何も知らない鳴坂和人くん(22) 作:スティック/糊
サブタイに深い意味はない。
エリア四方には四つの塔が存在し、そこを守る封将を倒すことでそれに応じたクターニッドの能力を封じることが出来るらしい。
後は昼夜によって色んなモンスターがわんさか。
町の役目はそんなもん。
ギミックのほとんどは城の内部。
ルールイア城の地下に「妄想態」のクターニッド。
これを倒すとルルイアスからじゃーねバイバイ。報酬のほの字のうま味もない。
どこかのエリアへランダム転移させられて終了。
初見殺しのトラップだが、知ってしまえばそこまで難しいもんじゃない。
スルーが正解。
ルールイア城の上層には「王の執務室」「要の玉座」「望郷の最上階」の三つの部屋。
「王の執務室」にはギミックを解くヒントが記された書物。
「要の玉座」にはクターニッドに挑むためのメインギミックである「反転の要石」がどこかで見たことのある感じの女性の像に嵌っている。
「望郷の最上階」のモンスターを倒すとギミックアイテム「かつての栄光」が手に入る。
かつての栄光に反転の要石をはめることで、女王からクターニッドへの権利が移されたことを意味し、ルールイア城はクターニッドとの決戦の場へ移行する。
それが事前情報。
「パチられたか」
「聞いてた感じとまるで違うねぇ」
封将4柱倒して、廃船の集合場所で資金調達。
宝は定期的に補充されてるのかぁと謎の関心をしつつ、インベントリアにドン。
インベントリアいいなーと言われたので、リヴァイアサンで格納鍵インベントリアのユーザーデザインをしたことで貰ったインベントリアをディプスロに上げた。
ここの財宝は好きに持って行くと良い。
俺はシンプルにちょっとしたインフレを起こしているから。
で、町を色々と見て回って、なんかギミックっぽいものはないなーで城に来たわけだ。
「中に一歩足踏み入れたら別世界って……ねぇ?」
城に一歩足を踏み入れると転移した感覚もなく、青空。日の光さえ当たっている。
推定深海2600mくらいじゃねぇのここぉ。
後ろを振り返るとちゃんと深海。
城に入ったと思ったら別世界の入り口っておいおい。
大きな砦に囲われており、その一角から足を踏み入れた状態。
「そいっ!」
完全に青空にしか見えないその光景に一つの違和感を持ったキリトは【投影】で適当な投げナイフを生成し、全力で空に向かって投げると刺さった。
「……あ、天井あるねぇ」
一瞬、ホンの僅かではあるがキチゲ溜まったかな?などとディプスロが失礼なことを考えるくらいには唐突だった。
「高さはおよそ135m、クターニッドの反転の効果と同じならこのエリアの広さもそんな所かぁ?」
「ちょっとした学校くらいの敷地ってことかぁ」
「城の中の城を攻略って意味わからんぞコレ」
「この情報は責任もってライブラリに売りつけてガッポガッポしてくるね!」
「要るのか?こんな情報」
「既定路線と違う情報って言うのは彼ら的に生唾ごっくんよ」
「そう、なのか」
ライブラリ、中々マニアックな人種らしい。
「とりあえず、一番高い所から攻めるか」
「……発想がぶっ飛んでるよねぇ」
「ここが閉鎖空間ってわかったなら、バイクで壁走りできそうだと思わん?」
「そういうのも結構好き!」
「よし、行くぞぉ!」
キリトは
「イカツゥ……」
「約1200CC、最大出力145PSの暴れ馬……が元ネタだが俺の知識不足により圧倒的馬力不足。無念」
「珍しい」
「俺にもできんことは結構多いんだぞ?」
「へぇ?」
「でも、中身をちょっと俺の得意分野に弄り込んだ」
「……?」
「ガソリンの燃焼式は苦手でも電気式のモーターはそこそこ行けるんだ」
「あーメカ強いもんねぇ」
キリトはそのバイクに跨り、ハンドルを軽く捻ると、その力で後輪が勢いよく回ることで前輪が浮く。
後付けでエンジン音載せてもよかったんだけど、リソースが足りなかったのでこの機体には搭載されてない。
静かなモーター音のみである。VMAXなのにNINJAとはこれ如何に。
レースゲー的なものだと認識すればその制御はたやすい。
俺ライダークラス適正あるかもしれん。ある意味VRを乗りこなす能力みたいなところあるし。
そんなくだらないことを考えながら、ディプスロを後ろに乗せ軽く旋回。
「しっかり捕まっておけ」
「なんだろう、むねきゅんセリフなのにおっぱいのついたイケメンビキニメイドだと…なんか違うね」
「こうなった元凶お前やろがい!」
キリトは小さく半ギレしながら、ディプスロがしっかりしがみついたのを確認し、アクセルを徐々に捻っていく。
「――コレ、馬力不足って言ってなかった!?」
およそこの機体の最高時速に到達する頃、ディプスロが当然の疑問を上げる。
「コレ、燃料魔力式。いわば馬力はないけど魔力はあるぜ、何てなッ!」
「計測方式はPSで最終的に馬力呼びされるんじゃないのこう言うのってェ!」
「知らん!」
バッテリーであるエーテルリアクターにマナぶち込んでモーターをギャン回し。
戦術機を稼働させるのに必要なものと同一タイプを使っているのだから、そのエネルギー出力はそれなりの物。
お陰でこのバイク外観ハリボテでモーターの回転に耐えられるような耐久に全部振りしている。
ショックアブソーバー?そんなものはない。
故にちょっと岩で跳ねて壁に移る際にはそれなりの衝撃が来る。
「ボッ、内臓、内臓揺れたよこれぇ!」
「わり、サス死んでんだ」
「女の子乗せるのに乗り心地カスにするとか最低だよ!?」
こっちもチンが存在してたらだいぶきっついダメージ来てるからな?
女性アバターは女性アバターなりのダメージ来るけども。
「こんなことするのはゲームの中だけだ。現実では安全最優先だから」
「それはどうも!」
砦に乗り移って、その次は空(仮)。
あの蛸のギミックなら途中のどこかですっぽ抜けて海底に放り出されるとかも覚悟するんだがな。
そこまでの意地悪はないらしい。
……天井ぶち抜いたら本来の城にたどり着けるよ、とかもありそうだけど。
力業する前におとなしく解くほうがいいんだろうなぁ。
「そろそろ天井だ、降りる準備しとけ」
「お姫様抱っこ希望!」
「注文の多いお暇様だなぁ」
「ひ、暇じゃないですけど!?」
「冗談だよ、俺のお姫様」
「そう言っとけば許されると思ってぇ!許すけどぉ!」
「3カウントで落ちるぞ」
「了解!」
3
ディプスロの腕を強引に引っ張って前に。
2
横抱きに移行して。
1
バイクを収納。
そして。
「謁見の間にダイナミック入場!」
城中央の細長いステンドグラスの様な場所をぶち抜いて、城の中に侵入。
「また外観詐欺かオイ!」
「今度は…ダンジョンかなぁ」
以前ディプスロのやっていた魔力放出で瞬間的に足場を作り、着地。
あれ、ディプスロさんお前自分で普通に着地で来たんじゃ?
ステンドグラスの先には謁見の間も協会の聖堂もなく、不思議と光の当たる薄暗いJRPGが好きそうなダンジョンと言った風貌。
「あ、看板」
「丸太杭に木の板貼り付けてそこに紙とはまた古風なテンプレを」
「“welcome my friend KIRITO”……いつの間にクターニッドとお友達に?」
「海上ランニングしてるとたまにクターニッドに引きずり込まれるんだって。この話前にもした気が…?」
「そう、かも?こちとら数年前の感覚なんだよ。覚えてない」
「俺も度々怪しい時がある」
なにかオンゲ進行中にSTLで長期ダイブは禁物だな。
『ようこそ、フレンズ』
目の前に突然魔法陣が展開され、かんたんクターニッドが生えてきた。
「うぁわ!?クターニッドってこんなゆるキャラなの!?」
「怖がられないキャッチ―な見た目を検討した結果だそうだ」
まぁ、キャスターの入れ知恵が大半らしいが。
『向こうの我の18形態を攻略したと聞く』
「まぁ」
「R的な…?」
「ちゃうわ」
度々出すそのシモネタへの熱意は何なんですの?
『故に、我も我なりの試練を用意してみた』
「お、おう」
『各層に我の能力の一部を割り振りふった者を用意した』
「お、おう?」
『全13層だ。クリアすれば豪華報酬も用意してある』
「……おう?」
『我が友は『開拓者はだいたいこう言うのが好き』と言っていた故…』
「とりあえず楽しませてもらうぜ」
『そう簡単に行くとは思わぬほうが良い』
エミヤに邪魔をされて物足りなかったという奏の協力もされている故。
かんたんクターニッドはそう言い残すと、魔法陣を展開し再び姿を消した。
「なんかとんでもないこと言ったなオイ」
「……奏って?」
「冥響のオルケストラ」
「ユニークモンスターの共闘は聞いてないよぉ」
「俺も聞いてない」
つまり深淵のクターニッドダンジョン sponsored by 冥響のオルケストラってことですか。
それを7日間でクリアしろってマジで言っていらっしゃいます?
「なんか嫌な予感するなぁ…」
「でも、階層クリア条件って燃えるね」
「まぁな。……まさか待つ側から昇る側になるとは」
「久々のダンジョン共闘だねぇ」
「ま、よろしく頼むよ“シャノン”」
「こちらこそ“カズト”」
ディプスロと軽く拳をぶつけ無駄にデケェ扉に手を置く。
鬼が出る蛇が出るか。
『第一の門番、拙が務めさせて頂きます』
あー、うん。
察した。
あの外の外観からは13までの円卓だと思ったんだけどなぁ
まさか王の方をセレクトしてくるとは。
「ディプスロ。おそらくこっから先、彼女と似た顔が主として現れる」
「…?」
「そういうもんだと思っておけばいい。後、目の前の彼女は中々の戦闘スキル持ち」
「え、えぇ?」
「簡単に言うと聖槍ロンゴミニアドを使ってくる」
「なんだっけそれ」
「アーサー王伝説に出てくるマジ・ヤバ・ランス!」
『お話は以上でよろしいでしょうか。行きます』
「槍!槍って言ったじゃん!」
「彼女は墓守だからな、鎌も使うさ」
「何で墓守が聖槍!?訳わかめェ!あとクッソ早いぃ!」
『Gray……Rave……Crave……Deprave……』
ちょ、ロックどうしたのかな!?sir.ケイ仕事して!
それ、戦車の弾を生身の人間にブッパする以上に極悪な威力してるからね!?
まだ一枚しか回復してないんだぞ、ローアイアス。
盾も修理中だし。
「さーてどうやって防ごうか」
「こう言うのって詠唱中に本体倒すのが碇石だと思うんだけど、クッソ早い!」
「んじゃ、ほい。ライフル。ターゲットはあの箱ね」
「なるほど?」
ディプスロはキリトからライフルを受けとるとニヤリと笑った。
そういう計算得意だなぁ。
ダンジョンと言う限りのある固定空間で助かった、と。
「これだけ動き見ればパターン覚えちゃった。バリエーションは大事だぞぉ」
彼女は軽い口調とは裏腹に真剣な目で、引き金を引いた。
〇
宝具起動前に制圧完了。
内容物に対して外箱の強度ォ!
彼女がアッドなしでは満足に戦闘に必要な能力の使用ができないという設定メタが効いた。
まーたおかしい戦闘能力身に着けているじゃんディプスロさんや。
力なく膝を着くと同時に粒子になって消えた彼女を見送り、下に現れる階段を見る。
アルトリア顔13層、おそらく最下層はメタ的に行けば騎士王。
しかもクターニッドの能力付き。
……マジで言ってますの?
クターニッドの言い分だと、大体エミヤが悪いってことだ。
「あんにゃろ王の話をしまくったな」
王にそっくりだったらなんでもいいのか…?
でもグレイに関してはしっかりとした設定まで話していたから倒せたわけで?
ってちゃうわ。
何このマッチポンプ。
やっぱ花園にいるキャスターを後で殴り飛ばしに行かなきゃ(使命感)
後、これライブラリに情報流したら死ぬほどめんどくさい事になりそうなのでお口にチャックしようか。
・現在ファステイアのPN:A顔氏「今何か噂された気が」
はい、13面アルトリア顔攻略です。
ルルイアス的には下っていく、空には向かっているので昇ってもいる。
キャスターが「王の話をしよう」したのが悪い。
テンポの都合のユザパ予定。
道中はだいぶ飛ばすね。
番外で書くものが増えていくね(白目)