何も知らない鳴坂和人くん(22) 作:スティック/糊
独自解釈、独自解釈成分を多く含みます!
合言葉は困った時はご都合主義!
だって天が除夜ゲロの前にやれって、本編で明確な描写されるまでは自由に書けるのが二次創作の強みって天が言うんだから仕方ないよね。
たとえ本編でそう描写されたとしてもこの“比較的平和な世界線”だとこうなるんじゃいでゴリ押しします。
つまりどういうことか?
特定カプに土下座をするってことだ。
薄味だからよし!
鳴坂和人が彼女と出会ったのは一種の必然の様なものだったのかもしれない。
重村教授に「年頃の少女の相手だ、歳も近いし適任だろう」と半分拉致されるようにとある場所へ連れて行かれた。
某所の高級住宅街の一角。
とんでもないVIPの案件か、と和人はその時察した。
少なくともこの重村教授を顎で使う様に簡単に呼び出せるような立場であると言うことだ。
和人の厄ネタサーチ能力が磨かれ始めたのはこの頃からだ。
「彼女の右腕、そして脚部の接続。それが今回の仕事だ」
そう言ってついたのはとある屋敷の一室。
機能性に富んでいるにも関わらずどこか殺風景な部屋。
その部屋の主とも言える一人の少女と医師と思われる女性。
そして彼女の父と思しき少し気の弱そうな雰囲気をまとった男性。
「――こんにちは」
こちらを見ているようで見ていない。
まるで現実などクソゲーだとでも言いたいような、つまらなそうな目が和人には腹立たしく映った。
〇
妹らにARを浴びせた翌日。
妹を実家に、従妹を叔父叔母宅に送り届け、今日を迎えた。
ある種の胃の重さを抱えている。昨日突然メッセージを送ってきた犯人に対してだ。
大変めんどくさがりながらいやいやまともな服に着替え、その時を待つ。
“ガチャ”
この鳴坂和人の一人暮らしをする家の合鍵を持っている数少ない人間が現れたと言うことだ。
「ヤッホー、
「元気そうでなんか腹立たしいな」
「もー、久々に顔を合わせる態度かな。仮にも
「仮だ仮」
ぷんすかしながら入って来た女性はTRPGで表現するならばAPPが17か18ある風貌。
深窓の令嬢と呼ぶにぴったりのどこか幸の薄そうな気配すら感じる。
「えい☆」
「じゃれあいで鉄の腕で殴ってくるなあぶねぇな」
外見的欠落もまるでなく、その生まれも彬茅コーポレーションと言われる上から数えた方が……いや、その一番上の方に鎮座するような会社の社長令嬢。
人生勝ち組のようで、割と闇が深めな女、
学界的に守ってくれるのが重村教授及びカムラであるとするならば、政治的方面で守ってくれる後ろ盾それが彼女の一族である。
彼女は慣れたように靴を脱ぎ棄て和人の脇を通って部屋に入っていく。
和人の私室である。
「おい待て、さらっと人の部屋のベットに流れるように飛び込むな」
「じゃ、メンテナンスよろしくぅ!」
ルパンダイブとまでは言わないものの、それなりに豪快に飛び込む。
「一応精密機械身に着けてる自覚あるのか己は」
「もちろん。でも和人くんの作った機械はそう簡単に壊れないでしょ」
「まぁ、な。先月メンテしたばっかだろ、なんか不具合でもあったか?」
堂々とマーキングするように枕に埋めていた顔をこちらに向け、
「いやいや、無いよ?ただの会う口実だって」
「哀れ執事の門河さん」
「いいんだよあの人は、私が外出する―って言うと喜んで車出してくれるんだもん」
「ほんとその強化外骨格どうなってるの」
「これの性能情報は生産元の方が詳しいでしょ」
そう言って紗音はうつぶせのまま、持ち上げたふくらはぎを右腕で叩いた。
“キンッ”
おおよそ人から出ることのない金属音。
「お前の義肢じゃなくて分厚い面のことだ」
「え、今日もとってもきれいだよって?うれしいこと言ってくれるねぇ」
「それはそうだがそうじゃねぇ。被った猫の話だ」
「お、おふ…ほんとこの人なんでこうも揶揄い甲斐と言う物がないかな…」
和人があっさりと彼女の揶揄を肯定すると紗音は恥ずかしそうに枕に再度顔を埋めた。
「なんか言ったか」
「いえ、決してそんなこと口にはしていませんよ」
「そう、その被った猫の話だ」
「散々私の
「……なんかすまん」
再び顔を上げた彼女は大企業のご令嬢らしい表情を浮かべ言葉を並べるが、和人は過去の自分のやっちまったエピソードトップ3に入るそれに何も言えなくなった。
「ま、お陰で私はそれなりに幸せだからいいんだけどさ」
「そう言ってもらえると気が休まる」
和人は深くため息をつき、彼女の右腕から調整を始めつつ、こうなった経緯を思い返した。
彼女からすると全部をぶっ壊された日。
それは今から数年前にさかのぼる。
とある資産家の妻とその娘が交通事故にあい、妻は亡くなり娘は四肢の内左腕以外を失った。
偶然にもその事故現場の近くにいた医師のお陰で、娘の臓器類は無事。
足と右腕がないこと以外普通の少女と言うまでに回復した。
そこまで回復した娘のために資産家はそういった分野に強い学者を呼びつけた。
その学者はひどく口下手で、年頃の心の弱った少女の相手は難しかった。
娘からヒアリングを取るのが難しいと匙を投げかけそうになった時、学者はとあることを思いつく。
自身の娘にそういったことをさせるのは酷だが、この頃面倒を見ている少年なら大体の知識もあるし十分なヒアリングに対策もとれるであろう、と。
そうして少年を連れてやってきた学者はほんのちょっとの後悔となんやかんやいい結果になったとその日のことを語る。
少年が少女をギャン泣きさせた日でもある。
「あの時ほんと鬼畜だったよね」
「……ほんの少し自覚はある」
「え、ほんの少し!?傷心中の少女をSTLシステム積んだアクセルギアで第二の人生ぶち込んで、価値観粉々に砕いてあんなカッコいいことまで言ったのに!?」
「なんかすまん」
そう、和人は人生つまらなそうな顔をしているのが気に食わなくなり、当時出来立てホヤホヤの
加速倍率は加重気味。
一瞬にして少し寝たように思わせ、ものの1時間で彼女は10と数年の経験を叩き込まれたのである。
その長いようで短い夢は偏屈な少女の心をぶっ壊すには十分すぎるものであった。
「どんな状況だろうが今を楽しめない奴に幸せ何てものはやってこない。それを手に入れる足と腕は用意してやるから現実で面白いもん探してみろ、だったね」
「……よく覚えてるもんだな」
「ええ。俺がVR機器真面目に作ってるのは現実は下らないと斜に構えてる野郎の横っ面ぶん殴って明日を向かせるために作ってるんだ、って言葉があまりにも強かったから」
「そんなこと言ったか?」
「絶対言った」
紗音に断言された和人は気まずげな表情でメンテナンス確認をする。
紗音は相変わらずうつぶせのまま顔を横に向け和人の顔をジッと、いとおしそうに眺める。
「ひどいよねー、当時有名になり始めたVRだけが生きがいの私をまるで現実みたいな世界に叩き込むんだもん。VR嫌いになったらどうしてくれようかと」
「あの時は……まだ若かったんだ」
「今でも十分若いでしょ」
でも、たくさん面白い事に悪いことまで教え込まれちゃったからなーと紗音は揶揄う。
和人は一向に気まずげな顔だ。
紗音がトラウマを克服するためと思われるのに新たなトラウマを被せてきたはずのVRが嫌いにならなかったのはこの男が用意した多くの世界に魅了されたからだ。
「ま、女の子の男性観破壊した男には責任取ってもらわないと」
あの日紗音はギャン泣きした。
吐き出すものを全部吐きだしたと言わんばかりに泣いたのだ。
自身の母の死を知った時でも、平静をあくまでお嬢様のように、父に求められる娘像を守るように必死に泣かなかった彼女が、だ。
「……他にもいい男たくさんいるだろうに」
性格は義理堅く、めんどくさがりやな所もあるがなんやかんやで身内認定した奴ははちみつと練乳を混ぜたものを金平糖にぶっかけたくらい甘く、将来性はもはや言うことない男が他にどこにいるというのか。
和人はそう言いつつもベッド脇のテーブルで右腕の部品を簡易分解して確認している最中。
去年の紗音の誕生日と同じように解らせてやろうかと右腕が無い状態のままベットへ引きずり込もうとした時である。
「そういえば見かけたぞサンラク」
「…へっ?」
パッと顔を上げた和人に紗音は行き場をなくした左腕を上げたまま、素っ頓狂な声を上げた。
それは自身がまだ素直に成りきれておらず、婚約者(仮)の状態にしてしまった発言の由来とするとある人物の名を婚約者が口にしたからである。
「話には聞いていた通り中々の変態技術のプレイヤーだな」
「へ、へぇ?」
既に紗音の中ではサンラクへの執着心はだいぶ薄かった。
この技術者に十数年ファンタジー世界にぶち込まれた影響である。
あの時は、完全に照れ隠しと変な意地の様なものがあった。
今サンラクに向けている感情などこの男に向けている100分の1にも満たない程。
クラスのあいつ弄ると面白い、ちょっとお気に入りくらいのアレである。
「会うなら場をセッティングするが」
「い、いやぁ?じぶんで見つけるから大丈夫さぁ」
「そうか?」
紗音は過去の自分の発言を消せる保険はないかと神に問うた。
ツンデレのお手本のような発言のせいで恋愛方面でまるで鈍感な阿呆を勘違いさせ続ける発言を。
“べ、別にあんたなんか仮よ仮、私にはサンラクって言うすっごい相手がいるんだから”
いや、その発言よりもこの男の鈍感さの方が問題な気がしてきた。
法令的に18歳が成人となった現代。
それに則るように昨年大人になったよと紗音は3つ年上の男をベッドに押し倒した。
だと言うのにこの男はどこまで鈍感なのかと。
あの隠れ狸親父は私を嫁がせる方針で話をだいぶ進めているんだけど?!
紗音はあの日まで傷心中の娘を気遣う気の弱い父としか思っていなかったあの父がとんでもないサイコパス野郎だと発覚してから和人に嫁ぐ前提で話が進んだことを救いだとすら感じるほど滝のように冷や汗を流したことを昨日のように思い出す。
その時紗音は確かに“私の父親が私よりうっすい仮面付けてまともな性格をしてる訳無い”と思い知らされた。
さっさと嫁がせてくれないかなぁ!?
紗音はこのクソボケをどうやってプロポーズまでもっていこうかと、並列的思考回路を回し恋愛事になるとオーバーヒートしがちな思考のまま一つの事実を拾い上げる。
「と言うかシャンフロやってるなら教えてよ」
「え、あー始めたの最後にお前にあった数日後からだし」
「どこか詰まってるなら……だめだ攻略に詰まってる図が想像できない。新大陸行くならいつでも転移門用意するからね」
「ああ、その時があったら頼む」
なお、紗音はこの日から和人に対し日5件程シャンフロでフレンド登録しようよコールを始めるのであった。
・ヤベー方法で救われてしまったディプスロさん(浄化済)。
親密になろうとすると照れ隠し半分で下ネタが飛ぶが基本ピュアに。
サンラクとの決着を付けようとするが過去の自分のやらかしに困りつつも下ネタを口に出すことに躊躇いはない。
・隠れ狸親父(マイルド表現)
紗音の父親が猫被るのがへたくそで性格がまともだったら大企業の社長なんてできる訳無いよねって思考からの捏造。
紗音Lv.130くらいの狸。
「ピグマリオン」と揶揄されていることからとてつもないルッキズム野郎になってしまった人。
亡くなった妻の精巧な人形愛でてても驚かない。
一応父親だから、と言う体裁はもっているので紗音が幼い頃に言った“将来はお姫様になるの”を割と本気で叶えてやろうとしていた所、ちょうどいいのが来たので婚約者ポジにシュートした張本人。
なんで幼い頃の夢を叶えようとしているか?
“初めて願った夢が一番ピュアで穢れがない”とか多分そう言う理由。
自身も父親にそうしてもらったとかそういうやつじゃねぇかな…
孫はノータッチ。
表面上一般的な父親、お爺ちゃんはしてくれるものとする。
将来の義理の息子()を政治的利用させたら娘との時間が減るだろとカバーしてくれている模様。
最近は義理の息子()の作った疑似人格プログラムがお気に入りの模様。
・どうしてこうなった☆
ディプスロ父との会話描写入れたらあまりにも奇人になりすぎたのでナーフした。
(狸と言う表現が生ぬるい人の形をした何かになりアンチ・ヘイトタグ必須になったため)
・ディプスロさんのボディについての言い訳
原作926話あたりで父親と顔を合わせる際の手の仕様、元の体発言、充電発言、ディプスロさんの現実の身長は可変式、ボツ案として脳みそだけ予定だったとか人の心案件を誇大解釈した結果。除夜ゲロが悪い。
なんでボディと左腕だけ無事なのかって?
ディプスロに指輪は嵌められるねとか、赤い糸は切れてなかったのかなとか、野球できるくらい子供の作っちゃう?とか言わせてぇなって...
原作ではほとんどの部位を新しい肉体に置き換えられちゃったとかないですよね原作者ァ!(震え声)
・ASN
「え、ここから入れる保険があるんですか!?」
ま、まぁまだ(仮)だから(震え声)
これでまだカプが決まってないぜと言う勇気を持っていきたい。
負けた娘は番外編に出荷予定