何も知らない鳴坂和人くん(22)   作:スティック/糊

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感想誤字報告感謝茄子


JGE.6

「そんな進化した「クレセント・メモワール4」は来春発売です」

 

「ケイちゃん攻略できるゲームまだー?って観客席から声上がってるけど」

 

「永久に発売しません」

 

 

 イベント会場では天音永遠と魚臣慧のコンビが司会進行を続ける。

 

 多くの情報が出てくる中で、司会にもヤジ(?)が飛びつつもイベントは進行していく。

 

 少し早めの昼食を取り終えた和人も会場の端っこでその光景を眺めていた。

 

 優待チケ()で最前列に余裕で座れるが、身バレはしたく無い。

 

 なので端っこ。

 

 会場中でAR配信されてるからどこでもいいんだが、プレイヤーのリアクションを生で見れる所って少ないから致し方あるまい。

 

 衛宮は「早速帰って、ゲームして、プラモ作って……忙しい!ヒュー!」とスッゴイ笑顔で帰って行った。

 

 一応転生者としての付き合い部分として前世のガンプラの入手経路の紹介はしておいた。

 

 なんでも高給取りに分類されるので金には困ってないから必要経費はしっかりと払う、とのこと。

 

 UES給料いいのかなぁ。

 

 和人は知る由もないが衛宮の仕事は主に運営と創業者継久里創世の折衷である。

 

 UES社員的に彼女が居ないとだいぶ胃の痛い事件が多発することになるので、大変有り難い存在である。

 

 彼女もいっしょに暴走する時がない訳ではないのだが……。

 

 

「(VRで恋愛ゲーって難しくね…?)」

 

 決められたルートをなぞるだけの追体験ならまだしも複雑なフラグ管理をAIではない指定回路に当てはめるとかどれだけめんどくさいんだ?

 

 ビジュ作ってそこにAI入れて惚れさせることが出来るかどうかは君次第!みたいな方が作りやすいんだよなぁ。

 

 まぁ、プロプラのAIロボゲーキャラ作る時にそこらへんは覚えたけども。

 

 魅力的な女性と言われると身近な存在しか表現できないので俺には縁のない世界ですね。

 

 妻にそっくりなAIとか死んでも作らねぇからな。

 

 恋愛ゲームは死んでも作らん。

 

 和人はそんな認識を持ちながらボケっとイベントの進行を眺め続ける。

 

「(魚臣選手やっぱりあっち系でいらっしゃる…?)」

 

 イベントステージ上で女装している理由など知らない和人からの誤解はますます進行していった。

 

 

 

「さぁ次の紹介は〜?」

 

「ロワイヤル制作、待望の最新作……「スパルタンメタル」! 」

 

「それではスタッフさん、スペシャルティザームービーよろしくぅ!」

 

 ロワイヤル……ああ、幕末の会社か。

 

 なんというか洋風幕末。

 

 一部熱狂的なファンの熱もすごい。

 

 幕末ってそんなに人気のゲームだったか?

 

 ……西洋剣あんま振り回してないから後で何かのゲームで振り回そ。

 

 

 次はネフホロ2か。

 

 操作性がどこら辺まで快適になってるかは気になるなぁ。

 

 

「ケイちゃんはネフホロってやったことある?」

 

「無印少し触れてみたけど操作性がすっごい特殊で難しかった覚えがあるよ」

 

「私はネフホロ未経験。でも友達にも何人かやってる人達がいるんだけど、凄い推してくるの。あの熱量を生むゲームが2になると操作性がだいぶ改善されるって言うし少し気になっちゃうね」

 

「そうだね。僕の主戦場でもあるGH:Cと同じシャンフロエンジンを搭載とのことだからそこも気になる所だね」

 

「よし、それではさっそく中継行ってみよう!」

 

「あ、そう言うのもあるんだ…」

 

 

 そう言うのもあるんだ…

 

 イベント会場後方のドデカモニターに中継映像が繋がる。

 

 

『はい、こちら中継の笹原エイトです!』

 

『本日はなんと、なんと! 最新鋭ARと最新作VRの夢のタッグが実現! 皆様、上をご覧ください!』

 

『こちら、只今ネフィリムホロウ2の先行プレイが行われているブースで実際にプレイされている光景なのです! VR空間内で起きている光景をARで投影、逆に現実世界での映像を基にVR空間内にこの会場が形成されている……まさに相互再現!!』

 

 MRか。

 

 今日はスペース確保しきれなかったからやめておいたがそう言うのもありか。

 

 昔取った特許の中の技術にちょっと特殊なMR系もあったはずだからプロプラのイベントする時には考えておこう。

 

 それを一部使用しているのがARスポーツなんですけども。

 

 んー、やっぱデカいロボは良いね。

 

 等身大に空中に浮くネフィリムを見ながら和人は一つの感想を浮かべる。

 

 赤被ったなぁ…。

 

『それでは大迫力のネフィリム・バトルロワイヤルをお楽しみください! レディー……ゴーッ!!』

 

「ガンダムファイトォ(小声)」

 

 バトルでレディーと聞くとその思考に行きつくのは分かるわ…。

 

 和人の少し近くでそうつぶやいた人物、どことなく変装をしているのは分かるがビジュアル値が高い事は分かる感じの女性がいた。

 

 転生者かな?

 

 隣の男性と腕を組んでいるのでカップルかな。

 

「ラクス、Gガンじゃないんだよ」

 

「こう、本能がッ!」

 

「その本能の赴くままに僕より先にストフリのってたよね」

 

「てへぺろ?」

 

 ――スゥ。

 

 ラクス・クラインとキラ・ヤマトかよ!?

 

 

 アカン!

 

 

 ガンダムのガワ転いらっしゃる!?

 

 

 あ、とりあえずプロプラは受け入れて頂けてる感じなんですかね(震え声)

 

 

 ……そこらへんはゼムリアにぶん投げてるから知らね!

 

 

 和人はスッと気配を消しながらその場を去った。

 

 

 

 ▽

 

 

 SNSトレンドに“早口少女”がトレンド入りした直後。

 

 

 【JGE現地組】

 

 鉛筆:旅狼メンツ結構いるね。オフ会でもする?

 

 サンラク:まぁ、顔バレちまったから別に

 

 サイガ-0:今日はサンラク君とのデートなのでご遠慮ください

 

 ルスト:私は構わない

 

 鉛筆:多数決しておく?

 

 モルド:僕はどちらでも…

 

 サンラク:んー、今日はデートに分類されるので別の機会に

 

 サイガ-0:サンラク君!

 

 カッツォ:何この甘い空間

 

 オフ会開催ならず。

 

 

 〇

 

  

「さて、よろしいだろうかそこの御仁」

 

「……察した。イーオンか」

 

「いかにも」

 

 JGEのイベントブースを抜けるとそこには偉丈夫、と言うには少し線が細いがモデル体型の足の長さエッフェル塔とヤジが飛びそうな足の長い男が現れた。

 

 胸ポケットからブルーアイズのプラモが顔を出しながら……スケール調整されていらっしゃるぅ。

 

 ネクタイがさりげなく遊戯王キャラモチーフになってるぅ。

 

「リアルでは初めましてだな。大蔵衣遠だ」

 

「……大蔵省の?」

 

「大蔵省は既に解体されているが今なおそれなりに権力を有しているのを否定はしない」

 

「ガッチガチの金持ちやんけ」

 

 んー、ガチもの来ちゃったなぁ。

 

 そりゃディプスロ時の紗音もあんなリアクションになるわ。

 

「先ほどプロプラ遊んできた。大変良い。出資させろ」

 

「顔繋げばいいか?」

 

「ああ、それでいい。金は出すが口は出さん」

 

「その出資金額次第でパワードスーツが実装できる」

 

「何億積んでおけばいい」

 

「桁が怖い」

 

 金の暴力を覚えている金持ちぇ……。

 

 対応するのはゼムリア社だからヨシ!

 

 なお和人はその後ゼムリア社社長の安賀多に「いきなりとんでもない人物紹介しないでください」とキレられていた。

 

 相談役のアリサは「良い金づるサンキュー!」と笑顔だった。

 

 ……本人満足そうだから気にしない。

 

 出資の力でサーバーは増設されることになったし、プロプラの拠点数は増えることになった。

 

 

 ▽

 

 

 舞台は再びイベント会場。

 

 シャングリラフロンティアの情報が終わり、そこで本来のプログラムは終了なのだがこの日はまだ続く。

 

 

「そして、最後に2つ発表!」

 

「事前情報が殆どなく本日電撃的に発表されて話題になっている二つのゲームのお知らせになります」

 

「一つはこれまたシャンフロエンジン搭載の剣の物語、鉄の城アインクラッドを攻略していくMMORPG“ソードアートオンライン”!」

 

「もう一つはあの鳴坂博士が作り上げた“夢を等身大に”がキャッチコピーのゲーム‟プロジェクト:プラモ”!」

 

「事前情報なしでとんでもないゲームが現れました!その2つの作品をそれぞれ詳しく紹介していきたいと思います!」

 

 

 ▽

 

 

 【JGE現地組】 

 

 

 ルスト:はわわわわわわぁ!?ひへ、ほわちゃぁ!

 

 モルド:る、ルスト!?

 

 サンラク:どうあがいても神ゲー

 

 ルスト:私、今日死ぬの…?プレイするまで死なないけど

 

 鉛筆:ネフホロ推しにも刺さるのかぁ

 

 カッツォ:格ゲーじゃなかったかぁ。でも面白そうなんだよなぁ。

 

 モルド:る、ルストが未だかつてない幸せな顔をッ!

 

 ルスト:ネフホロ、プロプラ……時間が足りない!

 

 サンラク:プラモか、祖母ちゃんに聞いてみるかぁ

 

 サイガ‐0:私もっ、ご一緒できるとッ

 

 ルスト:人生のハイライトは間違いなく今日

 

 ルスト:あの主人公と共闘できるのかぁ、戦ったり、敵になったり、うへッ

 

 モルド:ルスト!?人前でしたらダメな顔になってるよ!?

 

 ルスト:それにガンダム、すごくいい全部乗りたい。ジョイントがセクシー。

 

 ルスト:赤い彗星、赤い、強い、カッコいい、好き

 

 ルスト:一体化して戦うネフホロも良いけど、コックピットのカスタマイズ性もよい

 

 ルスト:時間が足りない。休学したい。

 

 モルド:学校には行かないといけないし、睡眠時間はちゃんととろうね

 

 ルスト:学生の身が憎いッ!

 

 ルスト:プロジェクト:プラモ、ゼムリア社。ブラックドール社に続いて私は生涯社屋の方に足を向けて眠れない。PV、とてもいい。泣いた。こういうロボットのお祭りゲーはレトロゲーム時代にはそれなりの数存在していたというが、VRで、しかもここまでのクオリティーでお出しされたことには感謝しかない。鳴坂博士の方に足を向けて眠れない。方位はどっち。とりあえず都心に向かっては足を向けない。模様替えする。モルド手伝って。球体関節のネフィリムも素晴らしいが、THEロボットと言わんばかりのそう造形美たち、ロマン武器に、それに宇宙ステージ!楽しそう、やりたい、今すぐやりたい。

 

 鉛筆:ネフホロ2とどっちがやりたい?

 

 ルスト:どこの天然水が好きくらいの無意味な質問、どっちもやりたい。ネフホロ、これは浮気じゃない、私は平等にロボットが好きなだけ。等しくプレイする。でも、こんな、こんな一気に情報出てくると!うん、ちゃんとネフホロ2も頂点取る。プロジェクトプラモも天辺とる。はっ!高校在学中にプロになればこの問題から解決する?オイカッツォ、プロなんでしょ?なにかこう、紹介して頂けるルートない?ロボゲーなら負ける気はない。

 

 サンラク:ご乱心だぁ

 

 カッツォ:わぁ……とんでもない所からプロゲーマーの卵が

 

 ルスト:モルド手伝って!

 

 モルド:高校はちゃんと卒業しようね……

 

 

 その後しばらくルストの奇行的発言が続いた。




・モルド「あ、テンション振り切って気絶した」

 佐備夏蓮、痛恨の寝落ちッ―――☆

 寝不足と熱気でオーバーヒートした。

 その後、葉が背負って帰宅した。


・会場近くのホビーメーカー

「なんかすごい勢いでプラモが売れていくッ!」

・JGE編とりあえずいったん終了。

 余波は広がるけども
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