アイに天才の兄がいたら、上手く行くんじゃね? 作:にゃん໒꒱
アクア視点
推しの子として生まれて3年が経った。
3歳にもなれば喋っていても怪しまれずになるし、ある程度自分でやっても怪しまれなくなり過ごしやすくなった。
ただ。
「仕事!見せて!見せて!」
「アクア、止めろ」
「なんで、俺が」
ルビーを止める役割として忙しい。
「そんなに見せたくないのかよ」
ルビーは単純に推しが歌っている曲作りを見たいだけである。
仕事中は騒がないはずだ。
「嫌だね」
「やだ!ママに言う!」
「はい、はい」
「騒いだら収めるからダメか?」
「ダメだ。てか、お前らなんで俺なんだ?
アイのダンスレッスンには行きたいというが、ここまで駄々をごねねぇのに」
「バレたらまずいだろ。
事務所なら。余計に」
「一理あるが。それに、お前らの興味はアイだけだろ。
なんで、俺にまで飛び火するんだ」
「アイの曲は真なんでしょ!」
ルビーが返した瞬間、納得したような表情になった。
「曲はこっちじゃあんまつくらねぇよ。
機材だって型落ちだし」
「そうなの!じゃあ、何をやってるの?」
「・・・。はー。ほんと、なんでアイに関連するものしか興味を抱けないんだよ。
俺は役者。作曲もしてるが、メインは役者」
俺たちはアイのファンなんだからしょうがない。
「えー!」
「知ってはいるが。それこそ、あんなに役者は長い間することがあるのか?」
「人による。役作りに時間がかかる人は、俺より時間がかかるし。
ルビー、そんな信じられないっていうなら見るか?」
「それはいい」
「はー。別に良いけど。じゃ、興味のない役者の仕事なんでライブ映像を見て大人しくしとけ」
そして、真が自室に戻った。
「アクアは知ってたの?」
「いや、まあ。調べたら出て来るぞ」
「アイ以外にも興味を持つんだー」
「そうじゃなくて。兄妹って言うしどんなのかなってな」
弁解しても、疑いの眼差しであることは変わらない。
「ふーん」
「まあ、普通に考えてアイより稼いでる時点で曲だけじゃねぇだろ」
「えー!あれって嘘じゃないの」
「嘘つく流れじゃなかっただろ」
「けど、役者ってそんなに儲かるの?」
「さあな。でも、そうなんじゃないか?」
「あんなに頑張ってるママの方が給料が低いなんて許せない」
「まあ、大人の世界は努力と結果が必ず見合うわけじゃないからな」
実際、ずる賢い奴が上になっていく。
俺より医者としての技術が低くいが、医院長に媚を売り出世したやつがいる。
「また、おじさんくさいこと言ってる」
そんなつもりはないのだが。
前世の話をすることはないが、言動から前世は早くに亡くなったと考えられる。
そりゃあ、若者から見れば元アラサーなんておじさんだろう。