アイに天才の兄がいたら、上手く行くんじゃね? 作:にゃん໒꒱
「監督・・。まじ?」
「当たり前だが。断る理由もないと覆うが?」
俺の目の前にある、20ページほどからなる冊子は、脚本の前段階。
内容は完全山場。そのせいで、意味が分からない所が多いが、とにかくR18Gっていうことがよくわかる。
「いや。そうだけど」
「さっきも言ったが、五反田に行ってドラマの撮影、そしてフェスの場所押さえ」
この監督、人間関係が上手いんだよな。だから、質が基本第一優先な監督でも芸能界でそこそこ上に入れる。
そのため、パイプは凄いんだよね。
それに、今星野家の財政はやばい。
双子というのは、大分貯蓄を削られると思い知った。
まあ、赤子は色々と予防注射とをしないといけないから、しょうがないのかもしれないが。
これからのことも考えれば、お金がないので無理というのは可哀想である。
バレたら、大変な目に遭うアイドルの元に生まれて、金もないなんて。
俺だったら、キレる自信がある。
「わかりました。受けます。
で、本来はなぜここに?これだけなら、メールでいいですよね?」
「真君、本当にサイコパスでしょ?
正確に言えば、人間として欠けすぎている」
うーん、監督は配慮という言葉を知らないのか?
「酷い言いようですね」
「演者は欠けている物や、普通より有りすぎている物のどちらかを持っている人が、輝く。
俺は長い間監督として仕事をして、演技を見てきた。
それに、『』の山場がリアルすぎた。いつもの何倍も感情演技が凄かった」
「褒めていただいて光栄ですよ」
「まあ、そうだよな。
で、この作品のキャラ案の一つとして真君に取材をしたいんだ。
憑依系の技術が素晴らしい演者に聞きたいだけさ」
「それに、対しての見返りはなんですか?」
「そうだな。バライティーでどうだ?」
「俺は役者ですよ」
「なら、次の予算を大きくかけられる予定の映画の主演」
「規模は?」
「俺の中でトップだ」
「なら、それでいいですよ。で、何が知りたいんですか?」
「そうだね。質問に答えてもらうかな。
君にとって"生"とはなんだね」
「相手がくれるもの。
命だったり、時間、才能、お金。その人の、命に代えても守りたい物でもいいですね。
それをくれるぐらい、俺の命に価値があるってことになるからって思いますけど」
「前、演じたキャラと似てるってこと?」
「違いますよ。人を食べたいだなんて思わないですよ。
さっきのだと語弊がありますね。
命をくれるっていうのは、自己犠牲ですよ。
人を殺して、その周りに恨まれるのも中々気持ちいのかもしれませんが。
片付けとか、法律とか考えると面倒くさいですね。
それに、俺の人間の理想像は自己犠牲ですので。それも、あるのかもしれませんね」
「デスゲームとか面白そうだね」
「あー。主人公で、友達とかが『俺の代わりに生きろ』っていうやつですよね?
確かに、あれはいいと思いますよ」
「いいね。なんで、お金でも才能でもいいの?
時間は寿命と似ているから、なんとなくわかるけど」
「お金はその人が稼いだものですし、時間と同じだと思いますね。
その才能を他の人じゃなくて、俺だけに注ぐ。俺のためだけに使う。
それって、他人より価値があるっていうのと同じじゃないですか」
「捧げるか。君、動けるんだからアイドルをやれば良かったのに。
オタクはアイドルに捧げるだろ?」
「ダメですよ。俺、自身は何も受け取っちゃだめなんですよ。
何がなんでも。
役者なら全ての賞賛はそのキャラにも当たる。
それに、俺がアイドルだったら監督だって困るでしょ
こんな、有能な演者他にいませんよ?」
「はっは。そうに違いない」