もしも、あの時、救いの手があったら、救われた者は変われたのだろうか。救いとは何か…。救いを求めるならば救おう。求めていなくても救おう。たとえ、それがエゴだとしても





※ダンダダンのアクサラ回を視聴して、衝動的に書いた小説です。拙い文章であるため、ご注意ください。
※これは、作者の自己満足による小説です。

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救道を歩む者


もしも…あの時

 日本の何処かにある人の喧騒から離れた鉄筋ビル。

 厳重に警備されたビルの室内には、黒服や構成員が血を流して倒れていた。そのビルの最上階にある部屋の中で、二人の人間が対峙していた。

 

 侵入者と見られる男は、血の滴っている日本刀を片手に、腰を抜かして倒れている男を見つめていた。

 

 倒れている男は、銃撃を受けたのか。撃たれた肩を押さえながら、懇願していた。

 

 

 「や、やめてくれ!金なら払う!だから、命だけ…!」

 

 

 ターゲットである男が命乞いをした刹那、男の首と胴体が別れ、見事な血の花を咲かせていた。

 

 ビルを出た男の見た目は中学2年生位の少年であった。少年は、大雨の外を見て、ギターケースに入れていた傘を取り出す。すると、少年の元に1台の高級車が止まった。扉からスーツ姿の男が出てきて、お付きの部下と共にビルの内部に入る。数分後、ビルから出てきたスーツの男は、車の中から黒い封筒を取り出し、少年に渡した。

 

 

 「今回の報酬金だ。武装組織の壊滅。感謝するぞ」

 

 

 「これも仕事ですから。スリーパー殿。」

 

  

 少年は、黒い封筒を受け取ると、それを確認したスーツの男は車に乗り、去っていった。

 

 

 少年は、黒い封筒を濡れないように懐に入れ、傘を片手に歩き出した。

 

 

 

 外は大雨で周りの雑音が雨音によって掻き消されていた。絶好の退治日和だった。しばらく傘を持って歩いていると、怪しげな空気を感じ取った。

 

 

 

 「声が…聞こえる」

 

 

 

   

 発生源であるアパートを見ると、怪しいボックスカーが駐車されている。すると、ある部屋から悲鳴と怒号が聞こえ、ドアが勢い良く開く。到底、堅気に見えない複数人の男達が赤いワンピースを着た女の子を乱暴に抱き抱えながら車に乗ろうとしているのを目撃した。女の子が甲高い悲鳴を上げていることから、大方、借金取りによる人攫いだと確信した。

 

 

 攫われているか弱き命と醜い悪を見過ごす程、性根は腐っていない。仕事帰りだった少年は、仕事道具をギターケースから取り出し、一気に駆け出した。

 

 

 

 「お゙があ゙ざーん゙!イ゙ヤ゙ァァァ!イ゙ヤ゙ァァァ!」

 

  

 

 「静かにしろクソガキ!」

 

 

 「あのアマ、俺らが斡旋した売春金を直ぐに渡さねえから大事な大事な娘ちゃんが売り飛ばされるんでちゅよ〜」

 

 

 「ヘッヘッヘ、売れば幾らか金になるか。もしくは、俺が処理用に使用してガバッ」

 

 

 「な、何だ!?ガッ!」

 

 

 

 借金取りの仲間の一人である男が突如、血を吐いて地面に倒れていた。その背中には、クリップポイント型のナイフが突き刺さっていた。

 

 男達は、突然の異常事態に焦りを感じて辺りを見渡す。すると、何かが男達の間をすり抜けた。そして、女の子を乱暴に抱き抱えていた眼鏡を掛けた肥満体型の髭男は気付いた。男の腕に借金対象の少女がいないことに加え、汚い左腕が地面に惨めに落ちていたことに

 

 「う、うわあああ!イデェ!いでぇよ!」

 

 男の残った左腕からボタボタと血液が溢れ、雨水による水溜りと混じり、地面に真っ赤な水溜りを形成していた。痛みで足元をふらつくと、鋭い刃が男の胸から咲くように突き刺さり、男は悲鳴を上げる。

 刃物が引き抜かれ、口に拳銃を突っ込まれると銃撃を受けて絶命した。

 

 リーダー格の老け顔男は、怒声を上げながら、目を血走らせながら手を振り回して周囲を見回した。

 

 そこには、見知らぬ少年が泣いている拉致対象の幼い少女を抱き抱えながら、携帯で通報をしていた。

 少年の腰には、仕事道具である打刀と呼ばれる日本刀が差されている。

 

 周りの惨状からして真剣であることが理解できる。

 

 

 「場所は、〇〇丁目アパート前です。今すぐ来てください。暴行事件です。子供は今、保護しています。」

 

 

 「このクソ野郎!よくも部下を!殺してやる!」

 

 

 

 少年は、迫ってくる男に対して、背中に背負っていた傘を取り出し、傘の丸い先端を相手の腹部に突いて、相手が蹲っている隙に現場のアパートの大家室に駆け込んだ。

 

 

 「すまない。この娘を保護してくれ。悪い奴らに追われている」

 

 

 大家は、理由がわからず戸惑うが、子供の顔を見て、入居者の一人であることを思い出した。そして、静かに頷いた。

 

 

 「お嬢ちゃん、お母さんの所に帰してやる。だから、今は大人しくしてくれ。…すいませんが、宜しくお願いします。」

 

 

 ワンピースの少女は、震えて泣きながらもゆっくりと首を縦に頷く。それを見届けた少年は、扉を閉めて、外道と対峙した。

 

 

 「小僧!貴様のせいで俺達の計画がパーだ!大人しく惨たらしく死ね!」

 

 

 リーダー格は、懐からナイフを取り出し、逆手持ちに構えた。

 そして、目を血走らせ、涎を垂らしながら走り出した。

 

 

 少年は、『斬悪成敗』と彫られた刀を八相の構えに構え直す。

 

 一刀一殺流【悪四削ぎ】

 

 

 その瞬間、男の両腕と両足が切り離され、地面にポシャッと落ちた。四肢を失った男は暴れまわることしか出来ず、灼熱のような痛みに叫び苦しんだ。

 

 

 「ああぁぁア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

 

 

 「借金取りである貴様にはお似合いの姿だ。貴様の手足やお仲間の臓器は、お前達があの家族達に貸している金の担保代わりにでもするか。少なくとも端金にはなるだろう。

 あと、借用書の場所を教えろ。嘘をつかずに…な?」

 

 

 男は、口から泡を吹き、目の焦点が乱雑になりながらも此方を見ていた。冷酷な態度で男に問い詰めた。

 

 「俺のことを警察に言い触らしたりでもしたら、明日を生きることが出来ないと思え。」

 

 

 少年は、男の心臓辺りをトントンと軽く叩いた。そして、男は借用書がある場所を教えたあと、痛みにより気絶・失禁した。

 

 数分後、クリーナーが来た。クリーナー達は黙々と男の手足と死体を回収し、去っていった。

 

 

 そこには、腕が血だらけで片目が潰れている女性がそこに立っていた。この女性が幼い少女の母親だと気付いた少年は、アパートの大家のところで少女を保護していることを伝えると、女性は大家室に駆け出し、大家から娘である少女を引き取り、涙を流しながら、少女を抱き締めた。

 少女も男たちに連れ去られた恐怖と母親の元に帰れた安心感から涙を流し、母親の胸で泣いていた。

 

 少年は、保護のお礼として5000円を大家に払おうとするが、大家はコレを拒否。

 

 「ワシはいらないよ。そのお金であの母娘を助けておやり」

 

 少年は、代わりとしてオヤツとして買っていた芋羊羹二箱の内の一箱をギターケースから取り出し、大家さんに渡した。そして、母娘の元に行き。

 

 

 「少ないが、この金で娘さんと。それと奪われた封筒は取り返しました。」

 

 少年は、母親が必死に貯めたであろう封筒を渡した。母親は、また泣き出し、娘が母親の頭を撫でていた。

 それを見届けた少年は、大家に連絡先を渡して去った。

 

 

 

 

 

 

 

 数年後、アジトの部屋で寛いでいた少年に電話が掛かってきた。あの大雨の日に会った大家からだ。

 

 

 

 

 

 

 

 大家からの話によると、母親は、今までの無理が祟り、心労で倒れてしまい、そのまま病院で帰らぬ人となったらしい。

 

 

 少女は、母親が亡くなったあと、養護施設に保護されているらしい。少年は、電話を切ったあと、やるせない感情を胸に片手で目を隠しながら天井を向き、椅子にゆっくりともたれ掛かった。

 

 

 舞台は変わり、オカルンと呼ばれるメガネを掛けた少年が少女を支え、怪異と向き合っていた。

 

 怪異の名は、アクロバティックサラサラ。子供を助けられなかった怨念から悪霊化した怪異であるが、この世界では、幼い子供を残して死んだ母親の怨念が悪霊化した怪異だ。

 

 オカルン達は、アクロバティックサラサラが絶命したアイラを、アクロバティックサラサラのオーラを取り込ませることで生き返らせることを提案していた。

 

 何処からか、オカルン達ではない声が聞こえてきた。

 

 「お母さん」

 

 

  その声にアクロバティックサラサラことアクサラは、動きを止めた。それに気付いたオカルンとモモ達もアクサラが向く視線の先へと振り向いた。

 

 そこには、モモがアクサラの記憶から見た幼い少女に何処か似ている少女が、アクサラによるオーラの譲渡によってアクサラの力を取り込んで復活したばかりのアイラを支えていた。後ろには、謎の男性が刀を持ち、壁に寄り掛かりながら此方を見ていた。

 

 

 すると、アイラと少女は、アクサラに向かって歩き出した。

 

 

 「アアア?」

 

 

 「やっと会えたね。お母さん」

 

 少女は、恐れを抱かずにアクサラに抱きついた。

 

 

 「お母さん、今までありがとう」

 

 少女に続いて、アイラもアクサラの体を抱き締めた。

 

 

 

 抱き締められたアクサラの脳内では、生前の姿で二人の少女を見つめていた。本当の娘ではないけれど、自身の境遇から影で見守ってきたアイラ。そして、アクサラは、一目でアイラの隣にいる少女を理解した。 

 アクサラが生前に愛し、守ってきた。今では高校生くらいにまで成長した自身の愛娘であることを

 

 

 

 アクサラは、二人の娘に抱き締められた後、黒い涙を流し、震えながらゆっくりと二人を抱き締めた。

 

 

 その瞬間、アクサラの身体が分散され、灰となり崩れ散った。成仏寸前のアクサラを見ると、その顔は何処か穏やかだった。

 

 

 アクサラが成仏したことを確認し、安堵したオカルンとモモの二人は、いきなり現れた青年を警戒した。

 

 

 「あの…貴方は何者ですか?」

 

 オカルンがメガネを動かしながら、青年に質問を行い、オカルンの背中でモモが首を激しく頷いた。

 

 青年は、刀をギターケースに仕舞ってから、オカルン達の方に向き直って、自己紹介した。

 

 

 「俺か?俺の名は沙良双樹(さら そうじゅ)。しがない何でも屋だ。」

 

 

 沙良双樹と名乗った青年の得体のしれない雰囲気にオカルンとモモと招き猫(ターボババア)は、嫌な予感を感じた。

 

 

 




作者です。
 ダンダダンのアクサララの悲しい過去に涙を流し、せめてもの救いとして書きました。自己満足です。

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