日輪の半龍人   作:倉田 創藍

53 / 158
ここでは初投稿になります。読んで頂ければありがたい限りです。


また「小説家になろう。」と「カクヨム」にて同作を2~3日に1度連載投稿しております。


現在両サイトにて投稿されているものとこちらに投稿するものは少々文体が違う場合があります。


こちらへは定期的にある程度纏めて更新していく予定です。


5話 追われる主従とアルクスの決断 (虹耀暦1286年9月:アルクス14歳)

 ラービュラント大森林の辺境に位置する村落ネーベルドルフにアルクスたちが逗留して5日目の朝。

 

 穴だらけの防壁とは斜向かいにある門前。そこには出立前のアルクスたち4人と1羽、更に親切にも見送りに来てくれている幾人かの住人たちの姿があった。

 

 その中にはここの長であるシモン・レーラーの姿もある。

 

「じゃあ皆さん、数日間お世話になりました」

 

 アルが頭を下げると一党仲間の幼馴染たち3人も口々に「ありがとうございました」と腰を折った。

 

 三ツ足鴉の夜天翡翠も「カアー!」と鳴く。

 

 住人たちが「おう!」「気ぃつけろよ」などと返していると、シモンが一歩前に進み出て一党へ朗らかな笑みを向けた。

 

「また困ったことがあったらおいで。僕らはいつだって歓迎するよ。ここを守ってもらった恩もあるしね」

 

「ありがとうございます、その時はまた。シモンさんたちもどうかお達者で」

 

 心の裡を語り合ったアルとシモンにもうわだかまりはない。両者の視線が数瞬交わる。

 

 ―――――頑張ってね。

 

 ―――――ええ、そちらも。

 

 どちらからともなく視線を外し、シモンは凛華たちの方へ、アルは進行方向へと顔を向けた。

 

「君たちも元気でね。くれぐれも気をつけるんだよ」

 

「「「はい!」」」

 

 ネーベルドルフの長としての言葉に3人は威勢よく返事をする。別れの挨拶を長々しても未練たらしいものだ。

 

 アルはさっと指を振りながら仲間たちへ呼びかける。

 

「よし、出発しよう。『陸舟(おかぶね)』」

 

「うん!」

 

「そうね」

 

 魔術によって盛り上がった土がみるみる内に幅広いカヌーのような舟を形成した。アルはそこに『念動術』をかけた背嚢をぽいぽいっと入れ込む。

 

 すぐさま凛華とシルフィエーラが前に跳び乗り、マルクが船尾についた。夜天翡翠はアルの肩からバサッと飛翔していく。

 

 次いで木々がエーラの願いによって道を開き、そこに凛華が冰のコースを敷いた。

 

「こっちは準備完了」

 

「すぐに出せるわよ」 

 

「俺もいけるぜ」

 

「わかった。じゃ行こうか」

 

 アルから目配せされたマルクガルムが腕と脚だけを『部分変化』で人狼化させて、『陸舟』をぐぐっと押し始める。

 

 やがて進み出した『陸舟』にマルクがぴょんと跳び乗ったところでアルは声を張り上げた。

 

「じゃあ皆さん本当にありがとうございました!行ってきます!」

 

「ありがとうございましたー!」

 

「お元気で!」

 

「また来ます!」

 

 ネーベルドルフの住民たちは『陸舟』へ手を振りながら「また来いよー!」「頑張れよー!」などと口々に暖かい声を掛けていく。

 

 シモンは彼らにどこまでも駆け抜けていく力強くも爽やかな風を感じ、笑みを隠せなかった。

 

 ―――――あんな子たちが生きていく世の中だ、僕も頑張ってみようじゃないか。 

 

 夢を後押しされた気分にすらなっている。

 

 そんなことを思いながら手を振り続けるシモンに同じく見送りに出てきていた仲の良い友人が声を掛けた。

 

「強過ぎる薫風みたいなやつらだったな」

 

「はははっ、言い得て妙だね。悪くない表現だと思うよ。あ、そうだ。伝書用の早鷹は今空いてるかい?」

 

「早鷹?まあ空いてると思うぞ。なんでだ?」

 

「手紙を隠れ里に届けてもらおうと思ってね」

 

「なるほどな。あ、刃鱗土竜の件についてヴィオレッタ様への礼も忘れないでくれよ?」

 

「そっちは当然さ」

 

 住民たちは女神と森へ祈りつつ村落へ戻っていく。願わくはあの4人と1羽が更に成長し、また無事な姿を見せてくれんことを、と。

 

 

 ***

 

 

 アルたち4人を乗せた『陸舟』は快調なペースで森を滑走していた。ラービュラント大森林のど真ん中を抜けてきた彼らからすれば、旧街道が近くなってきたおかげで起伏も少なく、大人しい道という印象だ。

 

 急な斜面もないためマルクが慌てて風を起こす必要もなく、先がどうなってるかわからず凛華がコースを出しあぐねるようなこともない。

 

「いい人たちだったねー」

 

 エーラの通る声にアルを含めた3人は頷く。

 

「そうだな」

 

「今度里帰りでもするときにお土産でも持っていきましょ」

 

「そうしようか」

 

 にこやかな会話がなされている下で『陸舟』はザーッという快調な滑走音を立てながらグングンと進んでいく。

 

 

***

 

 

 それから1時間半ほど移動をし続けていると、エーラが「んっ!?」と声を上げた。マルクが『人狼化』して重量を上げ、アルは急いで舟底に爪を出して減速させていく。

 

「エーラ、どうしたのよ?」

 

「木がほとんどいなくなっちゃったみたい」

 

「この先で?ってことは―――」

 

「うん、たぶんもうすぐ大森林から抜けられるんだと思う」

 

 エーラは自信を持って隣の凛華へ告げた。樹木たちがめっきり減る代わりに背の低い野草たちが増える気配を鋭敏に捉えたのだ。

 

 植物に関するエーラの感覚と知識は残り3人の持つそれより圧倒的に精度が高く、豊富である。

 

「あとどれくらい?」

 

 今度はアルが訊ねた。ラービュラント大森林を抜け切るということは共和国と帝国を繋ぐ旧街道に出るということ。

 

 アルたちはその手前で『陸舟』は解くつもりでいた。移動しているところを見られてネーべルドルフまでの道筋を辿られても()()だからだ。

 

「2km(キリ・メトロン)ってとこかな。もうそろそろ歩きに変えた方がいいかも」

 

「わかった。じゃあこのまま減速していって止まったところで降りよう」

 

 アルの決定に仲間たちが頷く。

 

「了解だ」

 

「こっちも了解。それにしても、案外早かったわね?もう少しかかると思ってたわ」

 

「今までに比べたら道がマシだったからね~」

 

 そういえばそうかと思った凛華は「なるほどね」と呟いた。そうこうする内に『陸舟』は徐々に速度を落としていき、やがて止まった。

 

 土に戻った『陸舟』を降りた4人は背嚢を浮かせて歩き出す。

 

「おーい翡翠、もう偵察はいいぞー。戻ってこーい」

 

「カァー」

 

 アルの呼びかけに夜天翡翠は素直に応え、バサバサと羽音をさせながら勝手に主人だと思っている頭目の左肩へ止まった。

 

「おつかれ」

 

「おつかれさまー」

 

 凛華とエーラはすぐさま夜天翡翠へと寄ってくる。干し肉を手に持っているあたり、また可愛がるつもりなのだろう。

 

 大して疲れていないらしい三ツ足鴉は差し出された餌を啄みながら、まだ余裕とばかりに「カァー」と鳴いた。

 

「翡翠もだいぶ体力がついたんじゃねえか?」

 

 マルクの言葉に夜天翡翠は誇らしそうに胸元の濃紫羽を膨らませる。その通りだとでも言いたげだ。

 

 4人はそんな和やかな会話を交わしながら最後の1kmも満たない距離を歩き始めた。

 

 

***

 

 

 30分ほど歩いただろうか?原生林然としていた風景が雑木林くらいの()()に転じていた。人の手が入っているとはまだとても言えないが、それでも雰囲気に歴然とした差を感じる。

 

 ―――――いよいよか。

 

 そのまま雑木林を抜けると途端に視界が開けた。

 

 一党の目に入ってきたのは一応整備されている―――といっても土瀝青《コンクリート》や石畳で誂えられたものではないが、確かに人の手で開かれたことが伺える道と周囲の草原。旧街道だ。

 

 アルたちは何だか不思議な光景だと雑草をサクサクと踏みしめ街道に出てみる。

 

「おぉー!ここが旧街道か。凄いな、久々に文明を感じる」

 

 アルは道路からの眺めに感嘆の声を上げた。小規模の林がまばらに見えているが他はだだっ広い草原だ。その中に旧街道であるこの道が一本だけ続いていた。

 

「丸々ひと月は大森林の中だったものね。気持ちはわかるわよ」

 

 好奇心で目を輝かせる我らが頭目に微笑ましく思った凛華は少々大人びた笑みを浮かべて同意した。

 

 しかしその言葉にエーラは首を傾げる。

 

「ボクは森の中、そんなに嫌でもなかったけどなぁ」

 

「そら森人はそうだろうよ」

 

 森の中で最も力を発揮する種族なのだから、森で疲れることはあるまい。

 

 マルクのツッコミに野人と言われたような気分になったエーラはむっとして言い返す。

 

「”魔法”使ったら一番野生児みたいなマルクに言われたくないよ」

 

「おい、そりゃ言っちゃダメだろ」

 

 『人狼化』はどうしようもないことだろう。マルクがそう言い募るも頬を膨らませたエーラは聞く耳を持たない。

 

 平和な会話をしばし繰り広げていた4人だったが、とりあえずとアルが一声かけた。

 

「道なりに北東?で合ってるのかな―――の方に行こう。で、途中で昼食を挟もうか。貰った食糧もあるしね」

 

「「はーい」」

 

「応よ」

 

 生まれて初めて見る景色も何のその、仲間がいれば不安も薄いものだなと一党はテクテク歩き出した。

 

 

***

 

 

 適当な木陰を見つけて昼食を摂った4人と1羽が再度移動を開始して1時間も満たない頃。

 

 既に大森林を途中まで歩いてきた面々にとって足だけ動かす作業というのは慣れたものだ。

 

 しかし、こうも平坦だと眠くなる。いかんいかんとアルが気を引き締め直そうとしていた、その時だった。

 

 ドドッ、ドドッ、ドドッ―――――!

 

 規則正しくも何かが猛烈な勢いで走ってくる音が聞こえてくる。

 

 即座に後ろを振り返った4人が見たのは、馬に乗って駆けてくる同い年くらいの少女2人組だった。

 

 手綱を握っている方の少女は燃えるような朱髪で見るからに必死そうだ。スリムな鎧を着込み、腰には細めの剣を差している。控えめに言ってそんな形相を浮かべていなければ美人な部類だろう。

 

 その後ろに乗っている明るめの茶髪をしたもう一人は、鮮やかな青のラインが入ったゴツい騎士鎧を身に着け、背には幅の広めな盾を背負っていた。剣は取り落としたのか、元々なかったのかわからないが持っていない。

 

 だが、それ以上に様子が変だ。ふらついているというか馬の揺れに耐えられていない。

 

 朱髪の少女は4人に気づくと「魔族っ!?」と驚愕を露わにした。凛華の二本角とエーラの長く尖った耳を見たからだろう。

 

 驚いているのも束の間、朱髪の少女はハッとした様子で慌てて叫んだ。

 

「貴方たち!早く逃げて!」

 

 アルたちは意味が分からず、「え?」という表情を揃って浮かべる。

 

 ―――――逃げる?魔獣でもいるのか?

 

「アル」

 

「いや、魔獣の気配は感じない」

 

 凛華が端的に問うたのに対し、アルも手早く答えた。旧街道沿いこそ見渡せるほどには野草の背も低いが、人の手が入っていないと思われる場所は背の高いものもある。

 

「精霊たちもそう言ってるよ」

 

 そういった場所に何かが隠れているかもしれないという懸念はアルと『精霊感応』を発動させたエーラによって否定された。

 

 朱髪の少女は警告はしたものの止まる気はないようだ。速度を緩めず駆けてくる。アルたちは不思議そうな顔で馬を避けすれ違いになりかけた瞬間だった。

 

 後ろに乗っていた茶髪の方がぐらりと体を傾げ、そのままずり落ちていく。

 

「あっ!」

 

 頭から真っ逆さまに落ちていく騎士鎧の少女にワインレッドの影が疾走した。マルクだ。

 

「あっぶね」

 

 そしてなんとか受け止めた。人間態でも血の匂いに気づけていたので、ギリギリ『部分変化』させた人狼の脚で間に合わせたのだ。

 

「さすがマルク」

 

「まあな」

 

 エーラの誉め言葉に適当に返すマルクの目は一点を見つめている。血の匂いの根源。騎士少女の怪我だ。

 

「ソーニャ!?」

 

 彼女の落馬に気づいたのだろう。朱髪の少女が馬を急停止させて走ってこちらへやってくる。

 

「大丈夫なの!?」

 

 駆け寄ってきた朱髪の少女の問いに騎士鎧姿の少女―――ソーニャは微かに反応した。今ので精一杯のようだ。

 

「マルク、その子―――」

 

 アルが同じく近寄って見てみれば、胴鎧と肩の間から矢が伸びていた。マルクが嗅ぎつけたのはこの匂いだ。

 

 そこをエーラが覗く。鎧を手で押して矢を確認し、鼻をひくひくさせた後、エーラは鼻をつまんだ。血と矢についた付着物の臭いで痛くなったからだ。

 

「この臭い・・・狩りで使われたりする毒だよ」

 

「毒!?そんな!」

 

 朱髪の少女が驚く。矢のダメージで落ちたと思っていたらしい。

 

「毒の種類は?」

 

「この色と臭いはたぶん麻痺毒だね・・・・でもこれ普通の麻痺毒じゃない。もっと趣味が悪いやつだ。ほっとくと死んじゃうのがほとんどなのに、この毒は絶対に獲物を()()()()()なんだよ。ただ動けなくなるだけ」

 

 ぎゅるっと矢の形状を変えてよく確認したエーラはそう告げた。植物から採れる毒なら一通り叩き込まれている。

 

「これを放ったやつは?」

 

「そこまではわかんないけど、相当インケンだよ。これ作るの、結構手間かかるんだ」

 

 凛華の質問に植物の専門家は眉間に皺を寄せて首を振る。

 

「解毒はできるか?」

 

 アルが問うとエーラはすぐに頷いた。

 

「できるけど、ちょっと時間いるよ。ボクの持ってる薬には持ち合わせがないから材料探しからだね」

 

 ポンポンと会話を行う魔族たちに朱髪の少女は置いて行かれかけ、慌てて叫ぶ。

 

「た、助けられるんですかっ?」

 

「そりゃね。毒を使うなら解毒も一緒に覚えないと危なっかしくて使えないじゃん」

 

 それはそうだ。朱髪は納得と同時にそうじゃないとハッとして顔を上げる。

 

「そうじゃなくて、とりあえず逃げ――――」

 

 彼女が言えたのはそこまでだった。アルたちがそれより早く弾かれるように立ち上がったのだ。

 

 その一瞬の後、馬の走る音が聞こえてきた。

 

 ドドドドドドドッ――――!

 

 馬1頭で出せる音じゃない。切れ目もわからぬほどの蹄の音。

 

 ―――――かなり多いな。

 

 やがてアルたちの前に騎兵が現れた。30人程だろうか、一個小隊と呼べる規模の騎兵が狭い街道に整然と並んでいる。

 

 顔まで隠す甲冑兜(ヘルム)に揃いの銀の胸甲をつけていた。

 

 槍と剣、そして弓を携えた彼らは「魔族だと・・・!」「なぜこんなところに」などと口々に溢す。

 

 アルはその声に驚きや怨嗟というより、見下すような蔑みを感じた。

 

 朱髪の少女とソーニャと呼ばれた少女の前に4人が立って黙っていると、甲冑兜に羽飾りをつけた指揮官と思わしき騎兵が声を上げる。

 

「そこをどけ、魔族。そのお二方は大事な方々なのだ。我々が保護する。貴様らの出る幕ではない」

 

 侮蔑に満ちた高圧的な物言い。剣呑と言ってもいい。しかしアルは平然と無視して訊ねた。

 

「あんたら誰だ?」

 

「貴様らに答える必要も、そして意味もない。もう一度だけ言ってやる。そこをどけ。本来なら貴様らは穢れた害虫として駆除されても文句は言えんのだぞ?」

 

 アルの態度に怒りが湧いたらしい。指揮官は理性の欠けたことを言う。

 

「・・・・」

 

 凛華が無言で怒りを表し、エーラの表情から感情が抜け落ちた。マルクはアルの方へ怪訝そうな視線をチラリと向ける。

 

 ―――――こいつふざけてるのか?

 

 その目はそう語っている。

 

 しかしアルには心当たりがあった。そんな物言い―――いやその思想に。

 

 だからこそ落ち着いて指揮官らしき騎兵の言葉を鼻で笑って言い返す。

 

「文句なら言えるだろ。勝手な理屈をつけるなよ、ボンクラ神殿騎士」

 

「貴様っ、我々を―――」

 

 ほぼ正解だろうと思いつつもアルは言ってみたのだが、やはり正解だったらしい。そのまま扱き下ろすことにした。

 

「女神の名を出せば何をしても許されると思ってる()()()共だろ?マトモな人間にそんな物言いは出来ないからすぐにわかったよ」

 

「貴様ぁっ!」

 

 羽飾りの騎兵は激昂した。後ろにいた兵―――神殿騎士たちも気色ばむ。

 

「自覚くらいはあったみたいだな」

 

 アルは内心をおくびにも出さずに挑発した。この状況をどうやって切り抜けるか脳内では目まぐるしく思考中だ。

 

 凛華たち3人はアルと指揮官の応酬で納得すると同時に理解した。

 

 ―――――そうか、こいつらが神殿騎士か。

 

 この騎士たちがアルの父ユリウスを殺し、同胞を殺して回っている連中(くそったれ共)

 

 凛華が静かな殺気を迸らせ、エーラの『妖精の目』が輝く。マルクはギリギリで冷静を保っていた。後ろの朱髪と茶髪(二人)を巻き添えにする可能性があったからだ。

 

 指揮官は後ろから慌てて来た神殿騎士から耳打ちされ、ハッとしたのか意識を切り替えた。ここにいる理由を思い出したらしい。

 

「まあいい!その二人をこちらへ引き渡すなら見逃してやる。貴様らは命を拾い、我々はやんごとない方々を保護できる。これ以上ない取引だろう?」

 

 あくまでも上からの発言だ。しかしアルは失笑した。

 

「ぷっ・・・・!」

 

「貴様ァっ!何が可笑しい!」

 

「さっきからどの立場なんだ?助けに来たのか捕らえに来たのか。言ってることがめちゃくちゃだぞ」

 

 指揮官は怒りを抑えつけながら呻く。

 

「・・・・無論、助けに来たに決まっているだろう」

 

「だったら最初から間違ってる。心配するのが普通じゃないのか?『ご無事ですか!倒れてらっしゃるソーニャ様はどうされたのですか!?』ってさ」

 

「・・・・・っ!!」

 

「俺たちが前にいたからなんだ?ソーニャって呼ばれた子はその後ろで真っ青になって倒れてるんだぞ?『そこをどけ』じゃないだろ。それこそ『貴様ァ!』だろうに」

 

「・・・・」

 

 アルは声音までワザと真似してニヤリと笑った。指揮官は怒りに震える。

 

 しかし言い返せない。なにせ彼女らを捕らえるために追いかけて、死なない毒矢を射掛けた張本人()なのだから。

 

 だからアルは言外にこう言ったのだ。

 

 何が保護だ。抜かせ、と。

 

 ややあって指揮官は開き直ったらしく圧力を強めた。

 

「・・・・だから、どうしたというのだ?貴様らには関係あるまい。最後の通告だ、そこをどけ。その方々を保護するのが我々に与えられた使命なのだ。

 

 選ばせてやる。己の命を取るか、仲間たちを馬鹿な選択で危険に晒すか」

 

 アルは朱髪の少女をチラリと振り返る。彼女はソーニャと呼ばれた少女を守るように抱きしめたままグッとこちらを見返してきた。

 

 助けてとも言わなければ、見捨てろとも言わない。折れそうな心を気丈に歯を食い縛ってこらえ、潤んだ瞳には抑えきれていない恐怖が漏れ滲んでいる。

 

 顔を戻したアルは仲間に視線をやる。率直に言えば、天秤にかけている。

 

 人間の少女2人を助けるため、仲間に殺人を強要するか。とっとと撤退して胸糞の悪い一日を過ごすか。

 

 しかし仲間たちの目はそんなアルの逡巡を一蹴した。

 

 今更何を躊躇っているんだ?放っておけば仲間や同胞を危険に晒す敵だろうが、と訴えてくる。

 

 その考えはきっと正しい。それでもアルは仲間に人を殺させたくなかった。

 

 だが現実は無情だ。二者択一。どちらを選んでも危険に晒されるのは目に見えている。

 

 神殿騎士たちから感じるのは殺気や粘ついた陰気だ。

 

 そして仲間たちからは闘志を感じる。誰一人引く気はないだろう。そして自分とて・・・・引きたくない。

 

 なぜならあのとき、朱髪の少女は追われているにも関わらず、自分たちに向かって「逃げろ」なんて言ったのだから。

 

 ――――――答えなんて明白だ。

 

 アルの雰囲気が変わった。普段ののんびりとした雰囲気から腰に差してある刀――――白刃を思わせる鋭利なそれへと。

 

 仲間たちは敏感に感じ取る。

 

 ―――――決めたか。

 

 マルクは心中で独り言ちながら口の端を歪めた。

 

 焦れた神殿騎士どもがガチャガチャと装備を揺らす。

 

「聞こえなかったのか?それで、貴様らの答えは?ああ、安心しろ。我々は慈悲深い。その二人を差し出したのなら命の保証はしてやろう」

 

 先程まで怒りに歯軋りしていた指揮官が再度問いかけてきた。己を取り戻したようで、自分たちが圧倒的に優勢だと思っているらしい。

 

 ―――――だが、それは大きな間違いだ。

 

 

「お前らの慈悲なんていらん。反吐が出る。『裂震牙(れっしんが)(かさね)』」

 

 

 アルはすげなく返すと、すぐさま右手を握り込んで魔術を起動した。

 

 ボコリと盛り上がった土が螺旋(ドリル)状の牙を多数形成し、一拍も置かずに取り囲んだ騎兵へと襲いかかる。

 

「なっ――――!」

 

「どこから――――!?」

 

「うぎゃあっ―――!?」

 

 時間稼ぎに用意していた目眩ましの術式から大急ぎで描き替えられた『裂震牙・累』の効果範囲は神殿騎士たち全てを呑み込むほどに広い。誰も逃げられない。

 

 しかし盛り上がった牙自体は大して高くはない。精々馬に乗っている神殿騎士共の爪先に届かない程度だ。

 

 だがそれで合っている。何も間違っていない。アルが初めから狙っていたのは馬だったからだ。

 

 全方位から迫る大地の牙がグチャッ!という咀嚼音と共にその場を食らった。馬が悲鳴に似た嘶きを上げる。可哀そうだが、そうも言ってられなかった。

 

 旧街道は馬をやられ落馬する者、倒れた馬の下敷きになる者、馬の血で転げる者の怒号で溢れ、一瞬で地獄へと変じる。

 

「馬があ―――っ!?」

 

「なんだこの魔術は――――!?」

 

「体勢を――――ぁぎゃ!?」

 

 

「エーラは打ち漏らしを排除、一人も逃がすな。マルク、ここを任せる。その二人を守りながら近い連中を根こそぎ()れ。凛華、俺たちは奥まで突っ走る。血を凍らせて足留めしろ、その間に刈り取る。状況開始!」

 

 

 近場に落ちた副官と思わしき神殿騎士の首元に刃尾刀を突き入れて捻り、引き抜くと同時にアルは淀みなく指示を出した。

 

 今まで聞いたことがないほど冷淡な口調。静かなアルの覚悟を感じ取った面々は一瞬だけ動きを止めたがすぐに動きだした。

 

 

☆★☆

 

 

 マルクはゆらりと『人狼化』し、近場にいた甲冑兜をグシャリと握り潰す。断末魔が「ギャアァッ!」と上がったが、緩めたりしない。

 

 その騎士の絶命を確認すると、別の神殿騎士へと爪を振るった。が、胸甲は意外と面倒な防御性能を有しているらしい。

 

 微妙に爪が逸れ、えぐるだけとなってしまった。

 

 

「『雷光裂爪(らいこうれっそう)』!」

 

 

 狼爪に浮かび上がった術式が青白いスパークを放ちながらバチッと弾ける。術式の起動を確認するや否や落ちた騎士に貫手を放った。

 

 ジュバアッという鉄が熔け砕け、爪が肉をえぐり、一瞬で血液を蒸発させる音が響く。神殿騎士は声も上げられずに死んだ。

 

「こっ、この、化け物がああっ!」

 

 すると近くで無理矢理起き上がって来た神殿騎士が槍の一撃を放ってくる。マルクは人狼の闘気―――魔気を毛皮へ流した。

 

 ガチィィン――――!

 

 魔気を孕んだ人狼の毛皮は魔力を込めたそれより遥かに硬度を増し、槍をアッサリと受け止める。

 

 ―――――これなら魔気は必要なかったな。

 

 そう考えながらマルクは騎士の腕と喉元を斬り裂いた。『雷光裂爪』は敵の出血すらも灼き止め、急所を焦がす。

 

「――――っパ・・・!」

 

 神殿騎士は声にならない掠れた音を絞り出しながら(くずお)れた。マルクは何とも言えない気持ちを押し殺す。その時、

 

「きゃあっ!?」

 

 後ろの朱髪の少女が悲鳴を上げた。なんだと思えば、神殿騎士の一人がなりふり構わず朱髪だけでも連れ去ろうとしているようだ。

 

 しかしソーニャと呼ばれた少女が倒れたまま朱髪の腕を握りしめ、行かせまいとしがみついている。

 

「この―――!」

 

「よそ見してんじゃねえ」

 

 騎士がソーニャを蹴りつけようとする前にマルクが首をスッパリ斬り落とした。

 

「根性あるじゃねえか、お前」

 

 人狼の顔でニヤリと笑みを向けるとソーニャはフと笑い力なく手を落とす。今ので全精力を使い果たしたらしい。

 

「おい、盾くらい構えてやれ」

 

「は、はい」

 

 朱髪の少女はこくりと頷き、ソーニャの傍に落ちていた盾を慣れない動作で構えた。

 

 ―――――これなら何かあっても間に合わせられる。

 

 マルクは血に酔うこともなく、戦況を俯瞰することに徹する。

 

「あの馬鹿が」

 

 その呟きを朱髪の少女は神妙な顔で聞いていた。

 

 

☆★☆

 

 

 エーラは複合弓を洋弓型へ変化(シフト)させて速射する。目的は足止め。強弓型でもない限りエーラが矢を外すことはない。

 

 放たれた矢は正確に神殿騎士の膝や足首に当たるがどうも効果が薄い。鎧の下に更に着込んでいるらしい。躊躇うことなくエーラは魔術を発動した。

 

 

「『燐晄縫駆(りんこうほうく)』!」

 

 

 アルが専用改造(カスタマイズ)したもう一つの『燐晄』。

 

 『燐晄一矢』が一射の破壊力を重視したものだとすれば、こちらはエーラが放てる追尾矢としての特性を最大限伸ばした術だ。

 

 光と化した矢は戦場を縫うように奔り、先端に集中した『燐晄』がその熱量が目標を灼き貫く。

 

 神殿騎士の首筋や手首、肘、足首、膝が幾筋かの光芒によって射貫かれた。

 

「うがあっ―――!?」

 

「ぎゃあ――――!」

 

「た、助けっ―――!」

 

 普段ならそんな悲鳴を聞けば心も痛むエーラだが、今回だけは顔を苦しそうに歪めるだけで射貫き続ける。

 

 その理由はただ一つ。敵の密集地帯に飛び込んだアルと凛華がエーラに悲鳴を聞かせまいとするかのように、率先して射貫かれた者から屠っているからだ。

 

「ヒ、ヒイイイッ!」

 

 精霊が囁く。腰を抜かし、這う這うの体で逃げる騎士がいる、と。

 

 視線の先にいたのは、馬なのか味方の血なのかわからないほどドス黒い赤で鎧を染めた神殿騎士だ。

 

「飛ばして」

 

 エーラは射線を通すため『錬想顕現(れんそうけんげん)』を発動させ、周辺の植物の根に自分を地中から弾き飛ばすように射出させる。

 

「風、お願い」

 

 上昇したエーラの短外套(ケープ)がふわっと広がり、『精霊感応』によって風がそこに入り込んでいく。

 

 落下傘(パラシュート)降下のような形で木の葉のように落下していくエーラは得物をシュルシュルと強弓型に切り替え、

 

 

「・・・悪いけど、逃がさない。『燐晄一矢』ッ!」

 

 

 キィンという独特の音をさせ、目にも止まらぬ迅さの矢を放った。

 

 高位魔獣の目を灼き、頭蓋寸前まで貫通させる威力を誇る渾身の一射は、騎士の上半身を消し飛ばす。あれでは死んだことにすら気付けなかっただろう。

 

「・・・・ふぅ」

 

 降りてきたエーラの表情は些かも晴れていない。どころか余計に曇っている。上から見て気付いてしまったのだ。

 

 剣士2人で敵を屠っていると思っていたが、トドメを刺しているのはほとんどがアルだった。

 

 普段の狩りならきちんと役割を決めて動くが、あの動きは違う。その事実と彼の真意に気付いてしまった。

 

「アル・・・!」

 

 エーラは複合弓を洋弓型に切り替え、先ほどより急所を狙って矢を放つ。

 

 戦場となった街道を不可避の光芒が奔り抜けていく。

 

 

☆★☆

 

 

 凛華はチラリと隣を見た。

 

 アルが戦場を縦横無尽に疾駆しながら神殿騎士共の首を斬り捨てている。既に『蒼炎気刃』は発動済みだ。甲冑兜や中に着込んでいるらしい鎖帷子など関係ない。

 

 龍焔の代わりに使っている魔術だ。生半可な威力じゃない。さして引っ掛かりもせず熔断し、落とした首には見向きもしない。

 

 しかし『八針封刻紋』は解除していない。後ろの少女2人すら警戒しているらしい。

 

 凛華も『修羅桔梗(おにききょう)の相』ではなく『無垢の相』に留めた。手の内は読まれない方がいいし、ただの鉄胸甲なら尾重剣で問題なく斬り裂ける。

 

 ―――――でもアルが(はや)過ぎる。

 

 一陣の風と化した鬼火は騎士共の首をゴロゴロ落として回っていた。

 

「『流幻冰鬼槍(りゅうげんひょうきそう)』!」

 

 凛華は堪らず独自魔術(とっておき)を使い、尾重剣を冰槍にする。

 

 『流幻冰鬼刃』と『流幻冰鬼槍』は同一の魔術だ。刃か槍かは最後の一語を変えるだけで始まり(スタート)を決められるし、一度発動すれば任意で切り替えられる。今回は槍だ。

 

「だああああああッ!!!」

 

 アルに追いつこうと疾走、『戦化粧』の膂力と尾重剣の重量、『流幻冰鬼槍』の瞬間凍結力を頼りにバキンバキンバキンッ!と騎士を凍らせ、砕いていく。

 

 騎士からすればたまったものではないだろうが凛華はそれどころじゃない。

 

 アルは気配察知と魔力察知を正確にこなし、最小限の動きで手早く騎士共を斬り裂いて回っている。

 

 破れかぶれに斬りかかってくる神殿騎士の一撃を見もせずに躱しざまに首を落とし、甲冑兜を脱ぎ捨てて構える相手には蒼炎の短剣を抜き手も見せずにボヒュッ!とブチ当て、血の海で藻掻いて回る騎士の首を走り抜けざまに狩る。容赦の欠片もない。

 

 だが凛華は理解してしまった。アルの行動原理を。

 

 怒りや龍人の本能に呑まれたかと危惧したが違う。極力自分たちが命を奪わないで済むように必死で動き回っている。

 

 自己満足だろうが何だろうが殺人に慣れて欲しくないからあんなに怖い顔で必死に刀を振るっているのだ。

 

 きっと強要してしまったと後悔しているだろう。その痛々しい背中を見ていられず凛華は声を張り上げながら騎士を凍らせ、ぶった斬り、ぶち()く。

 

 今更だ。ついていくと決めたときにそんな覚悟はとうにしていたのだから。

 

 

☆★☆

 

 

 朱髪の少女は盾を構え、目を見開いていた。今更、神殿騎士たちに情けなどない。

 

 しかし、これは余りにも一方的だ。虐殺と呼んでも相違ない。

 

 ついてきてくれた者たちの中には兵士もいた。そんな彼らを殺して退けた連中を不意を打ったとは言え、あんなに容易く。

 

 ―――――力が欲しい。

 

 傍らにいるソーニャは自分を守って矢を受けた。自分とて訓練はしていたが神殿騎士たちから見れば児戯に等しいだろう。

 

 ほぼ同年代に見える彼らはなぜそこまで戦える?魔族だから?それとも訓練の量が違うから?それとも才能の問題なのか?

 

 ――――――何より・・・・・怖くはないのか?正真正銘の殺し合いだというのに。

 

 様々な疑問が湧く。

 

 そこで自分を守るように立っている人狼の手が目に入った。

 

 ―――――私にもあんな爪があれば・・・

 

 そう考えたところで気付く。

 

 人狼の青年は小刻みに震えていた。武者震いには、見えない。そこでハッとした。

 

 彼らは、あの自分たちとそう変わらない青年達は――――今日初めて人を殺したのではないか?

 

 かつて護衛をしてくれた新人の兵士が自分を凶刃から守って敵を倒してくれたことがあった。もうその彼はいないが、あの時の彼もこんなふうに手を震わせていなかったか?

 

 そこで初めて彼らの頭目らしき黒髪の青年を見た。蒼い炎を滾らせ刃を振るっている姿はまるで悪鬼だ。怖いと思った。違う世界の、殺し合いが常なんだと思っていた。

 

 ―――『あの馬鹿が』―――

 

 人狼の青年が呟いた言葉が脳内に木霊する。

 

 彼は――――あの黒髪の青年は冷徹な殺人者に見えるが、そうではなかった。

 

 必死なんだ、仲間を死なせない為に、重荷を背負わせない為に。

 

 朱髪の少女はそれに気付いた瞬間、彼らへの見方がガラリと変わった。

 

 

☆★☆

 

 

 アルは刃尾刀を片手に駆け続けている。神殿騎士共の装備――――胸甲に甲冑兜《ヘルム》、おまけに下に着込んでいる鎖帷子か何かへの刃の通りが悪かったため、すぐに『蒼炎気刃』で熔断することにした。

 

 黒髪をドス黒い血に塗れさせ、斬って斬って斬りまくる。

 

 ―――――何人の首を落としたろうか?何人を焼き殺しただろうか?

 

 そんな疑問を頭の片隅で考え始めたときだ。気配が止む。

 

 ―――――いや、一つだけまだ生きてる。

 

 羽飾りをつけた甲冑兜を被った神殿騎士だった。

 

 父を殺した者の中には聖騎士という神殿騎士の中でも特殊な何かを使う強者がいると聞いていたが、きっとこいつは違うだろう。ただの指揮官だ。

 

「ひいっ、や、やめ、やめてくれぇっ!わかった、はな、し、を・・・?」

 

 ジュッと音がして首が落ちた。いや、アルが落とした。嬲る趣味など持ち合わせていない。

 

 ―――――ただ死んでくれれば・・・それでいい。

 

「アル!もう敵はいないよ!精霊たちももう誰も残ってないって!」

 

 エーラの慌てた報告を聞いて、アルは肩の力を抜く。えらく強張っていた。

 

「・・・そうか」

 

 ポツリと呟き、刃尾刀をだらんと下げる。

 

「大丈夫?酷い顔よ」

 

 そう言う凛華の顔も強張っていた。

 

 やはり嫌な気分―――いや、気色の悪い気分だ。

 

 やるせない表情を浮かべたアルは刃尾刀を鞘に納める。

 

 凛華も手元でグルングルンと尾重剣を回し、血を払って剣帯に背負い直した。『戦化粧』が解ける。

 

「・・・状況終了だ」

 

 アルは宣言する。もう戦い(殺し)は終わり。

 

「怪我はねえか?」

 

 遠くでマルクが問いかけてきた。なぜか人狼の姿のままだ。

 

「ない」

 

「あたしもないわ」

 

「ボクもないよ」

 

 3人はいつも通りの雰囲気を出しているが、幼馴染のアルにはよくわかった。

 

 凛華はぷるぷると震えている右腕を握り締め、エーラは手が白くなるくらい複合弓を握りしめている。

 

「・・・ああ」

 

 それでようやくマルクが変化を解かない理由を察した。

 

「どこかで休もう、とりあえず」

 

 アルの右腕も押さえきれないくらい震えている。

 

 今日初めて、彼らは人を殺したのだ。

 

 そんな彼らを意識のないソーニャを抱えた朱髪の少女―――ラウラは神妙な表情を浮かべて見つめていた。




評価や応援等頂くと非常にうれしいです!
感想も受け付けておりますので是非ともよろしくお願い致します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。