何も知らない鳴坂和人くん(22) 作:スティック/糊
和人の元に一通のメールが届く。
自宅に無法版プロプラでも設置するかと考えていた矢先のことだ。
「(誰だ…?)」
和人のメールアドレスを知っている人はそう多くない。
故に何人かは絞られるはずなのだが、送られてきたアドレスを見ると〈E_Einzbern@XXXX.co.jp〉となっている。
衛宮か。
ドメインが大手通信会社。
私用のアドレスっぽいぞ…?
表題
:開発者君見ってるー?
ネットに汚染されすぎてない?この衛宮。
とりあえず開くかな、とポチ。
本文
:君の大事なストフリ君乗り回すのクッソ楽しい
:なんて冗談はさて置き、ストフリのプラモ発売日何時頃になりそう?
……ああ、ただのオタクの感想だ、コレ。
ストフリの発売日か。
RE
:最速で半年くらい後?
RE.RE
:そんなー(´・ω・`)
そこら辺の販売速度関係はゼムリア社の領分なので細かくは知らない。
ざっくりとした販売速度的にソシャゲ並みの速度でぬるっと増やしていくのは聞いているが…。
RE.RE.RE
:そこにフルスクラッチがあるじゃろ
RE.RE.RE.RE
:デジタルならまだしもリアルはつらいンゴ
RE.RE.RE.RE.RE
:そんなあなたにお勧め。ネフホロで再現機体を作ろう
RE.RE.RE.RE.RE.RE
:鬼畜かな?と言うかメールめんどくさいから電話するね。
そのメッセージが送られた直後電話がかかってくる。
「もしもし」
『お久しぶりです、こちら鳴坂博士のお電話番号で御間違いないでしょうか』
「温度差ァ!」
『…誤爆って怖いじゃん?』
確かに怖いけれども。
『博士のコネコネパワーでどうにかならん?』
「コネクションを使うのに躊躇いなさすぎでは?」
『あるなら使うでしょ』
「あー、デジタルいけるなら自分でランナーデータ作れ、金持ち友人に叩き込まれた頭のおかしい3Dプリンターあるからそれで出力して送ってやる」
『え、データも博士作の方が完成度高いでしょ絶対』
「塗りで対応しろ、塗りで」
『一般UES社の社屋で寝泊まり系の人間にそんな時間があるとでも?』
「誇る所じゃねぇんだよ」
会社の中で寝泊まりは終わってない?
俺も大学生活してた頃はカムラから学校行ってた時期あるから強くは言えないんだけども。
『こう、大まかなシャンフロ情報をゲロる用意ならある』
「いらんいらん。自社コンテンツをそんなことでゲロるな」
『え、私の不可侵ボディーを所望とな!?』
「誰も言ってねぇよ」
『うっわ辛辣ぅ…』
……知り合いの女性高頻度で下ネタぶち込んでくるのなんなの?
「あー、じゃあアレだ」
『アレ?』
「バハムート関係の情報流出関係どうにかなんない?」
『―――なんて?』
和人は大まかな事情を話す。
半分愚痴に近い、リヴァイアサンでの情報流出、ベヒーモスでの後続への攻略情報の流布かは知らないが残されている記録媒体関係についてを。
『―――スゥ、ちょっと
「お、おう」
『察するに大まかに私であって私じゃない奴がやらかしている可能性がすごいの』
「……エミヤ案件?」
『……私たちFate組は心のどこかに愉悦の精神が組み込まれていてね』
「あー、ご苦労様?」
『ほんとたまにとんでもない事起こすの、ホント、勘弁してほしい…』
「……お疲れ様」
『早急に対応するから』
「ほどほどに…?」
『愉悦してるやつに慈悲はいらない。コレFate組の共通認識』
「お、おう」
『じゃ、追って連絡する』
そう言って衛宮は通話を切った。
……とりあえずSEED作品の完成度たけぇフルスクラッチジオラマ置いてあった
▽
「
「せ、正座キツイ」
「
『……こう、つい?』
「甘味禁止」
『(´・ω・`)』
「寛容な相手じゃなかったら法廷バトル案件……なにこの利用規約、いつ変更したわけ」
『てへぺろ?』
「アホ、今すぐ修正。サーバー捥ぐよ」
『はぃ』
「ファーストプレイヤーの仕様を悪用しないでよ。1プレイヤーを贔屓しないってことは1プレイヤーに大損させるのもダメだからね、聞いてる?沸点幼稚園児」
「な、それは流石に言い過ぎでしょ!?」
「そう言われるレベルの立場なの、自覚してアホよん」
〇
「さて」
豆太郎はふと思いついたことを実証するためネフホロにログインしていた。
目標は一つ。
有線ファンネルならネフホロでも作れるんじゃねぇか疑惑の実証である。
コードレスの方が見栄えがいいのにないんだよ、ネフホロ。
だけど有線は有線のロマンがあると思うのだ。
レーヴァテインはあまりにも重装甲になってしまったので別、別の機衣人を捕獲するか…?
ドラレクスの方に増設するのもあり……だけど追加するならテールブレードにしたい。
有線、有線ならいけるか?
お前は有線をどこまで神聖視しているんだとツッコミが入りそうではあるが、実際に豆太郎はやり遂げた。
これで近接から中距離までどうにか行けそう。
二本のテールブレードの有線ファンネルを装着。
ストーリーモードに殴り込みに行き使い勝手は上々。
実証実験終了。
試したいことは終わったな。
すっきりとした気持ちでログアウトしようとすると豆太郎の前に一台の機衣人が落ちてきた。
「ステイ!豆太郎ステイ!」
「俺は犬か?」
落ちてきたのはヤカンヘッドのプレイヤー。
ああ、サンラクか。
「はー、やっと発見したぜ」
「ネットでツチノコ扱いされてるお前ほどではないのだが」
「いや、お前の方がツチノコだろ」
「一体俺は何時から未確認生命体に…?」
にしても何故にサンラク?
機体が以前の物と変わっているからバトル案件か?
「なんだ、またバトルか?今度は近接特化が仕上がっているぞ」
「何それバトルしt―――って違う違う、あーその、なんだ。お前とバトルしたいって言ってるやつが居てな、時間ある?」
「んー、昼までなら?」
豆太郎はメニューを開いて現在時刻を確認する。
現在時刻11時、昼飯は紗音が気合入れて料理してくれるというから遅刻は出来ん。
今度一緒に料理でもするか…?そう言うのもロマンあるよなぁ。
「一戦ならいけるか…」
そう言ってサンラクはメニューウィンドウを操作し始めた。
連絡ツールか…?
「えー神速でやってくるって」
「え、何それ怖い。ログアウトしていい?」
「それは勘弁して」
「と言うか俺と対戦したいとか言うもの好き誰だ…?」
「あー、うん。このゲームのランキング1位」
「……なんt――」
再び豆太郎の前に一体の一台の機衣人が落ちてきた。
親方!空からネフィリムが!
なんて小ボケをする前に機体から現れた1人の少女が豆太郎に言う。
「私と勝負しろ!豆太郎!」
……開幕決闘申し込まれるようなこと彼女にしたっけか。
豆太郎は首をかしげながらも申請されたシステムウィンドウを見る。
『
面識なかった気がするんだがなぁ。
承諾ボタンをポチっと押して構える。
『ドラレクス VS 千群万羽 デュエルスタート!!』
何とも癖の強そうな機体だなぁ…
と言うかネフホロ上位勢みんな癖の強い機体使うじゃん。
ベターな機体使ってるのスーパー玉男くらいでは?
「どうした、来ないならこちらから行くぞ!」
え、スッゴイ強火やん。
千群万羽、超小型のブースターを無数に組み合わせた姿がまるで鳥のよう。
その鳥っぽい機体ファンネル組み合わせたい……。
「はや」
なんてぼさっとしていれば一瞬で詰めてくる。
豆太郎は自身の上半身を綺麗に鯖折の様に逸らし回避する。
1位さん、やべぇな?
これはちょっと気合入れないと。
相手の武装から見るに基本遠距離特化。
ビームの威力的に近接で打ってくる可能性もあり、と。
完全に阿頼耶識で動かそうとすると脳パンクしそう。
やるけど。
無数のブースターを利用した高速機動の超ピーキー機体らしく動きが実にキモイ。
全体的に狙わねぇと理不尽な体制で回避してくるじゃん。
それでも捉えないと勝てない訳だ。
出し惜しみは出来なさそうだ。
「こちらからも行くぞ」
キリトはテールブレードと有線ファンネルを展開する。
「いい!すごくいい!」
……お前バーサーカーのクラスに居たりしない?
この変態回避する機体を確保、もしくは翼になっているブースターの破壊を試みなければならないとかマジか。
荒廃した平地だと厳しいけど市街地ならこっちもそこそこ立体的に動けるんだよね。
豆太郎はテールブレードを射出する。
「その程度当たるか!」
『ルスト!それは攻撃じゃない!』
そう、これは切ることよりも、建物にぶっ刺して立体起動装置の様に自分を移動させるためのアイテムなんだよ。
避けて市街地を破壊すればするほど俺の手は増えていくぞ?
〇
昼:鳴坂家。
「やっぱあいつバーサーカーだろ」
勝ったは良いが即再戦要求されるとか思わないじゃん、アゼルバイジャン。
勝ったと言ってもだいぶラッキーなところあったし。
建物ドミノクラッシュに至るとか思わんて。
2戦目は普通に負けたし。
……当初の目的は果たしたし、暫らくネフホロにログインすることはねぇかな。
プロプラのNPCの敵の難易度もうちょい上、作らねぇと。
それだけは確信して言えそうだ。
「そんなに強い人いるの?ネフホロ」
「推定データ型。高機動ウェザエモン相手にしてる気分だった」
「ウェザエモンかぁ、ウェザエモンって言えばシャンフロでもウェザエモンっぽいの旧大陸で見つかったらしいよ」
「……マジ?」
ウェザエモンの再戦とかあんの?
アヴァロン以外で。
私もウェザエモン挑んでみたかったんだよね、何て言う紗音を見て旧大陸でのウェザエモン戦にちょっと興味が湧いてきた。
秘匿の花園ではないんだろうけど何処なんだろうな。
▽
とある転生者掲示板
55:名無しの攻略組 ID:Asuna
チャンスかもしれない
56:名無しの攻略組 ID:Leafa
チャンス…?
57:名無しの攻略組 ID:cat^Sino
おそらくこれのことかしら
『シャングリラフロンティア:小規模アップデートのお知らせ』
58:名無しの攻略組 ID:K8BkoB+
先ほど出たマイナーアップデートか
59:名無しの攻略組 ID:Klein_RED
出会い厨っ絶対殺す機能のアップデートのアレか
60:名無しの攻略組 ID:M_rabbit
ああ、なんか色々なところでプレイヤーがやり玉のようにさらされたりするようになったことへのアップデートの話?
61:名無しの攻略組 ID:UGO-ENG
最近のファステイア混沌としていたからね
62:名無しの攻略組 ID:AliceW
推定転生者もワラワラしていたし、彼ら彼女らアバター作るのうまいから…
63:名無しの攻略組 ID:Lisbeton
アバターと言うかリアルの顔面基準でちょこっと弄っただけの方が多いんじゃない?
64:名無しの攻略組 ID:Yuuki_MR
まぁ、なんというかギリギリで攻めてくる変態も結構いたしね
65:名無しの攻略組 ID:Asuna
そっちじゃなくてもう一つの『バハムート内放映アイテムの追加』の方
これはアインクラッドのステマに使えると思わない?
66:名無しの攻略組 ID:Ag@DICE
そっちか
67:名無しの攻略組 ID:cat^Sino
ああ、通称集団幻覚事件のアレ、一般プレイヤーでも使用可能チャンスが出来たのね
68:名無しの攻略組 ID:ALGO
なお難易度
69:名無しの攻略組 ID:Asuna
リヴァイアサンとベヒーモスの完全攻略ならいけると思う。
リヴァイアサンは中央部もう行ったし
70:名無しの攻略組 ID:Klein_RED
強い(小並感)
71:名無しの攻略組 ID:cat^Sino
私もリヴァイアサンならクリアしたわよ、銃作りたくて
72:名無しの攻略組 ID:Leafa
それで、出来ました?ヘカート制作
73:名無しの攻略組 ID:cat^Sino
デザインがすごく納得いかない
もうちょっと銃のデザイン性弄れるの何かないのかしら
74:名無しの攻略組 ID:AliceW
光剣擬きは出来たぞ、なんでも切れる訳ではないが、ある程度のデバイスの弾丸なら斬れる。
75:名無しの攻略組 ID:Yuuki_MR
え、何それ欲しい
76:名無しの攻略組 ID:UGO-ENG
銃も結構楽しいね
77:名無しの攻略組 ID:K8BkoB+
我々がするのはSAOのステマでは…?
78:名無しの攻略組 ID:Asuna
弾丸切りは映えるから!
79:名無しの攻略組 ID:Lisbeton
あ、私古匠になったから神代兵器弄れるようになったわよ
80:名無しの攻略組 ID:SilicaGL
私、新大陸で騎乗スキル手に入れました。
81:名無しの攻略組 ID:AliceW
ライダー案件か、乗りたい
82:名無しの攻略組 ID:M_rabbit
とりあえずクランの方針はバハムート攻略して、放映権手に入れて、ステマ?
83:名無しの攻略組 ID:UGO-ENG
なお、ソードスキル
84:名無しの攻略組 ID:Yuuki_MR
僕は手に入れたよ?
85:名無しの攻略組 ID:Klein_RED
え゛あのピーキーなクソクエできたのかよ
86:名無しの攻略組 ID:Asuna
私も確保済
87:名無しの攻略組 ID:ALGO
プレイヤースキルの差が出来てきたな
88:名無しの攻略組 ID:M_rabbit
私は失敗した。何あのクソクエ
89:名無しの攻略組 ID:UGO-ENG
僕もちょっと当たってみたい人物がいるから聞いてみようかな
90:名無しの攻略組 ID:K8BkoB+
では、ステマのためバハムート攻略をしばらくの間クランの方針とする