何も知らない鳴坂和人くん(22) 作:スティック/糊
癖の強いCanonちゃそ親衛隊なる人物から逃げるために全力逃走をしたキリトはセカンディルまで逃走RTAをかまし宿屋に潜り、適当な部屋を借りてラビッツに逃げ込みログアウトした。
ログアウトすると丁度紗音もSAOからログアウトしたらしい。
「一層2時間で駆け抜けられるようになったよぉ」
「製作者的理論値は1時間24分41秒だ」
「……人間やめてない?」
え、あれから更に30分切るの…?
紗音はどないすればそうなるねんと一瞬思考の海に陥りかけた。
「プレイヤースキルのゴリ押しでいける」
「えぇ…?」
紗音は困惑しつつ、疲れたと和人を抱きしめそのまま就寝した。
和人もそのまま就寝した。
〇
翌日、和人は普通に仕事をこなす。
VRチェアのアップデート機能をいくつか検討し、会社に投げる。
販売の関係は上の判断次第になってくるのでその間は別の仕事をポチポチ。
和人が完全改修してるVR機器の調整業務もチマチマと進める。
先日発表されたパーソナルARシステムであるオーグマーのアプリケーションで何を作ろうかなーなんて頭を回していると電話がかかってくる。
「ん、社用の方か」
和人の私用の電話はアクセルリングに仕込んだ回線に繋がり、仕事の電話は手持ちのスマートフォンにかかってくる。
カムラの仕事は内線でかかってくるので必然的に社外のお仕事案件と言うことになる。
ディスプレイを見ると『安賀多ティータ』ゼムリア社の代表取締役からの電話と言うことになる。
「はい、鳴坂です」
『お世話になっております、株式会社ゼムリアの安賀多です』
「お世話になってます」
『えーさっそく本題なのですが…』
「はい」
『インタビューお受けして頂けませんか?』
「…?」
インタビュー?どちらの出版社だろうか。
『あ、自社コンテンツなので気まずい事は全カットできますので』
聞けばゼムリア社の部署の一つがプラモ関係の書籍を定期的に出版を予定しているらしくそこの記事の対談企画に出て貰えませんか、とのこと。
「顔出しNGなのでそこらへん考慮してもらえれば」
『はい、それはもちろん!』
今日の業務は……大体大丈夫そうだな。
急ではあるが午後、ゼムリアでの取材と言うことに。
あ、ちゃんと事前に質問事項等の一覧を出していただけてる…ありがてぇ。
〇
「うっす、博士お久しぶりです!」
「ひさしいって程日は空いてない気がするけどね」
和人はゼムリア社を訪問すると出迎えたのは墨字灰、あれ広報じゃなかったっけ?
「今日インタビューの対応させてもらうのは俺っす」
「見知った顔なのは気が楽だ」
そのまま応接室にドナドナされていく。
ゼムリアの広報部の一角で出版予定の資料を作成していくらしい。
なんで書籍作ることになるかと言えば
まぁ、ゲームのオフィシャルとしては需要はあるのかな。
数日前に莫大な出資をして来た
……急ピッチが過ぎる。
サーバーの部品類も自社製造なのでそこの物理的な時間は発生するが順調とのこと。
必要な貴金属類の融資が流れるように行われておりいっそ怖い、工場フル稼働でやべぇとの話だ。
「うちの営業も今から年末商戦に参戦予定とか正気か、とてんやわんやっす」
「それはそうなるだろうね……」
「それにつられて転売ヤー絶対ぶっ殺すと息巻いてるうちの相談役も色々な打ち合わせで営業引き連れて色んな所に動きまくってるみたいです」
この世界でプラモの販売をしている各メーカーも出荷が多くなることを見越し、受注生産並びに初期生産ロットも多めに検討しているらしい。
「あと、アニメ化の企画もモルゲンレーテ社からの打診があったっす」
「カオスだなぁ」
「博士的に解釈ちげぇとなったら蹴り飛ばしていいっすよ」
「……各ホビーメーカーとかの思惑をうまい事まとめてクソにならなければ大体GO出すよ」
「了解です」
……協賛と言うかスポンサーが大変なことになりそうだなぁ。
え、権力つよつよ大蔵家のイーオンさんがねじ伏せるから好きに作れ?
……正気か?
まぁ、変な作品作るくらいなら自費で作れるしなぁ。
「さて、インタビューを開始させてもらいますね」
「あ、見学の鈴傘夕菜です」
以前もPR動画作成の際に顔を出していた鈴傘も顔を出していた。
ポニテのCV.東山……どこか負けヒロイン臭がするんだよなぁ。
「あ、気軽に茶菓子とかもどうぞ」
「どうも」
和人が案内された応接室の机にはかなり多種多様な茶菓子類が一杯。
緑茶か珈琲かと聞かれ珈琲を頼んだが……些か量がすごくない?
「博士に急なお願いすると言ったら食堂の方が頑張ってくれました」
……後で食堂にお礼に行こう。
「まず、このプロジェクトプラモの企画経緯について教えてください」
「ふと童心を思い出しプラモデルを細密にスキャンできる技術をアリサに聞いてみたら捕まった」
「……え、そんな経緯だったんですか」
「個人で遊ぶ用だったんだけどねぇ…」
「……えー、流石にそれは表に出さないのでこんな感じに丸めておきますね」
記者 Q.1 まず、このプロジェクトプラモの企画経緯について教えてください。
鳴坂 A.1 童心を思い出すことがあり、プラモデルを読み取る機器を選定するうちにゼムリア社にたどり着き、そこから縁あってゲームを制作することに。
記者 弊社製品に目を付けて頂き有難いです。
鳴坂 奇妙な縁もあるものです。
「流石広報、それで」
「話してみるとこの人だいぶノリが軽いんだよな…」
和人が雑に許可を出すと墨字は深くため息を吐いた。
「えー次、その童心を思い出す切っ掛けを教えてください」
「メタ的に言うとシャンフロで前世のアニメの技再現楽しくなっちゃって、そう言えば子供の頃自分で作ったプラモに乗りてぇとか思ったわ、と言う流れ」
「前世は省きましょう」
「シャンフロユーザーだったんですね博士」
記者 Q.2 その童心を思い出す切っ掛けを教えてください。
鳴坂 A.2 散歩していると公園で木の枝でごっこ遊びをする少年らを見てそんなことを思う少年時代があったな、と思ったのが切っ掛け。
記者 そこから、プラモデルに行きついた、と。
鳴坂 ちょうど妹がロボットアニメにドはまりしていて、あ、プラモ!と。
記者 つまり妹さんがロボットアニメにハマっていなければ、プロプラではなく別のコンテンツになっていた可能性も…
「無難でヨシ!」
「ひでぇ捏造っすよ」
ひねり出したの君だが?
「三つ目の質問です、作品に登場するガンダムに付いて教えてください」
「相談役に聞いてください」
「……なんかいい感じにまとめておきますね」
「頼んだ」
記者 Q.3 JGEのジオラマで話題のロボットたちに付いて教えてください。
鳴坂 A.3 そのロボットたちの活躍するコンテンツもゲーム内に出りますので、詳しくは発売日を待っていただけると幸いです。
記者 どういった形であのロボットたちに付いて知ることが出来るのでしょう。
鳴坂 各ロボットに対するシナリオがありますので、お楽しみに。
「4つ目の質問です、プロジェクトプラモ作成に関して特に苦労した点などはありますか」
「
「……社員として謝罪申し上げます」
「システムに関しては特に苦労はないんだよなぁ…」
「流石天才VR博士」
記者 Q.4 プロジェクトプラモ作成に関して特に苦労した点などについて
鳴坂 A.4 先ほども話題に上がりましたが、細密な精度を要求するスキャナーに関しては専門外だったので、その選定でしょうか
「えー次。JGEでの電撃発表の経緯について」
「趣味の延長線なので、細々とやって良ければと言う思い?」
「何故に疑問形なんですか」
「え、だから完全に趣味で終わらせる予定だったし」
「……この博士つついたら色んなゲーム零してきそうなんだよ……」
「プロプラで忙しいから他のコンテンツ作るとか無理!って言い訳できるからありがたい」
「つまりやろうと思えばできると」
「え、うん」
「ぶっ壊れすぎ…」
記者 Q.5 JGEの電撃発表に至った経緯などもよろしければ教えて頂けないかな、なんて
鳴坂 A.5 ビックリしたでしょ
記者 私は内部の人間だからそう言ったコンテンツを作成しているという話は聞いていましたが、そんなテンションのが理由だったんですか!?
鳴坂 流石に違いますよ。来年、再来年くらいの発表予定だったんですけど開発部がすごく、頑張った結果当初よりかなり早い発表となりました。
記者 ※弊社は労働基準法に遵守した極めてホワイトな会社です。
鳴坂 ゼムリア社の開発部とこんなプロジェクトやりませんか?って話になった時「え、自分のプラモに乗れるんですか!?」とそっからかなりの速度感でホント…
記者 ※弊社は労働基準法に遵守した極めてホワイトな会社です。
「まぁ、ココに持ち込むときには基礎システム完成してたし……」
「ちなみにいつ頃から制作を始めていたんです?」
「今年の夏の終わりくらい?」
「え、今11月の下旬に差し掛かろうとしている時期ですけど。単純計算して2か月ちょっと……?え、こわぁ」
「ロボット関係のゲームは趣味で作ってたのあったから結構流用してるし」
「……マジっすか」
「VRスパロボつくりたくなった時期があって」
「できたんです?」
「出来ちゃったねぇ」
墨字と鈴傘は頭を抱えた。
「インタビューはこんなもんっすね。一応インタビュー以外の記事はこんな感じを予定してます」
「あ、初回は無印ガンダムか」
「JGEで体験してもらったNPCがどんなキャラかを知ってもらうのも手かな、と」
しばらく続いたインタビューも終わり、初回の内容はプロプラってどんなゲーム、と言う話からストーリーの一部として機動戦士ガンダムについての説明が入っていた。
「こんな感じで各号色々なロボット作品について載せていく予定っすね。この世界のロボ作品とのコラボもありますからそこらへんも載せていく感じっすね」
「なるほど?」
「単純に計算して月一で書籍出してもガンダムシリーズだけで一体どれだけかかることやら」
「作品数多いからなぁ…」
外伝除いても歴史ある作品だからなぁ。
「そう言えばJGEでスッゴイ決めたコードギアスのランスロットアルビオン持ち込んできた子がいましたね」
JGEの受付関係もやっていた鈴傘がふと思い出したように言う。
プラモ持ち込み勢は少ないながらにいたらしい。
和人が思い浮かべるのはカムラのプラモ馬鹿とその上司、イーオンあたり。
事前にこういうゲーム作りますねーと出版社経由で聞いていたらしい作家なんかも自作プラモを持ち込んでいたとか。
「多分それ、うちの妹」
コアな転生者さんもいるんですねー、なんて鈴傘が言うが和人がツッコミを入れた。
「え゛」
「小柄で猫っぽい雰囲気の子だったらうちの妹」
「確かにそう言われるとそんな雰囲気も…?え、じゃぁそれと一緒だったベアッガイの子は」
「妹の友達じゃないかな。ロボット布教するのに可愛い感じプラモないかと聞かれた覚えがある」
それでイーオンから送り付けられたプラモ製造機――あれは高精度な3Dプリンターと言った方がいいかもしれないけど――でベアッガイのプラモ作った覚えがある。
「妹さんも転生者なんですか!?」
「ちゃうけど」
「―――博士まさかコードギアスゲーも作ってるとか言いませんよね!?」
「え、うん。作ったけど」
「い、いいいいいいいいくら積めばプレイできます?ちょっとルルーシュ様に飢えてるので供給ください」
……鈴傘がうちの妹みたいな挙動してるぅ。
「ゲームは流石に外に持ち出せないがアニメなら」
「‥…え、どこの会社ですか!?」
これでもコアなアニメオタクしているつもりなんですけど、と鈴傘がポケットからスマホを取り出しすごい勢いで検索を駆け始めた。
「え、無いです―――まさかアニメまで作れるんですか!?」
「こう、ノリで」
「ノリで…?」
鈴傘はちょっと何を言っているのか理解できず宇宙猫を背負った。
「博士揺すったら一体どんだけのモンが出てくるのか一周まわってこえぇ」
「ベツニコワクナイヨー?」
墨字にはちょっと引かれた。
・唐突な新Ⅶ組らの紹介。
・墨字灰→アッシュ・カーバイト
若干チャラいが普通に仕事のできる男。
この博士色んな意味でやべぇタイプだと思いながら記事を丸い事納めている。
・鈴傘夕菜→ユウナ・クロスフォード
現実では流石にカラフルな髪色してないが少し赤みがかった色合いの広報部のエース。
入社した頃にはアリサがリィンとラブっててOrzした過去を持つ。
筋肉フェチの気がある。
・佐奇森来人→クルト・ヴァンダール
作中に出てきてないが警備部門所属の脳筋。
新Ⅶ組の飲み会があると大体拉致られる。
・源歩→アルティナ・オライオン
作中に出てきてないが開発部。
プロプラでクラウ=ソラス再現を頑張っている。
え、プラモから作らないとだめですか?ふ、フルスクラッチ…?
・大鷲ミュゼ→ミュゼイーグレット
翻訳家。色々なところを飛び回っている。