アイに天才の兄がいたら、上手く行くんじゃね? 作:にゃん໒꒱
「もちなさいよ!」
「わかったからね。かなちゃん」
あー。
周りに持ち上げられて神かと思っているのかよ。
まあ、4歳児に求めてもというのはある。
実際、ドラマを見ていると大分演技が凄いから、大人でも有頂天になりそうだけど。
「あ。あんた、暗闇のメスの!」
「え?
あー。知ってるんだ」
年齢的に知ってるのか?
「当たり前じゃない!
凄い役者は勉強も欠かさないの!
ねえ、あの演技どうやったの!」
「教える前に、態度どうにかしろ。
1回しか言わないが、子役だからチヤホヤされてるだけで、小学生にもなれば捨てられるよ。
その、態度じゃ」
「は?何よ!」
「敬語。演技で言ってたんだから、知ってはいるでしょ。
さっき、自信満々に言ってたけど勉強できないの?」
「何よ!私にかかれば簡単ですー!」
ムキになっているから、扱いやすい。
こういう子が干されるのは、勿体無い。
「じゃあ、ずっとそのままな。あと、マネに荷物を持たせない。
力ないの?」
「そんなわけじゃな。いです!マネ、返しなさい!」
「マネにも敬語。さっき、言ったのにバカだから、忘れちゃったか?」
「う!何よ、えーと。ごめんなさい?」
「まあ、いっか。捨てられたくなければ、それでいろよ。
演技の才能はあるんだから、勿体無い」
「ほんと!で、あの演技どうやってするのよ!」
「まあ、指先の関節一つ、一つ力を抜く。
病弱な演技は力を抜くといい」
「ふーん?」
「まあ、体の隅々まで思うように動かすのが重要ってこと」
「それをどうするのよ!」
「まあ、力を抜くゆっくり入れるを繰り返す。
感覚の問題だから説明は無理」
「読み合わせするぞ!」
「じゃ、あとでね」
「やっぱ凄い!
あの迫力はどうやって作るの!」
敬語が抜けているけど、いっか。
別に、こんな幼い子が敬語を使えないだけで干されるなんてないし。
「負感情の爆発。
演じてる時意識してることは?」
「嬉しいこととか思い出す?」
「その真逆、憎しみの気持ちを増やす。
まあ、感情は成長しているうちにレパートリが増える」
「任せなさい!すぐ習得して見せるのだから!
あ、そうだ。連絡交換したい!」
「良いけど。はい」
名刺を渡す。
「ふふ!」
「じゃ、俺は帰るから。がんば」
「もう!もっと質問」
「俺のシーンは終わりだし。
メールして、返事してあげるし。リハとかで十分でしょ」
「わかったわよ!絶対、返信してね!」
はー。疲れた。
子供はほんと元気いっぱい。
なんか、アイみたいだな。テンション。
ま。面白い役者と繋がったのは嬉しいしいっか。