何も知らない鳴坂和人くん(22) 作:スティック/糊
自身の元ネタ知らないが故に、元ネタとは別方向に走ってしまう系主人公。
なお、元ネタは知らないがチートが勝手に色々教え込んでいる模様。
本作はシャングリラ・フロンティアのネタバレ、勝手な解釈を多く含みます。
受けつかない人は黙ってバックブラウザ。
こすりまくってる題材なのでもう味がしないカスみたいな駄文です。
鳴坂和人は転生者である。
前世についてはあまり語らないが、しいて言うのならきわめて平均的な独身貴族であったとだけ。
とある作品のキャラのガワとそのキャラに付随する能力というやつをもってこの世界に生まれ落ちた。
カテゴリーは神様転生なのかと言われるとそんな存在に遭遇していないので違うと言いたい気持ちもあるが、彼の主張的には“電子的お役所仕事の抽選の結果”というのが一つの解らしい。
『ゴリゴリのハイファンタジー世界だったら即オワコン』
そう考えてしまうのも致し方ないと思ってしまうような能力であった。
・VRゲーム、電脳世界においての最高適正
・VR及びAR等の電子工作等々の作成技能
・作成したハードに使用可能なソフト制作能力
要はVRゲームを0(ハード)から作って無双する能力である。
のちに和人を捕獲した彼の妻は「んー、作品内でのハードを作れるように、とか同一作者の別作品にそれと同一視されるキャラがやべーもの作ってたから…?不明が過ぎる」とその能力についてコメントを残した。
そんな能力を持っていても環境がなければ役に立たないことこの上ない。
彼は一時期産業廃棄物的能力と愚痴をこぼしかけたこともあった。
彼の生まれた鳴坂家はそこそこ裕福な部類に入る普通の家庭で、お小遣いやお年玉を必死にため、中学生の頃アミュスフィアプロトタイプを完成させた。
外観等プラスチックや金属加工技術に乏しかったため基盤がもろにむき出しの不思議な機械という風に見られただろう。
そんな奇妙なことをしていたからか両親に連れられ家から向かうことのできる工業大学を片っ端から調べてくれたらしく、その中でも国内有数の工業大学である東都工業大学電気電子工学科の教授が快く迎え入れてくれた。
最初こそ子供が一体どんなおもちゃを作ったんだねと言うかのようなほほえましい顔でお出迎えされたが、その笑みはすぐに別の笑みに切り替わった。
興味津々にあれこれと質問を投げられ帰る頃には「中学生?面倒だ。さっさと飛び級してうちに来い」と言われる始末。
週末や長期休暇は大学に顔を出す…となると世間の目がうっとうしい、研究の邪魔として大学の教授重村に半ば拉致されるように彼が取締役を務めるカムラのラボの一室を与えられた。
この世界が少子高齢化やAIの進歩等により人の労働がどんどんと少なくなっていったものの人でなければ務まらない職については中学生でもバイト扱いで労働が可能というやべー世界観が功をそうした。
AIを作る側に中学生を置くのはまともじゃない?
それはそう。
結局中学時代は放課後や休日にふらっと立ち寄ったり、長期休暇は合宿のごとく泊まり込みを行うことすらあり、気が付けばカムラの一室には“鳴坂ラボ”なる名称が付くほど。
気が付いたらVRの基礎が整備され、ハードに関する特許を取得し、カムラを後ろ盾にするため、折半する形で毎月エゲツナイ特許料が入ってくることになる頃には高校を卒業していた。
通信制に進学したからぶっちゃけ通った感は0だ、和人はそんなことを考えていたが、修学旅行とか前世でやったし、若いあのエネルギーについていける気がしないという理由も通信制進学に含まれる。
大学は当然のように東都工業大学電気電子工学科。
そこでさらにAR拡張技術のベースを作ることになったりてんやわんやしてたらあっという間に卒業。
大学に進学中に一体何本論文書かされたと思っていやがるのでしょうか。和人がそう感じるころには博士号、いわゆる最高学歴を取りVRゲーム等の専門家を名乗るには一切の不足がないほどになっていた。
そして今現在、中学生時代からの付き合いであるカムラにVR機器の技術顧問と席を置きだいぶ悠々自適に生活を始めることとなった。
〇
「あ、兄さんお邪魔してるよ」
「年頃の女子として少しだらしないんじゃないか」
「えー、外ではきっちりしてるから家の中くらいだらけさせてよ」
和人は都内に本社を構えるカムラの近くのマンションにて一人暮らしをしているが、研究者気質を拗らせているため衣食住がだいぶ崩壊しているとして、母か妹がたびたび顔を出す。
特に妹の真登香は実家と和人宅の延長上にある女子高に進学したため学校帰りや、部活で遅くなった時などに買い物袋片手にマンションに遊びに来る。
「あ、そうだ明日スグ姉と遊び行くからお小遣いちょうだい?」
「目当てはそれか」
「まぁまぁ、兄さんの好きな夕飯用意したからさ」
「はぁ、母さんに突かれるの俺なんだが…?」
「ちょっと話題のクレープ屋行きたくて」
「…変な輩に絡まれる前には帰れよ」
「はーい」
和人にとって年の離れた妹はそれなりに可愛いものだ。
世間一般で耳にする蛇蝎のごとく兄弟を嫌悪するようなこともないし、ほどほどの距離感で甘えられればかわいいと感じざるを得ない。
大体VR機器の開発で家を空けがちだったから今甘えられているのか…?と考えるといつか来るかもしれない盛大な反抗期に怯えてしまいそうだ。
「シャワー浴びてくる、夕食の準備頼めるか」
「はいはーい、任せて!お風呂沸いてるから肩までつかるんだぞー」
これはシスコンに片足突っ込んでるダメ兄貴の図で間違いないだろう。
脱衣所にて風呂に入る前に高校生が遊ぶのに十分な電子マネーを妹に送金し、ゆっくりと風呂に浸かった。
風呂から上がるとリビングにはしっかりとした生姜焼き定食と呼称しても許されるだろう食事が整っていた。
「どのくらい食べる?」
「並み」
「はいよ、妹ちゃん特製生姜焼き定食完成!」
「ありがとな」
「いやいや、甘やかしてくれる兄さんにはしっかりと恩を返さないと」
「そうか」
配膳を受け取ると、対面に真登香が座り夕食が始まった。
大体が真登香が一日どんなことがあったとかの他愛ない話を聞きに徹するのが鳴坂家スタイルだ。
実家の方も母の雑談を父が適宜相槌を打ちながら聞いているだろう。
「でさでさ」
「VRチェア使いたいんだろ、11時までならよしとする」
「さす兄!」
和人はその仕事柄か試作機から完成品まで様々なVR機器が部屋に置かれている。
真登香はそれを目当てに度々家に入り浸っては泊まっていくのだ。
「随分とハマっているらしいな、シャンフロ」
「いやー、クソな所もあるけどなかなかの神ゲーだよ」
「俺もやってみるかな…」
「おっ、攻略に詰まったら手伝ってあげるよ」
「しばらくは一人でダラダラやってみるよ」
なんて会話をしつつ夕食を終えたら駆けるようにVRチェアのある部屋へ向かう妹の後姿に楽しんでいるようで何より。
そんな言葉しか出てこなかった。
明日は土曜日、出勤の予定もないしゲームを始めるにはいいタイミングかもしれない。
寝室に置かれた自分用に反応速度をチューニングした正真正銘自分専用VRマシーンへ足を延ばした。
〇
シャングリラ・フロンティア
ユートピアエンターテインメントソフトウェア。通称ユートピア社の看板ゲーム。
プレイヤー人口3000万を誇り、異常なまでに高い世界観とNPCと哲学を語り合えるほど等の売り文句をもつ神ゲーと呼ばれるソフト。
和人としてはVRの発展初期段階でミリの差で特許を取ったり、取られたりをした商売敵……と言うのはちょっと違うが、今は気前よく使用料を払ってくれるいい会社である。
とりあえずハード面では絶対に負けないことを誓っている。
ユートピア社の創世氏がゲームを作るのに便利なものを設計、製作、特許申請を行うので利権争いをちょこちょこと行ったものである。
結果としてチート搭載の和人もユートピア社に誘われたこともあったが、面白いゲームを作ると言うのなら制作よりもプレイに回りたいと基礎基盤の整備で少し仕事をして以来触れてこなかったゲームでもある。
「俺もクソデカサーバー組めればな…」
資金はあるが管理する人手と土地の確保をめんどくさがり趣味ゲーを何本か作って妹や従妹に遊ばせている程度である。
たまに妹がゲームをプレイするにあたって「反射鍛えられそうなやつ」や「銃、めっちゃ銃撃戦したい」などのアバウトな要望を叶えたりもしている。
作るもんだけ作ってぶん投げて運営してくれるところはないものか。
そんなことを気にしても仕方あるまい。
趣味ゲーはリアルの知り合いにプレイしてもらってそのリアクションを直で聞くのが楽しいのだ。
「SAOはサバ不足の超ローカルゲー。ALOやGGOも同上。運営する気0の俺を恨んで眠ってくれ」
ゲームリリース時にユートピア社から送ってもらったシャングリラフロンティアをゲームラックから取り出す。その隣に並ぶこの世に一本しか存在しないゲームらを差し置いて。
和人にとってVRゲームを作り始める切っ掛けとも言えるのはSAOを作りたい、ALOを作りたい、GGOを作りたいと言う無窮な思いを抱えただひたすら脳内に浮かぶ未知を既知に、この世に生み出したい衝動がすべてだった。
実際作り上げてからはさっとその欲は消え、色々なめんどくさいと言う生粋の怠惰な部分が出てしまい、棚に封印となった。
きっとこれを生み出すことが俺のガワ元のキャラクターの意志だったのだろうか。
元ネタ知らないんだよな…
神ゲーと崇められているシャングリラフロンティアよりも早くSAOらをリリースできた可能性など今となっては考える必要性もないだろう。
「随分と遅くなったけど始めさせてもらうか、シャングリラ・フロンティア」
今年の春にテストモデルの出来たばかりのまだこの世に数台しかないVR機で本気で遊ばせてもらおう。
「IDとパスワード、と」
入力するのはシャンフロがユートピア社から送られてきた時に記載されていたIDとパスワード。
その下には継久理 創世の“私の世界へようこそ”の文字
―――ファーストプレイヤーがログインしました。
〇
「ログイン完了、キャラメイクからねぇ…」
ものすごく自由度の高いキャラメイクは流石と言った所。
操作的にリアルとの乖離が起きづらい、直感的に操作しやすいをコンセプトにゲームを作った身としてはちょっと違和感。
否、長期ログインとか考えなければ別に問題ないか。
和人の脳内に不穏な思考が一瞬脳裏をよぎるが全力で首を横に振って邪念を外に出す。
「ナチュラルデスゲームマスターの思考だこれ」
ざっとリアルの自分をベースにさほど変わりない姿……のままプレイすると一部のハードオタクに見つかる可能性があるのでテストプレイで試したランダム性のあるGGOのM9000番台をリスペクトするか…?
いや、シャンフロで妹と遭遇した時に言い訳が……
あ、身バレ防止最優先に走りました。
よし、これで行こう。
これは和人の精神の核にあるめんどくさがり屋が顔を出したときの特徴でもある。
思いついたことを合理性とかすっ飛ばしていったんその思考のまま作る。
チートの暴力である。
「防具売れるのか…変態が過ぎるからやめておこう」
GGOのM9000番台は俗に言う美少女顔。
その中でも女性っぽい見た目で男性プレイヤーと言うニッチな仕様。
これはバレるまい。
和人は得意顔のまま、上から下まで5秒かかるバカみたいな数の職業は逆に不親切が過ぎるのでは…?
もっとこう、5つくらいの職業から初めてどんどん転職とか別職に発展してく感じの奴の方が親切心と言うものがあるのではなかろうか。
……SAOの初期ジョブ?
何も言うまいて。
結局使い慣れた双剣の使える傭兵(二刀流)ではなく、ネタに走ることにした。
剣の方も強い赤い弓兵、いいよね。
VR・Fate作っちゃうか。英雄とバトル、いいじゃん。
公開してない作品棚が厚くなるぜ。
和人はこういうパッとしたノリで前世を思い出してはその作品のフルダイブVRを作成する悪癖を有している。
その影響からか和人の未発表ゲーム棚の作品をこっそりプレイした真登香は中二病を患った過去があり、鳴坂家内では和人作成ゲーム棚には施錠命令が発動された過去が存在する。
今現在は和人の自室で指紋認証キー込みのガラスケースに飾られている。
仮に他の転生者がその棚を見た瞬間肩をがったがった揺らしてプレイさせろと騒ぎ立てることだろう。
「プレイヤーネームは、これにしろとガイアが俺に囁いている…」
PN:Kirito
これ一択しかないよなぁ?そう感じさせるように和人の指は勝手にその文字列を選択していた。
VR適性の最適解と言うバグが、シャングリラフロンティアの戸をこの時開いたのであった。
〇
PN:Kirito、呼称キリトはス〇ーウォーズの如きオープニングを抜け、降り立ったのはファスティア。
絶妙に田舎臭い雰囲気漂うマサラタウン的な今すぐ出発したい、オラと都会さでるだ。そんな雰囲気の町だ。
「グラや空間効率は勝ってる気がする」
そんな感想を浮かべつつ、その場の地面を蹴り飛ばせば乾燥した土の砂煙が浮かぶ様子を見て、制作人に対して中々の変態性を覚えた。
継久理 創世やっぱりやべぇやつ。
どこぞのKYBのようにデスゲームを始めなくて本当に良かったと思う。
頭をレンチンさせないように電子パルスについては検討に検討を重ねつつ、チートの赴くまま最適解を叩きつけたのでそんなものはないんだけども。
デスゲーム阻止絶対それがキリトのVR機器を手掛ける上での基本事項である。
「よぉ、そこの開拓者。見かけねぇ顔だが来たばかりか?よけりゃ俺が案内してやる」
「ああ、頼む」
「お、おう嬢ちゃんじゃなくて兄ちゃんだったか。開拓者ってやつは分からねぇもんだぜ」
ついてきな、そんなNPCの声に連れられてチュートリアルが始まった。
中々自然な動きをする、がっつり観察したらそこらへん反応するのだろうか。
とすればNPCの制作練度は負けているかもしれん。
……何を張り合っているんだ俺は。
この世界を楽しむ、それがソフトを送ってくれた継久理 創世への礼儀と言うものだろう。
チュートリアルを終え、初心者セットの様なHP回復ポーションと毒消しポーションを貰い、町の外へ出た。
早速人目につかないような所に移動して持ち物から武器なんかを出してみる。
「お、武器を持てない訳でもないし、プレイヤーの人力操作なら普通に使えるな」
SAO/ALO等々のスキルモーションを山ほど制作してきた身としては体に覚えきった動きを人力再現など余裕のよっちゃん。
ジョブによってスキルがもらえるかどうかが変わってくるのか。
「スキル外スキル:二刀流、なんてね」
速度関係もプレイヤースキル依存が大きく出ているところがあるので、SAOスキル再現ごっこが出来そうだ。
「今手持ちの武器で疑似SAOスキル再現してモンスター倒しまくり祭りはっじまるよー(小声)」
初手たおしたゴブリンの手斧では格好がつかないな、そんなボヤキは宙に消えた。
「……スキルって、自発できるんだ。やべえなシャンフロ」
ファスティアからセカンディルに向かう途中、サーチアンドデストロイをしまくった結果、レベルは17を超えていた。
マップを見間違えて初手別方向に行ったことを途中で気づいたことも影響する。
一見一殺で200とちょっと。
推定、自分が近辺で倒すモンスターのレベルを超えたあたりからガクッと経験値効率が落ちた。
雑魚狩りよりも強敵に挑めということだろう。
そんなモンスターを狩りまくっていたら剣装備をドロップしたので「弓でいろいろ飛ばしてみようチャレンジ」と題して弓兵の偽・螺旋剣を再現できるかのテストを行った。
剣も弓で飛ばせない訳ではないがSTR(筋力)不足かDEX(器用)不足なのか物理エンジンに従い、弓の弦で干渉したわずかな移動を行い落下した。
そうなれば、モンスターの上空から武器を射ればいいじゃないか。
幸いエリアは森の中。
木を利用して飛び跳ねるなんて簡単なことだ。
狂った思考だとは思うがロマンには勝てない。
そういうことだ。
弓で射った、というよりも落下する武器をわずかに物理エンジンで落下する武器に弓を干渉させたという表現が正しそう。
超初期の森であるからか出現するモンスターの数は一定。
行動パターンを覚えてしまえばクリティカルを落下武器で出すことだってできる。
結果、『ユニーククエスト:射り飛ばす剣戟の雨』と言うイベントが発生。
内容は弓を使用し射った武器でモンスターにクリティカルで止めを20回成功させるといったもの。
クリアしたらスキル:射剣と言うスキルを入手した。
所有する武器の耐久値を参照し、耐久値あたりN本という制限が付き武器のコピーを射ることができるようになった。
ダメージ判定は推定コピーした武器の3/4。
コピーに使用した分元の武器の耐久力も減少。
燃費は悪いがMP消費せず使用できるというのはなかなかのロマンでは無かろうか。
武器に特殊能力が含まれたらその能力も反映されるのか、耐久回復に関する影響を今後の検証としたい。
「致命の包丁が非常に有用。数を確保しておきたい」
すばしこいがタイミングさえつかめば特定の部位ばかりを狙うので軌道把握余裕だ。
体感ドロップ率3パーセント以下と物足りないがセカンディルに着く前に後10本は欲しい所だ。
弓はいったんここまで。
次の町までソードスキル再現を開始する。
キリトは知らなかった。
通常プレイヤーのモーショントレースによってシステムが学習し、レベルアップの際にスキルを取得できるものであることを。
ユニーククエストと言う形でスキルを入手した意味を。
〇
「流派、作りたくない?」
「あ、はい」
「未来ある若者ご招待ッ!!」
キリトはセカンディルに到着して早々、怪しげな胴着を来たNPCに拉致された。
ド〇ゴンボールの〇仙人流の胴着を白ベースにして創の文字が入った怪しいNPCである。
「ぬ、毒ではないか“解除ッ!オラッ!解除!”」
「えぇ…」
キリトは俵担ぎでどこかへ運ばれていく道中、セカンディルへ向かう道中エリアボスの毒を受けていたことをすっかりとキャラの濃いNPCに絡まれたことで忘れていた。
前世のミーム感あふれる単語をNPCが唱えると解毒した。
キリトはすっごい渋い顔になった。
NPCは少し竹藪が茂ったような不思議なエリアに到着するとキリトを雑に放り投げ、いかにもな道場の前で堂々とした仁王立ちをした。
「さて、私はセカンディル外れに道場を構える創流おじさんだ。才能ある開拓者に己の流派を作ってもらうことを生きがいとしている。現在の皆伝者は3名!君だけの戦い方を見せてくれ!」
整えられた顎髭と、怪しさ醸し出す口髭、オールバックの白髪頭ににこやかな笑みを浮かべる謎のNPCもとい創流おじさん。
『ユニーククエスト:己の流儀』を開始しますか?
はい ▽
いいえ
「当然やります!」
「よろしい、ならば己だけの12の型を存分に作るといい!」
創流おじさんの後方に位置した道場に足を踏み入れる。
作り終わるまで出さんぞ。
不穏なセリフを聞きながら門を潜り抜けたのであった。
・アインクラッド流:ホリゾンタル
・アインクラッド流:ホリゾンタル・アーク
・アインクラッド流:ホリゾンタルスクエア
・アインクラッド流:バーチカル
・アインクラッド流:バーチカル・アーク
・アインクラッド流:バーチカル・スクエア
・アインクラッド流:ソニックリープ
・アインクラッド流:ヴォーパルストライク
・アインクラッド流:ノヴァ・アセンション
・アインクラッド流:ライトニングフォール
・アインクラッド流:メテオブレイク
・アインクラッド流:スピニングシールド
SAOにて生み出された片手剣スキル12の人力再現を行った。
再現方法は道場中央に置かれたマネキンのような素体に対して同じ動きを3度行い、創流おじさんにその技の説明を行い最後にもう一度同じ動きを行い、成功するとその流派の技として認められる。
創流おじさんに説明する際に属性攻撃であると説明すれば最後の一回でその能力が付与される。
…ぶっ壊れ施設が過ぎない?
キリトはそんなことを考えていたが、そもそも創流おじさんが判定する全く同じ動きを行えるものがほぼ存在しないため、過去創流おじさんの道場に拉致された3名は叫びや構えなどの同じ行動をすることでこの道場を脱出したことを知らない。
「ほう、武器を用いた流派の創成は貴殿が初だ!」
『ユニーククエスト:己の流儀』をクリアしました。
『称号:アインクラッド流開祖』を入手しました。
『スキル:アインクラッド流12種』を取得しました。
新たな流派の創成に創流おじさんは笑みを隠しきれない様子である。
「して、奥義をなんとする?」
にっこりと笑った糸目の好々爺と言った雰囲気から一転。
鋭い眼を開き、彼は和甲冑を思わせる鎧に包まれた。
「そのアインクラッド流を以てこの創流玄間を打破して見せよ!」
『ユニーククエストEXTEND:開祖として』を開始します。
ユニークキャラクター:創流玄間Lv.125が現れました。
「ええぇ…」
うまい話には裏がある、ってよく言うけども結局こう言う落ちですか。
キリトは創流おじさんの道場に入って初めて渡された片手剣を構え創流おじさん、改め創流玄間を打破することとした。
アインクラッド流を使い始めたばかりのものに負けるわけはない。
キリトが創流玄間を倒した感想はその一言に尽きた。
レベル差による致命的な不可能が存在するわけではないなら攻略不可能な訳はない。
さらに言うならば創流玄間が使ったスキルは先ほど出来たばかりのアインクラッド流。
とすればキリトに負ける要素はなく、回避し、時にスピニングシールドでガードしLv.125の暴力的なHPを見事に削り切った。
「ふ、アインクラッド流、実に誉れ高い。最後に貴殿のアインクラッド流奥義を私に見せてはくれぬか」
その言葉に、最も使い慣れたヴォーパルストライクで彼のHPを削りとった。
…とったはずだった。
「アインクラッド流奥義:ヴォーパルストライク確かにこの創流玄間が見届けた」
瞬き一つすれば削り切ったはずのHPが全回復した創流玄間が腕を組んでいた。
「貴殿にはもっと多くの流派を作ってもらおう。それが良い」
『創流の素体』を入手しました。
「これにアインクラッド流を作ったように3度攻撃をしこの人形に技の解説をし再度もう一撃を与えるとよい。さすれば自然と貴殿の流派が生まれるであろう」
「何度でもこの『創流の素体』は使用可能だから好きなだけ流派を生み出すとよい」
「また逢いまみえるときはその技をもって挑んでくるがよい」
貴殿の活躍を心から願っている。
『アインクラッド流:秘伝書』を入手しました。
そんなアナウンスとともにキリトの足元に大きな穴が開き、落下したかと思えばセカンディル入口に放り捨てられ、謎の怒涛の展開に深くため息を吐いたのであった。
創流玄間(第一段階の姿)
白髪オールバックで紳士的な髭を生やしたラテン系の糸目。
でも格好は亀〇人風の2pカラー胴着。
恒星間航行級アーコロジーシップから何らかのバグで転がり落ちたやつの子孫がなんか作ったとかそんな感じ(適当)
・創流おじさんの道場について。
本来ユーザーのモーショントレースしてレベルアップ時等に勝手に生えてくるスキルを任意で流派として作り出すことのできる。
利点は自分の作ったスキルを他者におすそ分けできること。
(ただし、秘伝書に起こすには創流玄間を倒さないといけない)
判定はくそシビア。人力TASを求められる。
この道場で流派を使うと創流おじさんとの相対で勝手に歴代の入門者の技を使ってくる。
武器技のみなのが救いだが、キリト後はどんどん難易度がおかしいことになるし、何らかの形でアインクラッド流を知った転生者(SAO勢)はウォーミングアップを始める。
“解除ッ!オラッ!解除!”について
創流おじさん2人目の入門者。PN.みんみんおじさん。
催眠は倫理NGで作れなくてその日の夜枕を濡らしたそうです。
抱え落ちしたので誰もみんみん回復流の技を習得していない模様。
なんで創流おじさん死なないの?
体力ミリ残しで全快するから()
原作主人公だって食いしばりで耐えるじゃん、確定で食いしばる。
そういう事よ()