隣の席の赤新さん   作:トモットモ

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赤新さんとばったり

 休日。今週は連休だから、結構嬉しい。僕は、いそいそとラフな格好に着替え、帽子を被り、外へと出る。家でのんびり過ごすかで迷ったけど、行きたい場所があったから出かけることにした。

 基本的に僕はインドアなので、休日にあまりあっちらこっちら出かけることは稀なのだけれど、今日はなんだか不思議と出かけたい気分にもなった。

 暫く歩いてT字路に差し掛かる。右に行けば、駅やバス停とかあって左に行けば、商店街とかがある。

 僕は、右に曲がった。そのまま真っ直ぐ歩いて、2つ目の角を左に曲がる。そして少ししたら――

「着いたっと」

 僕がよく行く本屋がある。駅に程近いここの本屋は利用客も多くて品揃えもいい。僕もリピーターだ。足繁く何度も通っている。

 今時は電子書籍が主で、紙書籍はそんなに読まないという事もあるのかもしれないけれど、形が違うだけで中身は一緒なのだから僕はどっちで読んでもいいと思うんだけどなあ。

 紙書籍は嵩張るし、場所取るしなんて言うけれど、そんなのは服やグッズだって同じ事。要は自分が何に囲まれていたいかに尽きるのだろう。

「さて、新刊のチェックをしなきゃ」

 毎月新しい話が刊行していると思うとワクワクが止まらない。僕はルンルン気分で店内の中へと入っていった。

 

 様々な書籍が並ぶ中、僕が真っ先に向かったのはライトノベルのコーナーだ。基本ラノベは漫画のコーナーの近くにあることが多そうだ。ラノベと漫画は親和性が高いからね。

「おお! これは!」

 はすはすと僕は1人興奮を覚えた。

「最新刊出たんだこのシリーズ! いよっ! 待ってました!」

 僕が新刊を手に高らかに声を上げていると――

「うっへー! たっけー! これで税抜きってマジなのですか~!?」

 分厚い参考書を手に阿鼻叫喚の声を上げる女の子がいた。

「うわあああああ!! 赤新さん!?」

 僕は、なぜかそのまま奥の方まで行って、そのままさっと隠れた。

 

「あ、赤新さん……!」

 僕は咄嗟に隠れて心臓がドキンコドキンコしていた。くぅ~。

「な、なんてことだ……。会計済ませるには赤新さんのところを通らないといけないのに……!」

 万事休す、というやつだろうか。僕は赤新さんの様子をそ~っと観察してみた。

 赤新さんは分厚い参考書と何やらにらめっこしているようだ。

「ちょいとお前さん。何でそんなにお高いんだい? 増税の影響かい? こちとら今月お小遣いピンチだってーのによ」

 どうしてちょっと落語風味なんだろう……? まあ、それは置いといて。

 赤新さんの持ってる参考書、確か僕、持ってた気がする……。要点がしっかりまとめてあって使いやすかった印象があったっけ。

「あー、どうしよー。これ買ったら他の買えにゃいにゃ~にゃんにゃん」

 やんやんと首を振る赤新さん。あるあるだ。資金にも限度があるからね。というか言い方可愛くない?

「う~ん、古本屋行った方がいいかな? 遠いけど……」

 駅使って行く場所かな? う~ん確かあそこはそんなに参考書多くはなかったような……。

「よし、決めた! アイス買おーっと!」

「いや、買わないの!?」

 ズコーッと僕はしながら声を上げた。

「え? あ、よ、吉川君!?」

「あ、ど、どうも赤新さん……」

 さすがに気付かれちゃうよねこれは。僕は小さく微笑みながら赤新さんに小さく手を上げた。

 




赤新さんと休日にばったりだ~。ドッキドキだ~。また次回へと続きます~。
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