医者志望が行く教室へ   作:LOW

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動き始めた暴君

 

 入学してから1週間。授業中に居眠りや私語をしていようが教師は誰1人として注意しないでいる。まるで俺たちを観察をするように。

 

「おはよう小宮!」

 

「おはよう近藤!」

 

 そして何故かこの時期から水泳の授業だ。

 

「よっしゃプ-ルだ!」

 

 5限が終わり屋内プールへ向かい更衣室で着替えを済ませる。

 

「あんた、何か運動してたの?」

 

 青髪をショ-トカットにした女伊吹がそう聞いてくる。

 

「小6まで剣道をやっていたな」

 

「それだけじゃないでしょ」

 

 伊吹はそれなりに見る目があるつもりらしい。

 

「制服からでは分かりませんでしたが神宮司くんは細マッチョなんですね」

 

 いつの間にかいた椎名は俺の腕などをツンツンとついてくる。

 

「くそ-、これがイケメンと普通(俺たち)との差か!」

 

 椎名の水着姿は中々健康的だ。目視する限りだが胸はCカップ。お尻や太ももに関してはムチッと効果音がでるくらいには大きい。

 

「よ-しお前、集合しろ」

 

 体育を担当しているおっさんが集合をかけ授業が始まる。

 

「見学者はDクラスよりましか」

 

 Cクラスの見学者は10人だ。

 

「この中には泳ぐのが苦手な生徒もいるだろう。だが俺が担当するからには克服させる。泳げるようになっておけば必ず後で役に立つ。必ず、な」

 

 この時期から水泳の授業、そしておっさんの発言から考えることは夏に何かがあることだろう。

 

 全員が50mを泳ぎ終え上にあがる。

 

「ほとんどの生徒が泳げるようだな。ではこれより男女別50M自由形の競争をする」

 

「競争!?マジっすか」

 

「1位になった生徒には特別ボーナスとして5000ポイントを支給しよう。ただし1番遅かった生徒は補習を受けさせるから覚悟しろよ」

 

 運動が苦手と言っていた椎名に厳しい競争になりそうだ。

 

 女子の競争が終わり俺たちの番になった。

 

 最初の組で注目すべき男はあの黒人ハ-フ山田だ。日本人にはない恵まれた肉体に加え相当鍛えられているのがわかる。

 

「アルベルトくんの圧勝でしたね」

 

「流石と言わざるを得ないな」

 

 山田は予想通り1位をとった。2組目の1位は龍園。

 

 いよいよ俺の番だ。

 

「頑張ってくださいね、神宮司くん」

 

「ああ」

 

「きゃ-!」

 

 俺がスタート台に立つと女子から悲鳴が上がった。おっさんの笛が鳴りプールに飛び込む。プールサイドから歓声が聞こえるが気にすることなく泳ぎきり水面から顔をだした。

 

「25秒79だな」

 

 山田より遅いタイムだが本番はこれからだ。

 

「Is it okay for a moment?(少しいいか?)

 

「OK」

 

「It seems like it was an overwhelming victory in the preliminary round, but I'm not going to lose(予選では圧勝だったみたいだが負けるつもりはない)」

 

「Come on(かかってこい)」

 

「これより決勝戦を始める。呼ばれた生徒はスタート台に立ってくれ」

 

 呼ばれたやつらは次々とスタート台に立っていく。

 

 プールの授業を放課後。

 

「アルベルト君と良い勝負でしたね」

 

「負けたけどな」

 

 俺は山田に敗れ2位の結果で終わった。

 

 クラスの奴らが騒いでいると龍園が教壇に立ち拳をぶつける。どうやら本格的に動き出したみたいだな。

 

「今日からこのクラスの王になる龍園だ。従え」

 

「いきなり何言ってんだ!」

 

 1人が文句を言えば便乗するように言い始める。

 

「馬鹿な奴は何もわかちゃいねぇ。なあ神宮司?」

 

「名指ししておいて何のようだ」

 

 俺までこいつらを馬鹿にしているような言い方だが事実だ。

 

「クク、俺とお前の持つ情報が一致しているかの確認だ」

 

「意図してクラス分けを行っている。優秀な奴はAクラス。最もだめな奴はDクラスに配属だ」

 

 これは坂上に確認済みだ。プライベートポイントを払い各クラスの授業態度を教えてもらった。Aクラスは居眠りや私語などをしていないのに対しDクラスは居眠りをするや私語、漫画を読むなどやりたい放題やっている。

 

「クク、Cクラスは下から2番目というわけだ」

 

「そして就職や進学が叶う恩恵はAクラスのみ」

 

 やりたい放題してる奴らに恩恵を与える意味がねえ。

 

「つまり今のクラスでは保証されないと捉えてよろしいでしょうか。神宮司氏」

 

 眼鏡をかけたマッシュルームが言う。

 

「ああ」

 

「どういうことだよ!」

 

「話を遮るなよ石崎」

 

 龍園は目で続きを話せと言ってくる。

 

「肝心のAクラスに昇格する方法はわからねえが夏にある行事だと考えいる。以上だ」

 

「それだけじゃねえよな神宮司」

 

「自称王を名乗るお前が何も言わないとは無能な王様だな」

 

 あえて挑発することにした。

 

「クク、言うじゃねえか。坂上がプライベートポイントについて話していたのは覚えているな?」

 

 敷地内にあるものならプライベートポイントで買えないものはない。

 

「プライベートポイントがどこまで有用なのかを測ったのさ」

 

 龍園はプライベートポイントで休んでも出席扱いする権利買ったらしい。休んだ次の日坂上に確認したところ出席扱いになっていた。上級生に学校のルールを聞こうとしたが買収に失敗。

 

「それで何がわかったんだ」

 

「ルール以外ならプライベートポイントで買えるってことさ」

 

 常識で考えるなら文房具、娯楽などしか使えないと判断するだろう。だが龍園は坂上の意味を理解した上で行動に移した。

 

「そいつはすごいな」

 

「白々しいぜ。お前らも理解しただろ」

 

 5月に入れば4クラスでの恩恵をかけた争いが始まる。勝つ為にはクラスのリ-ダ-が必要不可欠だ。

 

「だからってあんたを認めるわけないでしょ!」

 

 頭では理解しながらも反対するやつは一定数現れる。特に龍園のような横暴な態度をとるやつにはな。

 

「俺を王として認めないなら相手になるぜ?得意の暴力でな」

 

「上等だ!」

 

 腕に自信があるやつらは教室に残りそうでないやつは教室から出ていく。

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