転生者掲示板コテハンの日常   作:uiroumanju

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ふと思いついた短めのネタ2本立てになります。

今更ですが、「暇なときの過ごし方」にハーメルンの機能を利用してネタバレに多少配慮した形に、微修正しました。


アウタールールモード

「これ、どうしましょう?」

 

 息抜き半分、冗談半分で作ってみた、アルマデールモドキ*1を手に取る。元ネタと違って純粋な魔道書なので、私も扱う事はできますが、普段乗っている本*2*3と同じような大きさなので、私じゃなくても明らかに持て余します。

 

「失礼します。あれ、院長様。どうしたんですか?その魔道書。」

「ああ、セラフィさん。

 ちょっと異世界から流入した情報(転生者スレで見た話)を元に、魔道書を作成してみたのですが、

 どうにも処分に困りまして。」

「え、異世界の情報を元にした魔道書ですか?どんな内容かお聞きしてもよろしいですか?」

 

 異世界の情報と聞いて、セラフィさんが好奇心で目を輝かせながら訪ねてきました。

 

「一言で言いますと、異世界の理論版のファンタスティカ*4です。

 とある異世界の竜(オオナズチ)が持っているという、保護色と霧、神経毒を利用した幻惑能力を、

 魔法で再現するための術式を記してみました。」

「……それは、なんとも。」

 

 保管するにも、誰かに使わせるにも、正直微妙なんですよね、これ。

 

 本物のように、オオナズチの皮で装丁されていて物理的な防御能力が期待できるわけでもなく、ただ大きすぎて持ちにくいだけなので、これを使うくらいなら、ファンタスティカを複製してそちらを使うなり、別の魔道書を使うなりした方が、ずっといいです。

 

 かと言って、図書院で保管するには大きさがネックとなり、無駄に場所を取ることになる上に、盗難の恐れもあります。何より、序盤のダンジョンである図書院に置いておくと、中盤くらいの時期相応の性能なので、世界崩壊の時にピンポイントで保管場所が崩壊しそうです。

 

「出来れば、焚書にはしたくないんですよね。」

「わかります。」

 

 私の、というより、第八世界存在(記録を執るもの)としてのスタンスに反する行為ですからね。よほど危険な書物であるならばともかく、既存の魔道書と同程度の物を焚書にするわけには行きません。

 

「とりあえず、物置*5に置いてきます。」

「あ、はい。わかりました……」

 

 物置にアルマデールモドキを置きに行く為に行く為に、愛用の杖――失われて時の奇跡に流れ着く前に確保した魔鍵杖ランドルフ*6を手に取ると、セラフィさんがあからさまにがっかりしたような様子を見せます。

 

「……読みたいんですか?」

「え、いえ、その……はい。」

 

 今持っている情報を鑑みるに、原作開始までまだ猶予はあるはずなので、原作開始までに返却してもらえば問題ないですかね。……原作で職員宿舎は真っ先に崩壊に巻き込まれていたので、返却されなくても結果は変わらないだろうという考えも、無くはないですが。

 

「わかりました。不要になったり、私が必要とした時には、返してくださいね。」

「あ、ありがとうございます!それでは、失礼しますね!」

「あ、ちょっと、セラフィさん!」

 

 アルマデールモドキを差し出すと、嬉しそうに抱き抱えながら、私にお礼を言って、書斎から退室していきました。……何か用事があって、私の書斎まで来たんじゃ?と思いつつ、少し落ち着いたら思い出すかと考え、待つ間に転生者掲示板(雄英の金属生命体さんのスレ)を覗くことにしました。

 

「先日のインターンの時は、色々ありましたね……」

 

 同一世界の転生者達との出会いに、御両親の最期についての話、そしてステインとの交戦の末に、その脳波を受けて個性が暴走しかける……

 

ヒーロー(英雄)には困難や悲劇が待ち受けているのは、世界が違えど同じなんですよね。

 ……いえ、それらに抗うからこそのヒーロー(英雄)でしたね。」

 

 この世界において、英雄といえば真っ先に名が挙がる三英雄は、剣聖グレンは魔王ディースとの戦いで散り、レイブンヒル伯レスターは魔王の呪いによって人外へと成り果て、大魔導師シェレニエーラは祖国の愚行を止める為に諸共に海に沈みました。

 

「雄英の金属生命体さんのお父さんは、妻を失い、自らも命を失いながらも、

 ヒーローとしての実績と、ご子息という生の証を刻みました。」

 

 あの話を聞いて連想した、妻と子を失った末に悪しき王としてその生の証を刻んだ、レサ王朝最後の王ラマデスの、その最期を迎えた場所に刻まれた言葉を思い返しながら、ふとそんな言葉がこぼれてしまいました。

 

 私達を転生させた神にとって、私達が玩具や見世物にすぎないとしても、私達が自分自身の物語を生きている事に、変わりはありません。

 

「願わくば、雄英の金属生命体さんの物語が、悲劇以外の、優しい結末を迎えられますように。」

 

 そう、転生者達のスレ(物語)を覗き見る度に抱く願いを、言葉にしました。祈る相手はおらず、直接力になることは出来なくとも、願う事だけは出来るのですから。

 

 


オマケ

ここからは、もしもセラフィの代わりに第八世界存在いーすんが館に召喚されたらというif展開における、館内でのセリフ集となります。

 


(オープニングの会話では、セラフィと言う事が殆ど変わらないので省略されました。)

 

 

初会話

「どうも、私は図書院長です。よろしくお願いします。

 この世界を救うために、一緒にがんばりましょう!」

>名前は?

「えっと、名乗らなかったわけじゃなくてですね。私の名前が図書院長なんです。」

「というか、そもそも私にこんな名前をつけたのは、お父様じゃないですか!……こほん。」

「名前通り、図書院に勤めていましたので、知識には少し自信があります。

 私の知識が必要になったら、いつでも声をかけてくださいね。」

 

 

(ストーリー進行度による話題は、進行度に合わせた情報を垂れ流すだけなので省略されました。)

 

 

同調の像起動

「え、私も今日から一緒に戦うんですか?」

「わかりました。よろしくおねがいしますね。」

 

 

食料庫の凍った扉

「凍った扉ですか?」

「私やグヴァリフさん、あとはシェーラさんが少し力を取り戻せば、どうにかできますね。」

「ですが、どこかから『爆炎玉』を調達したほうが、多分手っ取り早いと思いますよ。」

「そういえば、食料庫にはトルバドール(姿なき声)が隠れ家にしている、ネズミの巣があるんですよね。」

 

 

水中で呼吸するには

「水中で呼吸をする方法ですか?」

「それでしたら、シェーラさんにお願いして、『ブリーズ』の魔法を使ってもらうか、

 『マリンスノー』という水中でも呼吸できるようになるブローチを手に入れるかですね。」

「え、私ですか?ごめんなさい、『ブリーズ』の魔法は習得していないんですよ。

 図書院でのお仕事では、必要になることがありませんので。」

「まあ、ぶっちゃけてしまうと、私は本来存在しないキャラですので、

 フラグ管理の都合で持たされていないだけなんですが。」

 

 

暇なときの過ごし方

「暇なときは、趣味と実益を兼ねて、料理をしてます。

 司書達にも結構好評だったんですよ。」

「館にいる間は私が料理する必要は無いんですが、偶に調理場を借りてます。」

 

 

千年樹海の水門

「千年樹海の水門ですか?」

「それでしたら、橋を架ける為には『レイブンヒルの紋章』が必要になります。

 たしか、図書院の私の書斎にもみっつあったはずです。」

「え、何故私が持っているか、ですか?

 何分、手に入れたのは昔の事ですので、ちょっと思い出せないです。」

「まあ、ストーリー上の都合なんでしょうけれども。」

 

 

万魔殿の封印

「万魔殿の封印、ですか。」

「万魔殿の詳しい話については、当事者であるレスターさんや、シェーラさんに聞いてください。

 文字でしか知らない私に聞くよりも、詳しい情報が聞けるはずです。」

「私も館に召喚される前に調査していましたが、散見した情報から察するに、

 万魔殿の扉を守る二本の魔槍と守衛、三重の隔壁はどれも異常はないようです。」

「仮に、万魔殿の悪魔たちが崩壊の原因で、何らかの手段で地上に浸透していたとしても、

 ディースさんがこんなやり方を望むとは、私には思えません。」

「事実、ディース兄さんは、自分の役割を積極的に果たしているだけでしょうし。

 いやまあ、図書院にセレブレイターを攻め込ませた事に、思うところはありますが。」

 

 

カルナ

「カルナさんですか。私とは意見が合わなくて、けんかをしたこともありました。」

「今思うと、図書院から離れようとせず、新しい何かを作ることも無く、与えられた役割通りに、

 過去を記録し続けるだけの私の姿が、もどかしかったのかもしれませんね。」

「願わくばその望みが叶わんことを。……たとえそれが、カルナ兄さんの終わりであっても。」

 

 

彼の鍵、彼女の鍵

「『彼女の鍵』は、第二世界存在である館主さんが肌身離さず持っていて、

 『彼の鍵』は第一世界存在から、グヴァリフさんに預けられました。」

「グヴァリフさんの居城である『天帝の高御鞍』を探索するのでしたら、可能であれば、

 竜殺しの武器や、状態異常を付与する武器を用意しておくと、大分楽になるはずです。」

「今になって思うと、お母様があの鍵を万魔殿に落としてしまったのが、

 お母様が凶行に走るに至った、最後のひと押しだったのでしょうね……」

 

 

にゃーにゃーの隠し財宝

「トッティ・モコモコ・コルペティーア*7さんの財宝ですか?」

「この館の中の事でしたら、使用人のあの子に聞くのが一番です。

 たとえ知らなくても、何か気付いていることがあるかもしれませんよ。」

「私は後で魔女のパンを焼いて、お墓にお供えしてきましょう。

 私にはそれくらいしか、あの子の献身に報いることができませんから。」

 

 

真の漢(おとこ)

「おおう、真の漢ですか……」

「なんと言いますか、その、コメントに困りますね。」

「グヴァリフ兄さんやジャネット姉さんには、ウケが良さそうですが。」

 

 

好感度イベント

「あ、ちょうどお菓子を作ったところだったんですよ。よろしければ、一つどうぞ。」

メイドオブオナー*8を手に入れた!

「え、もっと沢山欲しい、ですか?他のみなさんにも配るのでダメです。」

「まあ、ゲームの都合というやつですね。」

 

 

使いかけの石鹸*9

くんくん。

うーん、かぐわしい香りだ。

「あの、その石鹸は……」

「あ、あの時、覗いてましたね!」

「人が気付かなかったフリをしているのに、証拠を見せつけるとか、悪趣味すぎです!お父様!」

「さいてーです!」

「へんたい!」

「歴史の闇に消えてください*10!」

 

 

第一世界存在、物語の終わるとき

「おかえりなさいませ、お父様。あなたの帰還に感謝します。」

「私は、物語の終わりと共に消えるさだめなのだと思っていました。

 セラフィさんに、副院長ではなく院長見習いという立場を与えたのも、それが理由です。」

「ですが、こうしてこの物語の結末に、この世界の終わりに関わる機会を与えられました。」

「どうか、あなたの手でこの物語を終わらせて(お母様を止めて)ください。」

 

 

同調の像起動

「わかりました。お父様が結びの言葉を記す為の、お手伝いをさせていただきます。」

 

 

鏡の間の先、最終決戦前

「これが、私の最後の役目です。どうか、永すぎた悲劇に結末を。」

「お父様。あなたに、力を――」

全員のHP、MP、状態異常が回復した!

*1
コミュニケーション下手くそな金属生命体が個性の少年がヒーローになる話の24スレ目参照。

*2
超次元ゲイムネプテューヌのイストワールが腰掛けている本。彼女の本体でもある。

*3
原作の図書院長の手帳(リネームイベント)に相当する品。ただし、サイズは明らかに手帳ではない。

*4
幻影術を駆使して回避率を上昇させる魔道書。

*5
原作には無い部屋で、死亡フラグ打破研究の失敗作置き場。入るには魔術師の鍵が必要。

*6
鍵の形をした杖。魔術師の鍵と同じ効果を持つ。

*7
にゃーにゃーの本名。原作ではこの話題の時にシェーラから聞ける。

*8
門外不出のタルト。防御力が2ポイント上昇。

*9
葬儀屋の好感度イベントの温泉覗きで手に入るアイテム。要:[怪盗の定理]

*10
超次元ゲイムネプテューヌにおける、イストワールのSPスキル『森羅万象』使用時のボイス。




クヴァシルの蜂蜜酒ならぬ、グヴァリフの蜂蜜酒というネタも思いつきましたが、流石にいーすんネキは冗談でもそんな事言わないなと没にしました。
竜王の血を使って醸造した蜂蜜酒とか、すごい効能がありそうですよね。

いーすんネキが魔鍵杖ランドルフを入手した理由は、普通にプレイしていると入手時期の割に性能が微妙+入手フラグが折れがち+PTメンバー次第では誰も装備できないので、自分が確保しても原作への影響が極めて小さいと判断したからです。
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