何も知らない鳴坂和人くん(22) 作:スティック/糊
ASNルートは本編書き終わるかなんも思いつかない時に書くね…
和人の中ではそれなりにでかいイベントであった紗音の誕生日を無事祝い終えた。
20日後に迫る自身の23歳の誕生日に謎の悪寒を感知したが、多分きっと大丈夫。メイビー。
本日9月17日日曜。
明日でGGC後のCH社の交渉から一か月が経過しようとしている。
度々進捗が送られてくるのだが、現在クリアまで至ったのは第4ステージ。
プレイ禁止処分中のシルヴィア以外のStar Rainらはフェーズ.5キャプテンアメリカにボコられているという。
フェーズ.1『スパイダーマン』ステージ
フェーズ.2『バットマン』ステージ
フェーズ.3『ドクターストレンジ』ステージ
フェーズ.4『アイアンマン』ステージ
フェーズ.5『キャプテンアメリカ』ステージ
エクストラ『アヴェンジャーズ』ステージ
……エクストラステージいつクリアするんだろうな。
そんなことを考えるが知ったことではないが。
後数日すればシルヴィアゴールドバーグもこの攻略に参戦する。
カムラのアメリカ支社からも「そろそろ公開してくれよミスター」とメッセージがあまりにも飛んでくるのでスパイダーマンのビジュアルと冒頭ストーリーを投げておいた。
……これでしばらく大人しくしてくれると良いのだが。
正式発売となったGH:Cのパッケージは和人の手元にもある。
パッケージの内外に関わったデザイナーたちのサイン入りのワンオフ仕様だ。
ゲーマーとしてこれは観賞用、と自身の創作ゲーム棚とは違うプレイしたorするゲーム棚に飾られることとなった。
シャンフロは新大陸で何をするかまだ決めていないので、せっかくの機会だとGH:Cをプレイでもしようか。
自身が再現した疑似シャンフロエンジンとは違う本物のシャンフロの格ゲーにちょっと興味があるのも確か。
市販VR格ゲーをするのはさりげなく初めてである。
インターネットショップからGH:Cをダウンロード。
幕末?
あれは格ゲーとは別物だと思うの。
「キチゲ解放ゲーでしたわ…」
和人:豆太郎はだいぶハマった。
ヴィランごっこたのちー(IQ低下)
表に出せない悪辣外道なヤベー何かになって暴れ散らかした。
カスプリorクロックファイア……楽しい。
NPCにダメージを与えるのを当初忌避していたもののちょっとテンション可笑しくなっており、大暴走。
カッツォクラウンボコすのは楽しかったです(小声)
魚類の名前流行ってんのかな。
気持ち真面目にならねば、悪辣な精神を浄化するため、幕末にインして見かけたYuukiをスパン―――
できなかった。
「ふふふ、僕もせいちょうしてるんだn――」
「なげぇ辞世の句だ」
「ふぁっ!?」
俺も成長してるんだ。
初撃は防がれたが、それ以上に切ればいい。
幕末はシンプルで良い。
ゲージだのなんだのしてるよりこう、シンプルな方が自分に合っているとキリトはGH:Cのログイン予定は無くなった。
「あっれー豆太郎君久しぶりだね」
「あ、シズレナ」
「おねぇさんともあそんでよッ!」
最近お仕事でお金貯めたからVRチェア買っちゃったんだよねーと言うシズレナの一閃で豆太郎は細切れにされた。
オノレシズレナァ!
和人は一周回っていったん冷静になっt――嘘である。
昨日のだいぶ小恥ずかしい事を宣ったことに対するスリップダメージを食らっていた。
キリトは自戒の念を籠め、ちょっと滝行にでも……
風邪ひくと仕事止まるからやめよ。後で痛い目見るの俺じゃん。
妙なテンションで右往左往。
風呂、風呂に入ろう。
とてもじゃないがそこらのマンションと思えないくらいには充実した風呂場のミストサウナで気を整え、珈琲で一服。
気が付けば日は暮れていた。
〇
昨夜プロジェクト:プラモのサーバー仮組が完了したと連絡が来た。
……今日日曜日ですよね?と疑問を浮かべたが「夢が叶うまでのロードマップがあるのに動かずにいるとかできる訳無くない?」との返答があった。
それはそう。
そんなわけで和人は朝一でプロジェクト:プラモを進行する株式会社ゼムリアにお邪魔していた。
警視庁くらいのサイズ感じゃん。
都心部から少し離れた建物が馬鹿でっかい建築物だ。
……固定資産税どうなってんだろ。
ひっろいエントランスに足を踏み入れた和人は正面に佇む受付に声をかける。
「ようこそ、株式会社ゼムリアへ。ご用件を」
「お邪魔しています、八葉さんにアポとった鳴坂です」
「承知しました―――『全社員:鳴坂様ご降臨です!』」
「え、えぇ…」
ご降臨ってなんやねん。
社内アナウンスで推定全館放送が掛かり、バタバタと騒がしい音が鳴り響く。
「よく来たな!」
「……この光景に俺はどうすればいいんですか」
「…あ、すまない」
さっと、規律よく総勢50名は超えるであろう人員が整列して敬礼されるこの光景にどうすればいいのか、と和人は困惑した。
それに対して指揮をしているらしいリィンも興奮が過ぎてな、と頬を掻いた。
次々とやけに顔面偏差値の高い社員に「ありがとうございます」と涙ながらに感謝されながら礼を言われ続け、その段階で和人はだいぶ疲弊していた。
株式会社ゼムリア。
部品加工や警備等の部門に分かれる癖の強い会社だという。
警備は死ぬ気でやるから安心してくれ、と言う力強いリアクションを頂いた。
なんでもサイバー方面から武力的な方面まで防衛が大変得意だという。
……リィンさんが居ると説得力がちげぇや。
あ、警察のOBもいらっしゃる…。
施設案内だ、と度々訪れることになるであろうサーバー管理室へ案内される。
つよつよサーバー組むぞ、と地下二階層分の実験スペースに充てていた空間をサーバールームに改造したとのこと。
……それでいいのか株式会社ゼムリア。
「ティオ、鳴坂博士が来たぞ」
「はい、今行きます」
地下でサーバー保守、サイバー対策を担うというティオと言う女性が挨拶をしてくれた。
「情報処理部門の水橋小鞠です。ティオと言うのは愛称ですが、それで呼ばれ慣れてしまっているので鳴坂博士もそのようにお願いいたします」
「あ、はい」
だいぶ若い感じではあるが、こう、インテリジェンスを感じる。
「早速ですが、ご指定の通りのサーバーのシステム仮組み立てが完了しています。ご確認を」
「承知した」
そう促されるままに構成を確認。
……この部品こんな短期で用意できましたっけ。
あ、自社で同様スペックを制作できる?
御強い。
各パーツのスペック確保に問題がない事を確認し、メイン管理システムを弄り始める。
「こちらのハードにシステムの大本用意してあるんでさっそくぶち込んでも?」
「はい、現在確認されているウィルスの類いは防衛されるようになっていますので問題ありません」
では、お言葉に甘えて。
「スペックヤバい……家に一基欲しい…」
和人はあまりにもストレスフリーなスペックに思わず声を零した。
まぁ、そうなるように発注はしたんだけど、しっかりとしたものがご用意されていることにゼムリアの本気っぷりを感じた。
基本システムは防衛性能第一に考えているので早々滅多なことは起きないと思うのだが、まぁ……この会社のセキュリティしっかりしすぎてヤバいね。
セキュリティぶち破ってみたいという欲がない訳ではないが、現行のシステム群ならまず破られることはないだろう。
「基礎システム構築完了です。さっそく機体のインストールしまs――」
事前に作成したシステムをゼムリアサーバーにスペックを調整して移植していく作業に夢中になっていたため、どれほど時間が経ったかを確認もせず「終わった」と半ば独り言のようにつぶやき背後を振り返ると、そこにはスキャナーシステムとプラモを入れたケースを持って並ぶ人たち。首にはアミュスフィアがかけられていた。
「あ、はい順番にやりましょうか」
この会社のマスコットらしき“みっしい”のガワを管理AIに採用し「このキャラクターのガイダンスに沿って試してください」と和人は促した。
暴動は起きない。
着々と順番にスキャニング、プレイシステムに着席する人、VRダイブでアミュスフィアをオンにする人。
……統制極まってんなぁ。
この最速テスト体験を行うために社内で熾烈な争いがあったことを知らない和人は、のほほんとその光景を眺めた。
実機の操縦桿握るタイプと、VR内で操作システムを握るタイプで分かれている。
スキャンシステムも事前に頂いたプログラムが適応されてるらしい。
やべぇな株式会社ゼムリア。
「構築、フィールド構築の機能についてご説明頂いても?」
「そこにみっしぃ君がおるじゃろ。大体答えてくれる」
「あなたが神か」
ティオが続々とダイブする社員を横目に、プラモたちの暴れるフィールド作成について我慢できないと言ったように裾を引っ張って来たので、和人はスッとVRチェアを指さした。
この男、面倒ごとを流れるようにAIに投げたのである。
……AI組むまで頑張ったからええやろ。
コレ全権管理するのにこのVRチェアだとちょっとスペック不足しそうだから新規いかがっすか営業しておこ。
そんなことを考えながらチュートリアルボスのベアッガイをスぺ―スに放り込み、和人はゆっくりと伸びた。
〇
和人はゼムリアの社員食堂でどんどん盛られる料理に途中からリアクションをやめ、チマチマと食べながらこちらに顔を出したアリサと話をしていた。
「ロボにうるさいうちの社員も大満足みたいよ」
「そりゃーがんばった甲斐がありますねぇ」
中華うめぇと和人はただ食べるマシーンになりながら規定時間だと叩き出したテスターからの評判をまとめたデータを目にする。
「まさか『満足する質に仕上げるのが楽しい所でしょ』って質感の追求やら情報の補正をユーザーに投げてそれを実現するシステムにするとは思わなかったわ」
「そのメカに一番思い入れ持ってるのはユーザーですから」
和人はプロジェクトプラモに一つ、変人もニッコリシステムを組み込んだ。
自分がその機械を作り上げる機能だ。
機械の油圧関係、システム関係、未知のエネルギーシステム。それをユーザー定義とし、自身に細部まで作らせる。
その機能で戦う自分のホームや、相手の定義で戦うこともあったり、公式ベースを作ったりと、とにかく満足するまで作り込めばええやろの精神である。
ゲームの種作ってなければこんなことはできなかった。
要はユーザーの二次創作と公式との戦いが交わることが出来ると言うことだ。
流石にそこまで求めてねぇよと言うユーザーのためにフルカスタム:セミカスタム:簡易式の3段階から作り込みを可能にした。
……ただ、サーバーのキャパ問題があるので限られた枠の購入式になりそう、と言うのがネック。
限りなく軽量で遊べるようには構築したのだが、データ的限界はあるもので。
逸般の誤家庭のアタオカサーバーである程度負担させる方式も考えたが、セキュリティ問題がねぇ…。
だんだんと増設は行うそうだ。
「そこは……大会の景品にしちゃいましょ」
「運営はお任せします」
「任されたわ」
市販プラモの原作者への問い合わせは混乱を避けるため、JGE後になりそうだ。
頑張ってくれ株式会社ゼムリア。
大会開催してその優勝者仕様のプラモ作るのも良いわねー、プラモ会社からの協賛準備済んでるし、なんて言葉を聞きつつ、嫌な予感をうっすら感知した。
「カムラの役員の重村教授って現行ARシステムの基礎理論組んでて強かったわよね?」
「……え、なに。まさか、でっかいドームにARで実物大の戦闘を見れるようにしたいなんて言いませんよね?」
「え、うん。そうだけど。よくわかったじゃない」
「……ライブ関係で類似システム作ったから何ならVRドームで観戦もできなくもないですけど……」
「そこの利権は?」
「え?」
「システムがあるなら交渉しに行くわ」
……行動力ッ!
「ベースシステム、使用AR機器共にカムラっす」
「ちょっと営業にアポ、お願いね?」
「あ、はい」
和人はカムラの営業部にヤベーお客様のお通りだーと、一本メッセージを入れた。
それを認識したカムラ営業部は「え、鳴坂博士がヤベーって言うことは…かなりヤベーのでは」と震えあがったが、至極まともな契約で「???」と頭に疑問符を浮かべたが、それから実働までの速度がおかしかった。
あ、製造工場ご用意でき……え!?こんなに弊社に有利条件で!?と縮み上がるまであと少し。
施設系のARシステム機器基盤加工の生産体制の見通しが立ったことで、和人の仕事はまた爆増することをまだ知らなかった
・JGEは11月中旬から後半でOK?
そうなると和人くん誕生日後から激務で死にそうなんですが
…シャンフロやる時間あるの?
え、作る…?
左様で。