モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった…   作:レイトントン

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第13話

 クロロたちに念を教え始めて3年が経つ頃には、彼らの実力は飛躍的に向上していた。

 流もスムーズだし、これなら下手な人間やその辺のモンスターにも遅れは取らないだろう……多分……

 

 実力的に一人前と言っていいだろう水準に達した時、クロロは仲間達を集めて自分たちは『幻影旅団』を名乗り、遂に目的を達するため活動を開始すると告げた。

 

 また、蜘蛛の中に団員ナンバーのある刺青をそれぞれ体に彫っているとのこと。タトゥーね……まあ個人の自由だから良いけど、俺は入れねぇぞ。元日本人だからな……

 

 さて、そんなこんなもあって本格的に活動を開始した旅団は、俺に礼を言って流星街から去ってしまった。各地で資金調達やら情報収集やらを行い、目的達成に少しずつ近づいていくのだろう。

 しかし……

 

「寂しっ……!」

 

 3年、クロロたちの特訓に付き合ってやってたわけだが、初めは正直ちょっと面倒だなと思ってた。

 しかし、続ける内にガキ共も可愛く思えてくるわけで……しかもあいつら、意外に素直だったからなぁ。

 父親、あるいは教師のような気持ちになってしまっている自分がいる。

 

「うう……たまには顔見せに来てね……」

 

 そんなことを思いながら、元の現人神生活を続けていた。いたのだが……

 数年経ってもちょっと寂しい。

 旅団のガキ共はなんか巷ではA級首とか言われるようになってるし……あいつら犯罪に走りやがって……

 

「気を紛らわせたいな……そうだ、ベンやネテロに電話しよう」

 

 流星街に何度かハンター協会とやらから使者が来たことがあったが、後にネテロたちもやってきて連絡先を交換したんだった。

 普段俺からはあまり電話かけたりしないけど、今は寂しいからな……えーと貰ったケータイどこやったっけ……あ、アイテムBOXの中か。

 

 4つしか連絡先のない寂しい電話帳の中からベンを選んで掛ける。

 

『もしもし? 珍しいな、ユータ……おまえから掛けてくるとは』

「おー、ベン久しぶり。いや、何年か前に念の教え子たちが旅立ってから寂しくてさ……ベンは元気かよ」

『まあな。協会で加工屋として雇われてる内は安泰さ』

 

 ベンの作る武器や防具は見た目も性能もピカイチだからな……ただしベンは今名前を伏せて活動しているらしい。趣味のナイフ作りも控えているそうだ。

 

『教え子ねぇ……アンタに念を教わった連中なんてどこでも引く手数多だろうからな。忙しくて中々顔も見れないかもな』

「追い打ちかけるのやめてくれよ」

『はは。そっちの調子はどうなんだ、流星街の現人神様?』

「なんも変わんないよ。何年か前に一回大物を狩ったくらいでさ。腕が鈍りそうで鈍りそうで」

『アンタらしい悩みだ。アンタを楽しませられるモンスターなんぞ、暗黒大陸くらいにしかいないだろうよ。例の蟷螂とやらは例外……というか暗黒大陸から流れ着いたんじゃないのか?』

 

 でもあいつオーラ纏ってなかったしなぁ。案外普通にこっちの大陸に居たりすんのかな。

 いや、だとしたらもっと被害がでかくなってるか。ベンの言うことが正しいだろう。

 

『ネテロにも連絡してやると良い。あいつもあいつで寂しがっているぞ』

「おー、そうするわ。また連絡するぜー」

 

 ベンとの通話を終えて、次はネテロに掛ける。ハンター協会という組織の会長をしているというから、忙しくて電話に出られないかもとか思っていたんだが、ネテロはワンコールで出た。

 

『ふぉふぉ、久しぶりじゃのユータ』

「ネテロおめーワンコールで出るのは早すぎるだろ! ベンとの会話盗聴してた?」

『そんな訳なかろう。単に地獄耳なだけじゃよ』

 

 相変わらずバケモンか……

 ネテロとも近況報告をし合う。

 

『なるほどのう。寂しいならまた別の教え子を作ればよいのではないか? おぬしは教団の現人神じゃろ、募ればいくらでも希望者は出るじゃろ』

「えー、それはなんか面倒いわ」

『ワガママなヤツじゃな……お、そうじゃ。なら、おぬしウチのハンター資格試験でも受けてみたらどうじゃ?』

「えー?」

 

 ハンターかぁ。

 モンハンのハンターと違い、モンスターを狩るのが仕事ではない。色々な未知なるモノへの挑戦を行うのがこの世界のハンター。中でもプロのハンターは600人程度しかいないらしい。

 しかもプロのハンターとなればさまざまな特典というか、特権のようなものが得られるとのこと。一般人が立ち入り禁止の場所に入れたり、公共施設の95%が無料で使えたり……

 

「俺ペーパーテストとか絶対ムリだぞ」

『安心せい、ぜーんぶ実技じゃ。が、おぬしでも基準に満たなければ容赦なく落とすぞい』

「んー、興味はあるけど。俺流星街から離れらんねぇからなあ」

 

 現人神として色々貢がれている以上、モンスターの狩猟は俺の仕事だからな……さすがに投げ出すわけには……

 いや、待てよ……?

 

「そうか……そうだな……ちょっと考えてみるわ。サンキュー、ネテロ」

『気にせんで良いぞー。ほいじゃ、試験会場で会うとしよう』

 

 いやまだ確定したわけじゃ……と思ったらブチっと通話が切れた。まあいいか……

 

「よーし、そうと決まれば早速取りかかるかぁ」

 

 俺は紙とペンを用意し、俺なりの考えを書き出していく。

 制約と誓約は……うん、ゲーム基準だと俺も分かりやすいしこうしてみるか……誰かに協力してもらえばより強力な能力になるだろ……こういうの相互協力型って言うんだっけ。

 

 よし、こんな感じでいいだろ。

 俺は流星教の信者で念を使える者を集め、新能力をお試し実施してみる。

 

神降ろしの儀(ハンターズクエスト)

 

 依頼主がモンスターの狩猟依頼を紙に書き出し、俺宛に条件を記載する。

 記載内容は狩猟対象のモンスター、出没する場所、報酬だ。

 で、これを画鋲やらテープやらでテキトーな壁に貼り付けオーラを込めることで依頼ができる。俺の頭の中に通知が、アイテムBOXの中にクエスト情報の記載された紙がそれぞれ届く。

 内容を確認し、俺がそれを受注した場合クエストが発生。出没場所付近に強制ワープさせられる。

 

 50分以内にモンスターを狩猟できればクエスト達成、報酬を受け取った上で元の場所にワープする。

 50分を過ぎたり、死んだりするとクエスト失敗。報酬は得られず、ペナルティとして俺は1日絶状態になる。まあ死んだ場合は絶とか関係ないけど……

 

 また虚偽の内容でのクエスト依頼はできない。行った場合依頼は俺には届かず、虚偽依頼をしようとした者は30日間神降ろしの儀を使用できない。

 

「制限時間とかペナルティとか制約と誓約は付与したし、俺の放出系習得レベルならかなりの範囲で依頼の受注ができるはずだ」

 

 相互協力型にもしてあるし、まあ行けるだろ……

 試しに流星街の外に出て、初の飛行船に乗ったりしながら有効範囲の確認を行う。

 検証にはそれなりに時間がかかったが、思った通り俺が人類領域のどこに居ようが大体発動するっぽいな。暗黒大陸まで行くと分からんけど……

 

「よし、これで心置きなく外出できるな!」

 

 それに、アトラル・カみたく珍しいやつが出現した時に取りこぼす心配もない。行く先々で能力を紹介すれば、珍しいモンスターを狩る機会にも恵まれるだろう。

 

 俺は珍しいモンスターを狩れて楽しい。流星教の神としての仕事もできる。信者たちは俺が流星街を離れていても守ってもらえる。

 皆ハッピーな良い能力なんじゃないだろうか。

 

 さー、ネテロのお誘いに乗ってハンター試験とやらを受けてみるかね。




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念能力のカスタマイズ性ってすげぇな……やはり冨樫先生は神
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