何も知らない鳴坂和人くん(22) 作:スティック/糊
本編とは一ミリも関係ないです、たぶん。
とあるガワ転のお話。
カズマ、一般転生者。
幼馴染のひんぬーに誘われてシャングリラフロンティアで冒険者をやっている。
シャングリラフロンティアのプレイヤーの呼称は開拓者だろうって?
なんか知らないけど色々なギルドたらい回しにされて気が付いたらこんなジョブだ。
全ギルドをクビになって遊び人を経由したからかもしれない。
遊び人と言えば賢者に転職できるジョブとして少年心に刻まれているものだが、この世界には鳥山ゴットが存在しないらしく何処かパチくさいゲームばかり。
誰か簡単にゲーム作れるデータベースみたいなの無料配布してくれねぇかな。
それはさて置き。
冒険者、それは初期職の様にクソ雑魚な補正も大してないジョブだが、経験値をリソースとして3回以上見たことのあるスキルを習得することが出来るというある種の神ジョブだ。
消費経験値が大変クソ。
レベルダウンビルドとは違い、レベルが下がった分のポイントの割り振りも消滅する。
お陰でリリース当初からプレイしていると言うのに未だにLv.99に到達したことが無い。
Lv.98まではある。
スキル習得でゴリっと経験値持ってかれて再度一桁スタートした経験がある。
今日もスッゴイゲームことシャンフロをプレイしている。
「―――おパンツ見たい」
「……え、なんて?」
幼馴染でひんぬーで致命的に運がないこと以外は極めて善良なイタズラ好きな少女エリスが、カズマの真剣なまなざしから繰り出される極めてどうでもいい事に思わずツッコミを入れてしまう。
シャンフロの各町に存在している喫茶店のような店で人気は少ないので、この馬鹿の醜態はあまり知られなかったのが不幸中の幸いだろう。
この幼馴染もう少し余計なことを零すのをやめればすぐ彼女の一人くらいできそうなものだが、中々性格が外道しているので彼は彼女いない歴=年齢なのだとエリスはツッコミを入れた。
「聖女ちゃんのおパンツが見たい」
そしてシンプルにスケベ。
思春期男児としてそれは極めて健全なのだが、如何せんオープンにし過ぎている。
「エリス、華麗なる鬼札であるお前に頼みたいことがある」
「え、私聖女ちゃん親衛隊に目を付けられたくないからやだよ」
こう、どうしてこの男はここまでくだらないことに真剣なまなざしを向けることが出来るのだろうか。
エリスは先回りして断ると、そんなの関係ないと言わんばかりにグッと顔を近づけてきて彼は言う。
「パンツ見せてくれ」
「へ?」
いつになく真剣なまなざしに、不覚にも少し心が揺れてしまった自分がバカのようではないか。
「このゲームのインナーは脱げんわ!」
いや、リアルでも見せる気ないけど!
我これでもカトリック系の学校で後輩ちゃんたちから慕われている身なんですけど!?
あの面白おっぱいには負けるけど!
「それはともかく、聖女ちゃんのおパンツ拝みたいと思ったことはないか?」
「情緒!」
「更年期はちょっと早いんじゃないか?」
「まだ私は10代だよ!このクソボケ太郎!」
エリスは流れるようにカズマの顔面に回し蹴りを入れた。地面に這いつくばってキタねぇケツを高く上げながらびくびくしてる阿呆を再度蹴り飛ばす。
「手伝わない、絶対に手伝わないからね!」
そう言ってエリスは怒って店を出て行った。
〇
結局エリスはずるずるとカズマの悪事の片棒を担ぐことになってしまった。
ミッション系の高校に通ってるのに!
「こちら、本日お手伝いしてもらえることとなったおっぱ―――アクアさんだ」
今コイツおっぱい、おっぱいって言おうとした!
そう言って彼が紹介した女性は青髪の一部を御団子の様にくるっとまとめた一見神秘的な美人。
ムチっとしたボディをした男受けしそうなボディをしていた。
デブと言う訳ではなくボンキュッボン的なスタイルの良さだ。
「こんにちは、アクアです。今日は聖女ちゃんのおパンツ被れると聞いてやってきました」
……この声、同じ高校の水上白亜先輩だ!?
え、どんな確率!?
……と言うか先輩もパンツに釣られてきたの!?
「で、こっちがアリスさん」
「シャンフロで最も有名なNPCはパンツかインナーか、それを調べるために今日は来た」
なんかキリっとした表情でとんでもないこと言ってるよこの人!
むっつりの民か何かですか?
このゲームのCERO的にインナーだと思います。
「で、こいつはめぐみん」
「最大防御へ合法的に爆裂魔法ぶち込めると聞いてやってきました」
いかにも魔法使いと言った風貌のローブととんがり帽子をかぶって眼帯をしている少女。
君も
「今何か失礼な事考えませんでしたか?」
「ううん、一ミリも考えてないよ!」
考えていたのは事実だよ。
「今日はこのメンバーで聖女ちゃんのおパンツ覗きに行くぞ」
「すっごい真面目にカスみたいなこと言わないで欲しいんだけど!?」
「じゃ、今日の作戦を発表する」
「え、スルー!?」
カズマは淡々と、聖女ちゃんのパンツを見るためだけに唐突な作戦会議を進めていった。
〇
カズマの作戦はこうだ。
現在新大陸に出ているため、通常の教会よりも聖女ちゃんに会おうと思えば会える可能性が非常に高いと新大陸で作戦は決行する。
アクア先輩が最大防御をそのツラで吊り、聖女ちゃんから少し引き離した所でめぐみんが爆裂魔法と言う超過力のロマン技をブッパ。
その隙にカズマとアリスが聖女ちゃんのスカート捲り。
私は手薄になるだろう旧大陸の神殿に忍び込み、服を漁る。
だいぶ最低な作戦である。
というかなんであの男は教会の見取り図を持っているんだ?
『エリス、そっちはどうだ?』
「……あった」
『そうか、回収頼む』
今日の日のためにリヴァイアサンで稼ぎまくって手に入れたという遠距離通信機でカズマからの確認の問いが聞こえた。
『色・柄・タイプを教えてくれ』
「……ツ」
『なんて?』
「聖女ちゃんのパンツはクマさんパンツ」
『―――スゥ、なるほどな』
何がなるほどなのか一ミリもわからないが、カズマ的には何か天啓を得たらしい。
『俺は完全に理解した』
「何を!?」
『聖女ちゃんはお休み時にクマさんパンツ。日中は攻め攻めTバックと見た』
「絶対違うでしょ」
『確認ご苦労、さらなるパンツが確認できなければ離脱してくれ』
「あ、うん」
『ブラを探してくれても構わんぞ』
「するか馬鹿」
大変アホらしいくなったエリスはさっさと離脱するために聖女イリステラの衣裳部屋の窓枠に足を駆け、飛び降り―――待て。
ふと、エリスも気になってしまった。
あの清楚の化身がドスケベな下着を装備するかどうかを。
聖女と言うだけあって清廉潔白、どちらかと言うとエリス側に属する聖女ちゃんの下着を知ることが出来れば、あのバカを悩殺できるかもしれない。
そんな煩悩を持ったエリスは、先ほど聖女ちゃんのクマさんパンツを見つけた棚の下段をひk―――
クソデカアラームが鳴った。
「っスゥ、欲張るのは良くないみたい!」
急いで再度窓枠に向かうが、気が付かぬ間に鉄格子が下りていた。
でも大丈夫。
「貧乳じゃなければ即死だった」
割と鉄格子のピッチは広めでスレンダー体型のエリスはすんなりと通り抜けることが出来た。
出来たが、どこか敗北したような気分にはなった。
『やっと貧乳と認めたか』
「え、嘘!? 切れてなかったの!?」
『ああ、バッチリ聞こえた』
「このバカァ!」
カズマに持たされていた長距離通信機はまだ生きていたらしく、エリスのつぶやきはカズマに丸聞こえだったらしい。
その事実にエリスは全力の大声をぶつけた。
意地の悪いバカには、最後にちらりと見えた中々攻めた赤いレースの下着は内緒にし、エリスの心の内側だけにしまっておくことにした。
〇
『よし、めぐみんやれ!』
「はい、待っていましたよ!」
実に中二くさい詠唱がその戦場には響き渡った。
その技はシャンフロ内でもユニークではない凡庸魔法の中では1.2を争う火力を有しているが、自力で30秒以上のクソ恥ずかしい詠唱を作成し、爆裂の伝道師の前で一切の恥じを捨てて暗唱することが習得条件であり、発動毎に必ず同じ詠唱をしなければならない。
さらには1,000を超えるMP消費に一発撃つごとにLvが30下がり、その上1時間その場から自力で動けなくなるというとんでもないクソな魔法、それが『
だが、めぐみんはその魔法を愛していた。
自らが大魔法使いになったような全能感が実にたまらなかったからである。
「受けるがいい、我が最強の爆裂魔法を!」
「一体どんな目的があるかは知りませんが、イリステラ様に危害を加えると言うのであれば、私は完璧に防いで見せる!」
「……あ、私も巻き込まれるんでしたっけ?」
「キミも彼らの仲間か。だが美少女無罪!君も必ず私が守って見せよう!」
「わーいラッキー」
〇
「よし、カズマ。私が全力でお前を投げる。捲って来い」
「わかった。全力で捲ってくる」
警備がほんのわずか手薄になった今、カズマはアリスのアシストを受け、ハンマーで吹き飛ばされながら聖女ちゃんのいるテントへ飛んだ。
「ッ、何やつ!」
「ちょっとおパンツを見に来ました聖女ちゃん!」
「あら」
監視の通り、警備は手薄。
テントの中には聖女ちゃんと一人の護衛のみ。
ここまでくれば後は簡単。
「【
仮にシャンフロで“最大回転”なんて称号が存在するなら確実に手に入れているであろうスキル。
カズマの冒険者と言うジョブで経験値を対価に習得できるスキルは本家の8割が限度。
だが、同調連結は可能。
劣化【
どんなスキルかって?
超高速回転をし、収束する様に相手の背後を取るための技だ。
つまり背後からのスカート捲りにおいて最強!
そして―――聖女ちゃんの修道服のスカートの裾に手をかけ――
〈警告:プレイエリア外です〉
――――スゥ、そんなことも考えていなかった訳ではない。
「馬鹿め!」
片膝を着いて両手を万歳のまま固まったカズマに、親衛隊の一人が制圧しようと襲い掛かって来た。
「まだ俺のターンは終わってないぜ!」
ならばセカンドプラン。
「ナニ!?」
「【
「やはり貴様は馬鹿だ!まともにそのスキルが発動することなど!」
窃盗。それは盗賊ジョブをLv.88まで上げると手に入れることが出来るスキル。
一定確率で相手の装備品を奪うことのできるスキル。
ただし、奪えるのは1分間。
そして、奪えるものは装備とは限らない。
100以内のステータスの場合も存在する。
そして不発かと思うくらいの発動率の低さ。
とんだゴミスキル。
それが【窃盗】。
「だが、俺の今のラックは3000オーバーだ」
「なん、だと!?」
カズマの装備アクセサリー『転換の環』は、一週間に一度だけ任意のタイミングで30秒間自身の全ステータスを一つの項目に極振りすることが出来るユニークアイテム。
【窃盗】はラック値を参照して成功率を上昇させる。
3000オーバーのラックが意味するもの、それは―――確定成功。
カズマの右腕がまばゆい閃光を放つ。
「成功、しただとッ!?」
カズマの右手には確かにものが握られていた。
布、ではなかった。
やや橙色をした柔らかな僅かなふくらみ。
「当たりも当たり」
カズマは右手を大きく上げる。
「大当たりだ!」
聖女のパッドをカズマは入手した!
「――曲者がッ!」
―――直後、カズマはめぐみんをキルった後らしい最大防御にサクッと一撃入れられる。
「貧乳も素敵だと思います」
シンプルにそんなことを言い残し、カズマはポリゴンとなって消えた。
カズマが最後に見た、聖女イリステラの顔はどことなく朱に染まっているようにも見えた。
「と言う夢を見たんだ」
「……馬っ鹿じゃないの?」
後、今バツとして聖女ちゃんのお使い任務無料奉仕中でしょうに。
大変馬鹿な幼馴染を小馬鹿にしながら、シャンフロではない現実のマックで、馬鹿な幼馴染の顔をエリスは呆れたように見るのであった。
幼馴染は貧乳もいけると知ってほんの少し口角を上げながら。
・聖女イリステラの胸はパッド入り(風評被害)
みんなも一度はシャンフロのNPCのおパンツはどうなっているのか気になっただろう?(軌跡民並感)
最初は装備のスケ検証とか阿呆っぽい題材にしようとしてたらこんなのが出来上がった。
どうしてもっとアカンもの窃盗してるんや。
恐らくシャンフロ運営が想定していないバグによって発生した。
数少ない事例を見つけたため垢バンをペナルティ付で回避した。
・カズマは高校進学を期に一人暮らし下宿勢。
エリスとは下宿先の寮で偶然の再会。
盆に実家へ帰省するとリアルラックヤベェ義妹と村の祭りを荒らしがち。
このすば勢は原作知識とか一切ないけど謎の衝動に駆られやすい。
結局パンツ見れてないから再走あくしろ?
RTA走者は失踪するまでが形式美だから(責任転嫁)
次回は多分本編に戻るよ。