何も知らない鳴坂和人くん(22) 作:スティック/糊
間に合わなかった……
そ、ソシャゲならまだ連続ログイン達成時間できる時間帯だからセーフ(苦しい言い訳)
セクシーセイアにホイホイされちまったんだ、すまない。
「...ルストのやつどうしたんだ?」
リヴァイアサンの攻略を始めたサンラク。
第三殻層攻略のためルールの悪用としてジョッキーをしているルストの目がいつもの8割増しでギラついていることから思わずツッコミを入れてしまう。
「それがですね昨日ネフホロに期待の新人が現れまして」
その疑問に彼女の情報の中継役を担っているモルドは頬をかきながらその原因を告げた。
「期待の新人…?」
「そうなんです。昨日唐突に現れネフホロの新操作方法を確立し初期機体で近接特化の一桁ランカーに圧勝した方がいるんです」
「え、ネフホロそんな新技術アプデあったのか?」
「新技術と言うか既存の機能を掘り当てたと言うか…」
「...そりゃ妖怪ネフホロ女的には出し抜かれた気がして落ち着かねぇってことか」
「いいえ、新技術の発見はルストも気になって気になって仕方なくて今日は徹夜してたほどです」
「なら何故に?」
「その新人さんがルストにそのうち挑むと言っていたのを耳にしてしまったらしく…」
「そりゃ…なんというかご愁傷さま?」
「だいぶスイッチはいちゃってて。今日も事前にサンラクさんから連絡がなければネフホロにログインしていたかと」
「そりゃ、悪いことしたな」
「シャンフロのロボと期待の新人と戦うことがだいぶ揺れてるみたいです」
新人じゃなければ一体どれほどの試合を組んでいたことか。
「そいつは尚のことさっさとリヴァイアサン攻略しねぇとだな」
そのうち俺も挑んでみよ。サンラクはそんなことを考えながらパーフェクト馬券を目指して券売機に向かった。
◯
「旦那様。遅くなるなら遅くなると連絡が欲しいです」
「ほんとすまん」
ネフホロで楽しくなってしまい変な動き作ったり続々と挑んでくるプレイヤーをバッタバッタと初期機体で倒すとか言う頭の悪いことをしていたら定時は軽く過ぎており、時計の短針は左を水平に指すほど。
スッと据わった目をしている紗音を見ると、うん。
これキレていらっしゃる。
「多分研究が遅くなったからだと思われますが、いつもと違うと言うのは少し心臓に悪いです」
「まことに申し訳ない」
この子キレると敬語になるんや。
「次やったら門河なしで歩いてカムラに突撃します」
「‥…本当に、気を付けます」
……うっかりやらかさないようにGPSでも身に着けておくか?
うん、下手すると誘拐されてもおかしくない立場何で本当に気を付けます、はい。
ちょっととんでもない事言いだしたので気を、気を付けねば。
今日も玄関でスッと正座しながら待機だからね。
その内薙刀か日本刀脇に置いてきそうですね。
義足的にできない動きではないけど、絵面と良心が大変痛んだ。
重村教授。俺、新婚一か月目でやらかしました。
家族を蔑ろにするもんちゃうわ。
紗音を抱きしめるのは和人の腹が鳴るまで続いた。
「…GPSと心拍数計仕込むか?」
「そんな犬猫管理するんじゃないんだからしないで」
「あ、はい」
夕食を取りながらぼそりと提案するが流れるように却下された。
「心拍数聞くなら直接がいいの」
「お、おう」
「だから早く帰ってきてね」
「気を付けるよ」
ひどい殺し文句である。
「それで、そこまで忙しいのJGE準備」
「JGE関係の仕事は粗方済んで調整役からの質問済ませれば問題ないレベルだ」
紗音とルルイアス攻略を心置きなくやるためにちょいと頑張り過ぎました、はい。
「じゃぁ、ゲームかなぁ?」
ヒュー、流石にバレてるぅ!
「はい。ちょっと商売敵になりそうなネフホロしてました、すまん」
仕事で連絡うっかり忘れてたならまだいい訳のしようがあるが、完全に遊びみたいなもんだし。
「別に怒ってるんじゃなくて、旦那さんがそこまで心動かされたゲームが気になっただけ。ネフホロ、ネフホロかぁ」
「操作性の癖が大変強くて変な操作法見つけてモーションのコンボ作るのが楽しくなっちまってな?」
「あ、モーションね」
それで納得されるのもなんかちゃうんですわ奥さん。
〇
「精々別ゲーに現を抜かしていればいいわ、シャンフロで手の付けられないDPS方法身に着けてやるぅ!」
そんな紗音を見送り、絶対王者と呼ばれる少女とそれなりに戦える程度には鍛えておきたい。
ちょっと善戦したらすぐシャンフロ戻るから(震え声)
そこは追いかける所やろがい!って話ではあるが、そこらへんは茶番的な流れである。
紗音的にはやるにしてもわかり切った操作性悪さの状態から始める意味が分からないと続編が出たらやってみるくらいのリアクションだった。
まぁ……慣れてないプレイヤー的には苦行に近しい所もなくもない。
サクッとシャンフロに戻るため自分の目標は早めに終わらせよう。
自宅用のVR機器にもネフホロインストール。
とりあえずストーリークリアはしておきたいな。
「ちゃうねん」
和人は出来上がった機体を見て思わずそうつぶやいてしまった。
ストーリーをある程度進行すると「ネフィリム・カンパニー」から1機:ネイキッドノービスを貰え、ストーリーを進めるとその中盤で前途の
要は2体までは進めてるだけで素体を手に入れることが出来ますよ、と言う話。
和人が今回改造したのはそのストーリー中盤で入手した機体を手癖で弄ったらできた機体である。
「何故チョイスがLBX!」
手に入れた素材でふふふ―んしてたら等身高めのパンドラが出来上がってた。
最初は阿頼耶識システムかぁならバルバトスやな。とそっちを足から作り始めたらパーツ全然足りなくて獣チックな独特なゴツイ足に貧相なボディーでストーリー進める訳だ。
足が出来たら手。これもそれなりに進めていくうちに出来上がった。
球体関節は滑らかに動かすことが出来れば鞭の様に動かすことが出来る。
人間の関節とは違い回転の力をフルで使える訳だ。
そうなるとメインボデーは薄く、手足がごつくなる。
背面のバックパックは尻尾の様に動かせるアレが欲しかったけどなくて、かと言って高出力のブースターだと燃費が悪すぎる。
そうなると、瞬間的にでも相手の距離に近接でつかむことさえできればいいので、なんか人気がないらしくプレイヤートレードの中に安価で転がっていたスカート式の様なものを見つけた。
そしたらできた訳だ。手足が気持ちゴッツイパンドラが。
何を言っているかわからないと思うが俺もよくわかっていない。
「ネフィリムの良さを生かすために形が……ぬぅ」
和人のスタイル的には高機動型のロボが馴染みやすいが普段やらないことをしたい。
と言うかロボで飛ぶなら宇宙空間の方が楽しい(暴論)
重力が作用しているようなゲームバランスなら地上戦に走っちゃうよね。
そうなると紅蓮とかランスロット的な機体も作りたくなってくる。
待て待て、再現性が不明すぎる。
そこらへんはプロプラでやりましょう。
そのバチャコンは自分で作ればいいだけだから。
「とりあえず、スッゴイ変則的になったな」
回避して飛び掛かる野性味あふれるパンドラになっちまった。
機体名…?
このネフホロ出来上がった機体に自分で名前を付けることが出来るらしい。
「んーじゃ『ドラレクス』」
我ながらネームングセンスと言う物をどこかに放り投げている。
まぁ、これでストーリクリア目指しますか。
プロプラにLBX足すか…?
サーバーの容量が足りなくなるから自分で遊ぶだけにするか(開き直り)
サーバー拡張したらちゃんと増やす、多分。忘れなかったら。
〇
「結構いけるな」
ビームサーベルをダガーの様に持ち、回避でキルをしてたらどうにかなりました。
途中から脚部にホバーユニット取り付けたのでぬるぬる動くようになった。
それなりに音はするが地形ダメージ少なく狩りに行けるのは良いな。
だいぶ近接パワー型。
遠距離攻撃に特化されるときついなぁ、この腕にしてから素早いフリしずらいしなぁ。
後半のボスは体力多い奴ばかりだったので、こう、一発近接でぶち込めるビーム欲しい。
それはともかくストーリーはクリア。
武装の大半は解禁されたので遠距離特化でも作るかな。
でも利便性求めると……あ。
RX-8モチーフ。
マツダの方じゃなくてフルメタの方。
レーバテインの長距離ライフル作れるかな。
そこそこ再現のモチーフを作り上げるのだ…。
「あ、豆太郎ストーリー攻略で詰まったか」
「んや、ストーリ攻略は終わった」
サクッと見たことのないタイプの素体の瞑目個体を捕獲した豆太郎はプレイヤー間の取引だったりNPCだったりがパーツなんかを売ってたりするエリアに来ていた。
で、数時間前に観戦エリアで声をかけてきたうちの一人とばったり。
スーパー玉男だったか。
「……ワッツ?」
「ストーリー攻略終わったんで面白そうな武装探し」
「……実は復帰勢だったとか?」
「本日完全新規勢」
「うっそだろおい!?」
「ほんとなんだなーそれが」
現在のプレイ時間が10時間くらいだからまぁ、そんなもんだろ。
「つーことは、ストーリー中で手に入る個体のカスタムパーツ探しか」
「そっちは大体コンセプト決まったから別方面の作りたくなって、さっき瞑目個体捕まえちった」
「うっそだろおい!?」
「ほんとなんだなーそれが」
天丼かな?
「なら、アレだ」
「あれ?」
「まだ豆太郎の機体は誰とも戦ってねぇってことだよな」
「そうだな」
「なら、俺と戦ってくれりゃ俺のストックなんかやる。勝ったら素材周回手伝ってやろう」
「おーお得。やるわ」
「そうこなくっちゃな!ランキング3位のスーパー
あ、3位。
マジですか。
戦闘可能エリアにいそいそ。
『
もちろんYES。
……3位と戦うなら別に1位に挑まなくてもいい気がして来た。
さてはて、3位はどんなものかなー。
「そんじゃよろしく」
キリトはその場に自分の
「……んだその機体。見るからに接近戦みてぇだが」
「そりゃぁ戦ってからのお楽しみと言うやつさ」
スーパー
……ランカーになるとルビ振り系の機体にしないといけないルールでもあるのか?
『ドラレクス VS 超厄衣駒 デュエルスタート!!』
あかん、デュエルと聞くと磯野、磯野にデュエル開始の宣言をしろのアレが脳裏にちらつく!
――それはさて置き、狩るか。
そんな細身の機体じゃすぐ折れちまうぞ?
『Winer ドラレクス』
「んだその機動に手足の軌道!」
「球体関節を活用するならこうなるだろ」
「そんなキモイ動きするのはお前かルストかサンラクぐらいだ!」
……え、サンラク?
……彼クソゲーハンターじゃなかった?
確かに操作性的にはこれクソゲーだけどさ。
だいぶ良ゲーの部類ぞ?
あと玉男、お前もだいぶ俺のプレイ見てなかったっけ?
「とりあえずお前に近接戦するもんじゃねぇってことだけは分かった!」
「あ、これから遠距離戦の機体作るからライフルくれ」
「―――そういえばそんな約束しちゃってた!!!!!」
「ちゃってたってなんやねん。カモる気だったんかワレ」
「そ、そんなことないぞ。よし、なんか使いどころなかったロングライフルをやろう」
あ、何も言ってないけどピンポイントでくれる感じ?
ラッキーじゃん。
玉男から部品貰いに彼のドックに伺うのであった。
上位ランカーに挑めてなんか満足しちゃったな。
次のログインは……気が向いたらでいいや。
……明日はシャンフロやろ。
そう思いつつ、その日はログアウトした。
・JGE前にクリアされることになったリヴァイアサン。
レジギガス()さん
「あ、あの、リヴァイアサン攻略しちゃいませんか?」
ハシビロコウ
「お、いいぞ」
こんなノリ。変態(カマ)と変態(ガンマニア)はパーティーからナーフされた。
象さんはJGE開けてからかな()
・ランキング2位さん
ヤカンヘッドのクソゲーマー()
理由:ルストにランキング戦出るよな?と圧をかけられたため。
・玉男
新規機体名は捏造。
跳弾猟犬からなんか類似カテゴリーを捏造。
ちょっとした飛び道具使ってくる系のちょっとうざいタイプ。
見た目はキングフィッシャーとか緋翼連理、ちょっとええやんとリスペクトして細身の機体。
玉男の高機動機体の操作ミスが敗因でした。
やはり高機動は変態仕様だったんだ…。