また、細かい時間軸については特に決めていません。(原作第3話の少し後というくらい)
タイトルはTRPGシステムMAGIUSの「入門!リナの魔法教室」をもじっただけで、ヘキサが魔術の講義を行う話ではありません。ご了承下さい。
また、今回は実験的に合間合間に幸運と不幸の死霊術師の使う魔術関係の情報をTIPSとして記載しています。注約で入れるには、魔術の説明文が長すぎるので、こんな形に。
あと、無謀と慢心の槍について設定を練っていった結果、コテハン募集に書き込んだ性能のうち、追尾性能が無いよりかはマシ程度の気休めレベルの追尾性能になっています。ご了承下さい。
え、スレ内と口調が合ってない?普段はどちらかと言えば常識人枠なので、その反動でスレの方でははっちゃけているだけですよ。
入門!ヘキサの魔術教室
今日の仕事が早くに終わったので、俺の好物であるほうき星*1のまんじゅう*2を多めに買って帰宅すると、ミストラル魔術薬剤店に四人の来客があった。
「ただいま。帰りにまんじゅう買ってきたぞ。」
「おかえり、あなた。今日はトアちゃんとその友達が遊びに来ているよ。」
「こんにちは、ヘキサさん。お邪魔してます。」
「「「お邪魔してます。」」」
一人は恩師であるダスク先生の娘さんで、家内に弟子入りしていたトアだった。残りの三人は、家内がこの前話していた、トアの同級生達だろう。
「いらっしゃい、トア。そこの三人ははじめましてだな。俺はネーベル*3の夫のヘキサだ。
ダスク教室の卒業生で、今は護衛魔術師を生業にしている。」
「リンリです。」
「私はソレイユだよー」
「私はトアちゃんの幼馴染の蘇芳倉子です。」
ライラック氏*4のところの娘さんのリンリに、何故か
「それにしても、ミストラルさんってホントに結婚してたのね。」
「ちょっと、倉ねぇ! いくらなんでも失礼よ!」
「んふふ…… わたしとこの人が出会ったのは、アカデミーの生徒だった頃でね。
ちなみに、わたしは青霧*5の教室の生徒だったよ。」
とりあえず剣を置いて台所に行き、今教導所にいる娘の分を残してまんじゅうを皿に盛り、皿を持って客間に戻ると、家内とトアと倉子がそんな話で盛り上がっていた。
家内と出会った頃か。確か、入学して最初に巻き込まれたトラブルの時に知り合って、それから一緒に行動するようになっていったんだったな。それでトラブルに巻き込まれる度に手助けしてもらったり、逆に俺が頼み事を聞いたりもしていたな。懐かしい。
「今からだいたい15年くらい前だったかな。入学したばかりの頃に、ちょっと事件があってね。
その時にあの人に助けてもらって、それで好きになったんだ。」
「あまずっぱい!」
「それからはあの人にアプローチしてたんだけど、私の想いに全然気付いてくれないし、
その上、恋敵がどんどん増えていったものだから、気が気じゃなかったよ。」
「ヘキサさんってモテてたのね。」
「それで一か八か当たって砕けた結果、そのままお付き合いを経て、今に至るよ。」
倉子は年頃の少女らしく恋バナに興味があるようで、家内から当時の話を聞き出していた。トアも興味があるようで、質問や合いの手こそ無いものの、家内の話に耳を傾けているようだった。
「やあ、ミスト。改めて『青霧』襲名*6おめでとう。
お祝いと言ってはなんだけど、君の好きそうなケーキを買ってきたぞ。」
「ありがとう。これはなんのケーキなのかな?」
「なんでも、紅茶の茶葉を使ったケーキだそうだ。紅茶、好きだろう?」
「……! そのとおりだよ。憶えててくれたんだ。
……この香りは、うん、私の好みの茶葉みたいだ。」
「そうか、それは良かった。紅茶のケーキと聞いて買ってきたのはいいが、
茶葉の好みについては失念していたからな。」
「フフフ…… せっかく来てくれたんだし、ゆっくりしていってよ。
今、お茶を淹れてくるから。」
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ。
幸い、今はトラブルも無いし、今後はこういう機会も少なくなりそうだしな。」
「え……なんで……?」
「お互い、護衛魔術師*7としての仕事で、長期間帰ってこない事が多くなるだろうからな。
どうしても、こうしてゆっくり会う機会は減るだろうさ。」
「やだ……」
「それに、ただの新米の俺と『色付き』の君とじゃ、世間の信用度が違うからな。
同じ仕事を回される事もあまり無いだろから、少し寂しくなるな……」
「ミストをひとりにしないで……」
「うん? 何か言ったか?」
「ううん、なんでもないよ。」
「……お茶どうぞ。」
「ああ、ありがとう。」
「ところで、
「ああ。学生の工作レベルの魔術具とは言え、なんだかんだ愛着があるしな。
壊れるまでは使い続けるつもりだよ。」
「でも、それって元々はただの鉄板だよね?
普通の剣に魔術陣を書き込む方がいいんじゃない?」
「それなんだが、複数の魔術陣を掛け合わせる都合上、どうしてもスペースが必要で、
それで刀身に書き込んでいるんだが、普通の剣だと血溝が邪魔で上手く描けなくてね……」
「ああ、もう試してたんだ。」
「かと言って、ナタやそれに類する刀剣だと、コイツとそこまで変わらないからな。
刻印魔術陣を書き込んで、
「そうなんだ……」
「むう…… 身体が……?」
「疲れが溜まってるんじゃない? わたしの部屋で休む?」
「うん? な、何故距離を詰めるんだ!?」
「……ヘキサとアカデミーでずっといっしょにいたのは、ミストだもん。」
「ま、まて! 落ち着くんだ!」
「ミストのだから、だれにもわたさないよ……」
「あ…… なんだか、頭がぼーっと、して……」
【名称】
魔剣スペクトラル
【名前の由来】
ネバーランドシリーズのゲームのタイトル。特にスペクトラルブレイド。
【元ネタ】
天魔剣・流星(ネバーランドシリーズ)
【説明、概要等】
刻印魔術を利用して作られた、魔剣とは名ばかりの剣型魔術補助具。
魔力増幅、発振、制御の為の
魔術陣には、鋼の錬金術師から着想を得た、ヘキサの血を混ぜた塗料が用いられており、これによって、宿した
増幅・発振した魔力を射出せずに刃状にして刀身部に纏わせる事で、剣としても使用可能。
なお魔力刃無し時は、剣としてはナマクラを通り越して、頑丈なだけの厚めの鉄板でしか無い。
鍔にはヘキサの遊び心で月と太陽の紋章*8が描かれている。
転生者掲示板で、原作キャラがヤンデレ化したケースについて、何度か話を聞いていたとは言え、以前スレ民から聞いたタイトルと、聞いた当時では原作よりも過去の時間軸らしい事くらいしか原作知識が無いのもあって、自分には何処か無関係だとばかり思っていたんだよな。
現状に不満があるわけでは無いが、もう少し、こう、人に聞かれても答えられるような形だったらもっと良かったと思ってしまうのは、俺の不徳故なんだろうか?
「あれ、ヘキサさん。どうしたんですか?」
「ああ、ちょっと当時の事を思い出して、な。」
……うん、嘘は言っていない。もしも当時の事を話したら、全員ドン引きするのは間違いないし、そうなったらトアが弟子入りした時に「かわいいお友達が出来た」と喜んでいた家内は勿論、この場の誰も得をしないので、これ以上聞かれたら「二人の思い出だから」とでも言って誤魔化そう。
その一方で、さっきからリンリが魔剣スペクトラルの方をチラチラと何度も見ていた。魔剣スペクトラルは、巻き込まれるトラブルへの対処の為に、前世の知識にある天魔剣・流星から着想を得て造り出した魔術具だ。
学生時代に造った物だが、興味を持たれて悪い気はしなかったので、鞘から抜いた状態で机に置いて、魔術陣に触れないなら好きに見て構わないと伝えると、息を荒げながら凝視したり、撫で回したりし始めた。
「はぁ…… はぁ…… 現役護衛魔術師愛用の魔剣……」
「リンリはこういうのホント好きだよねえ。」
「だって、魔剣だよ!? 普通女の子は剣とか武器とか好きでしょ!?」
「うーん…… あ、これはサモンダークネス*9の魔術陣かな?
私が知ってるのとちょっと違うけど。」
……ライラック氏は、娘さんの教育を間違えたのでは?という考えが頭をよぎったが、このくらいはトネリコ市ではそこまで珍しくも無いかと思い直す。
そして、ソレイユが刀身にみっちりと描かれた刻印魔術陣の中から、
「あ、味はどうなのかな……」
「鉄の味だと思うよ……?」
別に舐められたくらいでどうにかなる刻印魔術陣では無いとは言え、流石にこれ以上は止めるべきだと判断して、一度手を鳴らして魔術を発動させると、頬を上気させ、息を荒くして今にも刀身を舐め始めそうだったリンリが、ぴたりと動きを止める。
「落ち着くんだ。一応、見るだけの約束だったはずだ。」
リンリは興奮状態から急に冷静に戻された事に、ソレイユは興奮して剣を舐めようとしていた友人が急に正気に戻った事に戸惑いを見せ、家内と話をしていた二人も、俺がいきなり手を鳴らした事に驚いたのか、こちらを向いていた。
「あ……ごめんなさい。」
「リンリが急に冷静に戻った!?」
「あの人の得意な魔術の一つだよ。効果については、見ての通りだね。
学生時代の頃から、暴走している相手を制止する時によく使っているよ。」
「あの、その魔術って、倉ねぇのセクハラを止めるのに使えますか?」
「トアちゃん!?」
家内の話を聞いていたトアが、今使った魔術について質問をしていた。世話焼きな幼馴染とは聞いていたが、まさか世話焼きなだけではなく、セクハラ癖まであったとは。まあ、トネリコ市では珍しく無い……いや、名前的に大陸南部出身のはずだな?
「うん、もちろん使えるよ。わたしも習得しているから、良ければ教えてあげるよ?」
「ありがとうございます! 是非お願いします!」
「あ、私にも教えてくれませんか?」
「うん、いいよ。」
「リンリちゃんまで!?」
どうやら、リンリも教わりたいようだった。彼女の態度や視線等から察するに、倉子は幼馴染であるトアだけでなく、リンリに対してもセクハラをしているらしかった。今のダスク先生の生徒達は随分と濃い面子が揃っているな。
「あ、じゃあ私も教わろうかな?」
「うう……! そ、それなら私もお願いします……」
「んふふ…… それじゃあ、今から講義をはじめようか。」
「それなら、俺は茶を淹れてくるよ。」
更にソレイユが二人に便乗し、家内に隔意のあるらしい倉子が、一人だけ仲間外れになるよりはと葛藤の末に参加を表明した。
俺はお茶のおかわりを淹れてきて、家内の講義で気づいた点があったら、補足を入れるとしよう。とは言え、家内の解説にそんな抜けが出るとは思わないが。
【名称】
サニティ
【名前の由来】
神聖魔法サニティ(ソード・ワールドRPG)
【元ネタ】
いいかげんにしろっ!(ガープス・コクーン)
【説明、概要等】
ガープス・コクーンのツッコミによって、相手を正気に戻し暴走を止める技能を魔術化したもの。
主に相手へのツッコミや制止の言葉等が呪文となる。今回は手を鳴らす音を媒体にした。
魔術化した事により、赤の他人に対しても使用しても十分な効果が見込めるようになっており、元ネタのファイブリア世界程では無いが、変人の多いトネリコ市では重宝している魔術である。
音を届ける事さえ出来れば、掲示板越しでも発動出来る……かも知れない魔術でもある。
相手が衝動に身を委ねている場合や、外的要因による暴走に対しては、対抗判定となる。
だから、ミストラルは止まってくれなかったんですね。
「そういえば、ヘキサさんの剣のこの魔術陣、サモンダークネスの魔術陣に似てるけど、
なんの魔術なの?」
家内の講義がひと段落ついたところで、ソレイユから思い出したようにそんな事を言われる。
「それは、
主に、刀身にみっちり描き込んだ魔力の増幅・発振機能の制御の為に宿している。」
「ほへー……」
「無論……『我が命に応え、その姿現せ。サモンダークネス。』」
死霊術師の先達として
「と、こうして呼び出す事も可能だ。」
「ん……ヘキサさま…… よんだ……?」
「ああ、後輩死霊術師にお前を見せてやりたくてね。あと、まんじゅう食べるか?」
「たべる……」
呼び出した
「いいな〜 私のゴース子はなかなか喋ってくれなくて……」
「なに、見たところ君は才能があるし、なによりあのダスク先生に師事しているんだ。
君のゴーストも近いうちに喋れるようになるさ。」
先程、自分の
……しかし、
【名称】
擬似剣話
【元ネタ】
剣話(七人の武器屋)
【説明、概要等】
元ネタの剣話とは異なり、剣が変形してひとりでに攻撃をしたりはしない。
また、一定以上の強さの魔剣に対してはレジストされたり、そもそも無意味だったりする。
その為、どんな剣に対して使っても元ネタのような必殺の攻撃手段にはなりえない。
現状では、もっぱら魔剣スペクトラルの刻印魔術の出力の微調整等の為に使われている。
これによって、ヘキサ単体では発動不可能な魔術の発動も可能にしているが、それらの魔術は、大半がピーキー過ぎて使い所が無い魔術*10ばかりの為、現状ではそちらの用途で用いられた事は無いし、今後も使われる日は来ないだろう。
「ところで、この剣って正直切れ味良くなさそうですよね。」
リンリが魔剣スペクトラルを俺が制止するまで舐め回さんばかりに見ていたからか、刀身の造りが普通の剣と違う……というか、そもそも刃が付いていない事実に気付いたのか、そんな事を言ってきた。
「まあ、厳密には剣型の魔術補助具だからな。
剣としては、魔術による強化込みなら、と言った所だ。」
「この人が学生時代に、刻印魔術を利用して自作した物だしね。
一応、何度も改修しているのもあって、魔力を込めれば普通の剣よりは斬れるみたいだよ。」
俺がその疑問に答え、学生時代や護衛魔術師時代に俺が剣として使っているのを見たことがある家内が、軽い補足を入れると、リンリが目を輝かせる。
「おぉ……!」
「でも、そこまでして剣として使うより、魔術を使う方が早いんじゃないですか?」
「実際、こいつを剣として使うのは、魔術を使う間が無い時くらいさ。
正直、白兵戦で使っても自滅しない攻撃魔術はいくらでもあるしな。」
未熟だった学生時代とかならいざ知らず、今では白兵戦用の攻撃魔術も会得しているので、咄嗟の防御や、他の敵を呼び寄せないように、極力音を立てられない状況以外では、剣として使う事は殆ど無いのである。
【名称】
ファイア・ウェポン
【名前の由来】
古代語魔法ファイア・ウェポン(ソード・ワールドRPG)
【元ネタ】
我掲げるは降魔の剣の炎属性版(魔術士オーフェンPS2版)
【説明、概要等】
剣状の高熱の力場を生成し、高熱による溶解と力場の斥力によって相手を切断する白兵戦用の攻撃魔術で、主に白兵戦での攻勢防御や不意打ちに使用する為、呪文を掛け声等で代用する事が多い。
用途とヘキサの嗜好の関係で、ジャマダハルの様に腕の延長線上に力場を生成している。
発する熱は剣状の力場に固定されており、直接触れない限りは熱が伝わる事は無い。
生成した力場を魔剣スペクトラルで増幅した上で刀身に纏わせる事も一応は可能だが、手間の割にそうするメリットが薄い為、滅多にやらない。
「そういえば、父さんからヘキサさんが、未開拓領域の危険生物になんとかの槍っていう、
なんかすごい魔術を使ってたって話を聞いたことがあるんですけど。」
お茶請けに出したまんじゅうがあらかた無くなった頃に、リンリからそんな話題を振られる。
「この人の定型呪文で槍が付くのは、無謀と慢心の槍かな。」
「なんですか、その名前……」
家内の回答に、トアが若干引いた様子を見せる。本来、定型呪文は術者が叫んでいて気持ちが良くて気分が乗るような呪文にする物であり、そんな呪文に無謀だの慢心だのという、ネガティブなワードが入っているのが気になったのだろう。
「この人の定型呪文って、大体はフォース*11とかライトニング*12みたいにシンプルなのに、
時々そういう変な呪文が混じるんだよね。」
「俺としては、その魔術の特徴に合わせた定型呪文を付けているだけなんだけれどね。」
正確には、呪文の特徴に合わせた前世のサブカルチャーに出てくる用語等を元につけている、なのだが、当然そんな事を馬鹿正直に言うつもりは無い。
「無謀とか慢心が付くって、どんな魔術なんですか……」
「それは制御にしくじったらほぼ確実に死ぬ、危険な魔術の理論を組み込んでいるからだな。」
「怖!?」
「もっとも、あくまで理論を取り入れているだけだから、そこまで危険じゃ無いさ。」
擬似空間転移と呼ばれる魔術の、移動先や通過点に障害物が存在した場合に、転移対象が超高速で衝突し爆砕する性質を利用した、俺の使いうる中で最大級の威力を持つ攻撃魔術だ。
「まあそんなわけだから、構成の詳細な説明をするつもりは無いぞ。」
「理論の元になった魔術は、多分アカデミーでは今は教わらないんじゃないかな。」
「いや、そんな話を聞いて、教わろうだなんて思いませんよ……」
『白閃』のアカリ*13によって安全な空間転移術の理論が確立された今、擬似空間転移魔術などという、最悪の場合周囲を巻き込んで自滅しかねない危険な魔術を、好き好んで指導する教師はいないだろう。
【名称】
無謀と慢心の槍
【名前の由来】
精霊魔法バルキリー・ジャベリン(ソード・ワールドRPG)
勇気の精霊バルキリーの無謀と慢心の精霊疑惑(ソード・ワールドRPG
【元ネタ】
擬似空間転移魔術による弾体射出(魔術士オーフェンはぐれ旅)
【説明、概要等】
対象の質量を限りなく0に近づける事で、亜光速移動を実現する疑似空間転移魔術と、ある程度の物理的な干渉力を持つ霊体である
弾体に
また、
その攻撃性能故に、相手を確実に仕留める必要がある時以外は、使用を自粛している。
なお亜光速で射出された結果、
「しかし、今年のダスク教室の今期の生徒達は凄まじいな。」
四人が帰った後、そんな言葉がついこぼれた。
「トアちゃんにソレイユちゃんかい?」
「ああ。トアの桁外れの魔力量もそうだが、ソレイユの死霊術師としての力量を見るとな。
少しばかり自信を無くしそうだ。」
ソレイユは、入学間もない今の時期に
その事から、ソレイユは死霊術の三つの秘奥の一つである、治癒術を会得している可能性が高く、もしそうならば、死霊術師としての力量は既に俺を超えているという事になる。
「あははー それは仕方ないんじゃない?
そもそもあなたは、自分で死霊術師としては二流だって名乗ってるでしょ。」
「まあ、それはそうなんだけれどね。ちょっとした感傷って奴さ。」
それでも、転生特典の影響でトラブルに巻き込まれやすい身としては、治癒術を使える彼女が羨ましく思える。無論、才能だけでなく、相応の努力を重ねたからこそ、治癒術を会得できているのだろう。どこで誰から学んだのか、気にならないと言えば嘘になるが、今日初めて会った俺が踏み込むべきでは無いだろう。
「あの死霊術師の後継者だからね。一体どう転ぶか……」
……どうやら家内が何か知っているようだが、聞かなかった事にしよう。非常に気になるが、若い娘さんの個人的な事情に踏み込むのは流石にマズい。非常に気になるが。
【コテハン名】
幸運と不幸の死霊術師
【転生前の本名】
清野 健二
【転生後の本名】
ヘキサ・ミストラル
【転生特典】
幸運と不幸の戦士(否応なく様々なトラブルに巻き込まれる運命にあるが、それらを打開する手助けになるちょっとした幸運と、優れた才能を持つ。ファイブリアシリーズにおける、所謂プレイヤーキャラ補正)
【転生した世界】
やさしい新説死霊術
【キャラ説明、概要等】
原作知識無しの転生者。20代後半〜30代前半くらいの年齢の既婚男性。原作の舞台となるトネリコ市在住の護衛魔術師で、主に未開拓領域探検隊の護衛をしており、妻の経営するミストラル魔術薬剤店に報酬の一部として受け取った素材を持ち帰ったりしている。
魔術学府アカデミーの卒業生で、在学時はダスク(原作主人公達の担任。死霊術専攻)に師事していた。学生時代には、原作ではリンリの父親に片想いするはずのミストラルに好意を寄せられ、共にトラブルに巻き込まれる事になる。最終的にはトラブルの際に無自覚にフラグを建てていくヘキサに危機感を抱いたミストラルに一服盛られて、既成事実を作られてそのまま結婚する事に。
きっかけこそアレだが、好意が重いものの、温厚でお人好しな所のある彼女にヘキサも好意を抱いているのもあって、なんだかんだ夫婦仲は良好で、現在娘が一人いる。余談だが、この世界線のミストラルは失恋していない為か目が死んでいない。
戦闘に関しては基本は剣と魔術を織り交ぜた戦闘スタイルで、トネリコ最高位の魔術師であり国防の切り札でもある色付きの称号持ち(ミストラル含む)や恩師のダスクと言った、原作最上位の実力者には及ばないが、国内では彼女達に次ぐくらいの実力者。
愛用の武器は、ネバーランドシリーズに登場する天魔剣を参考に、刻印魔術を用いて造った剣型の魔術増幅発振器(銘は魔剣スペクトラル)。
相手を確実に仕留める必要がある時には、旧ソードワールドの精霊魔法バルキリー・ジャベリンを彼なりに再現した、
更に奥の手として、七人の武器屋に登場する剣話という異能を参考に編み出した、死霊術で剣に宿した
定型呪文には、前世のサブカルチャーに出てくる魔法名やそれをアレンジしたものが多い為、周囲からは定型呪文に法則性が無く、その場の思いつきで付けているように思われている。
GURPSでそれっぽいデータを作ろうとしてみた際に、丁度いい不利な特徴が思いつかなかった為、アルビノという設定が生えてきた。また、アルビノという目立つ容姿に加えて、好奇心旺盛で親しい相手の苦境を見過ごせない性格の為、幸運と不幸の戦士の効果も相まって、トラブルに巻き込まれやすい。
なお、護衛魔術師になったのは、転生特典でどの道トラブルに巻き込まれるなら、いっそそれを仕事にしてしまった方がいいという考えからである。護衛魔術師としての仕事で、未開拓領域探索隊の護衛を主にしているのは、好奇心によるところも大きい。
また、好奇心に任せて前世のサブカルチャーの魔法や能力等を再現した魔術の開発を行うが、その殆どは再現に失敗しており、また一部の倫理的・人道的に問題のある魔術(大半が死霊術を利用した魔術)に関しては使用するつもりが無く、記録等も残していない。
ただ、現在は好奇心に関してはもっぱら転生者掲示板で知る事が出来る他転生者の転生先の世界の話に対して向いており、掲示板を利用するのはその好奇心を満たす為である。(あれこれと不躾な質問をしたりしないだけの分別はある為、本人が自分から話さない限り深掘りはしない。)
この話の彼の口調がこんな感じなのは、アルビノ設定に合わせて容姿のイメージを固めたら、容姿のイメージ元になったキャラのイメージに引き摺られた結果。
【参考程度のGURPS的な特徴(地位や財産、癖、仲間等を除く)】
特殊な背景:転生者、幸運と不幸の戦士、容貌:魅力的、カリスマ1レベル
好奇心旺盛、色素欠乏、反射神経、魔法の素質2レベル、義務感:家族と友人
悪い名声:死霊術師、名声:腕利きの護衛魔術師
【キャラ考案の裏話】
実は、幸運と不幸の死霊術師はコテハンの案が何人かいた中から選んだ感じだったりします。
他のコテハンが転生者設定無しの純粋なクロスオーバーSSにした方が良さげな設定だったり、転生先世界で明らかに周囲より弱い能力で戦闘要員に転生+孤立無援という掲示板見てる場合じゃない奴だったり、転生先の世界や時代等の転生者の転生先での立ち位置が決まらない奴だったりとで、割と消去法気味な決め方ではありましたが。
キャラ設定は、ミストラルとくっつく事と死霊術で七人の武器屋の剣話を疑似的に再現するという点が最初に決まって、最初はそれに合わせて七人の武器屋のケンジ(ド素人の無茶苦茶な注文にも要望全てを叶える形で対応し、材料さえあれば伝説の武器の複製すら可能な天才鍛冶屋少年)並の武器鍛造の才能にしようと思いましたが、それだと転生特典で武器を作った辺りで国や赤砦に目をつけられてミストラルとくっつくどころじゃ無さそうで、さらに原作を読み返したら死霊術で剣話を再現しようとすると、所謂インテリジェンスソードである必要があるのではとなり、その結果、いっそ武器や技術を転生特典に依存しない形にする為に、強制レベリングをさせられる系の転生特典になりました。
そして、擬似剣話用に持たせる剣に関しても、最初は富士見ファンタジア文庫系の作品縛りで行こうと思ったのですが、その縛りで知っている剣がどれもこれも「あ、これは個人所有するの無理そうだな」となる物ばかりで、劣化コピー品を作成させればワンチャンと思っても、劣化コピー品ですら作成不可そうな代物だったり、幸運と不幸の死霊術師に持たせても微妙になるかの二択だったので、縛りをやめた上で性能を元ネタから大幅に劣化させた、レプリカ未満の模造天魔剣を持たせる事に。
余談ですが、魔剣スペクトラルは、もしも原作に登場する魔剣星の牙と打ち合った場合、たとえ擬似剣話等の魔術を発動している状態であっても、術式や纏った魔力の刃ごとスペクトラルが一刀両断されかねないくらいには魔剣としての性能差があります。いくら星の牙が魔女の遺産の中では弱い部類とは言え、本物の魔剣に敵う訳が無いので。