今回は調理を行う描写が含まれていますが、料理については知識が無く、家庭科の授業以外では材料と調味料を適当に炒める程度の自炊料理しか作った経験が無い為、ネットで調べたレシピ等を参考にしているものの、おかしい点やその調理法や食材のチョイスだと不味くならね?と思われる点もあるかもしれませんが、そこは[調理3LV]持ちの第八世界存在いーすんが、足りない手順等の補完をして、美味しく調理したという事にしておいてください。
雄英の金属生命体さんのスレ民の皆で、雄英の文化祭に参加する事が決まり、エクバで使う機体も完成しましたので、それに向けていくつかお弁当を作る事にしました。
いえ、私は世界存在ですので、例え一生不眠不休の飲まず食わずでも、命に関わる事にはなりません*1が、怪我や体力の回復の為に、用意しておく事に越したことは無いでしょう。
薬や魔法による回復ですと、向こうの世界の法律に引っかかる可能性がありますので、料理という体にしてそれを回避するのが、お互いの為にもなります。調和と安定を行動原則とする司書達の長である私が、不必要に規則を破るわけにもいきませんしね。
こうして作っておいた後に、情報を文字に変換して保存しておけば、そのままの状態で保存が出来ますので、食材も無駄にはなりませんし、人修羅モドキのネイティブアースさんみたいに、当日の食事が用意出来るか怪しい方もいる以上、私以外の皆さんに振る舞う事になる可能性も0ではありませんので、念のためにたくさん作っておきましょう。
今回は、魚介系の食材を使った料理を中心にしましょう。最近ポケットマネーで私用の包丁として購入した、特注のメドリアナイフ*2の使い勝手も試してみたいですしね。
調理4:薬膳イールパイ
以前スレで、人修羅モドキのネイティブアースさんから、G・O・Dに登場する、食べるとHPが完全回復するというミャアタウンのお土産、ウナギパイについての話を聞いて、どうにかそれを再現できないか、挑戦してみた事があります。
上手くいけば、超回復薬*3と同等の効果を持ったアイテムがローコストで作れるかもしれないと挑戦してみましたが、結果は手頃な素材だけでは超回復薬と同等の回復効果を持たせようとするのは少々無理があるという、うすうす予想の出来ていたオチとなってしまいました。
それでも回復薬*4と同程度の回復効果があり、薬草とレモン汁を使って下処理をしたウナギを丸ごと一匹分と、新鮮な野菜をパイ生地で包んで焼いた、食べごたえのある一品ではあるのですが、同じ効果のある料理であるケイブオークの薬草焼きの方が司書達に人気がある上に、安価に材料を揃えられるんですよね。私自身、どうせなら蒲焼にして食べたいと思ってしまいましたし。
「うげぇ! 私、そのパイ嫌いなんだよね〜……」
「ああ、イェーラさん。これは私が今度外出する時に持って行く物ですので、
そんなに嫌そうにしなくても、食卓には並びませんよ。」
「ホント!? いやー、よかったー!
そのパイのナスとウナギのダブルパンチが、ホントにダメでさー」
はい、司書達の中でこのパイが嫌いな子筆頭はイェーラさんです。以前このパイを作った際に、イェーラさんがつまみ食いをしまして、偶々そのつまみ食いをしたパイが、イェーラさんの大嫌いな茄子*5入りの物だったのもあって、このパイ自体が嫌いになってしまったみたいです。
逆に、セラフィ*6さんやハガラス*7さんには、こちらのパイの方が好評なんですけれどね。
「そういえば、院長様はなんでそんなパイを作ろうと思っちゃったの?」
「それはですね、以前人から強い薬効のある、ウナギを用いたパイの話を聞きまして……」
「ねえ、それ、騙されてない?」
ミャアタウンのウナギパイは、一体どんな材料を使って、どのように調理をして、その効果を持たせたんでしょうかね? 謎が深まるばかりです。
……冷静に考えると、前世日本人の方にはウナギのパイは馴染みが無いでしょうし、念の為に魔女のパンにケイブオークの薬草焼きを挟んだ物も、一緒に持っていく事にしましょう。
調理5:船乗りの墓場風ブカニエラ
原作に登場する、イストワール世界の料理と言えば、真っ先に名前が挙がるであろう、海賊風怪しげな丸焼きですが、前世の記憶の影響で、海賊風と聞くと
なので、この2つの料理を組み合わせた料理を作ってみたいと思います。まず用意する材料として、ブカニエラに必要なスープ・ド・ポワソンのベースとして末期の水*8、香辛料にはシザーズクラスト*9を使用します。メインの具材には折角ですので、船乗りの墓場*10風という事で、さそりがに*11のお肉を熟成させたもの*12と、新鮮なピラーニャにマーマン*13を使いましょう。
大海賊グラグングレグスが十二悪魔将が一、海王クラーケンロードと相打ちになって亡くなり、彼の率いた船団は海域を脱する事が出来ずそのまま全滅する事になった彼の地の名前を、海賊風パスタに付けるというのは、いささかおかしい気もしますが、他に良い名前も思いつきませんので。
それ以外の材料はパスタ、ニンニク、玉ねぎ、薬草、アサリ、白ワイン、オリーブオイル、塩、胡椒、そしてストックしてあるトマトソースと言った所でしょうか。
事前の準備として、さそりがにとピラーニャとマーマンのお肉を大きめにカットして、そのまま保存します。更にこの時に出たピラーニャとマーマンのアラを使って、スープ・ド・ポワソンを作ります。
まずオリーブオイルで玉ねぎを炒めてしんなりとしたら、魚肉のアラを加えてしっかりとかき混ぜながら強火で水分を飛ばし、水分が無くなったら末期の水を入れて沸騰させ、アクを取ったら薬草を入れて2時間程煮込んだ物をすり潰しながら濾して、濾したスープを煮詰めてスープ・ド・ポワソンが出来たら、準備は完了です。
「では、早速作るとしましょう。」
まず、パスタ用にお湯を準備してパスタを茹で始めます。そしてフライパンにオリーブオイルを引いて、ニンニクとシザーズクラストを弱火でじっくり炒めます。
「いい匂いがするわね……」
「わぁ、お魚がいっぱいで、今から楽しみです!」
程よく炒めたら、次はアサリ、さそりがに、ピラーニャ、マーマンを炒めながら塩・胡椒をして、白ワイン、スープ・ド・ポワソンの順にフライパンに入れていきます。
「あ、あのスープは付け合わせじゃなかったんですね。」
「キノコが入ってないのは残念だけど、これはこれで美味しそうね。」
最後にトマトソースを入れて、茹で上がったパスタをお皿に盛り、その上にかければ完成です。正直、魚介類をふんだんに使ったせいか、ブカニエラの要素が強すぎて、あまり海賊風怪しげな丸焼きっぽさは感じられませんが、メドリアナイフの良さが実感できましたし、まあ良いでしょう。
「セラフィさん、イーサさん、新作の料理が出来ましたので、一緒に試食しませんか?」
「「ぜひお願いします!」」
魚介類が好物なセラフィさんだけでなく、キノコ料理とイタリアン系が好物なイーサ*14さんもガッツポーズをとりながら試食の提案に乗ってきました。
試食したところ出来は上々で、一緒に試食した二人の反応も良かったので、図書院の食事のメニューに正式に加わることになりました。今回、大量に作って食べなかった分は、保存してそのまま文化祭にも持っていくことにします。
調理6:物語ランチ
せっかくスレ住民の皆で集まる事になりますので、偶には私も少しはめを外す事にします。具体的には、コスト度外視で味と回復効果を追求して、見た目的にもインパクトの大きい、そんな料理を一品用意する事にします。
魔法陣グルグルに登場する勇者ランチ*15を参考に、世界各地の様々な食材を用いて、各種薬草や調味料を組み合わせる事で、この世界の地図をお皿の上に再現しつつ、味とHP完全回復効果の両立に成功しました。
更に、ランチ上の地域毎に、味付けや食材も合わせた物になっています。……流石に、竜の肉は用意出来ませんでしたので、そこは鳥肉で代用していますし、元ネタのように毒沼には毒を仕込むみたいな事はしていませんが。
名前は勇者ランチをもじって、世界存在ランチやイストワールランチ、あるいはカルナ兄さんが館の地下に作った箱庭にあやかって、図書院長の箱庭ランチにしようかとも悩みましたが、このイストワールの世界を模したランチならば、物語ランチと呼ぶのが相応しいと思いましたので、この名前にしましょう。
それに、この名前だったら向こうで料理名を言った時に、例えそれを現地の人に聞かれたとしても「物語の世界をイメージして作ったから、物語ランチです。」と言えば、良い感じに解釈してくれる事でしょう。嘘は言っていませんし。
「素晴らしいですわ! この世界を料理で再現するなんて、まるで芸術ですわ!
しかも敢えて完全には再現せず、知名度の高い要所のみに絞って再現する事で、
味と見た目がごちゃごちゃしすぎるのを防いで、更には回復効果まであるなんて、
流石院長様ですわ!」
「うん、確かに凄いけど、ここまで作り込まれてると、逆に食べづらくない?
特に海の部分とか、色合いのせいで見てて食欲湧かないし……
ああいえ、院長様の料理ですから、美味しいのはわかってるんですけど。」
今回、試食の場に居合わせたハガラスさんとケーナズさんで、意見が分かれてしまいました。作り込みに関しては、少なくとも私ではレイブンヒル城*16の造りとかの再現に関しては、最初から諦めて、全体的にデフォルメを効かせた感じにしていますが、そういう話では無いんでしょうね。
「ところでハガラスさん? いくら後輩の世話を焼くのが大好きだからといって、
私を膝に乗せて抱きしめたり、そのまま頭をなでたりするのはやめていただけませんか?
お忘れになっているかもしれませんが、私はこう見えても貴女達の産みの親なんですよ?」
「もちろん、忘れておりませんわ!
でも、院長様が小さなお体で、調理や盛り付けを頑張っている姿を見ていたら、
我慢できなくなってしまいましたの!」
「いや、あんたねぇ。それはそれでどうなのよ……」
ハガラスさんのいつもの発作に、ケーナズさんもやや諦め気味のご様子です。私が対象になる事は少ないので、すっかり忘れていましたが、ハガラスさんは仕事中はしっかりしているのですが、オフの時は割と暴走しがちなんですよね。趣味や小さい子が絡むと特に。
「はい、院長様、あ〜ん。」
「いえ、膝から下ろしていただければ、自分で食べられるんですが……」
「……これはダメね。完全にモード入っちゃってるわ。」
ケーナズさんのおっしゃる通り、完全にモードに入ってしまっているので、私も諦めてされるがままになります。娘が久々に甘えてくれているのだと思えば可愛い物ですし、何より、以前あったように、真正面から抱きしめられてハガラスさんの胸で窒息するよりは、ずっとマシですし。
「院長様、このランチを作る際に、一番頑張ったのはどこでしょうか?」
「それは勿論、北東部にあるアマカケル*17と、その上にある天帝の高御鞍*18の部分ですね。」
「(確かに、見るからにバランス悪いものね。どうなってるのかしら、アレ。)」
もしもこれを兄姉達にお出ししたら、どんな反応が返って来るんでしょうね?ディース兄さんは淡白な反応が返ってきそうですし、逆にグヴァリフ兄さんは地域毎の見た目や味について詳細に食レポをしてくれそうです。姉さんはペロリと食べて味の感想だけ言ってきそうな気もしますが、姉さんに世界を模した食べ物を食べさせるという事に何か言われるかもしれません。カルナ兄さんは造形の甘さを指摘されるか自分の作った箱庭の真似かと呆れそうな気しかしませんし、ハイダス兄さんは見た目や味を「すごい」とか「美味しかった」と褒めてくれそうな気がします。
「はい、院長様、あ〜ん。」
「院長様が遠くを見つめて、ハガラスにされるがままになってる……
アレは完全に現実逃避されてるわね。」
……何故だかわかりませんが、急に兄姉達の事を思い浮かべてしまいました。創世の数日間のように、兄弟全員が一堂に揃う日はもう二度と訪れないという事は理解していますが、それでも少しだけ感傷的になってしまうのは、それが楽しい思い出だったからなのでしょう。
調理(してない):イストワール世界の鉱石
私達だけで食べる事になったら気まずいことになりそうですので、雄英の金属生命体さんの為に、この世界の金属を持っていくことにします。私が料理や研究の為の素材を集める際に、一緒に手に入ったメドリア鉄*19とミスリル*20、オリハルコン*21辺りが良いでしょう。
図書院に保管されている物の中には、アダマ*22もありますが*23、流石にこれを持っていくわけには行きませんし、それ以外の素材のストックはありませんので。
「あの、院長様。それって今度の院長様の訪問先へのお土産なんですよね?」
「ええ、そうですよ。」
向こうに持っていく物の情報を文字に変換して本に収納していると、セラフィさんがなんだか微妙な表情で声をかけてきました。合金の類は好みでは無いとの事ですので、加工済みの状態である武具ではなく、素材としての鉱石そのままの状態で持っていくつもりなのですが、何か問題があったでしょうか?
「いえ、お料理と一緒に、そのままの状態の鉱石を持っていくのはなんでかなぁ、と……」
「ああ、それはですね。今度お会いする方の中に、金属が主食の方がいるからです。」
「え"、そ、それって会って大丈夫な方なんですか?」
「……セラフィさん、誤解の無いよう念の為言っておきますが、
決して錆び喰らいやラストモンスター*24の類ではありませんからね?」
「そ、そうですよね! あはははは……」
念の為に釘を刺したところ、予想通りの反応が返ってきました。いえ、そもそもいくらセラフィさん相手とはいえ、うっかり正直に話してしまった私が悪いのですが。
ともかく、これで準備は整いましたので、あとは当日になるのを楽しみに待つとしましょう。
ブカニエラの調理の部分を長々と書いていたりしますが、実は私は貝類が苦手なので、ブカニエラを食べたことが無かったりします。
そして、書いている最中に何故かハガラスさんが暴走してしまいました。司書達が全員姉妹の関係になっているなら、妹欲しい病は発症しなくなるだろうけど、甘やかしたい欲と自分も誰かに甘えたい欲はありそうだなって。
余談ですが、アーカイブスガードの面々が、イストワールの司書の設定の割に自由なのは、第八世界存在いーすんネキが転生者な事の影響ですが、根本的な所では彼女達は図書院の規律を破る事が出来ないという設定があったりします。