ブルアカ監禁SS   作:名無し

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救護騎士団に閉じ込められたい2

救護騎士団に監禁されて8日目

ミネに朝食をもらって少しした頃、ノックと共に扉が開いた

“…セリナ…”

「先生、どうしてそんな風に怯えた目を向けるんですか?」

“…セリナ、お願いだからこんなことはやめてよ…私は、もう辛いんだ”

「……私も辛いですよ、先生に辛く当たるのがどれだけ辛いことか」

セリナの手が首筋に触れる

なぞるように、優しく頬を包む、平手で打たれた部分が熱くなる

「…先生、私にこんな事、させないでください…よく考えてください」

「先生はここに運び込まれた時点でそれだけの理由があったのに、ずっと反抗して、そんなの…しつけるしかないじゃないですか」

“でも、こんなやり方…!”

「先生、今だけですよ、今だけ我慢してくれれば、それで済むんですよ?」

“…そんなの…ダメだよ、私は私のやるべき事が…”

セリナの手が首筋に触れる

“…ご、めん…やめて…”

「何もしませんよ、先生」

セリナの手が離れたと思うと、後頭部を抱きしめられる

「…私は先生の味方ですから、先生が私の事を嫌いにならない限りは」

“……うん”

「セリナ、話があります」

「どうかしましたか?団長」

「…最近のあなたの行動は何かと目に余りましたが、流石に昨夜の事は看過できません」

「何のことでしょうか?」

セリナがすっとぼけるように首を傾げる

「……シラを切る、というのなら…」

「もし、それを注意するのでしたら…団長はそれをするつもりがないということになりますけど…いいんですか?」

「っ!?」

ミネの手からショットガンが落ちる

「ミネ団長、私が昨夜行った事は、適切な医療行為だと考えています」

「成人男性がこのような環境で何もたまらないはずがないじゃないですか、先生の為なんですよ」

「それを何故、深夜、先生の了承も取らずに行ったのですか…」

「それは勿論、先生なら拒否するからです」

「だとすれば…そのような事は!」

「今日は団長がやりますか?」

「な…!?な、何を…!」

「素直になりませんか?だって、先生を連れてきたのは、団長ですよね?」

「それは、必要なことで…」

「本当にそうですか?そんな事しなくてもなんとかなったのでは?」

「…先生は、自分で自分を制御できません」

「そうですか、なら、先生がここを出てシャーレに帰った後…そうですね」

「ハスミ副委員長も先生にかなり好意を寄せていました、毎日お見舞いの申し出にもきてますし、シャーレに帰れば毎日会いに行くと思いますよ?」

「そして、自分を制御できない先生はその好意にながされて、ハスミ副委員長と先生とお付き合いしてしまったり…」

「そ、そんなのは!」

「ダメですよね?許せませんよね?」

「……」

「先生の証、欲しく無いですか?」

セリナが自身の下腹部を撫でる

「…私は…」

「先生は仕事に囚われています、役割をずっと求めています、このままだとうつ病になるでしょう」

「……」

「献身的に介護を続ければ、依存の対象は仕事から私たちに変わりますよ、そのほうが健全では無いでしょうか」

「…そう、ですね」

「それでは団長、夕食にこれを混ぜてください」

セリナから何か、薬を握らされる

「……ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…先生」

 

 

“セリナは私をどうするつもりなんだろう”

考えるほどわからない、でも、このままじゃマズイ

なんとかして手錠を外して、逃げ出さなければならない

“……バレたらどうなるんだろう”

それを想像するだけで震えてしまう、大の大人が女の子に叩かれる事を恐れるなんて、なんて情けない…

それでも、痛みは恐ろしい、その上どんな制限をかけられるのかと思うと…

でも、それでも、ここからは逃げ出さなければならない

ここにいてはセリナがおかしくなる、セリナの為にも、逃げなくてはならない

(ガチッジャラッ…ガチャッ)

“…外れないよね、やっぱり…硬すぎる”

…失敗の恐れはあるけど、やっぱり選択肢は一つしかない、次にセリナが来た時がチャンスだろう

“……よし、やるしかない…!”

 

ノックと共に扉が開く

“…セリナ”

「お昼ご飯をお待ちしましたよ、先生」

“…セリナ、お願いがあるんだ、これを外してほしい”

「ダメです、その手錠がないと先生は…あれ?」

“ずっと痒くて仕方ないんだ、お願いだから…”

(…肉がえぐれて血まで…!)

「わかりました!すぐに手当しますからじっとしててくださいね…!」

(カチャカチャ…カチン)

「外れました、すぐ手当を…」

“…ごめん!”

セリナを押しのけ、扉へと走る

“これを逃したら、もうチャンスはない…絶対にここで逃げるんだ!”

ドアを開き、廊下へと出て、そのまま走って…逃げ出す

 

「先生…!?ど、どうして…」

正面から歩いてくるミネと出会してしまった

“み、ミネ!?退いて!!”

“(ミネならきっと見逃してくれる、このまま…)”

(ガシッ)

“…え?”

「戻りましょう、先生」

“い、嫌だ!ダメだ!ダメなんだよ!離して!”

「…戻りますよ」

…ミネの力に敵うはずもなく、部屋に連行されてしまった

 

「先生、私、本当に心配したのに…」

「セリナ、暴力はいけません」

「わかってます」

もう、死にそうだ、怖い、震えで歯がガチガチと鳴る

何もされてないのに涙が滲み出てくる

「恐れる必要はありません、先生」

ミネがベッドに腰掛け、私の頭を自身の膝へと誘導し、寝かせる

「先生、とりあえず腕を出してください」

セリナが掻きむしった手をとり、優しく手を取る

「消毒します、少し痛いですよ」

“っ…”

消毒液が染みる、少しして、軟膏を塗られ、傷口をガーゼで覆われて包帯で固定される

優しい対応が逆に怖い、これはなんなんだろう、私は今からどうなってしまうんだろう

 

「怯えなくていいんですよ先生、もう痛い思いはしなくていいんですよ」

「先生、ごめんなさい、私がまだ未熟だったから、先生を留める方法をわかってなかったから」

“な、なにを…?”

「先生、先生が帰る場所はここです、居場所もここです、ですが恐ろしい場所であっては逃げ出したくもなります」

「なので、先生にとって理想の場所になるように努力しますから」

“…え…?”

 

2人が部屋を出てしばらく経った
…何もかもが激変してしまった、怯えなくていいと言われても、わからない
手錠は外されたのに、動く事が怖い
トイレも自由に行ける、シャワーも申し出れば傷の防水保護の後なら自由に行けるらしい


どういう理由なのかがわからない、これもしつけなのだろうか?


それとも、何かがいい方向に進み始めたのだろうか?
わからないのが怖い、何が地雷で何が安全なのか、もしセリナの地雷を踏んだらまた叩かれるのではないか
…

 

恐ろしくて仕方ないのだ、抵抗しようにも、向こうのほうが圧倒的に強いのだから
そんな諦めに私の心は支配されている


 

コンコンコン、というノックの音に体が跳ねる、心臓が強く鳴り始める
「先生!ご飯を持ってきましたよ!」


“は、ハナエ!”


ああ、良かった、胸をつい撫で下ろす
そういえばしばらく会えてなかったな…


 

“元気だった?何も変わりはない?”


「はい、どうしたんですか?」


“ハナエのことが心配になっちゃって”


…嘘だ、わかっている、私自身の心配をしているだけだ


“あれ、これ、ハナエが作ったの!?”


「はい!頑張りました!」


“すごく美味しそうだよ…!”


肉じゃがにお味噌汁、お漬物と味つき混ぜご飯、てっきり料理は得意じゃ無いのかと思っていた


“いただきます!うん、美味しいよ!”


味付けは少し甘すぎたりしょっぱかったりはする、それでも真剣に作った事が伺える


「良かったです!」


特に混ぜご飯、これのしょっぱさがキツくはあるが、甘い味付けの肉じゃがに合わせると意外と悪く無い
“ごちそうさま、おいしかったよ”


 

「そういえば、先生」とハナエが切り出して薬と何か別のカップをくれる


「不安で眠れないだろうからって、団長が渡すようにと…このカップの中身は普段より強い薬みたいです」


“そっか、ありがとう”


「それでは、また来ますね!」


ハナエを見送り、のんびりと横になる
睡眠薬を飲めば明日になる、でも、コレを飲まなければ…


私は選ぶ事ができる、きっと深夜の時間帯であれば…警戒は多少手薄だ


わかってる、また怒られる、今度は片手では済まないだろう


“……”


しばらく薬と睨めっこをした後、その日は飲むことにした


カップの中身は…どうにも気が進まなかった


“はあ……私は、どうしたら…”



「……飲みませんでしたか、残念です」

 

 



“…ん…?うわっ!?せ、セリナ!?”


「おはようございます、先生」


いつの間に、いや、時計を見るとすでに起床時刻を過ぎていた…


なんて事だ、寝過ごすなんて…と思ったのも束の間


“待って何してるの!?なんで私…”


「だって先生、昨日シャワーを浴びませんでしたよね?体を拭かないと」


“だ、だからってズボンまで…あ…”


この感覚、もう全部拭かれた後か…


「すみません、でも清潔を守るためですから」


“うん、ありがとう…”


まあ、もうセリナにはこれ以上のものを見られてるし、拭かれてもいる…諦めも大事だろう


「先生、朝ごはんはこれですよ」


“あっ…救護騎士団でもこういうもの食べられるんだ…?”


出されたのはハンバーガーとポテト、それから炭酸飲料、健康とは真逆のファストフード



「どうしてですか?…あ、もしかして体に悪いと思ってますね?ちゃんと健康に気を使ったメニューですよ」


“そうなの?”


といいつつポテトを頬張る
太めにカットされたホクホクしたポテトは適度に塩気があって最高だ


「たとえばそのポテトは揚げてません、軽く油を塗ってグリルしてあるんですよ」


“へえ、そうなんだ” 


ハンバーガーはレタスやトマトをはじめとした野菜がみずみずしくて、お肉以上の存在感を出す


ジュースもどうやらフルーツのジュースにガスを混ぜた物のようだった


“うん、どれもすごく美味しいよ!”


「それはよかったです」


“お店で食べてるみたいだけど、これも全部作ってるの?”


「はい、もちろんです」


“すごいなぁ…”


心の底からそう思う、こんな料理を嫌な顔一つせず毎日出してくれる
そんなの私には無理だろうな…


(…でも、先生は食事や環境では、ここに縛り付けられませんよね?)


(きっと今もあなたの頭の片隅には、ここでは無い場所へと帰る事があるんですよね?)


(絶対に、させませんから)


「…また、美味しいものを作ってきますからね」


“楽しみにしてるよ”


“(……)”

 


「…先生、お邪魔します、お昼ご飯をお持ちしました」


“ミネ…ありがとう”


コトン、とぼんが置かれる
お昼ごはんは…


“カレー…じゃない?”


「カレーは刺激物です、人によっては摂取すると痛みを感じたりする場合もあります」


「なので、救護騎士団では代わりにハヤシライスを採用しています」


“ああ、ハヤシライス…”


成程と思いながらスプーンを手に取る
トマトの香り、カレーとは違う優しい香りが食欲をそそる


一口含むとまず甘さ、そしてほのかなスパイスの香り
肉の旨みとトマトの香り…

なんて美味しいんだろう


“カレーとは違う美味しさだね”


「ええ、そうですね」

“スプーンでいいのも楽で凄く食べやすいよ、気を遣ってくれてありがとう”


「……ええ」


“…ミネ?”


ミネは静かに見ているだけ、何か、変だ…


「先生、食器を下げさせていただきます」


空になった食器が直ぐに下げられ、ミネは部屋を出ていく


“……何だったんだろう…それにしても、いつもよりお腹いっぱいだからか少し眠いな”


“…やることもないし、少し眠ろう”


そのまま、意識は微睡の中に落ちた

…

「ごめんなさい、先生、でもこれは先生にここにいてもらう為ですから」


「だから、許してくれますよね…?」


声が聞こえて、泥のように感覚のない身体をなんとか動かした

悲鳴のような声がした
誰の声だろう、とにかく、目を覚まさなくてはならない、必死に目を開けた


“…ミ、ネ…?”


「な、なんで…!」


“…なに、が……うっ…”


…何が起きたのか、分からない


身体を強く打ったのか、全身に鈍い痛みが走って、また意識を失ってしまった


“……ん…ん?”


…身体が痛い、しかも、布団やら着てるものまでめちゃくちゃだ
手錠が外れたからってこんな酷い寝相になるものだろうか


“……そろそろ夕飯か、変な時間に寝ちゃったせいで胃が熱いよ…”


若干の気持ち悪さを覚えつつ、身なりと寝床を整える


“……はぁ……私は、どうしたらいいんだろう”


 

 

 

ミネの日誌

 

セリナを問い詰めた、最初こそシラを切られたがあっさりと白状した、いや、それとも違う

むしろ知ってほしいと誇らしげに語られた、私に自慢をしているのだろうか

直接的には答えなかったが、肯定された、そして私の中の劣情を肯定された

私自身が否定したそれを肯定された、私は勝てなかった、その一言から、セリナに負けた

セリナのあの手が触れたのは…

私は、羨ましいと思った、そして、憎いとも

だけどそれ以上に、愛しい何かを見てしまった

セリナにとっては私なんてなんの障害にもならないのだろう

…先生はこのままだとうつ病になると言っていた

それは的を射ている、人は仕事が上手くいかないとうつ病になる傾向にある

障害に道を閉ざされた時こそ心を病む、本来の職責を取り上げられた今こそその時なのだろう、そして心を病んだ先生を依存させる

……その方が健全だと言っていた、それに私は肯定した

してしまった…

受け取ってしまった

ごめんなさい、弱い私をどうかお許しください

ごめんなさい、このような形でしか愛を伝えられずごめんなさい

私の心は、常にあなたに向いているので、どうか許してください

 

 

先生が廊下を走って逃げ出そうとしていたのを、取り押さえてしまった

先生を見逃すことだってできたのに、そうしなかった

私の手元から先生を逃したくなかった

セリナと2人で話し、先生の心を受け入れ、先生の気持ちを引き止めることにした

先生は終始怯えの色を見せたが、私たちが努力すると伝えると困惑していた

……私は、これでよかったのだろうか

 

ハナエに睡眠薬を多めに溶いた薬液を希釈したものを渡した

これは、先生のためのもの、きっと今も怯えている、今日はせめて心地の良い夢を見てもらう為…

それだけだから、それ以上の意味はない

 

 

先生は飲んでくれなかった

それは、安心して眠ってくれたという意味なのだろうか

喜ぶべきことなのに、私は分からない

…お昼ご飯は、私が作る

 

 

先生に、薬を食べさせた

食事中から様子がおかしくなった、飲ませ過ぎたのかもしれない

私は、間違えている、でも、飲ませてしまった、だからもう止まれない

先生と何を喋ったか分からない、私は、今日こそ…

 

 

ごめんなさい、私が悪かったってわかっています、だから、許してください

私がこんなことしなければ、あの時部屋に行かない事を選択すればいいとわかっていたのに

どうして起きてしまったんだろう、先生はなんで起きてしまったのか、わからない

どうして私の時だけ、なんで、ずるい

おかしい、こんなのおかしい、そんなわけない、なんで…

私だって、欲しかっただけなのに…

私は、どこに行けば…

 

 

 

ぼんやりと窓の外を眺める

…時間がただ流れる、焦燥感はもう無い、何もしていないことへの焦りはもう感じることすらできない

どうすれば良いんだろう?それがずっと頭の中で木霊している

…ずっとこのままなのだろうか?

「先生!晩ご飯ですよ!」

“あ、ハナエ、ありがとう”

「…どうかしましたか?」

“ううん、なんでもないんだ…”

ハナエに相談しても、仕方ないだろう…

大人しく今は食事を摂ることにする、何を食べたのかすら覚えてない、味も、食感も

美味しかったかどうかさえ、分からなかった気がする

「…薬がまだ抜けてないのかな…?」

“え?”

「あ、なんでもありません!」

“…うん…?そう…”

“…あれ、ハナ、エ…?”

カラン、と手に持っていた何かを落とした

体に力が入らなくて、いつのまにか横たわって眠っていた

“…あ、れ…”

何かおかしいぞ、何かがおかしいのだ

だけどそれを理解する前に、混濁した意識は闇に沈んだ

 

 

…ずるい、それが理由だった

だから、私のものにしよう

それ以上の理由はいらない

団長が薬を混ぜたのも見てた、セリナ先輩がやった事も知ってる

……なら、私も同じようにしよう

そう思って、私も薬を混ぜた、先輩の真似をすればいいのだから簡単だ

グレープフルーツジュースに混ぜた薬を飲ませる

それだけで良いんだから…

 

こんなはずじゃなかった、こうなるなんて知らなかった

先生は泡を吹いて、倒れて、私は、どうして良いか分からなくて

「ハナエちゃん!」

セリナ先輩が直ぐに来た、状況を把握していたように素早く処置をしていく

呼吸の確保をして直ぐ、うつ伏せにさせ、胃の中身を無理やり吐き出させていた

私は、ただ見ていることしかできなかった

目の前で、人が亡くなりかけているのに

私が、殺しかけていたのに…

 

“う……ん…?”

…朝だ、イヤな気分だ、夢見が悪かったことだけは何故か覚えている

「先生、お目覚めですか?」

“……セリナ、どうしたの?”

涙目のセリナと目が合う

少し視線を落とすと、ハナエはベッドに寄りかかったまま眠っている

泣いていたのだろう、目元が赤く腫れている

…何かあった、それだけは確信できる

だけど、何があったのかは分からない

だから、話を聞こう

……そうだ、怯える必要なんてない

目の前にいるのは、困っている生徒なのだから

「…少し、やり方を間違えてしまったようです」

“…そっか、でもそれがわかって良かったよ”

“……セリナは、どうしたいの?”

「……私は、先生にここにいて欲しいです」

“そっか”

全てが簡単に変わるわけではないけど、きっと何かが変わり始めている、少なくともセリナの中では

「…診察をしますね」

 

 

 

“う……ん…?”

…朝だ、イヤな気分だ、夢見が悪かったことだけは何故か覚えている

「先生、お目覚めですか?」

“……セリナ、どうしたの?”

涙目のセリナと目が合う

少し視線を落とすと、ハナエはベッドに寄りかかったまま眠っている

泣いていたのだろう、目元が赤く腫れている

…何かあった、それだけは確信できる

だけど、何があったのかは分からない

だから、話を聞こう

……そうだ、怯える必要なんてない

目の前にいるのは、困っている生徒なのだから

「…少し、やり方を間違えてしまったようです」

“…そっか、でもそれがわかって良かったよ”

“……セリナは、どうしたいの?”

「……私は、先生にここにいて欲しいです」

“そっか”

全てが簡単に変わるわけではないけど、きっと何かが変わり始めている、少なくともセリナの中では

「…診察をしますね」

 

 

 

“う……ん…?”

…朝だ、イヤな気分だ、夢見が悪かったことだけは何故か覚えている

「先生、お目覚めですか?」

“……セリナ、どうしたの?”

涙目のセリナと目が合う

少し視線を落とすと、ハナエはベッドに寄りかかったまま眠っている

泣いていたのだろう、目元が赤く腫れている

…何かあった、それだけは確信できる

だけど、何があったのかは分からない

だから、話を聞こう

……そうだ、怯える必要なんてない

目の前にいるのは、困っている生徒なのだから

「…少し、やり方を間違えてしまったようです」

“…そっか、でもそれがわかって良かったよ”

“……セリナは、どうしたいの?”

「……私は、先生にここにいて欲しいです」

“そっか”

全てが簡単に変わるわけではないけど、きっと何かが変わり始めている、少なくともセリナの中では

「…診察をしますね」

 

 

 

“う……ん…?”

…朝だ、イヤな気分だ、夢見が悪かったことだけは何故か覚えている 

「先生、お目覚めですか?」 

“……セリナ、どうしたの?”

涙目のセリナと目が合う 

少し視線を落とすと、ハナエはベッドに寄りかかったまま眠っている 

泣いていたのだろう、目元が赤く腫れている

…何かあった、それだけは確信できる 

だけど、何があったのかは分からない

だから、話を聞こう 

……そうだ、怯える必要なんてない 

目の前にいるのは、困っている生徒なのだから 

「…少し、やり方を間違えてしまったようです」

“…そっか、でもそれがわかって良かったよ”

“……セリナは、どうしたいの?”

「……私は、先生にここにいて欲しいです」

“そっか”

全てが簡単に変わるわけではないけど、きっと何かが変わり始めている、少なくともセリナの中では

「…診察をしますね」

 

 

 

“う……ん…?”

…朝だ、イヤな気分だ、夢見が悪かったことだけは何故か覚えている 

「先生、お目覚めですか?」 

“……セリナ、どうしたの?”

涙目のセリナと目が合う 

少し視線を落とすと、ハナエはベッドに寄りかかったまま眠っている 

泣いていたのだろう、目元が赤く腫れている

…何かあった、それだけは確信できる 

だけど、何があったのかは分からない

だから、話を聞こう 

……そうだ、怯える必要なんてない 

目の前にいるのは、困っている生徒なのだから 

「…少し、やり方を間違えてしまったようです」

“…そっか、でもそれがわかって良かったよ”

“……セリナは、どうしたいの?”

「……私は、先生にここにいて欲しいです」

“そっか”

全てが簡単に変わるわけではないけど、きっと何かが変わり始めている、少なくともセリナの中では

「…診察をしますね」

 

 

 

セリナの診察を受けて少し経ってハナエが目を覚ました
…

何か言いたげだったが、未だ呑み込めて無いのだろう、仕方のない事だ


セリナから何があったのかは聞いた、過剰摂取、そして本来薬品と合わせてはいけないグレープフルーツを合わせて摂取したこと
私は死にかけた、この救護騎士団のカゴの中で


セリナやミネからすれば、絶対的な安心のはずの、この場所でそれが起きた


それは何かが瓦解するには充分な理由になり得るだろう


2人はそのまま部屋を出て行った
…

これを機に心変わりしてくれることをただひたすらに願うばかりだ


ノックと共に扉が開く


“ミネ、食事の時間には早いと思うけど”


「……ええ、その、申し訳ありません」


“…気にしなくて良いよ、大丈夫、私も確かにこの数日間でかなり体調が良くなったから”


「……」


“…ミネ、ごめんね、私もようやく目が覚めたんだと思う”


“だから、やっぱり私は帰るね”


「…はい、私はもう、止めません」


「…結局、私達は、自分のわがままも貫き通す事もできませんでした」


“それで良いんじゃないかな、ミネも、セリナも…みんなまだ、先があるんだから”


“今回は、良い勉強になったと思えばいいんだよ”


「……ハナエは、きちんとケアします

」
“うん、ありがとう、そういってくれて安心したよ”


“でも…やっぱりもう一度ハナエと話してから帰ろうかな”


「…でしたら、もう少し時間をおいていただければと思います」


「セリナが宥めていますがやはりショックが大きいようで」


“…うん、じゃあ少しだけ時間を空けるよ”


…2人が納得してくれて良かった


これでこの騒動は幕を閉じる、連邦生徒会への言い訳は救護騎士団と上手く口裏を合わせる事にした


元々急に消えても碌に探されないのだから、こんな事に深く追及する余裕はないだろう


みんなへの言い訳もちゃんと用意する、今回の件は、私たちだけの秘密にしよう
それで今回の一件はおしまい

 


“ハナエ、少し良いかな?”


「……先生…?」


“この部屋暗いね、電気つけるよ”


ハナエは空き病室の隅で座り込んでいた、きっとずっとそうしていたのだろう


私には1番会いたくなかった筈だ


「な、なんで来たんですか…!?」


困惑、少しすると怒られると思っているのか、怯えを見せる


“…ハナエ、大丈夫、私は元気だよ”


“不安そうな顔をしないで、何も怒ったりなんてしてないから”


「…なん、で…?」


困惑の色がより強くなる


“…誰だにって、失敗はあるからね…”


“それに、今回は…まだやり直せる失敗だったから”


“ハナエも、自分を許してあげてね”


「……どうして…ですか?」


“だって、こんな事でハナエが落ち込んでたら、私が悲しいからね”


「先生が…?」

“うん、私はハナエの元気な笑顔が大好きだからね”


“だから、ハナエの笑顔が見られないのは、とっても悲しい…”


“今は無理でも、笑ってくれる日を待ってるから、だから、私は行くね”


「……わかりました」


こうして、私は救護騎士団を後にした

 

連邦生徒会からのお叱りは厳しかったし、その間の当番の子達にはキツいお小言を連日もらった


積み上げられた書類の山は…


「この書類はどうしましょうか?」


“うーん、要らないかな、そっちの書類はこれと同じにしてくれる?”


「先生、こちらは…」


“コピーを取って、そっちの封筒に入れて連邦生徒会宛のハンコを…”


「わかりました…ところで先生、何か焦げ臭いような…」


“…ほんとだ”


「先生ー!食堂が…!」


「ハナエちゃん!?」「すぐに救護を!」


…救護騎士団の連日の協力のもと、3日をかけて完了させた


今回の一件は、私の体調管理の不備ということでおわり


それで良い
…

この元の日常がどれほどかけがえないことか、私はよく知っているのだから


 

END

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