何も知らない鳴坂和人くん(22)   作:スティック/糊

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感想感謝茄子。

プロポーズシーンは番外編に持ち越しです()




おしごと

 

 だいぶ混沌とした土日だったと和人は振り返る。

 

 とりあえず言えるとしたら、土曜の夜は大変なことになってまともに動き出したのは日曜日の昼前で「なんか今出しておくと都合がいい気がする」と既に証人に彬茅社長と門河さんの名前の入ったシンプルな紙に名前を書いて夜間休日受付窓口に出したことくらいか。

 今年の誕生日は赤口で、日曜日は先勝だったのでまぁ良いのか?

 10月の半ばくらいにだいぶ縁起のいい日が来るが、とは言ったが正式に結ばれて迎える最初の日以上に縁起のいい日はないとのこと。

 

 ……こう言うのって、両家の顔合わせとかそう言うのあるんじゃない?と思いながら事後報告になったなと両親と妹に嫁に来てくれる奇特な人と結婚したと連絡した。

 

 妹はすっごいライトに「おめでとー」

 母は「おめでとう。その、連れてくるときは、一週間前くらいに連絡を貰えると助かるわ」

 父は「もう成人した大人だ。お前が生涯寄り添えると思った相手なら何も言わない。おめでとう」

 とのこと。

 

 フリーダム過ぎたかも知れねぇなと思いつつ、馬鹿みたいに重い動作で彬茅の社長にも娘さん貰いましたとの連絡を入れたら「あの時から既に送り出したつもりだよ」との談。

 

 それはそれとして義理の息子と飲み明かしたい、との圧を掛けられたので予定を確認するとJGEが終わったころに、となった。

 あの狸との飲みはシンプルに疲れる。

 

 ……それより先に両親とどっかいい飯食いに行っておこう。

 

 同居に関しては、ひとまず紗音がこちらに転がり込んでくることに。

 

 手狭に感じるようなら、セキュリティも何も文句をつけようのない良い物件が確保されているらしい。

 ……手際がいいなぁ(白目)

 収入には困ってないからいいけど。

 え、既に購入済み?ささやかな結婚祝い?

 

 ……規模がおかしいよ彬茅ァ!

 

 和人は人知れず部屋の隅で声にならない叫びをあげた。

 

 あと門河さんの雇用をこちらに移してもらった。

 

 彬茅の社長は、自分が健在の限りはこちらで構わないと言われたが、一家の大黒柱になったのでこちらで御給金支払わせてくれとだいぶバトった。

 もとよりあの子の専属だったからね、と雇用を移してもらえたけれども。

 

 実質的な引き抜きだからね……だけど、俺がすぐ動けない時の助けは欲しい。

 

 こんな若造で申し訳ないですけど、と門河さんにも頭を下げたさ。

 彼は笑って動ける限りお嬢様の元で仕えることが出来てうれしいと話した。

 

 たすかるぅ。

 

 次期の後任として彼の娘さんも雇うことに。

 大変癖の強い女性だがまぁ、紗音の面接は通ったので良しとする。 

 

 どんな人か?顔のいい女に仕えたいヤベー願望拗らせた女中。

 

 ……頑張ってコントロールしてくれ紗音。

 

 え、大変扱いやすくて助かる?

 

 ‥…なにも言うまい。

 

 ……だいじょうぶかなぁ俺らの新婚生活。

 

 後日ちらりと遊びに来た妹は女中にもてなされて小動物の様になっており、それが彼女のツボに入ったのか大変甘やかされていた。

 いや、あのそこら辺の材料費とか手間賃もだしま―――え、自分のお賃金を美少女に貢ぐ時が一番生きていると実感する?ほどほどにしてください。

 

 最高の職場だぜ!と彼女は大変嬉しそうである。

 

 ……だいじょうぶかなぁ!?

 

 

 〇

 

 

 

 月曜、結婚指輪(仮)と、誕生日に紗音から送られた指輪を左手薬指に嵌め出社。

 正規の結婚指輪は後日買いに行く予定。

 

 新婚だぞスーツ着て、と強請られたのでスーツを着た。

 クリーニング、いつの間に…?

 門河女中に記念に、と写真を取られながらネクタイを締められた。

 心底幸せそうな顔をされると俺は何も言えん。

 

 金曜はユートピア社に伺っていたのでスーツを着ていたが、今日もスーツを着ていることに対して受付の方にツッコミを貰った。

 

「鳴坂博士、連日スーツなんて珍しいですねぇ…」

「妻にネクタイを締めさせろと強請られまして」

「‥…とぅま?」

「ワイフ、ですね」

「ご結婚、と言うかお付き合いされてた方いらっしゃったんですか!?」

 

 そう受付の方が驚いた様に少し大きな声を上げると周囲に人がわらわら。

 

「博士ご結婚ですか!?」

「おめでとうございます!」

「く、チャンスの芽はなかったか…」

「衝撃の事件!?」

 

 祝福された。

 

 そう言えば、大変お世話になっている重村さんにも連絡しておかねば…。

 

 昼頃に連絡を入れると「なんだ、証人のサインくらいしてやるつもりだったのだがね。まぁ、家庭を持ったのなら蔑ろにして私のようにはならないように」との言葉を頂いた。

 

 

 

「あのー鳴坂博士、JGEのブースの件ですが…それとJGEの広報が後ほど謝罪に来るそうです」

「製品は以前の会議決定したのは仕上げてあるから、PR関係の作成はよろしく。来場者に機能についての要望とかのアンケート取っといてもらえると助かる。広報の人は……なんか適当に対応しておいて」

 

 午後、カムラの営業部広報関係の人が来月のJGEの話を持ってきた。

 

 JGEの広報、ねぇ……体感的にスッゴイ昔のことだから忘れそうになってた。

 そう言えば金曜日にそんなメール送りましたね。

 これで現実では土日挟んだだけだと言うのだからびっくりだぜ。

 

「あ、はい。そのように総務に伝えておきますね。アンケートの方ではお隣のブースのレクト社との共同でアンケートの抽選式でオーダー式の下位モデルのプレゼントか、最上位枠で検討をしているところです。博士の個人エリアの方は……」

「電源の確保はお願い。設営の時に向こうから手が来るって言うから、機材関係は大丈夫かなぁ」

「それは、承知しましたが……えっと、博士?」

「何か?」

「向こう……とは?」

 

 そして、JGEと言うか政府関係のちょっとそこらへん噛んでる方面の圧力で博士も個人的に噛んでることなんかだせやブースについての質問が上がったので希望通り回答すると、すごい遠慮がちに質問を投げかけられた。

 

「ゲームのシステム作ったからその運営会社の人」

「……ちょっと待ってください。ええ、確かにそこのブースは博士の自由枠です。自由枠、ですが!あんな小っちゃい規模の範囲でとんでもないことをやらかそうとしないでください!」

 

 営業部広報課:曾我部敦(33)、キレた! 

 

「特に宣伝打ってないからいけるかなって」

「そんなお茶目に言わんといてください!?え、これ広報には?」

「あんな出来事あったのに言う訳ないじゃん」

「JGEを混沌に陥れる気か!?」

「混沌何て、そんなそんな」

「混沌以外の何物でもねぇよ!」

 

 突然の爆弾に曾我部は敬語をどこかにぶん投げ混乱ゲージを爆発させた。

 

 昨年は、まだ大学生やっていたのでそのブースはなかったが今年は「なんか思いついたらなんか作る」と非常にゆるふわな回答が来ていた。

 流石に、ちょっとヒトがわちゃわちゃとしてうちのブースにもついで寄りしてくれる人いるだろな、くらいに思っていたらこれである。

 

 そうだこの人シャンフロ作った継久理創世と同類のやべー人だった!

 

「……え、あれ、博士今年ARスポーツ関係の発表もありましたよね?」

「オーグマーの概要説明、広報がやってくれるからいいかなって」

「かなじゃねぇよ!阿呆博士!」

「切れんといて」

 

 やっぱヤベー人だこの人!鳴坂博士はすっごいナチュラルに普通の人面しているからすっかり忘れそうになっていた、と曾我部は気を引き締めた。

 

「ここでキレても仕方ない。むしろここまでやらかしてない方がおかしいまである」

「ひどい言われよう」

「博士はそれだけのことをやらかしている自覚を持ってください!まぁ、良いですJGEの広報来たら脅して枠取ってくるんで」

「向こうで事前準備してる機材ってものが――」

「い い で す ね ?」

 

「あ、はい」

 

 和人はさっとゼムリアに『規模でっかくなりそう』とメールを送ったら『そんな気はした。と言うかその規模で大惨事を起こすおつもりで?』と帰って来た。

 えぇ…。

 

「……ちなみにどのようなゲームかお聞きしても?」

「周囲にゲロらない?」

「ポロリしません」

 

 先ほどの激昂ぶりを落ち着かせるように、ちょっと軟らかめに和人は話し始める。

 

「その、小さい頃プラモでビュンビュン俺の機体は最高にかっこよくて強いぜはしたことは?」

「あります。と言うか現在進行形で休日は積みプラ崩してます……まさか?」

「自分のプラモ、操縦したいと思ったことは?」

「人生で睡眠をとった回数と同じくらいは……まさか?」

「自分のプラモ読み込んでコックピットに乗るVRゲーム、作っちゃった」

 

 ARデバイスで現実で操縦席作るのも検討中、そこまで言うと曾我部は崩れた。

 

「……神よ、先ほどまでの無礼をお許しください…」

 

 流れるように曾我部は土下座の体制に入った。

 彼自身人生でそう土下座の経験はない。せいぜい大学卒業時の教授との単位交渉の際くらいである。

 

 それほどまでに――本能的に床に頭を付けていた。

 

「先行体験は無いです」

「――え…」

 

 曾我部は必死に縋るが、現実は無慈悲。

 発売日も教えられなかったが、翌日から曾我部のデスクの上には1/120スケールプラモが置かれるようになった。

 

 同僚はだいぶ訝しんだが、真似をするようにちょっとしたフィギュアを置くようになり、部署内にそれは伝播した。

 

 

 鳴坂博士の自由枠(仮)は3倍のサイズで壁際に配置された。

 

 ……これが壁サーかぁ。

 

 和人はだいぶ違う感想を抱いた。

 

 その後、GH社から進捗が来た。

『なんですかあのクソカッコいいの!?ゴールドバーグ氏から送られてくるプレイ動画で社内は大変なことになっているんですが?!』

 ついにエクストラのアベンジャーズステージに到着したらしい。

 ……その内落ち着くやろ。放置。

 

 

 〇

 

 

 その夜和人はひとまず数日分の着替え持ったまま同居を始めた紗音の手料理食べて、不思議とスッゴイ久しぶりな気がするシャンフロにインした。

 紗音?予習、予習だからとGGO(初期仕様)のデータロックを解除したのを持って先にベットに行った。

 VRチェアもう一台、用意するかぁ?

 どうせなら早めに引っ越し計画立ててそっちに運び込むかな。

 ここはここで和人のニコニコ一括払いの個人所有部屋なので焦る必要はないし、作業部屋扱いにするかなぁ

 

 ……何してたっけぇ。

 

 なにか特別なことをした覚えはないからそれはいい。

 

 ……あかん、割と本気で何やってたか思い出せない。

 

 体感的には数年ぶりのゲームをやっているまである。

 あんなSTL長期間ダイブいつぶりだっただろうか。

 

 とりあえず感覚を取り戻しに、アヴァロンウォーキングだな。

 

 そう思ったら伝書鳥。フクロウ。

 

 ……この展開なんか覚えがあるな。

 

 ――――

 サンラク

 

 ログインしたならちょっと前線拠点で会えない?

 こちらにはエムル射出の用意がある。

 後、新大陸産のツァーベリル帝宝晶のご用意があります。

 ――――

 

 

 ――――

 キリト

 

 天丼かな?

 ――――

 

 

 未知の宝石かぁ…何が出るかわからんけど行くかぁ…




AC6のチート民狩りを幕末呼びしてる人いて笑った。

体が闘争を求め続けてた強化人間、もしくはイレギュラーはやっぱちげーわ(震え声)
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