もしも、雄英文化祭に呼ばれる直前に本編に無いアクシデントに遭遇した上で、その後に文化祭で思いっきりはっちゃけた結果、人修羅モドキのネイティブアースがおかしな方向に吹っ切れてしまったら、というifストーリーで、原作とも前回(シン・女難転生if...)とも繋がりの無い一発ネタです。
あと、原色の舞踏編と題していますが、人修羅モドキのネイティブアースが原色の舞踏を使う場面は存在しません。単に人修羅モドキのネイティブアースが
「おかえり、師匠。」
雄英文化祭が終わって元の世界に帰るって来ると、文化祭に呼ばれる少し前に、行き倒れていたところを拾ってしまった少女に出迎えられた。
「ああ、ただいま。シラギクも護衛ありがとな。」
「にゃー」
シラギクに護衛を頼んでいた彼女は秦こころ。東方projectに登場する同名のキャラと同じ特徴の容姿をしているが、彼女はサイコとチャクラが使えるだけのただの人間、それも同年代の女子よりはマシという程度の力しか持ち合わせていない、ただの孤児だ。
こころはサイコとチャクラが使えはするものの、身体能力は並程度でサイコは補助系*1しか使えず、チャクラの適正も戦闘向けでは無い知*2と楽*3が高くてそれ以外は低いという、おおよそ戦闘には向いていない能力なので、もしもエイリアンに遭遇したらよくて死亡、下手すれば拉致されてそのまま繁殖用の母体に改造される未来しか見えなかったので、そのまま見捨てる事が出来ず、旅に同行させて、旅をしながらチャクラの扱い等を指導していた。
「おみやげに料理貰って来たから、味わって食えよ。
こんな良いモンは、俺と旅をする間はもう二度と食えないだろうからな。」
「わーい。おお…… 色々ある……!」
「シラギクも遠慮せずに食えよ。」
「にゃー♪」
いーすんネキから貰った、旅向けの食器にお子様ランチみたいな感じで盛り付けられた料理をストックから取り出して、こころとシラギクに渡した後、向こうの世界で解散する前に引き換えチケットネキに頼み込んで購入させてもらった*4アイテムをストックから取り出す。
「師匠、それはなんだ?」
「俺が行った先で購入した装備類だ。お前の分もあるから、食い終わったら確認しとけ。
先方が幾つか用意してくれたから、自分に合いそうなのを選べよ。」
「うん、わかった。」
購入する時に、事情を説明したところ、こころの分の装備は複数の候補を用意してくれた。その分値は張ったが、どうせ金は有り余っているし、予備の装備も買ったと思えば問題ない。
「(もぐもぐごくん)おお……これがミャアタウン名物、ウナギパイか!」
「俺もそれ食ったけど、絶対別もんだぞ。」
「なん……だと……? まあ、美味しいからいいか。」
料理に舌鼓を打つこころを尻目に、こころに指導するにあたって、セットするチャクラを切り替えた事で、どうしても失われてしまう状態異常耐性を補う為の装備一式を身に付ける。状態異常耐性を重視した結果、見た目のチグハグ感は否めないが、それ以上にちゃんとした一式装備を身に付けた事への満足感が強い。
「おおー…… 師匠カッコいい!!*5」
「いや、それはどうなんだ……?」
こころが無表情ながら目を輝かせて称賛するが、それでも冷静になるとこの格好で楽のチャクラで戦うというのは、少々気恥ずかしい物がある。と、そこで文化祭の記念に持ち帰ったカボチャマスクが目に映った。
……中途半端にするから恥ずかしいのであって、いっそ文化祭の時のようにはっちゃけてしまえば、羞恥心を感じないのでは?
「ん? カボチャのマスクを見つめてどうしたの、師匠?」
「いや、少し考え事をしていただけだ。」
人里が近くなってきたのもあって、顔を隠す事も出来て一石二鳥じゃないかと結論を出したところで、こころが食事を終える。
「ごちそうさま! 私の装備をみせろ!」
「おう。」
こころ向けに用意して貰った装備をこころに渡してやって、食器の片付けに取り掛かる。シラギクも食事を終えたようで、満足そうにしている。
「師匠みたいなカッコいいのがいいな。」
「さっきも言ったが、自分にあった装備を選べよ。
装備が重すぎて動けませんでした、とか間抜け過ぎるからな。」
「えー!?」
とはいえ、引き換えチケットネキのチョイスなら、そうそう変な装備は混ざっていないだろうとは思うけどな。
エイリアンがポキン小屋を襲撃してきたあの時、アタシはポキン小屋の人達を逃がすことは出来たけど、襲撃してきたクリューエルって名乗ったエイリアンに手も足も出なかった。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「ハッハッハ! さあ、トドメをさしてグゥ!?」
クリューエルからトドメを刺されそうになったその時、誰かがクリューエルに攻撃を仕掛けて来たおかげで、アタシは間一髪助かったの。
「何者だ!」
「喚くな。神経が苛立つ!」
そこに立っていたのは、カボチャのマスク*6の上に
「
「私はクリューエルだ!! キサマ、ふざけているのか!?」
「おや、そうだったか? クックルドゥドゥドゥは人間を襲っては縄張りに拉致するというし、
同じ生態をしているから、間違いないと思ったんだが。」
カボチャ頭は、あごのあたりに手を当てて、考えるような素振りを見せる。……いや、そもそもそのクックルドゥドゥドゥっていうヤツは、一体なんなのよ。
「ああ、そういえばクックルドゥドゥドゥはニワトリ頭の怪人で、
貴公は普段はバリアの内側に引きこもって、滅多に出てこない臆病者だったな。
ニワトリ頭の怪人とチキン野郎とで、似通っているせいで、間違えてしまった。」
「キサマァ……! 半端者の分際でこの私にそのような口をきいて、楽に死ねると思うな!!」
「私はジャック*10・ジブリール*11(芸名)だ。貴公の地獄への水先案内人を務めさせてもらおう。
これより、死出の旅路を照らすカボチャのランタンとして、貴公に反省を促す。」
「何を言っている? 恐怖で気でも触れたか!
しかし、もう遅い。このクリューエルを侮辱した己の愚かさを、死んで後悔するがいい!!」
あのカボチャ頭の気が触れているというのは、不本意だけどアタシも同意見だ。正直、あのカボチャ頭は今際の際に見ていた幻覚だったと言われた方が、納得できる。アタシがこうして生きてる以上、現実だったわけだけど。
「やっちゃいなよ、師匠! そんなエイリアンなんか!」
いつの間にか、アタシの近くに
「ファーストナンバーは勿論この曲――閃光。」
それから始まった戦いは一方的だったわ。クリューエルの攻撃はカボチャ頭にほとんど効いて無くて、逆にカボチャ頭の無駄に上手い歌*17をBGMにしたキレッキレの踊り*18……今思うと、あれは楽のチャクラによる攻撃*19だったのかしらね。ともかく、終始カボチャ頭が圧倒していたの。
「ホルディア*20!!」
ええ、悔しいけど、あのカボチャ頭からは今のアタシ達じゃ敵わないくらいの、強いチャクラの力を感じ取れた*21わ。
「バーナドーラ*22!!」
ちなみに女の子の方は、クリューエルの意識がカボチャ頭に向いている隙に、私を抱えて距離を取るだけで、よほどカボチャ頭を信頼しているのか、槍を構えようとすらせずに、カボチャ頭の踊りをキラキラした目で見つめていたわ。
「ギガファ*23!!」
その上、あのカボチャ頭はいつの間にか*24アタシに癒のチャクラ*25を使ってたみたいで、気付いたらエイリアンから受けた傷が治ってた*26のよね。
「メテオストライク*27!!!」
どうでもいい事なんだけれど、あのカボチャ頭、装甲服を着てマスクを被った状態で攻撃に晒されながら平然と歌って踊り続けていたのよね。チャクラの力だけじゃ無くて、身体能力もバケモノじみていたわね、あのカボチャ頭。
「く、くそう! これで勝ったと思うな……!
次に会った時が、キサマの最期だ!!」
そんなありきたりな捨てゼリフを吐いて、クリューエルが光を放って姿を消すと、歌と踊りに丁度区切りがついたからか、単にクリューエルが姿を消したからか、カボチャ頭が歌と踊りをやめると、女の子が駆け寄って抱きついていたわ。
「師匠、おつかれー」
「おう、こころも怪我人の避難ありがとな。」
「あのエイリアンは師匠に恐れをなして、尻尾を巻いて逃げてしまったか。」
「ああ。戦い方も含めて、大分挑発してやったつもりだったが、
流石にそれだけで最期まで戦うほどアホじゃなかったみたいだな。」
「いや、挑発目的だったのかよ、あの戦い方!」
思わずツッコミを入れちゃったけど、アタシは悪くないと思うの。
「あー…… なんか腑に落ちないけど、助けてくれてアリガト。」
「いや、気にするな。
あと、戦い方はこいつへの見本でもある。」
「あれが私の目指すべき境地、最強に至る見本か!」
「いや、あの戦い方はあくまで当面を凌ぐ為だけのヤツだから、最終目標では無いぞ。」
「むう、最強への道のりは遠い……」
この女の子、無表情だけど感情は大分豊かみたいで、言葉や態度で感情が伝わってくるのよね。あのカボチャ頭への信頼と好意まで。……あのカボチャ頭は、何故か好意の方には気付いてないっぽいけど。
「ああ、そうだ。食事は自分達で用意するから、ここで一晩くらい宿をとらせて貰ってもいいか?
俺はともかく、こいつは疲労が溜まっているだろうし。」
「なに!? 私はまだ大丈夫だ!」
「ダメだ。疲労は気付かない間に溜まっているもんだからな。
それに、ここで一泊しないなら、また野宿だぞ。」
「う……」
流石にアタシもポキン小屋の人達の厚意で滞在している身だし、アタシの一存で決めるわけにはいかなかったから、保留にさせて貰ったわ。
「……という訳なんだけど。」
「そういう事でしたら、いくらでも滞在なさってください。」
「色々と言いたい事はあるが……アイを助けてくれて、ありがとう。」
「そのマスクも、事情があって付けてるだけで、悪い人じゃないみたいです。」
「そうなんだ。どんな事情かはわからないけど、シンも大変なんだね。」
「そうじゃな、お若いの。どんな事情かは聞きませぬが、強く生きなされ。」
「怪しくはあるが……人々を守ってくれたんだ。追求しないでおこう。」
成り行きでクリューエルを撃退する事になった後、俺はその少し後にやって来たゲン達*28と顔を合わせる事になった。ゲン達のすぐ後に、戦闘が終わった事に気付いて戻ってきたポキン小屋の住民に、ポキン小屋への救援の為に駆けつけて来た、シロワゼット博士と部下のブレス隊員達にアイが俺達についての説明をしていた。
ちなみに、対面した時にきちんと本名を名乗っておいた。あの芸名は、その場のノリと挑発行為の一環だったからな。説明の時に終始カボチャ頭呼ばわりされたのは、その意趣返しなのだろう。
「ありがとう。追求しないでくれると助かる。」
「私は師匠の素顔の事は気にしないぞ! カッコいいし!」
まあ、素顔もそうだが、それ以上にうなじの辺りのツノっぽい部分の方が問題なのだ。一応、今はカボチャマスクで頭ごと覆い隠しているが、もしもこれが発覚したら、流石に不味いだろう。
「へえ、そうなんだ?」
「おい、アイ!」
「アハハ、心配しなくても大丈夫よ、アタシにとってはヒースが一番なんだから!」
「お、おう。」
それはそれとして、人を出汁にしてイチャつき始めるのはどうかと思うが。いや、二人は新婚さんなんだし、もしも俺達が通りかかるタイミングが違っていたら、原作通り死別する事になっていたんだから、ここは大目に見よう。
「ねえ、カボチャのお兄さん!」
「ん? どうした?」
「歌上手いんでしょ? 何か歌って!」
そうこうしていると、俺の近くに寄って来た子供にせがまれて、それを見た保護者が慌てて駆け寄って来た。
「あ、コラ! すみません、この子が……」
「いや、構わない。どんな曲がいいか、リクエストはあるか?
流石に知らない曲は無理だが。」
「さっきの話で、エイリアンとの戦いで歌った歌がいい!」
「よし、わかった。ではリクエストにお応えして――閃光。」
そうして歌った閃光が思いのほか周りの面々にウケて、その後のアンコールに応えて、ignitedやMeteorやHOT LIMITを歌ったり、こころにせがまれて女性ボーカル曲としてLife Goes onや流星のビヴロストを歌う事になり、最終的には周囲の面々も歌い始めて、カラオケ大会のような様相になっていった。
この時の俺は、カボチャマスクを被って歌って踊りながらエイリアンを倒す男がいるという、都市伝説じみた噂が世界中に広まる事、そして各地でカボチャマスクを被って歌って踊る集団が現れる事になるとは、予想だにしていなかった。
いや、そんなん予想しろという方が無理なのでは?
4000字を超えた辺りで、東方キャラを出すなら超能力モノの世界なんだから菫子の方が良かったのでは?と思いつつも、人修羅モドキのネイティブアースとの絡みが思いつかないし、何より踊りとマスクならこころだろうという事で、修正とかはせずにそのまま進めました。
人修羅モドキのネイティブアースのクリューエルへの煽り、もっとキレッキレにしたかったのですが、私の語彙力とセンスではこれくらいが精一杯でした。
人修羅モドキのネイティブアースが、本編でもアイの死亡フラグを折れるかどうかは不明です。彼の行動指針的に、アイの救済を目指すにしても、ポキン小屋で迎撃するよりも、ストーンヘンジに乗り込んでクリューエルを討伐する方向で動きそうなので、動く時期によっては手遅れになったり、別のエイリアンに襲来されて同じ結果になりかねないですし。
ふざけていても戦い方自体は、バフ・デバフをかけてから確実にダメージを与えていくという堅実なスタイル。なお、小細工無しで力押しをする方が圧倒的に早い上に、大抵の相手ならその方がダメージや消耗を抑えられる為、こころと出会う前はそうする事が多かった模様。
やろうと思えば技巧を凝らした戦い方もできるが、圧倒的な力による小細工抜きのごり押しの方が効率的だから普段はそういうしているという、某赤薔薇のヴァンパイア王みたいな戦闘スタイルな人修羅モドキのネイティブアース。
もしもクリューエルがバリアに籠もっている状態でも、状態異常無効+貫通付きの至高の魔弾によって、バリアを無視してクリューエルを倒すことが出来るので、本気でそっちの方が効率的。
そしてこの話ではアイが生存した事で、ヒースの事実上の最強技である「男の中の男」の習得フラグがへし折れたと思われる。いや、ヒースにとっては妻と妻の身籠った子を失わない分、こっちの方がずっと良い結果な訳ですが。