モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった…   作:レイトントン

1 / 76
暗黒大陸編
第1話


 モンスターハンターというゲームをご存知だろうか。巨大なモンスターを仲間同士で、あるいは単独で狩り、モンスターから得た素材を元に武器や防具を作っていくという大人気ゲームだ。

 

 世界中にファンのいるゲームであるが、俺もその一人。にわかファンではあるが。

 そんな俺だが、どうやらモンスターハンターの世界に転生したらしい。

 

 気が付いたらなんか馬鹿でかいモンスターがひしめく謎の平原に放り出されていたのだ。素っ裸で。

 初めは困惑したし、絶望した。生前の記憶もほとんどなくなっているし。つーかなんでモンハンの記憶だけ残ってんだよって話だ。

 が、文句を言ってても仕方ない。俺はとりあえず生き残るためにできることを始めた。

 

 まずありがたかったのが、俺の身体能力がバケモノじみていたということだ。

 やはりハンターとなる男は身体能力からして違う、ということだろうか。

 モンスターに吹っ飛ばされてお空に放り出された時は死を覚悟したが、墜落しても大したダメージを喰らわなかった。バケモンすぎるぞこの体。

 あと、なんか体から湯気みたいなのが立ちのぼってるんだけど。何コレ。バフかかってる?

 

 ともかく、このバケモンフィジカルを活かして、まずは近くにいた草食恐竜みたいな生物を倒した。モンハンの世界だと初期武器が用意されているはずだが、俺には適用されていなかったので、なんかスゲェ硬い石を割って自作した片手剣(盾なし)を装備してのことだ。

 

 その後皮を剥ぎ、肉をいただくのと同時に、皮は鞣してテントにした。獲物の体がデカかったこともあり、人一人分のテントくらいならばすぐに作ることができた。

 

 そう、一人分である。

 この平原、俺以外に人間がいないっぽい。まあ、当たり前だよな。こんな危険と危険のミルフィーユみたいな場所に住みたがる奴がいるわけがない。何故かフィジカルがぶっ壊れている俺でなかったら100回死んでるぞ。

 

 そんなこんなで、俺はモンスターを狩りながらその肉を食い、あるいはこの地に根付く様々な食材を探求しながら日々を過ごしていた。

 しかし、そんな慎ましい生活の中で、とある不満が生まれる。

 

 

 知らないモンスターばっかや……

 

 

 多分俺がモンハンにわかだからなんだろうが、全然知らんモンスターしか周りに出てこない。なんだあれ、モンハンワイルズではあんなモンスターが出てくるのか?

 もっとこうさあ、リオレウスとかティガレックスとか、そういうカッケーやつを狩りたいってばよ。なんだよあの気持ち悪りぃデカい虫はぁ!

 

 うーん。思えば、この辺に出てくるモンスターって体がやけにデカいしなあ。よく見る大型モンスターだと、推定だがジエン・モーランとかダレン・モーランくらいありそう。

 

 もしかして俺の知ってるモンスター、絶滅した? モンハンの世界でそんなことある?

 いやいや。まあ、体のデカさは強さではあるけど、あの屈強なモンスターたちが簡単に絶滅するとは思えない。口からビーム出すんだぞあいつら。

 

 なら、俺の知る強くてカッコいいモンスターたちはどこへ行ってしまったのか。それを考えた時、俺の頭に一つの可能性が浮かぶ。

 考えたくなかった可能性だ。

 

 もしかして、そもそもここはモンハンの世界じゃない?

 

 ()()()()()()()日には、さすがの俺も寝込んだ。なんだよ。生で憧れのモンスターたちが息衝く様が見られると思ったのに。

 テントの中には失意が渦巻いていたが、もしテントを壊せば失意が殺意に変わると周辺のモンスターたちも学んだらしく、襲ってくるモンスターはいなかった。

 

 

 

 しかし、そんなどん底の気分に落ちた日から数日後。

 

 俺はここがモンハンの世界であることを確信していた。

 

「オラァ! 尻尾切ったらあああああああ!」

 

 俺はナルガクルガの尻尾をぶった斬り、そのまま飛び上がると、相手の脳天に手作り片手剣を突き立てた。嫌がって暴れるナルガクルガに吹っ飛ばされつつも体勢を立て直し、顔を斬りつける。

 盛大な悲鳴をあげて、迅竜は地に伏せた。よっしゃあ。

 

 俺は口笛を吹きながら、これまた手作りの石製ナイフで剥ぎ取りを行っていく。多分これが天鱗! これも天鱗! これも!

 ……素材の見分けがつかねぇ。分かんないからとりあえず鱗とか牙とか、素材の名前になっていた箇所だけバラして保管しておく。肉は俺のお腹の中だ。

 

 この数日、急に俺の知っているモンスターが現れ始めた。今のナルガクルガもそうだが、ティガレックスやマガイマガド、ジンオウガなどのモンスターと死闘を繰り広げることができた。

 やっぱ知ってるモンスターと戦えるというのは、感動するものだ。カッケェんだよ、あいつら。今までどこに隠れていたんだって話だ。なあ?

 

「あい」

 

 俺の問いかけに、真っ黒いもやもやした謎の生物が応える。

 ぼーっとしていたのか詳しいことは覚えていないが、つい先日俺はこのアイちゃん(仮称)を発見した。なんかもやもやしているがれっきとした生物らしく、また俺の言葉に対して「あい」と返事してくれる。

 ここしばらく人との会話を全くしていなかった俺にとって、寂しさを紛らわせるには「あい」の一言だけでも非常にありがたかった。そのため、俺の知っているモンスターが出始めた後でも、時たまここに来ている。

 

 そういや、アイちゃんを見つけてからだったな。俺の知ってるモンスターが周りに出始めたの。

 あの時は病んでたからな、たしかアイちゃんの前で「リオレウスとか知ってるモンスター狩りてえよぉ」とかぼやいてた気がする。

 

 その直後くらいから、ゲームで知ってるモンスターが周囲に出現し始めたんだよなあ。

 

 

 ……まさか、アイちゃん……

 

 

 とんでもねえラッキーガールなんじゃねえの〜!?

 もー可愛いやつだぜ! オスとかメスとかあるか分かんねえからガールなのかは知らんけど!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。