ヒソカ vs 悪魔の実編   作:マネ

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メラメラの実は × 禁止 × デス

 デスノートで勝てなかったのはヒソカ相手に頭脳戦を仕掛けたからだろう。

 

 ヒソカは念能力者としては中堅と言ったところだが、頭脳に関しては別だ。幻影旅団のクロロさえも出し抜いている。ヒソカ相手にデスノートはリスクが高かったと言えるだろう。

 

 デスノートのように、操作系や具現化系は一見して最強異能にみえるが、ヘルメットを被られたら、その時点で詰む。対処されたら終わりというどでかいデメリットがある。もちろん、そのデメリットを隠しながら戦うのがハンターハンターのバトルの基本。その基本を外して、裏をかいたりする駆け引きが生まれるわけだが、それだとヒソカの頭脳にしてやられる可能性が跳ね上がる。

 

 俺も脳死で、そういう能力にするところだった。あぶない。あぶない。

 

 俺はバカじゃない。俺はそんなミスはしない。操作系や具現化系ではなく、強化系や変化系、放出系にしよう。

 

 まずはバンジーガムをどうするかだ。対バンジーガムの能力って、どんな能力だろう?

 

 バンジーガムがくっつかなくなるとか?

 

 バンジーガムを切断できるとか?

 

 バンジーガムを無効化するとか?

 

 異魔神ブレイカー? いや、それこそ頭脳戦だろ。もっと単純に考えるんだ。

 

 王道少年漫画のような異能力……パワーバランスを崩壊させるような……。

 

 ハンターハンター……ナルト……ワンピース……ワンピース!?

 

 

 ワンピース世界の異能力をハンターハンター世界に持ち込んだら、無敵なんじゃないか!?

 

 

 ワンピースの世界には覇気という設定がある。どんな異能力も無効化することができる異能力。覇気の登場によって、絶対無敵のロギア系が無敵ではなくなった。

 

 ロギア系には、ゴロゴロの実、スナスナの実、マグマグの実、メラメラの実、モクモクの実、ピカピカの実、ヒエヒエの実、ガスガスの実などがある。

 

 ゴロゴロの実は最強のロギアと言われているが、ワンピースの世界ではゴムと相性が悪かった。本来、ゴムは雷で絶縁破壊されるから、雷に弱いはずなんだが、ワンピースの世界ではそれが通じなかった。抗力がなかったりするし、ワンピース世界の物理法則は現実世界とは別のロジックがある。そのロジックがハンターハンターの世界にも持ち込まれていたら、ゴロゴロの実がバンジーガムに効かない可能性もわずかながらある。

 

 これには検証実験が必要になるが、それをする術がない。ゴロゴロの実は排除だ。

 

 スナスナの実は言わずもがな。ゴムとの相性は最悪。これだけは絶対ない。

 

 マグマグの実も、結局はマグマという実体を持っている。冷えたら、おしまいという弱点がある。

 

 メラメラ、モクモク、ピカピカ、ガスガス……やっぱりメラメラだろ!

 

 火炎の使い手。

 

 

 カコイイ!!

 

 

 バンジーガムを焼き尽くすメラメラの実!!

 

 

 

 

 邪王炎殺黒龍波(メラゾーマ・ダーク)!!

 

 

 

 

 これはやってみてェ!! メラメラの実の能力に決まりだな!!

 

 ハンターハンターの世界じゃ、完全無敵の最強異能じゃないか!?

 

 

 

「メラメラの実も禁止です」とステイシア・アスナ。

 

 

 

「メラメラの実もかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

「かよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

「かよおおおおおおおおおおおっ!」

 

「かよおおおおっ!」

 

 

 

 ハンターハンターの世界に、いったい何人、異世界転生してんだよ。

 

「これもヒソカにやられてんのか?」

 

「いえ。まだ二人は戦っていません」

 

「検証中か」

 

「第二宇宙にて」

 

「第二宇宙?」

 

 

「私たちが確認しているかぎり、宇宙は全部で、3つ。第一宇宙から第三宇宙に分かれています。ここは第三宇宙。その中でも、ここは『あの世』の中の『界王神界』の『精神と時の部屋』と呼ばれているエリアです。そして、ハンターハンター世界の舞台は『大魔界』と呼ばれているエリアです」

 

 

「ちょっと何言ってるかわからない」

 

 

 魔界!? なんだそれは。

 

 確かに、暗黒大陸編に入って、ハンターハンター世界は地球よりデカイといった謎設定が出てきたっけ。ハンターハンター世界の構造はどうなってんだって思ったが、それが魔界設定ってわけか!? だったら、宇宙空間はどうなってんだ? ハンターハンターの世界はドラゴンクエストの世界に近いってことか? 幽遊白書にも魔界は出てきたしな。

 

 わけわかんねェな。

 

 まぁ、今はどうでもいい設定だな。

 

 

「つまり、誰かが選んだ異能力は選べないってわけか?」

 

「そういうことです」

 

 俺と同じロジックで、俺と同じ能力にたどり着いた人物がいる。

 

 しかも、別の宇宙で……。

 

 第一宇宙とか、界王神界とか、完全に、ドラゴンボール世界の用語じゃないか。

 

 パラレルワールド!?

 

 検証中ってことは、ヒソカに負けたわけじゃないってこと。考え方は悪くないはず。このロジックはまちがってないはず。

 

 ワンピース世界では、パワーバランスを取るために、ロギア系に対して、覇気という設定を作った。

 

 しかし、ハンターハンター世界には覇気が存在しない!

 

 ハンターハンター世界なら、ワンピース世界のロギア系が完全無敵! 最強異能に変わる! その異能はヒソカに届く! ヒソカを殺れる! 確実に。

 

 あとはどれを選ぶか。それとも新たな能力を考え出すか。

 

 みえてきたな。

 

 俺が選ぶべき、完全無敵の最強異能が。

 

 そして、デスノート然り。メラメラの実然り。俺以外にも、ハンターハンター世界に放たれた転生者たちがいる。これはヒソカを倒す競争(サバイバル・デスゲーム)だ。

 

 この俺が速攻で、ヒソカを倒す。

 

 電光石火で。

 

 

 

 

 ◆  ◆

 

 

 

 

 メルエム vs ネテロの動画が壁一面のモニターに映し出されている。

 

 百式観音、九十九の掌、右手13、左手22、右手44……。

 

 まるで、軍儀だな。スターバーストストリームと同じだ。パターン化されたプログラム攻撃。メルエムは百式観音の手筋を、攻撃パターンを完全に読み切っている。

 

 メルエムには終局図までみえていることだろう。メルエムはまちがわない。百式観音の攻撃がメルエムに届くことはない。

 

 モニターの中のネテロの脚が切断された。

 

 ネテロ、手を誤ったな。今の老いたネテロでは、メルエムが描いた終局図にすら、たどり着けない。ネテロは肉体よりも先に、精神のほうが老いてしまったようだな。

 

 ネテロの勝ち筋は百式観音の技で勝負せずに、通常攻撃で戦うしかなかったんだ。それじゃ、メルエムの相手にもならないが。

 

 

 

 

 俺がヒースクリフと戦ったときのように。

 

 

 

 

 そして、おそらくヒソカの読みの早さと深さはメルエム以上だろう。ヒソカに百式観音は通じない。ヒースクリフ同様、ヒソカにも、スターバーストストリームは通じないと考えていいだろう。

 

 バンジーガムはセットさえしていれば予備動作なく、最高速を出せる厄介な異能力。

 

 しかし、ヒソカ攻略の障害はそこじゃない。バンジーガムじゃない。ヒソカの思考の瞬発力と戦闘考察力。それと発想力。ヒソカの想像を上回らなければ勝つことはできないだろう。

 

 そもそも念能力の戦いは精神の削り合い。精神力の強さで決まる。

 

 俺にヒソカを倒せるだろうか? たぶん、無理だろう。今の腑抜けた俺には全力を出すことは難しい。

 

 アインクラッド、74層ボスのグリームアイズと戦ったときのような力が出せれば、或いは。

 

 

 

 ヒソ力 + エル vs キラのライブ映像が壁一面のモニターの中のひとつに映し出されている。

 

 キラこと夜神月の具現化した死神レムがデスノートを取り出して「ヒソカ=モロウ」と書いている。

 

 ヒソ力はレムによって、名前がデスノートに書かれるのをみて、ガクブルしている。死神レムには物理攻撃が通らないから、ヒソ力にはどうすることもできない。

 

 レムの非情なカウントダウンに、ヒソ力のストレスは限界を迎えて、胸を抑えて倒れてしまった。が、ヒソ力は自分が死んでいないことに気づいて「くっきゅっきゅ♣」と言って立ち上がる。

 

 

「おもしれぇヤツ」

 

 

 俺は笑った。

 

 

 

 

 ◆  ◆

 

 

 

 

「ここは……また、ここか」

 

 キラこと夜神月こと、菜月陽太が『精神と時の部屋』に現れた。

 

「やぁ! 陽太君、残念だったな」

 

「おまえ! 嘘をついたな!」

 

「ん?」

 

 俺は首を傾げた。

 

「ヒソカにデスノートが通じなかったぞ。おかしいじゃないか。デスノートに名前を書いたら、40秒で死ぬ。そういう能力なのに」

 

「キミはキミ自身の能力をどこまで研究した? してないだろ? だから、負けたんだ」

 

「僕はデスノートを読みまくってるんだ。デスノートの中で、夜神月がデスノートの実験を散々やってる! 僕の能力は、あれと同じなんだろ?」

 

「あぁ。同じだよ。だけど、やっていない実験がひとつある」

 

「なんだよ?」

 

「レムの実験。キミはレムの能力を見誤ったんだよ」

 

「意味がわからないっての!」

 

「レムは、ヒソカは――」

 

 

 

 そこで俺はとんでもないことに気づいてしまった。

 

 

 

「うぉっ! 約束の時間、過ぎてら!」

 

 

 俺は手にしていたエリュシデータの形状を夜空の剣に戻す。俺のカラダも少し大きくなる。服も星王の王衣に変わる。

 

 星王モード。

 

 もう、こっちのほうがしっくり来るな。昔の本来の自分がまるで自分じゃないみたいだ。

 

 

 

「おいっ! 待てよ! 説明しろ。ヒソカは……なんだよ?」

 

「キミには一生勝てない。じゃ!」

 

 俺は陽太に手を振った。

 

「じゃ、じゃねェ!」

 

 

 陽太の前に、開かれた白い扉が現れる。陽太は扉の向こう側にいる。こちらの世界の向こう側に。

 

 

「おい! なんだよ。これ! なんだよ! これ!!」

 

 ギシギシと白い扉が閉まっていく。

 

「やめろ! 扉を閉めるな! やめてくれ!」

 

 陽太は扉から手を伸ばす。

 

「頼む……頼むよ……死にたく……ない……」

 

「おつかれぃ」

 

 バンと音を立てて、白い扉を閉まった。

 

「それは精神の扉。扉の大きさは精神力の証。それを開けられない者にここにいる資格はない」

 

 

 

 新しい転生者が来る時間は……とっくの昔に過ぎていた。

 

 

 閃光様、怒ってるだろうな。

 

 

 

 俺は夜空の剣と青薔薇の剣を背中に差した。




もともとキラキラの実編は「Hyskoa's garden」のヒソカとメラメラの実のバトル展開を考えていた中で、ヒソカを語り切れない部分があることに気づいて書くことにした物語です。メラメラの実の能力者とのバトルの投稿日は未定ですが。
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