俺に取り憑く妖怪が鬱陶しすぎる   作:シキDX

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第一話 プロローグ 前編

 

 

土砂降りの雨の日。俺は傘を忘れてずぶ濡れになりながら家に帰っていた。ちょうど帰り道に神社があったから雨宿りでもして雨が止むのを待っていた。

 

「はぁ〜、まさか天気予報が外れるなんて・・・今日は1日晴れじゃなかったのか?」

 

雨雲を睨みながら俺は意味もなく愚痴っていた。

それにしても酷い雨だ。近くに雷が落ちてもおかしくはないなと思っていると

 

「――ぅわああぁっ!」

 

突如境内に雷が落ち、轟音が鳴り響く。

突然の出来事に俺は驚き、その神社からなりふり構わず逃げ出した。途中、何度か転けたので泥んこになり母さんにこっぴどく怒られてしまった。

 

     *

 

 あの日から俺の人生は色々変わってしまった。

 まず、俺はどうやらあの神社の神様かなんかに呪われてしまったらしい。人に触れただけで静電気とは比べ物にならない電気が流れるようになってしまった。

 

 幸い人が死んだり後遺症が残るような物ではなかったがクラスメイトを病院送りにしてしまったせいでクラスのみんなが俺のことを避けるようになってしまった。

 

 前までは友達だったやつともまともに喋れていない……このままでは学校での俺の居場所は無くなるかもしれない。

 

 これを危惧した親は俺をいろんな病院に連れて行ってくれたがどれだけ検査をしても体は至って健康だった。

 

 最終的に病院で治すことは諦め、霊媒師に頼ることにした。病院で検査しても何も悪くないし触れるだけで電気が流れるなんて普通はありえない。オカルトに頼るなんて馬鹿馬鹿しいかもしれないが正直言ってもうこれ以外に頼りになるものはないだろう。

 

 その霊媒師というのは日本唯一の霊能力教師という人らしい。童守小学校の先生をやっているらしく今度尋ねに行く予定だ。なんとかなるといいが…‥…

 

 *

 

「なるほど……帯電体質ですか」

 

「なんとかなりませんかね。今はゴム手袋でなんとかこの症状もマシになったんですが」

 

 俺と母さんは今童守小学校の校長室で噂の霊能力者 「鵺野 鳴介」という先生に俺の症状を説明している。

 

「どうにかならんかね鵺野君」

 

 立派な髭を蓄えた校長先生がぬ~べ~に聞く。

 

「この子からは凄まじい妖力を感じます。恐らく悪霊か何かが取り憑いているのでしょう。それにこの子の言う神社も気になります。その神社を調べれば手がかりが見つかるかも……」

 

「ということは……!」

 

「ええ!早速その神社に行ってみましょう」

 

 どうやらあの神社に何かがあると見当をつけたらしい。

 まぁ色々起き始めたのはあそこからだからな。

 

「よかったじゃない大輝!なんとかなりそうよ」

 

「母さん、まだ調べてもないんだからそんなに喜ばなくても」

 

 母さんはちょっと心配性なところがあるからな。

 進展があったのがそれだけ嬉しかったんだろう。

 

 

 「校長先生、クラスのみんなには今日は自習だと伝えておいてください」

 

「わかった。伝えておこう」

 

鵺野先生はどこかのクラスを担任しているか?

授業をなくしてしまって申し訳ない……いや案外喜んでるかも。少なくとも俺なら嬉しいし……。

 

「さあ、善は急げだ!早速行こうか大輝君」

 

「はは、よろしくお願いします」

 

早速俺と鵺野先生は神社へと向かうことになった。

 

 

「ここがその神社か?」

 

「そうですね。ここで雨宿りしてたんですよ」

 

 俺はあの時雨宿りしてた場所を指差して教える。あの時と違い今は清々しいほどの晴天だ。これなら調査しやすくて助かる。

 

俺たちは今あの神社の調査に来ている。あの神社の名前は「雷霆神社」といって小さいがかなり昔からあるらしい。

 

「そして、ここに落雷が落ちたと、こりゃひどいな」

 

 あの時はすぐに逃げたからわからなかったがあの時落雷が落ちたのは何かを祀っていた場所だったらしい。

 その祀っていたものも粉々になっていてなんだったのかわからないがここに落ちたのは間違いないようだ。

 

「なんかわかりますか?鵺野先生」

 

「ああ、わかったぞ。」

 

「ほ、本当ですか!」

 

 この少ない情報でわかったのか!もしかしたらこの先生本物かもしれない。

 

「ここに来る前にここの神社についてちょっと調べたからな。よし!早速除霊しようか」

 

「え⁉︎早くないですか!ていうかどうやって」

 

「まず、君の中からその症状の元凶を追い出す。そして、この水晶玉に封印してそこの祀ってあった場所に戻すんだ」

 

 めっちゃ簡単そうに言ってるけど本当にうまく行くんだろうか……。

 

「じゃあいくぞ!」

 

「ま、待ってくださいよ!神社に祀られてたってことは何かの神様じゃ……そんなのに勝ち目あるんですか?」

 

正直、妖怪とか悪霊ならその方法でもいいんだろうけど神様がそう簡単に封印なんてされるのか?

 

「なーに大丈夫だ!それに君の中にいるのは神様なんかじゃない。かつてとある村を壊滅させた妖怪『雷獣』だ」

 

「ら、雷獣?」

 

 聞いたことのない妖怪だ。

 

「まぁ教えるより直接みた方が早い。いくぞ!」

 

「お、お願いします」

 

 もう、妖怪だろうがなんだろうがこの地獄から解放されるのならなんだっていい。

 

 鵺野先生は水晶玉みたいな物を取り出して呪文?を唱える。

 

「宇宙天地 與我力量 降伏群魔 迎来曙光 迎来曙光 吾人左手 所封百鬼 尊我号令 只在此刻 この子に取り憑きし悪霊よ姿を表せ!」

 

「――ぅわああぁっ!」

 

 突如俺の中から鋭い牙と鋭い爪、純白の毛並みを持つ赤い目の獣が現れたのだった。




ちょっと場面転換が多かった気がする…
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