何も知らない鳴坂和人くん(22) 作:スティック/糊
こう言う二次書いてるから久しぶりにガンプラ組むかとエアリアル(改修型)素組みしてた。
胸部のクリアパーツが中々差し込めない上にパーツをどっかに飛ばす(一敗目)見つかった。
足パーツの脛部分裏表ミスる(二敗目)
足パーツ完成したぜとはめ込むが股関節部に接続するジョイント180度ミスって腰が高い(三敗目)
気がついたら深夜だったぜ(AM1:33)
真登香の学校の文化祭の翌日、日曜日。
アニメの放送時間で言うと25時とかそういうアレ。
要は日付が変わってすぐのこと。
キリトは久しぶりに(?)ディプスロとシャンフロにインした。
相変わらず海外からインしているという男、イーオンに妻を紹介していた。
きっかけと言えば、ログインしてディプスロと合流しPvPでもします?とちょっと3次元的機動が恐ろしく上手くなった彼女のHPを半分切った所で伝書鳥。
“鉛筆”か“鳥”がまた変な悪だくみでもしているのか、と思って手に取ると差出人はイーオン。
ネタ装備が出来たぞ、とのことだがディプスロと一緒にいるから後にするか、と返信を書こうとした所で、ディプスロストップ。
「そのえっな衣装作った人?紹介してほしいなぁ」
と言うことで、イーオンに嫁連れてって良いかと聞いたら二つ返事でオッケーが出たので連れて行った。
王都ニーネスヒル、服飾クラン・コクラーの拠点であるアトリエ。
そこに足を踏み入れるとアルゼンチンバックブリーカーをメイド服の女性に食らっているイーオン。
その光景に拍手する蝶っぽいデザインの服を着た女性。
「……何この光景」
「ぬ、よく来たなァ゛」
「お兄様、我が家への来訪予定放り出してゲームに入り浸り、あなたの奥様、しょぼくれているんですけど!理由のご説明をお願いしますッ!」
「ア゛アラサーにこのような無茶な、プロレス技を掛けるでな―――アッ」
「あ、上の兄逝きましたね」
「いや、だから何この状況」
キリトと紗音は呆然とその光景を眺めていた。
「こちら、妻」
「妻です」
「こちら、金持ち」
「金持ちです」
「金持ちの総帥です」
「一般服飾業です」
しばらくして落ち着いたらしい彼らと、復活したイーオンによる説明によって誤解が解けた。
簡単に言うと、イーオン氏ちょっとゲームに夢中になりすぎて飛行機に遅れたぜ☆
それを咎めるためにやって来たイーオンの妹と弟が彼に折檻しているところにキリトたちがやってきた訳である。
‥…あれ、蝶の人総帥とか言いませんでした?
気にしたら負けやな。
気にせんとこ。
「あ、大蔵の…」
…あー奥様?
知っている感じで?
「うわ、高速で身バレしたんですけど!?」
「私もその、カテゴリ的に金持ちの令嬢でしたので」
「とりあえず、ココはゲーム。オッケー?」
「そうですね。あまりリアルを持ち込むのは良くないですね」
ディプスロから外部メッセージ機能でメールが飛んでくる。
紗音:
とんでもない所の人とお知り合いとか聞いてないんだけどなぁ?
和人:
申し訳ない
紗音:
ゲームはゲームで割り切る人で助かったぁ…
「……すまないがキリト、一つ質問をさせろ」
「あ、はい」
「…この清楚の化身みたいな令嬢は…?」
「妻です」
「そうではなくてだな」
スッとイーオンが近づいてきて質問をしてきた。
曰く、原作を大まかに知るというイーオンは目の前のディープスローターが知識に存在する彼女と一致しないのだという。
曰く、万能性の八割を下ネタにつぎ込んでいるタイプ。
「あー、当初はそんな感じでしたね」
「……一体何があったんだ、まぁ、さすキリ、さすキリ。気にしても仕方あるまい」
「ひどい納得のされ方をした」
「ひどい風評被害を感じたなぁ…」
「気のせいだ」
ちょっと端っこに移動させられたキリトはディプスロの元に戻ると、ジト目を向けられた。
キリトはログアウト後【昨晩はお楽しみでしたね】コースを歩まされることが決まった。
「オチは転生者、旧友と盛り上がっていたと言うことで安心しました」
「ちゃんと顔を出してくださいね」
兄の折檻にやって来たflyとアサヒの二人とフレンド登録した後、彼らはログアウトしていった。
と言うかイーオン既婚者だったの?
だいぶフリーダムにされていらっしゃいますけど。
……俺も人のこと言えないな?
「本題だったな、これだ」
「……インベントリアの底にしまっていい?」
「着て」
イーオンから一つの装備を手渡され、何というか見ただけでお腹いっぱいと言うか…。
それをインベントリアにしまおうとしたらディプスロキャンセルが入る。
「コレ、完全にネタと言うか半分嫌がらせ入ってるよね?」
「そんなことはない。いきなり最上級レベルの素材をポンと渡された俺の身にもなってほしい。オーダー通り肌面積は過去最低ラインだ」
「だからってバニーはないだろバニーは!」
「性能では正直今までで一番の上ものだ。後ノリノリで作ったのは義妹だ」
ストッキングで隠せばいいとちゃうぞ?
しかも燕尾タイプの仕様なので、露出しているところと言えばデコルテのあたりくらい。
濃いデニールなのは謎の配慮を感じる。
おのれまだ見ぬイーオンの義妹ィ…。
「クソわよ!」
「着て」
「……いつかな」
「言質取ったから。絶対胸の所ペロンするから!」
「発想が童貞!」
「VRならぁ、逆転プレイができるんだぞぉ?」
「あ、すみませんでした」
……イーオンは「あ、ディプスロの原型は見えるな」と一人納得した。
性能を担保にした結果女性専用装備になったため、キリトは妻に押し付けたい気持ちと、俺以外の奴が見るのか…?と二つの気持ちに揺れた。
どちらにしろ一度は装備させられる未来が決まった。
そしてセンシティブ判定で【警告:プレイエリア外】が出たためどうにか助かるのはまた別の話。
〇
「そう言えば新大陸はどんな感じだ?」
「え、知らん」
「同じく」
「今、天覇のジークヴルムのユニークシナリオEXに新大陸組は無条件参加ではないのか…?」
「初耳」
「受けるだけ受けたけど興味ないかなぁ」
キリトは例によってユニークシナリオ:Anotherの影響で受注すらできず、ディプスロも新大陸拠点でツチノコハシビロコウを捕獲する際になんか知らない内に参加になっていただけだ。
「……そうだな。何も物語通りに行く訳ではないか」
「イーオンさんってこのシャンフロの元になった作品知ってる感じですか?」
「遠からず、と言った所だ」
……え、なんか大規模なのが起きる感じで?
そんなことを考えていると3羽の伝書鳥が飛んできた。
「すまん、知り合い……鉛筆と鳥か」
「私のところは最大火力ちゃん」
「……お前らの交友関係どうなってるんだ」
噂をすれば何とやら。
ペンシルゴン及びサンラクから“次の週末に大規模ドラゴン狩りしようぜ!”
ディプスロも最大火力さんから同様のメッセージ。
「どうする?」
「……俺、ユニークの関係でこっちのユニークモンスターと戦えないんだよなぁ」
「じゃ、放置しよっか?」
「でも大規模ってことは、他にもドラゴン居るなら斬りてぇしなぁ」
「じゃあ行こう」
イーオンは目の前でなんかかなり重要な情報がこぼれている気がしたが、さすキリのやらかすことを気にしても仕方があるまい、と結論付けた。
「じゃ、素材おいて帰るわ。ツチノコ素材回収サービスと契約したからある程度入手場所分かればツチノコが回収しに行ってくれるからヨロ」
「あ、私も少しおいていきますね」
そう言って二人は断りを入れてから店を出ていった。
……この夫婦自由だな。
熟練度が上がるのはうれしいんだが。
イーオンはさらっと机の上に置かれたレア素材どもをどうしてくれようかと考えるが思いつかないので、今日はプライベートジェットで妻の顔見に日本に向かうかとログアウトした。
〇
「ドラゴンと聞いて」
「ジーグル、ドラゴンのことだけ耳が早いよねぇ」
ディプスロとすれば、転移門の一つや二つ気軽に開くところなのだがMP消費は程々にしておこうと簡単な移動方法を選んだ結果である。
「拙者、ドラゴン装備を纏うのが夢でして」
「くたばっても知らんぞ?」
「ええ、拙者逃げ足だけは早いので、脱兎のごとくってやつですな」
陰からこそこそ日陰者のごとくねちっこく意地の悪い攻撃が得意ですぞ、とのこと。
ヴァッシュの子供たちは皆何かしらの方言染みたしゃべり方が特徴で、ジーグルは“ネットスラング”の優しいバージョンと言う癖の強いしゃべり方をしている。
NEET魔法なる謎の魔法を使うらしい。
多分ヴァッシュの子供で一番ヴォーパル魂が低いのはコイツだろう。
「と言うか、その……兎御殿でぐーたらしてたら親父殿に訓練場に叩き込まれるので連れて行ったりして欲しい所存」
大丈夫かコイツ。
そんな目をディプスロに向けるが、彼女は大げさに肩をすくめて無理ぽ。
「今日はあくまでロケハン。実働は来週だけど」
「拙者自分の安全地帯を見つけるため行きますぞ」
「ヴォーパル魂どこ行った」
「む、親父殿やアッネやアッニみたいなことは言わないで欲しい」
「まー私もヴァッシュのオヤビンからこいつの矯正頼まれてるから適当に走りまわらせるけどね」
「アレでござるか!?アレでござらんよね!?拙者干物になるまで走り回ったり魔法発動したくないでござるぅ?!」
「……楽しそうだから連れて行こう」
「見てる分には面白いよ」
ディプスロがジーグルの首根っこつかんで飛んだのを確認し、キリトも飛んだ。
……あれ、もしかして兎御殿まで来たなら飛んだり海を駆けていくのも手なのでは?
「……え、前線拠点なのか?」
「考えること黒いなぁ」
指定されたエリアは前線エリア。
ユニークシナリオEX[来たれ英傑、我が宿命は幾星霜を越えて]
天覇のジークヴルムの撃破
もしくは
「赤竜ドゥーレッドハウル」
「緑竜ブロッケントリード」
「白竜ブライレイニェゴ」
「黒竜ノワルリンド」
「青竜エルドランザ」の討伐
そのどちらかが条件。
サンラクたちは黒竜ノワルリンドを天覇のジークヴルムにぶつけるという。
前線拠点で大乱戦、を組んだという。
……もう少し別の所でもよかったんじゃ?と思ったが既にそれで進んでいるという。
ディプスロさん、貴方昔アンダーワールドで同じようなことしましたよね?
「そ、そんな目で見なくてもいいじゃない。今はそんなことしな……しないよ?」
「オイこら、今言い淀んだなワレ」
「ちょっと……GGOでPK効率的に行う方法を模索してたらMPKって結構有用だなぁーなんてぇ」
……紗音を幕末に招待するのはやめておこう。
「あ、青竜エルドランザは既にナレ死してるよ」
「そうなのか?」
キリトはこっそり先に数体首飛ばしておいても良いだろうと目論んでいたのだが、既にエルドランザはくたばっているらしい。
「この前、ツチノコハシビロコウと決着付けるときにレイドボスに当たったんだけどね、その時のモンスターの中にいたみたいなんだよねぇその死体」
「マジか。海中生物なら誰にもバレずに討伐できると思ったんだけど」
「……邪悪ぅ」
「ハハハ、ディプスロさん程じゃないぞ」
「ログアウトしたら覚えておけ?」
「DV反対!」
それ私のセリフ!とディプスロにキレられながら、ド深夜過ぎてほぼ人の見えない前線拠点を見渡す。
「……城、城かぁ」
「今フロムゲーのこと考えてる?」
「概ね」
「アレ、ほんと鬼畜過ぎるんだよ。艱難辛苦までは別に覚えゲーだから対応できるけど、クナドノサエノカミ。アレは人間のやるゲームじゃないよぉ」
「でもクリアしたじゃろ?」
「見本見せてって言ったらノーダメでクリアされるんだもん!」
「アレも覚えゲーじゃぞ」
「あのAIシステムは覚えゲーって言わないから!」
……アレでRTA走ろうと思えば走れるんだがなぁ。
「え、もしかしてうちの旦那さん人間やめていらっしゃる?」
「がっつり人間だが?」
大変失礼なことをおっしゃる。
SEKIRO++をリィンに渡したらどうなるのか気になって来た。
普通に一発クリアしそうだなぁ…。
「あれ、ジーグルどこ行った」
「え、あそこ」
「何故秒でバレるのでせう?!」
「魔力糸、なんか応用したらすっごい便利でねぇ」
ディプスロは指先から伸ばしている細くマナを伸ばしたものの出力を少し上げて可視化しやすくした。
「こっち戻っておいでっ!」
「ヴォ、ヴォーパルバニーの耳をシバって持ち上げないでクレメンス!」
魔力糸を器用に巻き付けてジーグルの一本釣りを行った。
「……それ、よく切断しないバランス感覚で出来るよな」
「ひょえ?!」
「ほら、事前に適当なモンスター刻んで力加減覚えたからへーきへーき」
ディプスロはジーグルの一本釣りをした方とは逆の手で近場の木に魔力糸を巻き付けると粉みじんにした。
「はい、これがヴォーパル魂失った兎の末路です」
「ひょ、ひょえぇ!」
「そう脅してやるな」
「だ、旦那どのぉ」
「ルルイアスでクターニッドの刑くらいにしておこう」
「さらに難易度爆上げ!?」
この兎、打てば響くなぁ。
「流石に冗談だ」
「ほっ」
「実行は出来るけど」
「ぴ」
「キリトくぅん、ちょっと脅し過ぎだよぉ」
「つい」
なお、ヴォーパル魂がどっか行っているだけで芋スナ適性は非常に高いことが分かった。
身を隠す位置決めめっちゃうまい。
早く銃見つけらんないかなぁ。
ラピッドガンナー、後衛にめっちゃよさそう。
・門河女中「昨晩はお楽しみでしたね」
「いやぁ、回復したよぉ」
「(数時間で回復してやがるッ!これが若さか)」
「……くだらないこと考えてないでよ。旦那様」
「へい。あと下世話なのでやめような門河さん」
「失礼いたしました」
・最大火力「竜災大戦、どどどどどうしましょう」
ツチノコ「どったの」
後輩忍者「あ、聞いてください。ノワルリンドさんがですね―――」
最大火力「(なんかいい感じの流れになってるぅ!?)」
なんか原作っぽい流れになった。