アイに天才の兄がいたら、上手く行くんじゃね? 作:にゃん໒꒱
「ねえ、真?」
隙間時間に勉強用に録画したドラマを見ていると、アイがよってきた。
「何?」
リモコンで、一時停止をして目線をやれば。
そりゃあ、ワクワクといった雰囲気。
返事したのは間違いだったかもしれない。
「なんで、俳優になりたかったの?」
「どうでもいいだろ。てか、なんでだよ」
最悪。
と言っても、適当にはぐらかせばいいだろ。
そもそも、アイが本音を俺に言ったからって俺が本音を伝える義務はない。
罪悪感など感じる必要はない。
「私もそこそこ有名になって、演技の研修だっけ?鈴木さんに認められていけるようになったらしいんだ!
演技といえば真!って思って。そしたら、そういえば真が俳優になりたかった理由を知らなかったなーって思って」
あー。前、無くなって悲しんでいた件か。
それは、嬉しいことだが。厄介なことになった。
「それ、言っていいことか?」
「多分、大丈夫でしょ!」
「はー。別に大した理由なんてねぇよ」
「そんなわけはない!アイを甘く見てもらったら困るなー!
だって、施設長に許可をもらうためにらしくもなく優等生ぶってたじゃん!」
絶対、理由があるでしょ!」
「借金してまで大学進学して働くなら、絶対が保障されてる間に金稼ぎたかっただけだ。
あそこ、ルールが厳しくて門限的に儲からないからな。
演技とか、まあアフレコだけど友達に評判だったし」
子供ちゃんと守るっていう名なだけで、迷惑ごとを背負いたくないんだろ。
社会体験をさせて何かあれば大変なことになるのは施設だし。
実際、子供たちのことなんて何も思っちゃいない。
「ふーん」
怪しんでるが、嘘をついてる確証はないっていう感じか。
俺だって、活動し始めて2年の俳優だ。流石に、バレるような嘘ならプライドが傷つく。
「もう、いいか?
昼ごはんをつくらねぇと」
「まだ、10時だよ?」
「昨日言っただろ。撮影で11時にはここを出るって」
「あ、そっか。忘れてた⭐︎」
「アイは今日ないのかよ」
「夕方からダンスのレッスンだよ」
「新曲の?」
「そう、そう!輝きね」
「あれを踊りながら歌うのかよ。作った俺がいうのもアレだが。
がんばれ」
「酷い!次は優しくしてよね!」
「最善を尽くす
完璧なアイドル様なら余裕だろ?」
「ずるーい」
アイにも構うのもほどほどにしないと、アイの昼ごはんがなくなる。
ーーーーーーー
移動中
「真さん、1時間ほどで到着です」
「了解!お願いしまーす」
はー。けど、もう探索されないといいけど。
なんで、役者か。
そんなの言えるわけない。
もし、言っても多分伝わらない。
だって、自分でもなんで、こんなにも執着しているか分からない。
この感情の名前を知らない。
いや、知りたくないだけかもしれない。
優香姉ちゃんが。まだ。
馬鹿な考えだ。本当に、くだらない。
無意識にペンダントを握ってたのに気づいたのは1時間後だった。