何も知らない鳴坂和人くん(22) 作:スティック/糊
プロジェクト:プラモがなんか正式名称になりそうな気配を感じる和人は火曜日は在宅としてオーグマー弄ったり、「モンハンAR楽しそうだな」と思い付きを拗らせつつ封印棚からモンスターハンターVRXを取り出しベース構築を済ませ、これから仕事が莫大になりそうなのでシステム処理AIの強化作業を行い、自分はシャンフロにインした。
「あ、伝書鳥」
キリトはシャンフロにログインするなりセーブポイントのラビッツの宿の窓枠に伝書鳥が止まったのを確認した。
伝書鳥、シャンフロ内のユーザー間のメッセージ機能の様なもので、マーニの消費によって鳥の種類が変わる。
スズメが一番安く、送信から届くのに5分かかり30%の割合で猛禽類に捕食され失敗。
ハトが普通、送信から届くのに3分かかり5%の割合で猛禽類に捕食され失敗。
カラスが割高、送信から届くのに5分かかるが猛禽類に捕食されることはない。
フクロウが高く、送信から2秒で届くが夜間しか使用できない。
ハヤブサが最高級。送信から3秒で届き、たまにアイテムをくれる。
届いたのはスズメ。
紗音、ディプスロからメッセージが届く場合はフクロウかハヤブサなので違うだろう。
トールズ関係者からも大体カラス以上。
過去の事例から考えてもスズメで飛ばしてくるのは……
「あ、サンラクか。なあスズメ、これ受け取り拒否できる?」
「ちゅん」
とんでもねぇ特級呪物の香りがしたので受け取り拒否したかったのだが、ダメやでと言わんばかりに鳴かれたので仕方なく受け取る。
――――
サンラク
ログインしたならちょっとサードレマで会えない?
――――
実に簡潔的。
蜘蛛だってもうちょいマシなトラップ張るぞ…?
――――
キリト
新大陸に居るので無理ぽ
――――
返信を書いてスズメに持たせて送り返す。
そういやラビッツに
SDランスロット受け取り以来兎御殿に遊びに行っていないな、と足を運ぶことにした。
財布は……一億マーニあれば大丈夫やろ。
ラビッツの宿から兎御殿に向かうと再度伝書鳥が。
今度はカラス。
――――
サンラク
そこを、そこを何とか!
兎御殿の
――――
……必死だなぁ。
――――
キリト
これ断った方が楽しい奴?
――――
返信。
この奇行種無視してもええやろ…
今度はフクロウ。
――――
サンラク
ちょっと、ちょっとだけうちのクランメンバーに会って頂くだけでいいんで!
謝礼に黄金独蠍の命晶核の用意があります。
――――
――――
キリト
自分で狩りに行けるんで^^
――――
…返信。
今度はハヤブサ。
――――
サンラク
謝礼にラピステリア星晶体一等星の用意があります。
――――
――――
キリト
自分で掘りに行けるんで^^
――――
………返信。
今度もハヤブサ。
――――
サンラク
さもなくば情報を流布します
――――
――――
キリト
既にぽろっとこぼした奴の発言じゃん
――――
………返信。
そんなことをしていると影。
「あ、おとうちゃ――頭のご友人発見ですわ!」
「エムルちゃんにはこの新大陸産の美味しいニンジンを上げよう」
「わーいですわー!」
く、伝書鳥は時間稼ぎか。
「あ、逃げないで欲しいですわ!」
「くっ」
キリトはエムルに負け、しぶしぶサードレマに向かった。
〇
サードレマ:蛇の林檎本店
「で?」
キリトは大変不服そうに足を組み、席に置かれたケーキをつついていた。
その足元には綺麗な土下座をするサンラク。
「御足労頂きありがとうございます!!!」
「来るだけ来たから帰って良いよな」
キリトは献上されるように渡されたラピステリア星晶体一等星を受け取った。
「もうちょっと、もうちょっと滞在お願いしますぅ!」
「縋りつくな鳥アタマ」
頬に押し付けるように黄金独蠍の命晶核を渡される。
……喧嘩売ってる?とひと睨みすればスムーズに離れて正座した。
なんというか想像していたとはいえ面倒ごとの気配がプンプンする。
テーブルの対面に座る女性アバター×2。
旅狼のクランリーダーのアーサー・ペンシルゴンと推定ホモのオイカッツォである。
キリトは足にしがみつくサンラクを足蹴りしながらその二名を見た。
「まぁまぁ、来ていただいたんだし、ちょーっとお話させて頂きたいなーって」
「俺に利がないだろ」
うさん臭い笑みを浮かべるアーサー・ペンシルゴンに基本として面倒ごと大嫌いマンのキリトは是非もなく切り捨てる。
「ユニークモンスターの情報とか…」
「自分で集められるから要らね」
うさん臭い笑みを浮かべるオイカッツォも是非もなく切り捨てる。
「稼ぎ場とか…」
「20億マーニ以上あるし」
嘘である。その数十倍は余裕である。
キリトは称号【
金にはちょっとしたインフレを起こしている。かんたんクターニッドサンキュー。
そうつぶやくサンラクも雑に対応。
……いや、俺が先に狩場知ってるの分かってるだろ。
「おいどうすんだよペンシルゴンまるで効かねぇじゃん」
「んーある程度予想していたとはいえここまでは」
なおこちらは疑似改宗[夜襲]表示オフ状態。
聴力補正は効いている。
オフ状態だと影に潜り込んだりは出来ないが少しスペック補助が効いてる。
「――よし、シンプルにいこう。私たちはあなたの抱えてるスキル情報が欲しい」
「メリットが無ぇ」
「深淵のクターニッドへの挑戦権。それを私たちは用意できる」
「別口でクターニッドに遭遇できる手段有してんだわ」
キリトはさっと潰す。
挑むかどうかと言っても7日間拘束はシンプルにだるい。
別種のユニークシナリオでかんたんクターニッドに遭遇できるキリトはそれを応用して挑むことも可能だろう。
それにまだアヴァロンのクターニッドにも遭遇していない。
故にこのタイミングで飲むメリットはない。
「規格外戦術機!」
「有している」
……まぁ、旅狼があの黒狼戦で見せたアレとは別カテゴリーに入ってるだろうが。
「えぇー、ちょっとサンラク君この人の情報量どうなってる訳」
「俺も滅多に遭遇しないからわからん」
「で、話は終わりか」
「単純な戦力!今後レイドバトルとか活発になっていくと思うんだけど!」
「ユージオの所のクランがそちらに属したことは聞いたが、こちらにもリュカオーンの影吹き飛ばせる人員の当てがあるから不要だ」
「……そんなポコスカ倒せるのリュカオーン影」
「そうだったら黒剣あんなに苦労してねぇだろ」
「何を用意すれば話を聞かせて貰えるの?」
「そうだな…何か珍しい[花]に関するクエスト3種」
「[セツナトワ][傾国賛花][流星一華]」
キリトがぽつりとつぶやけば流れるように3つの花がテーブルに置かれる。
今の所アヴァロンでも観測したことのない花だ。
「……じゃ、それで。何が聞きたい」
「ペンシルゴンいつの間に?」
「セツナの墓の供え物のバリエーション増やすために探しまくったらしい」
「秋津茜に譲渡したスキルの秘伝書について」
「現代の流派スキル。要は俺がその場のノリで作った」
「秘伝書のストックは?」
「そのスキル作成の過程でワンオフ製。全く同じものは作れない」
その言葉と共にペンシルゴンは机に突っ伏した。
さながら内情は無駄骨折った、かスキルをレベルアップ外のタイミングで作成する手段があることの確信と言った所か。
「ただ、まぁ…」
「[晴荒雨毒の仙人掌]」
追加があるような口ぶりを零したのでペンシルゴンは再度花を追加。
セツナトワがこぼれたのでキャッチする。
「ファステイアからセカンディルの間に存在する道場で過去に他のプレイヤーが作成した戦闘スキルの習得は可能だ」
「[神話の徒花]」
ペンシルゴンは再度花を追加。
「供花ガチ勢じゃん」
「そろそろ別のシナリオ生えてくるのでは?」
「セカンディル脇の藪。フレンド2名に確認してもらったから再現性も確保されている」
「よし、二人ともゴー!」
「「あいあいさー!」」
「詳細まとめてくれ」
「大変重要な情報ありがとう。じゃ、フレンド申請良いかな。紙に書くより思考入力の方が早いし」
「……わかった」
下手するとこれがメインまであった説あるかもしれねぇな。
後で浮気やないでメール送っておこう。
PN:アーサーペンシルゴンからのフレンド申請を承認し、内容が記載されているのを確認しキリトは満足そうに頷き、解散した。
……まぁ、習得に至るまでの鬼畜要素が多く存在するが聞かれてないからいいだろう。
習得できるのは違いないし。
【創流の素体】で作成した技術は創流おじさんの道場に反映されない。
一度でも武器を用いると習得できるのは自身で作成したスキルと[武器を用いた]流派の戦闘スキル1つ。
[ユニーククエスト:己の流儀]はスキル作成行動合計120回失敗で破門。再受注不可。
当然の様にそんな説明はない。
[ユニーククエスト:己の流儀]をクリアし、スキル習得できても『ユニーククエストEXTEND:開祖として』をクリアできなければ我流スキルは没収。
一週間再挑戦が出来なくなる。
初見でスキル作成完成までノーミス且つ、『ユニーククエストEXTEND:開祖として』でHPを半分以下にせずにクリアしなければ【創流の素体】は手に入らない。
その再挑戦権を手に入れるのは【創流の素体】を獲得したプレイヤーのみ。
『ユニーククエストEXTEND:開祖として』に登場する創流玄間はプレイヤーのレベル+100以上のランダムで、自分で作ったスキルでのみ戦わなければならない制限仕様。
創流玄間は過去に創流おじさんの道場で作成した戦闘スキルを臨機応変に使用してくる鬼畜仕様。
補助系のステータスが戦闘系のステータスよりも優位だと、裏創流おじさん道場に行くのだが、あの二人のステはおそらくゴリゴリの近接格闘系なのでたどり着くこともないだろう。
これはディプスロ、リィン、アリサ、エマに確認してもらったことで判明した情報だ。
【創流の素体】を獲得まで行ったのはリィンのみ。
リィンが難易度爆上げしたとも言う。
スキルを作れるのは本当だし、同じスキルを渡せるのは一名だけ。
実質武器不使用スキル独占できるのも本当だから何も嘘は言っていない。
キリトはいい仕事したなぁ、と貰った花のクエストのクリアを目指すことにした。
自身が保有している花の種類の数でブースト値変わるスキル手に入れたから仕方ないよね。
・創流おじさんの道場
システムサーバー独自の判断でナーフを食らい鬼畜仕様に。
拘束はされずらくなったが破門が追加。
一つのスキル当たり10回しか失敗できないって大変鬼畜。
ちょっと頑張ったスキル作ろうとすると大変だぞ!
本来封臓あるやつがに任意タイミングスキル生成でとかできないけど1号人類のはぐれが作った道場だからなんとか作れる手段を得ることが出来てそれが鬼畜になるのも仕方ないネ。
Q.どーすりゃ武器スキル以外の他プレイヤーが作ったスキルげっちゅ出来るの?
A.籠手も何も着けていない完全な素手でステップワークのみのスキル流派を作るとダンスバトルになって一定以上のパフォーマンス熟すと貰えるよ。
当然判定は鬼畜。
ネタジョブの被写人が最適解。
サンラクのネタ状態が一番可能性あるけど奴は確実に武器を使って新スキル編みだそうとするから完全にイースター状態。
キリトもダンスバトルの状態まではたどり着いていない。
Q.創流おじさん本来の流派は?
A.晴天流[亜種]
10回くらいクリアすればくれるよ。