何も知らない鳴坂和人くん(22)   作:スティック/糊

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感想誤字報告感謝です

マイナー作品からの選出だ、すまない。
趣味で、指が勝手に…


服飾クラン・コクラー

 シャングリラフロンティアには無数のクランが存在する。

 

 表立って活動するもの、秘密裏に仲間で集まりエンジョイするもの。

 

 その中でも密かに、あまりにも遭遇者が少ない事で都市伝説扱いを受けているクランが存在するという。

 

 至布匠(グラン クチュリエ)、それは防具制作、特に裁縫系に特化した最上位職に就く男がクランリーダーを務める異彩のクラン。

 

 現実が忙しいと滅多にログインするクランメンバーが現れないが、遭遇した時対価を支払うことで至上の服飾系装備を手に入れることが出来るという。

 

 

 せっかくサードレマに来たのだからと、花に関するクエストを消化しながら王都ニーネスヒルやほかの町のランドマーク更新を行い移動しやすい状態にしておこうとシクセンベルト経由で王都ニーネスヒルへ。

 

 神代の鐵遺跡、シクセンベルト、翔風楼結の大河と言った移動経路だ。

 

 2エリア移動と言うことでシンプルに時間がかかり、たどり着いたころはド深夜だ。

 

 そんなこともあってかキリトは装備をサクッと変えて疑似改宗[夜襲]を町の街灯を受けていることで隠し、宿へ向かった。

 

 セーブポイント更新して今日は寝よう。そんな心積もりだった。

 

「へーいそこの彼女」

 

 キリトは町をグルグルと回りながら宿を探していると、やや鈍りを感じさせる声掛けに会った。

 その声にあまりにも気軽さと言うかナンパ目的ではないような、そんな気がしてふと振り向いてしまった。

 

 そこにいたのはJ・Pと言うプレイヤーネームの金髪にテンプレートな外国人顔と言った所の彫りの深い顔立ちの男性プレイヤーだ。

 

 シャンフロにて深夜帯プレイヤーはいなくはないが、比較的少ない印象を持つ。

 学生プレイヤーが多く存在したらしい夏休みが終わって数週間経てばなおさら。

 

 つまりこんな時間にプレイしているのは廃人社会人もしくはニートゲーマー。

 

 そしておま国問題を解決した外国勢。

 

「おいおい、ナンパじゃないぜ?って言うよりスカウト。チーム募集とかじゃなくて、ちょっとモデルになってくれないかって言うお誘い」

 

 身振りが大きいその男は大げさに勘違いしないでくれよ、と言わんばかりに肩をすくめる。

 

「あ、自分これでも男性アバターなんで」

 

 そう言って断らうとするとその推定外国人プレイヤーは口に手を当て笑う。

 

 一応、こちらに配慮をしているのかしっかり顔は逸らしている。

 

「ク、いや、すまない。ボㇷ、そうだった。このゲームは容姿を自由に作れるんだった。あまりに完成度が高くて、俺の友達……ここではクラン、ゲホ、クランメンバーのことを思い出しちゃって」

 

 ……完成度のたっけー男の娘キャラやっぱ作る人いるんだ。

 

 彼は友達と言ったので現実の方がその男の娘の様な容姿、と言う可能性もある。

 

 

「ジャン、貴様一体どこで油を売っている」

 

 

 そこに現れたのは彼とは対照的に純日本人と言った黒髪の大変スタイルのよろしい男性。

 ゲーム内ながらに威風堂々としたその風貌に何らかのカリスマを感じさせる。

 

「なんだこの光景は。ジャン、説明しろ」

 

 電柱に片手をつき、うつむきながら必死に笑い声を漏らさないようにする男性とそれを死んだような目で見る男の娘と言うシチュエーションに当然の様に男性はツッコミを入れた。

 

 

 〇

 

 

「それでお前はこの馬鹿に絡まれていただけか、迷惑をかけたな」

「あ、お構いなく」

 

 キリトは王都ニーネスヒルの一角に存在するアトリエの様な空間に呼ばれ、茶を出されていた。

 

 うちのバカが迷惑をかけた、とJ・Pに鋭い蹴りを入れながらなんやかんや連れてこられたキリトはどんな状況だ、と困惑していた。

 

 我が友の愚行に謝意を示さねばならん、とPN:i-onさんの圧のこもったセリフに「あ、はい」となった形である。

 

「このゲームで公開されている装備はあらかた記憶したが…そんな装備でよくもここまでソロで進められたものだ」

「あー、メイン防具はユニーク由来なので……」

「裁縫系か」

「区分的には…?」

 

 甲冑タイプではないので、区分的にはおそらくと言った所。

 

「我々は現実で服飾関係に従事しているが故に、この世界の、哲学さえも語れるNPCの作り出す装備に興味を示している。ゲーム内で流布することはしないと誓おう」

「……はい」

 

 キリトはi-onのやけに強い圧に負け、装備を[赤交わる魔術師・赤原]に変更する。

 

 するとi-onの眼の色は変わる。

 

 

「紅茶装備じゃん」

 

 

 先ほどの圧は一体何だったのかと言わんばかりの、オタク丸出しの鳴き声がこぼれた。

 

 

「あ、転生者の方でしたか」

「ん゛貴様も転生者か」

「いや遅いだろ」

 

 さっと取り繕うi-onにJ・Pは冷静にツッコミを入れた。

 

 

 

「……転生者に対しての初見トラップが過ぎる」

「まぁまぁ、別の作品のガワ転がいるって気が付けて良かったじゃん」

 

 i-onは“うせやん”とソファーで横になり、J・Pがケラケラ笑っている。

 

「はぁ、改めて自己紹介だ。俺はi-on。ここではイーオンだな。知っているか知らないかはおいておくがギャルゲーの類いの作品からのガワ転だ。隣のコイツも同じ作品出身だ」

「J・P、気軽にジャンで良いぜ」

「俺はキリト。どこの登場作品かは知らん」

 

 キリトがそう言うとイーオンは続ける。

 

「……このライトノベルがすごい!で2年作品別部門で一位を取った作品の主人公だろお前。もしかして2010以降生まれか?ジェネギャで死ぬぞ」

「いや、世紀末前」

「ふぅ、中身はさほど離れていないか。落ち着いてオタクトークが出来そうだ。そこのバカはギャルゲエロゲ特化で役に立たん」

「おいおい、そのバカに助けられたのはどこのどいつかなぁ?」

「やかましい」

 

 彼らはそれなりに長い付き合いらしく、躊躇いのない関係に少し笑みがこぼれる。

 

「お前の作品関係で説明が要るならいつでも話そう」

「ありがとう、一応俺と同じ作品の転生者にも遭遇したけど俺が動かないことでなんかやばい事が起きる訳じゃないみたいだから別にいいかな」

 

 イーオンはそうか、と一言つぶやき続けた。

 

「では、この世界の原作については知っているか?」

「それも知らないな、特に気にもしてない。デスゲームってこともないだろうし」

「一応話しておこう、と言うか話をさせろ。オタクは常に語り相手に飢えている」

「お、おう。転生者に会うたびにこのパターンに覚えがある」

「なら話が早い」

 

 この作品はVRゲーム:シャングリラフロンティアが舞台でクソゲーハンターが主人公でどったばった。

 時には別ゲーをしたりしながら主人公の変態プレイスタイルが特徴的な作品だという。

 

「原作はWeb小説。もっとも俺がガワ転した時はまだ完結していなかったから、正確な情報と言えるものも多くないがな」

「原作との乖離は?」

「俺が知っている限りは知らんな。ちなみに主人公は青い鳥アタマの半裸装備のサンラクと言うプレイヤーだ」

「あれかぁー」

 

「知っているのか」

「一応フレ」

「……あれ、ツチノコハシビロコウだろう」

「原作知ってるなら分かるかもしれんが、ラビッツのフリーパス持ってる…」

「さすキリ」

 

 うわー、何というかガワと中身のギャップがすごい。

 めっちゃイケボなのにオタクトークに走っているのが特に。

 

「……それ、キャスターにも言われたんだが流行ってるの?」

「ナニ、Fate関係のガワ転も存在するのか!?」

「俺のオンリーユニークで遭遇した」

「おお、ちなみにどれだ」

「男の方のキングメーカー」

「チッ」

 

 プーリンなら死ぬほど着せたい衣装が山の様にあったと言うのにッ!と言う服飾系に強いオタクの力強い叫びが聞こえた。

 

 ……征服換装については黙っておこう。

 

 ん、いや待てよ。

 

 キリトの脳内に一つの疑問が浮かぶ。

 

「一応聞くがこの作品のヒロインは?」

「原作者の加護が強すぎるサイガ-0。ヒロイン枠と呼ばれるヒロインはかなりいるが原作者のナーフがあまりにも強い。この時空でも恐らく最強だろう」

 

 ほっ。

 

 キリトはもしかしてディプスロさん、ヒロインだったのではと血の気が一瞬引いたがイーオンのセリフで蘇生した。

 

 作品ベースとは言えこれがリアルなのだから何があったとしても不思議ではないが盛大なヒロイン略奪となるとオタクの精神としてちょっと、と言う感情がゼロではない。

 ……まぁ、紗音に関しては腹を括っているので今更どうこうという話ではないが。

 

 露骨に安堵したキリトにイーオンは尋ねる。

 

「……もしかしてだが推定ヒロイン枠をコマしたのか、流石キリト」

「ノーコメントとさせて頂く」

「ウェディングドレスのデザインに困ったらいつでも言え、俺は二次創作に寛容な男だ。何時でも用意しよう」

「え、なにクソ可愛い女の子のウェディングドレスデザイン?良いもん作るぜ、一応俺らこれでも自分のブランド持っているようなデザイナーだからな」

「それは…検討させてくれ…」

 

 え、何、原作の俺ってそんな印象なの?

 キリトは予想外の方向からの攻撃を受け顔を伏せた。

 

「となると、原作メインヒロインは負けか」

 

 なに、出会ってなければアレはない。さほど問題はなかろう。

 そう言いつつイーオンは茶を呑む。

 

「そもそも原作ヒロインを知らんのだが」

「ここで俺が伝えるのも野暮だろう。一つ言えるのは原作にカップリング要素が存在し、ヒロインがそのカップリング相手に落ちると“性癖固定”と言う特殊状態に陥る。原作カプよ幸せになれ、と言った所か」

 

 もしくは原作開始した場合のスムーズな進行のためか。

 と言っても本人が失恋を自覚した瞬間解けるものだ、と。

 それに元来の好みがある程度一致していなければそもそも発動もしない、とも。

 

「難儀だ……」

 

 …?

 そう言葉を零すと同時にもう一つ疑問が浮かぶ。

 

 もしかして大学時代の知り合いの通訳の奴が零していた負けヒロインと言う単語はこれに関係するのか…?

 

「後、解除条件を上げるとすればその対象以外との接吻だな。事故チューだろうと人工呼吸だろうとマウストゥーマウスはそれに適応される」

「お、おう」

「故にこの世界で既に伴侶を決めているのならさっさとやることをやってれば浮気に泥沼大騒動もない」

「やけにお詳しいですね?」

「愚弟がギャルゲーの主人公、と言えば察しは着くだろう」

「なるほど?」

 

 ……野暮なことは聞かんでおこう。

 

「流石に未成年の秋津茜とかなら、その、自重しておけ」

「違うが?」

「なんだ違うのか」

「一応フレで、こう、NARUTO由来の忍術スキル渡しちゃったけども、それは違う!」

 

 ひどいお世話だ、とキリトはどっと疲れを覚えた。

 

「――え、何そんなロマンスキル実装されてんの欲しい」

「おーいガワ、ガワかえってこーい」

「ん゛失礼した。オタクの血が、な」

 

 ちょこちょことイーオンの中身がこぼれるたびにジャンのツッコミが入る。

 

「流石に俺もNARUTOなら知ってるぜ、何、この世界そこらへん歪んで忍者になるとそこらへん習得とかできんの?」

「あー違うんだ。人力TASでスキルを作れる方法があってそれで生産した。ワンオフなので再生産不可」

「残念」

「無念」

 

 やっぱ国民的アニメはギャルゲエロゲ特化だろうと知っているのか。

 

「バカほど難しいが魔力放出系スキルがあれば原作同様の修行すればできなくはない。システム外スキルってやつだな」

 

 燃費もクソだけど、フレ一名体得済とキリトは続けた。

 

 そう言いながら指先に極小螺旋丸を生成する。

 

「さすキリ、システム外スキルはお手の物か」

 

 え、何、原作の俺もシステム外スキルでやらかすタイプだったんでしょうか!?

 キリトは予想外の方向からの情報と言う名の攻撃を食らい、その驚きで極小螺旋丸は霧散する。

 

「つまり、水風船のあの修行からできるのか」

「魔力の超精密コントロールできれば行けるな」

「ふ、このゲームで裁縫師の最上位職至布匠(グランクチュリエ)宝石匠(ジュエラー)を舐めないで貰いたい。魔物素材を糸にすることだってできる。その程度ロマンの前には無意味!」

「おぉ…」

 

 強い、どんな職かぶっちゃけ知らんがなんか強い気配を感じる。

 

「いい情報が聞けた。礼と言っては何だが素材があれば好きなデザインの服を用意しよう」

「これがあまりにも目立つから別の装備、確かに欲しいな。素材、素材、とラピステリア星晶体一等星、黄金独蠍の命晶核…よりは水晶群蠍のガワの方がいいか?それとも―――」

「いや待て、さらっと入手困難素材出すな」

 

 イーオンが礼だ、と装備を作ってくれるというのでキリトは手持ちのなんか使えそうな素材を取り出し始めるとイーオンに止められる。

 

「参考に聞かせてくれ。水晶巣崖で水晶群蠍…どころか黄金独蠍まで倒せるのか」

「斬ればいいだけだろ」

「さすキリ、お前がナンバーワンだ」

「シャンフロ初めて2ヶ月未満の初心者ぞ」

「……レベルは?」

「141」

「人はそれをトップ帯と呼ぶ」

「気のせいだろ?」

「気のせいであってたまるか!?」

 

 ド深夜の王都ニーネスヒルにイーオンの叫びが響き―――渡ることはなく、ただアトリエに反響するのみであった。

 

「まぁ、いい。うん。ラピステリア星晶体一等星をさらっと取ってくるあたりさすキリ。そう思わないとやってられん」

「ひどい言われよう」

「とりあえずこのラピステリア星晶体一等星を貰おうか、他の素材はこちらでどうにかする。デザインの希望はあるか」

「これよりおとなしければ……魔術師系で」

「分った。定期的にラピステリア星晶体二等星以上を供給してもらえると助かる。宝石匠の転職条件にも関わってくるからな」

「はいよ、俺も正直宝石持て余してたから助かる」

 

 そう言ってキリトは格納鍵インベントリアのウィンドウを開きそれなりの宝石を片っ端から取り出していく。

 

「まてまてまて。え、何お前はインベントリア持ちか?ウェザエモン戦のクリア者にないしリヴァイアサンもベヒーモスもまだだよな」

「キャスター関係案件」

「転生者案件、なるほどな。ってなるかぁ!」

 

 いや、お前もだいぶ情報こぼすやん。

 へーリヴァイアサンやベヒーモスが何かわからないけど格納鍵インベントリア手に入るんだへー。

 推定汎用アイテムなんだへー。

 

 キャスター説明転生者相手には便利過ぎだな?

 この美形ノリツッコミが上手い。

 

 チートだチート、チーターがおる…と推定キャラ崩壊起こしかけてるイーオンを放置して今度はジャンが話しかけてきた。

 

「なーなー、イーオンから聞いたんだけどインベントリア持ってるならロボット持ってんの?」

「規格外戦術機と言う括りなら持ってるが、こてこてのロボではないな」

 

 俺が有しているのは魔法少女のステッキです。

 

「マジかー。この世界のロボもの何と言うか1stガンダムみて育ったおっさん的には、パチ感が強くてなぁ…それでもロボに憧れが止まらなくてこいつに唆されやってんだけどさ…いつ会えるんだロボォ…」

 

 あーロボスキーでいらっしゃったか。

 そう考えると口からポロっと情報がこぼれる。

 

「あー、今度出るぞ」

「え、ネフホロ2の話?無印ならストーリークリアまでやったけどあの癖つよゲー改善してもアーマードコア未満的な物足りなさがなぁ……」

「いや、ビルドでダイバー的な話」

「―――どこ、どこの会社?!100万ユーロくらい開発資金ぶち込みたいんだけど!?」

 

 ……あ、やっべ。

 

 推定海外からまるでラグなしでログインしてる勢が金持ってない訳がないんだよなぁ…。

 ユーロっておい。

 

「JGEを待て」

「まぁ、発表予定があるなら、待とう。で、どこまで出来んの?」

 

 よかった、良識ある金持ちだ。

 金持ちってやつは金で顔面殴っとけばどうにかなると思ってるからめんどくさい。

 

 俺?人生数周できる金あるから効かんぞ。

 権力と圧には負けがちだが。

 

「プラモ全般読み取って、自分で金属質とかエンジン設定とか、油圧駆動とかそこらへん決めてプラモバトルな感じ」

「うっわ、そこまで出来んの神じゃん」

「一応、ジオラマオタもニッコリ仕様にもしてるからとりあえずプラモ組んで待ってて」

「おk、把握した」

 

 いやー長生きするもんだわーと事も無げにジャンが言う。

 ‥…まぁ、転生者に年齢なんてブラックボックス聞いちゃいけねぇよ。

 

「おい衣遠、お前趣味プラ工場持ってたよな」

「これだからVR作品主人公h―――何だジャン、なんか言ったか」

「だから趣味プラ工場持ってたよな?」

「ん、ああ。趣味プラ工場は持っているがどうした」

 

 え、金持ち転生者って趣味プラ工場持つのがデフォなの?

 怖いんだけど。

 

「もうすぐ発表されるとさ」

「何がだ」

「ビルドでダイバー的なゲーム」

「何?!そんな話聞いたこともないぞオイ、どこの会社だ今すぐ出資させろ、口出しはしない資金供給だけだ。あわよくば先行体験できれば20億円くらい突っ込むぞ」

 

 うわー、この人も桁の違うお金持ちだ怖。

 

「待て待て、JGEで公開されるって言うから自重しておこうぜ?唐突な金で殴られて開発停まる方が困るだろ?」

「―――ふむ、それも確かだ。少々気が狂った。それで、どこ情報だ」

「そこ」

「指ささないでクレメンス」

 

 この二人、ロボに関しては完全に語り合えるのか。

 むしろロボで仲良くなった説あるぞ。

 

「おい、その話ウソだったら俺の全権限もって捻りつぶすからな」

「うわこわ、怖すぎて開発停まっちゃう」

「すみませんでしたァ!」

「……ここまで壊れてる衣遠見るの初めてだわ」

 

 情緒不安定では?

 

 いや、供給過多になったオタクの図か…?

 

「俺はあくまでメインエンジニア。運営は別の転生者の会社。JGEを待て、以上」

「Oui!」

「承知した」

 

 ふぅ、なんで転生者相手の会話ってこんなに疲れるんだ?

 今日だいぶカロリー使ってるぞ。

 

 

「ん、お前エンジニアか?」

「あ、うん」

「‥…そんなすごいゲーム作れるエンジニア、居たか?」

 

 最近始めたばかりか…?

 なんて呟くイーオンに極めて軽い返事をする。

 

「本業はこっちだけどな」

 

 そう言ってキリトは数回頭部を叩く。

 

「…?」

 

「VR機器開発」

 

「―――VR機器開発、キリトってことは、桐ケ谷いや旧姓の方か。それで和人つまり―――神か」

「何でやねん」

 

 キリトは思わずツッコミを入れた。

 まぁ、明らかな富豪転生者多すぎ問題はさて置き、何というかあふれるカリスマと和人のヤベー金持ちたちとの会合経験からこいつガチの金持ち判定をしたので、隠した所で時間の問題だろうと軽くゲロった。

 

「服に困ったらいつでも言え、と言うか衣食住に困ったらいつでも助けるからな」

「うわ、急に優しコワ」

「ビルドでダイバーな関係で著作権問題が発生したらすぐに握りつぶすことを誓おう」

 

 と言うかロボものが出てる出版社の株主総会で大体口出しできる程度には抑えてある。とイーオンは続けた。

 再度遭遇した時の様な圧倒的強者の圧に変わる。

 

「コワ」

「だから露骨なバグ、残したらどうなるかわかるな?」

「今のところバグないんで大丈夫っす、はい。ロボ好きニッコリ仕様っす」

「先行体験は?」

「JGEでブース作る予定です、はい」

「ククク、ならばそれでいい。ハハハ、ハーハッハッハ!」

 

 あ、壊れた。

 

 

「ちなみにアレが平常運転な」

「さいで」

 

 ジャンさん割と辛辣だな。

 

 

 なおその後、派閥的に引きずり込まれそうになったが彬茅の庇護にいると分かると「…アレの派閥か。その、強く生きろ」と同情された。

 

 彬茅社長が学生時代の先輩だった?若い頃ならともかく今は積極的に戦いたい相手ではない?

 

 俺、早まったかなーなんて、キリトはほんの一瞬思い浮かべた。

 

 

 それはそれとして彬茅と言うことはつまりアレを落としたのか。やばいな、さすキリ。と別種の戦慄をされたことに妙に納得がいかなかった。

 

 式場に困ったら全国(全世界の意)どこでも抑えられるからな、とヤベー金持ちの縁が出来ました。

 

 そしてフレンド登録をし、装備が出来たら連絡をしよう、と別れニーネスヒルの宿屋で速攻セーブポイント更新してログアウトした。

 

 

 キリトは次の日、と言うかその日の午前中は完全熟睡した。

 転生者との会話は消費カロリーが高すぎる。

 

 ほとんど自爆の様なものだけど。

 

 

 




・服飾クラン・コクラー

 某作品の華麗なる一族の総帥秘書がクランリーダーを務めるクラン。

 裁縫系防具がプレイヤーメイドでは現状最高峰。

 サブクランリーダーは某男の娘系主人公。
 転生特典に原作の全ルートの記憶をぶち込まれてしまったが結局メインヒロインは強かった…

 時間軸?ルナアフターアフターから数年ですかね…(適当)
 2のキャラはまだ生まれてない、うん。

 この作品のガワ転にありがちなキャラの年齢ぐっちゃ仕様。
 原作の記憶由来の引っ張っているのと完全に別世界産の魂オンリーとごっちゃ。

 大人組が少し若い感じ。
 
 やっち―は年齢的クリスマス位に蛇に捕まりましたが夫人とか生に合わないと言ってメイド生活してます。
 蛇は定期的に嫁を愛でるついでに弟夫婦揶揄に桜屋敷に襲来してるよ。

 とあるの青ピとお兄様のCV同じって気が付いたときの衝撃よ…

 服飾のガワ転生ならシャンフロと同じマガジンのランウェイで笑ってのほうが正当だろうが?
 それはそう()

・サイガ−0
 初期から女性アバター使用
 ルルアスのアレに近い。
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