アイに天才の兄がいたら、上手く行くんじゃね?   作:にゃん໒꒱

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雨降って地固まりきれず

病室の目の前で目を閉じる。

意識して演技を止める。

 

コンコン

 

「はーい」

 

「ん」

 

「あ。真」

 

わかってたけど、すげぇ気まずい。

 

「ちゃんと話そうと思って」

 

「・・・。うん」

 

「そんな、死刑判決を待つみたいな顔すんなよ」

 

「ずっと来なかった」

 

「お前検査だっただろ」

 

「そうだけど。あのね。

真にとってはありがた迷惑かもしれないけど。

真を支えたいの。寄り添いたいの。

私にしてくれたことを返したいの

大事な家族だから」

 

「十分、支えられているよ」

 

アイがいるから、普通でいたいって思ったんだから。

アイがいなければ、嘘をついて人を傷つけていたと思う。

 

「でも。私何も出来ないよ」

 

「救われた。

こんなこと言ったらあれだが。お姉ちゃんとアイ似てるんだよ。

会った当時、償えるって思った。今、それ抜きで大事だけど」

 

「そんなに似てるの?」

 

「眩しくて人を魅力する瞳と、見てて苦しいぐらい執着すること。ずっと、前を見られる勇気」

 

「へー。そう思っているんだー」

 

「ニヤニヤすんな」

 

「耳赤い!

けど。良かった。

だって、家族なのにいつもしてもらってばっかりだもん。

双子の世話をもだし、家事もだし。仕事だって、手を回してくれたんでしょ?」

 

「仕事はどっかで借り返せ。

他はいい。家族なんだろ?気にしないもんだろ」

 

「いいね。家族って響き」

 

「うざい。その笑顔やめろ」

 

「真が照れてる」

 

「照れてねぇよ!」

 

「えー。真顔に戻さないでよ!」

 

「誰が好んで」

 

「ってことは認めるんだね!」

 

「最悪」

 

「拗ねないでよ!

そうだ。二人ともどう家では?

病院では元気そうだけど」

 

「ルビーはまあ大丈夫だろ。

アクアは。まずいかもな。

刺されたことに罪悪感を持ってる。

昨日、アイのスマホのパスワード探してた」

 

「おお。どっかのサイコ映画じゃん」

 

「ほんとそれ。

水飲もうと思って、リビングに行くと青白い光だよ」

 

「うーん。どうしよ」

 

「お前がどうにかしろ。繋ぎ止めろよ」

 

「手伝ってくれないの?」

 

「分かってるのに?」

 

どっちも嘘をついてないくせに、見て見ぬ振りして。

 

「えー。分からないよ」

 

とぼけて。

 

「なら、考えろよ。

それよりも、アクアについてどうするかだろ」

 

その演技に合わせる。

 

「そうだねー」

 

でも、前よりもずっと近い。

剥がれてった嘘を本音で紡いで、同じ嘘で包む。

臆病で進展できない曖昧だけど居心地の良い関係にずっといたことを考えれば、ここ最近はすごい発展だろう。

 

その後の話し合いの結果、アイがメンタルケアをし俺が見張ることになった。

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