、彼らの先達であるガイア連合の大仙女たる探究ネキの出立ちにも似た気配を感じる
その怪人の名は『仮面の聖咎執行人:レイプマン*34』。嘗ては『仮面ライダー:レイプ』と酒の勢いで名付けたふざけた名乗りとその戦闘スタイル*35で沢山の俺たちの顰蹙を買った『お茶っぴぃ』と言うには些か致命的なやらかしを犯した俺たちだと思えば宜しい……『犯す者』故にか?
「なら、この倉庫のコンテナの中身を。うちの銃器一式、それと怨嗟鉄の銃弾や武装、メインの穢教滅閃弾他軍資金の魔貨や連合製回復アイテムに穢教滅閃ホムダイ式に使うスカラベの詰まったコンテナ他シキガミ用素材他色々だ……レイプニキ達の隠れシンパからの寄付や前に救助した被害者達からの感謝の手紙も、勿論呪術的検閲はちゃんとやって安全なもののみだよ。それと穢教滅閃の術式研究概論ね」
「助かる……こちらはそちらの推し進める『黒の章計画』に使えるメシアンどもの悪行証拠をありったけ。それと我々で保護した新しいメシアン被害者ややはり被害者だと判明した天使人間や実験体達をそちらの秘密病院に送っておいた」
「こちらこそ助かる……しかしお互い心安らぐ暇は無しか。あのクソ淫祠邪教は世に蔓延り無辜の民が嘆くばかり。全く嫌になるな兄弟」
「全くだな兄弟……せめて救えた被害者達ぐらいは救いたいもんだ」
「あぁ……しかしこの間幼女ネキから聞いた『セツナ*36』って俺たちの話だってある。少なくとも俺はこれ以上あんな目に遭わされる人は見たくないんだよ。青臭かろうがな?」
「……そいつには本気で同感するよ」
酷いことになっている『セツナ』の事もあり、普段は先ず吸わない煙草……近くの煙草屋で適当に買ったマルボロを不味そうに口に咥えながら二人愚痴る。煙草は嫌いだが酒を楽しめず嫌なことがあるなら煙草をふかして愚痴を吐けるのは煙草というものの数少ない利点だろう。レイプが先に吸っている煙草の火を借りて自身のマルボロに火を灯す。暗闇に二つの小さな火が灯る
時間にして15秒、半分も経たないうちに不快感で咽せたくなる煙草の臭気に嫌気が差して直ぐ近くの灰皿にねじ込んで火を消す……嫁達にこの悪臭を移さない様に破魔で浄化する。やはりどんなに鬱な気分だろうと煙草なぞ吸うものじゃない
「やはり琉球ニキは煙草は止めた方が良いな……料理、好きなんだろ?」
やはり『彼』は色々情報通である。流石に八男ニキほどではないが料理は趣味なので煙草は忌避するべきものだと普段は認識している
「はは。レイプニキには叶わないな……いや待ってくれ、うちの穢教滅閃工房から色々な新規開発拷問・処刑器具をレイプニキに届けてくれって頼まれていたんだよ」
そう言って琉球ニキ自身の収納魔法から引っ張り出したのは幾つかの奇妙な工具だか何だかわからない物体色々が納められたアタッシュケース。そのうちの一つにレイプマンは見覚えがあった……確かスケベ部のエログッズの一つである
『破壊神の破壊神も因縁諸共破壊する、スサノオォン!アォン!』*37
あまりにも奇を衒い過ぎてネタにはなったがその使い辛さから売れ行きはイマイチだったこのジョークグッズ……琉球ニキなら間違いなく手を出さない様な過剰かつ危険な代物だ。それこそスケベ部の
しかしこれは八叉ではなくそれが一つに縒り合わさった様な奇妙な造形になっている。まるで一升瓶だ……いや、そのデザインはどう見ても一つの絡繰仕掛けでありその仕組みは技術者としての表の顔があるレイプマンなら直ぐにそれがなんであるか理解出来た
「なぁ琉球ニキ。これはまさか『苦悶の梨*38』じゃないか?俺も糞メシアンに使ったことあるけど?」
レイプマンの闇深い……別ベクトルで同レベルに闇深い琉球ニキもそれに
「そりゃメシアンや穢教鳥どもの適当な穴っぽこに突っ込んで裂く為の器具だしな。それはうち自慢の精錬した良い怨嗟鋼使っているから安全の為に『通常の使用方法』はお控えあれ。一応説明書もあるから」
『何を当たり前な事を?』ときょとんとしながらレイプマンに返答する琉球ニキ。常に有事も日常も問わず穢教滅閃工房で穢教どもの血飛沫と断末魔の悲鳴を浴びる日々故に最早穢教鳥や過激派メシアンの拷問は日常茶飯事な琉球ニキと説明不用のレイプマン……まぁこれもアンチメシアン過激派なら基本的な嗜みである
件のジョークグッズ……スイッチを入れれば凄まじい勢いと力で中から蝙蝠傘の様な機構で開く仕組みである。コンクリートのこれが丁度入る穴に入れて開けばコンクリートがまるで豆腐の様に容易く爆ぜるほどの強烈な威力を発揮出来る正に危険物だった
他の器具も全て同じ様なジョークグッズであり、シンプルかつクリアなジョークグッズ*39や唯一大きすぎて別の箱入りなブラキオザウルスを模した戦隊モノ玩具みたいな代物*40……しかもどう見ても起爆装置付き、など様々かつ物騒なジョーク?グッズが入っている
「……なぁ、琉球ニキ?これって?」
レイプマンの言葉に琉球ニキは
「このシンプルかつクリアな『SCP-297』って命名された奴は原子分解級の超振動でメシアンや穢教鳥を液体にまで分解してくれる俺のおすすめだね。あとあの恐竜の玩具は使い捨てだけどメシアンや穢教鳥で『汚ねぇ花火』が楽しめる、工房の要望で頑張って作ったガンスミスニキの力作だよ……幾つか作ってケツにダイナマイト詰め込んだ方が早いと気付いてからは要受注生産だけどね?」
朗らかに、どうやら殆ど元ネタを知らない琉球ニキは『扱い易い拷問器具』としか認識していない様だ……琉球ニキの前世以降のSCPだのネット都市伝説なぞ分かる訳も無いから仕方ない話だろう
「いや、あまり知らない方が良いネタだ。琉球ニキ達はまだなるべく清らかなままでいてくれ」
『穢教鳥や
何処かの包帯だらけな悪のカリスマみたいな事を考えながら……今日の予定時間は過ぎた。お互いの『それぞれの流儀によるメシアンスレイヤー業務』に戻る、最後は黙ってお互い拳を撃ち付け合いながら互いの健闘と再会を祈る。とは言っても今日の仕事は書類関係かつ明日でも余裕だが
やはり『ぬるり』と妖怪変化の様に忽然と消えるレイプマン……辺りを警護させていたしまっちゃうおじさん*41達の監視程度ではレイプマンは捕まらないのは当たり前である
「マスター、お疲れ様です」
琉球ニキの嫁シキガミであるルカだ。今回のしまっちゃうおじさん達の指揮権を託されて今回の会合を護る大役をこなしてくれていたのである
琉球ニキに近付く……しかし何か琉球ニキに違和感を感じている?シキガミとしての非常に鋭い嗅覚からそれは『匂い』だと即座に判断したルカは間髪入れずに琉球ニキの唇を自分の唇で塞ぎながら、琉球ニキの歯を己の舌でこじ開ける
暫くして……
「ぷはっ!……駄目ですよマスター。嫌なことがあっても煙草なんて……私達もだけどマスター自身が一番煙草は嫌いじゃないですか」
……やはり嫁達には敵わない。近くのしまっちゃうおじさんにくしゃくしゃに握り潰したマルボロを放り渡して「適当なゴミ箱にでも捨てといてくれ」と命じた
「そうですよマスター、私達でマスターから煙草の臭気を抜いてあげますから覚悟して下さい……他の皆も呼んだから今日は寝かせてあげませんか・ら・ね?」
背後から聞こえる少女の声。気配は察しているが好きにやらせているそれは。もう一人の嫁シキガミにして琉球ニキの旗艦である浜風、背後から凄まじく柔らかく強い弾力のある、豊満かつ少女らしく引き締まった『当ててんのよ』をしている……今日の仕事はお開き。残った書類は明日やれば良いだろう
「はっはっはっ。ならお前達も覚悟しな、皆明日は足腰立たなくなるまでお相手してやるさ」
ぞろぞろと嫁達の気配が感じられる……間違いなく明日の太陽は真っ黄色だろう
『レイプニキ……まぁあいつも闇の中で頑張っているんだろうな……俺も生きて幸せになる事をこの地獄と地続きな世界だろうが諦めない。だからお互い支えてくれる嫁や仲間達と頑張ろうぜ』
心の中で
『嫉妬も羨望も幸福税さ』と嘯きながら集まる他の嫁達とホテルにしけ込む琉球ニキ。少なくとも今夜の彼は幸せだという事は間違いないだろう……明日はまぁ多分明日の風が吹く筈だ
【カオ転三次】幼女ネキの謎を解明するため、黒札調査隊は宮城県の奥地〇〇町出張所へと向かった――。、より 色々な意味で馬鹿だが憎めない連中。最近新しい友達を得たり『仮面の聖咎執行人』に目を付けられたり『笑ってはいけないハロウィン』に主催参加してたりと今日も忙しい天然の人気コメディアンな連中
『補助栄養食』
半終末からガイア連合による海外への支援品の一つ。この世界では沖縄支部の支部長の母親である『比嘉 妙子』の特異性により作成出来る『暗黒物質』の利用でのみ作成可能な悪魔忌避剤を用いて作成出来る
その悪魔忌避剤を限界まで希釈した結果、強力な悪魔忌避剤にして栄養サプリメントみたいなものになったが……悪魔変身能力者や高い霊的素質の持ち主、特に霊的味覚の強い者達からは致命的な不評を買う事となる
先に挙げた『比嘉 妙子』にしか作れない素材が必須であり……彼女の没後にその製法は必ず失伝することとなる
サッパン・スックーン
メガテンで分類するなら『鬼女』。霊格を高めれば『地母神』に昇格し得るポテンシャルはあるだろう
乳の親と同じく治癒・回復系魔法の適性とイナゴ豆を中心に豆科植物に加護を与える権能がある。その逸話上、成長次第では転移や異界作成を生やせる余地がある。また逸話上『巨大化』の能力はあるが性質的に白兵戦は苦手……そもそも巨大な事以外は単なる全裸女性なのでそれは仕方ない
沖縄で変異した個体を確認したスケベ部が南米まで調査に行った結果、後々エネルニキ達南米組と南米現地神との交流が始まったとか始まらなかったとか?。一応スケベ部もサッパン・スックーンの他個体との契約に成功しているとか何とか?
ちなみにサッパン・スックーンの作るキャロブ(カカオの代替品)は沖縄支部に余っている『イイモデード』を使った特殊な向日葵油や沖縄乳牛、砂糖を以て作成されている
波紋法・穢教滅
聖者ニキが沢山の仲間達の協力を経て開発したある種の再現武術。勿論『ジョジョの奇妙な冒険』の波紋法を模したものである事は間違いないが、その中に聖者ニキが会得した『ヤコブ神拳』の要素を技術的に織り込んだ対天使用闘技としての属性も編み込まれた代物
『ヤコブ神拳』の最大の弱点である『天使相手に素手で挑める猛者はそもそも稀少』という点を改善する為に波紋法で『低級悪魔を倒し易くする』、『波紋法でそもそもの身体能力を向上させる』という手段でなるべくハードルを下げる為に開発された
勿論、それでもハードルは前提条件である修行も含めて厳し過ぎて会得者は少なかった……が、沖縄という実力と覚悟のガンギマリ具合でこれを使いこなす猛者の多数存在する環境故にこの絶技はほぼ沖縄固有のものとなった。勿論覚悟があるなら誰でも習得は出来る『純粋な技術』故に使おうと学べばそれこそメシアンにだって学べる事は難点かも知れない
この技術を学べれば才能限界1でもある程度の低級悪魔と闘えるが……その難易度は『至難』の一言なので沖縄以外の現地民には苛烈な覚悟が問われる。また才能限界1でも結構厳しい戒律的な制約はあるが不老長生が出来るという利点がある。要は今代葛葉キョウジ氏や亀仙人みたいな人達向けの武術である。恐らく亀仙人なら似たような秘儀を使っているだろう(聖者ニキが編み出したものとどちらが優れているかは他作者様の塩梅一つ)
但し聖者ニキは『第七部』を知らないのであの辺りの技法は他のニキネキ達の開発区分になるだろう
穢教滅閃工房からの玩具兼拷問器具/処刑器具
メシアンや穢教鳥を常に惨殺して他のメシアン穢教鳥の虐殺に再利用する為目的で工房が開発した試作拷問処刑器具。作中で挙げたもの以外にも『エドゲイン君』や『ボンバー君シリーズ』など様々な玩具が作成されている
大概はメシアンや穢教鳥への悪意と(もて)遊び心満載の代物ばかりである……が、ごく偶に凄いものが出来る。ボンバー君シリーズの『穢教鳥頭皮剥ぎ機』でエンゼルヘアーの量産に成功したりといった功績もあったりする
ガチな代物なら『ヒュパディア・リベンジ』と命名されたメシアンや穢教鳥の肉を刮ぎ落とす牡蠣の殻がメインだろう。史実における一神教の蛮行……正にメシアンな所業の犠牲者(からの報復)の名を冠した呪殺属性が激しく篭る儀式済みのこの牡蠣の殻は初音郷支部以来の伝統的穢教滅閃工房の工具であり穢教滅閃工房の紋章は牡蠣の殻とヒュパディアの横顔になっているぐらいである
『メシアンへの復讐』と『メシアン穢教鳥になるべく惨たらしい苦痛を』という意図から生まれた拷問器具。考案者が件のヒュパディアの転生者だからかも知れない……ちなみに沖縄チームもショタおじのハード修行で体験済み