『さあ皆さん!お待たせいたしました!全国バトルカップ、予選を勝ちぬき選ばれし12人と特別に招待された4人で行われるトーナメント戦が今ぁ、幕をあけるぅ!』
司会の盛り上がりに合わせて熱狂する会場、誰も彼もがこれを当然のように受け取っている。
司会のテンションが異様に高いのも頷けるほどであり、年に一回という気合が入ったイベントである事を認識させられる。
『ライジング・イリュージョン』が中心となっている世界では、カードゲームが常に中心となっている。
故に、一国の中で最強を決めるとなれば世界が注目するのは当然であった。
『「ライジング・イリュージョン」会長のありがたーいお話も終わり、遂に選手入場だ!みんな、準備はいいな!』
全国にて8ブロックに分かれ、何千人といる中で予選を勝ち抜いた猛者を一目でも見たいと観客たちは今か今かと待ちわびる。
会長の話が長かったこともあり、会場の熱気はさらに高まる。まだ何も始まっていないというのにこの熱気は皆に愛されている大会であると認識させられる。
『さあ、いくぜ!選手、入場!』
ド派手にマイクを掴んで叫ぶ司会。それに合わせて激しくロックな音楽が流れ始める。
『天のドラゴン使いとなりゃ誰もが言う!この男が今最高のドラゴン使いだと!
龍を模ったスカジャンを身に纏い、堂々と会場入りしてくる赤髪の男がいた。
威風堂々、まさにその言葉が似合う男であり第2期主人公である。
『忘れるなかれ!ドラゴンは空だけでない!大地にも、海にも存在する!そんな奇跡の世代の1人がまたここに!
青と茶髪が混じったスーツの男が入場する。その立ち振る舞いはクールな雰囲気をヒシヒシと伝えてくる。
最初に入ってきた龍咲リョウのライバルであり、常に鎬を削ってきた仲間である。
『盛り上がりすぎだ!まだ序盤だぜ!森より来たるは大地の守護者!圧倒的パワーで踏み潰す!
どん!と一歩一歩が重厚な振動を鳴らし、茶髪の益荒男が右手を天に掲げながら入場する。
同じく第2期主人公の友人であり全国バトルカップ常連という強者に違いない人物である。
『続いてぇ!この男、予測不能!かつて全国バトルカップで優勝経験あり!しかしその翌年に予選落ち!それを何度も繰り返している!
ランニングするかの如く水色の髪の青年が爽やかに入ってくる…………が思いっきりずっこけた。
このような天然っぷりを見せているが第4期主人公である。
『そして次は』「オタマ!」「オタマ!」「オタマー」「オタマ?」「オタマっ!」「オタマだよー」「オタマ!」「オタマっ」「オタマー」「オタマなの」
「「「「「「「「「「
ちんちくりーん、と奇妙な効果音と共にポーズを決めながら登場する10人の子供。
身長も子供と言って差し支えないほど低く、しかし顔や髪型、髪色まで全て同じな10つ子である。
もちろんその正体は『猛毒殺両生類オタマ』である。
『…………あ、あの!順番飛ばしはやめてもらおうかな!?段取りってものがあるんだぜ!』
「そうなの?」「そうかな?」「そうかも」「そうだよ」「でも長くなるよー」「初登場の登場の仕方だよー」「待てないよー」「後はもうダイジェストになるもん」「お話長かったー!「名前だけでも考えるの大変そうなのに、登場シーンまで入れたら滅茶苦茶になるもん」
それはそう、としか言えないが…………干渉はさておき、残りの入場者は以下の通りである。
そして…………
「姉ちゃん!今回は勝つからな!」
津久葉ユウキ、第6期主人公。
「こうして皆さんに会う事ができるとは、感激です」
名前を失いし元8番隊主席、表舞台へと再び舞い戻る。
そしてシード枠は以下の通りである。
ミスターコンバット、その正体は第1期主人公。
神楽坂キボウ、第5期主人公。
第3期が居ないのは、陽花里ヤマトが第3期主人公であるため関係者は管理局の人間しかいないからである。管理局は運営側であるため出場しないのだ。
『揃った!栄光の道を進む16人が今ここに!本日は全員同時にバトルを行い半分が脱落するぜ!そう、準々決勝からテレビ放送だが一回戦だって見逃せない!公共では飛ばないが有料放送ではやってるから現地に来れない人はそっちを見てくれ!』
なんか番宣が含まれたが、皆が勝利のために燃えている。
「おっさん、昨日言ってたけど全員知り合いなのか?」
「灰汁豪さんだけは知らない人です」
「どういう人脈してんだよ…………あれ、姉ちゃんといつ会ったことあるんだ?話を聞いた事ないぞ?」
「諸事情で忘れてるだけです」
こっそりと会話していたユウキは、彼のいつもの微笑みである筈なのに悲しそうな雰囲気を垣間見た。
キボウは確かに記憶力が悪い方ではあるが、彼のような濃い人物を忘れるものなのか、という疑問もある。
「その答えも、すぐに分かりますよ」
「どういう…………」
『さあ、神楽坂キボウ選手の挑戦的な宣誓も終わったぁ!一旦解散し、1時間後に初戦のバトルが始まる!』
「ユウキくん、決勝でお会いしましょう」
話してる間に出場者に短い挑発をしたキボウの言葉を聞き逃しながら、ユウキは彼がさっさと離れていく様を見送るしかなかった。
あの言葉は何だったのか。決勝で会うというのは勝ち進める自信があるからなのか。
最近は謎が謎を呼ぶ行動ばかりとる彼には疑問しか出ない。
「ユーウーキー…………」
だがそれも。
「あんた、私の宣誓聞いてなかったわよね?」
「げ、姉ちゃん!俺行くから!」
「待ちなさい!流石に時間ギリギリまで説教よ!」
「ごめーん!」
壇上で宣誓をしたキボウにバッチリと彼と話してるところを見られたので追いかけられるハメになったので忘れる事になる。
必死こいて被らないようどこの立場とか設定考えたのにほとんどモブになるってマジですか?
何なら灰汁豪さんの出番これで終わりってマジですか?(ネタバレ)
一体これからどうなってしまうんだ、全国バトルカップ!
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