モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
第14話
ハンター試験。
ネテロが会長を務める団体、ハンター協会が発行するプロハンターの資格、ハンターライセンスを受け取るための試験だ。
ハンターライセンスは持っているだけでさまざまな恩恵を受け取れるし、生活に困ることはないだろう。売ったら7代は遊んで暮らせるだけの金が手に入るらしい。すげーな……でも俺こっちの世界に来てから金に触ったことほぼないんだよな……
取り敢えず、旅費を作るために掻っ捌いたアオアシラの素材を街の加工屋(なんとこの世界にも加工屋があるらしい。並んでる武器や防具はショボかったが)に持ち込んだところ、そこそこ良い金額が手に入った。加工屋からは雇われハンターにならないかとしつこくせがまれたが断った。
アオアシラの素材くらいなら大丈夫だと思ったんだがなあ。しばらく街の加工屋で素材売るのやめよ……
まあ、気を取り直して旅費も稼げたしハンター試験会場目指すかあ。ハンター試験応募カードはちゃんと提出してあることだし、ちゃんとハンター試験会場案内も届いている。
試験会場案内には大雑把な場所の指定と日程しか記載がなかったが、幸いホテルのパソコンで調べたところ、試験会場付近に行くバスが出ているみたいだ。
バス停に早めにたどり着き待っていると、周りにもハンター試験目的らしきコワモテどもが集まってくる。クク……こいつらがライバルか……楽しくなってきたぜ。
なんて考えているうちにバスが来る。よっしゃ、会場一番乗りしてやるぜ!
バスの中から見える景色を楽しみながら、ゆっくりと目的地を目指す。
そんなこんなで色々と興味を惹かれる景色を楽しみながら、目的の都市に辿り着くのを待つ。
待つ。
待つ……あれ? 終点?
「ここどこぉ……?」
なんか全然目的地と違う場所で降ろされたんだけど……
「おい、運転手! どーなってんだ、全然違う場所じゃないか!」
お、コワモテくんたちの一人が運転手に抗議している。俺も便乗しよ。そーだそーだ!
「ったく、ルーキー共が。馬鹿正直に目的地への直行便のバスなんか乗りやがって。これはハンター試験だぞ」
「え……どゆこと……?」
「試験会場に辿り着くまでも試験に含まれてるのさ。行く道にも色々罠が張られてんだよ。これもその一つ。引っかかった間抜けどもは失格だ」
ええ、マジで……?
罠なんて聞いてないよぉ!
でもネテロのことだ、やりそうな感じはある。
「そうだったのか……くそぉ!」
悔しい! でも罠に引っかかったのは俺だからしょうがないね。
「いや素直か!! 納得できねぇな運転手さんよぉ。てめえをぶっ飛ばして試験会場を吐かせてもいいんだぜ?」
コワモテくん1号が運転手さんに喧嘩を売る。いや力量差考えよ? それともオーラ見えてないのかな……
「やめといた方が良いと思うぜ……?」
「はっ、腰抜けが。止めんじゃねぇよ。おら、ぶっ飛ばしてやるよクソ運転手!」
運転手さんに襲いかかったコワモテくん1号はワンパンで伸されてしまう。あれ、念すら使ってねえな……
続こうとした残りのコワモテたちはしーんと静かになった。
「俺も試験官の一人、つまりプロのハンターさ。おまえたちみたいなのを篩にかけるのが今回の仕事だ。分かったらとっとと降りろ」
運転手改めて試験官に睨まれると、コワモテたちはバスの出入り口から蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
俺もゆっくり、一番最後に降りようとする。が、待ったと試験官に声をかけられる。
「なに?」
「アンタは……良いのかよ? 落とされて」
「え……だって罠に引っ掛かったら失格なんでしょ……ならしょうがなくない……?」
「アンタならあいつの言う通り、俺をふん縛って試験会場に案内させることだってできるだろうに」
「別にそこまでして資格ほしいわけじゃないし……ま、来年……287期? に気楽に受けるわ」
ひらひら、と手を振って別れようとすると、またも呼び止められる。なんだよと振り返ると、試験官の連絡先を渡された。
「来年受けるなら、オレに掛けてきな。今度はちゃんと案内してやるから」
「お、いいの? これで罠だったらさすがに次はぶっ飛ばしちゃうかもよ?」
「こえーなぁ。まあ、任せてくれよ。ちゃんとナビゲーターを紹介してやるから。あ、それとアンタ来年まではどうするつもりだ?」
「んー、観光してから実家(流星街)に帰るかな……」
「へえ、観光ね。なら、近くに面白ぇ所があるから案内してやるよ。座りな」
と言うわけで、286期のハンター試験には落ちてしまったが、試験官のオッちゃんに連れられてある場所に連れて来られた。
天を衝くような長い長い塔。
その周辺、さらには塔の中からは尋常でない熱気が渦巻いている。
「ここは?」
「天空闘技場。野蛮人の聖地さ」
パンフレットを見せてもらう。
ほうほう、地上251階、高さ991メートル。世界4位の高さの建物か。
中では何千人もの腕自慢たちが殴り合いのぶつかり合いをしている。はえー……
「アンタ、相当な腕だろ? 挑戦してみたらどうだ?」
「いやあ、俺デカいの専門だからなあ。対人戦はね……」
「そうなのか? そりゃ残念だ。結構ファイトマネーも出るんだがな」
相場のリストを見せてもらう。ふーむ。まあ貰えるようだが、これなら強いモンスターを狩ってた方が儲かりそうだな。
「ハンター試験は対人戦がメインだ。慣れておいて損はないと思うぞ」
「そこまで言うならやってみっか……」
参加登録を済ませる。名前と性別、年齢……? 俺の年齢って幾つだ……? 空欄で許されんかな……
備考欄にも特に書くことはないし、このまま提出。幸いガバ受付だったおかげで年齢欄の空白にはツッコまれずに済んだ。まあ、名前書いといて年齢隠す意味なんてないだろうしな。
また、200階までは武器も防具も禁止ということで、鎧を脱いでおく。
『1028番、1141番、Aのリングへ」
「お、1028……よーし、やってみるかぁ」
早速番号で呼ばれる。1階は16のリングが4×4で並べられており、それをぐるっと客席が取り囲む。いや客席というか参加者の待機場か。
指定されたAのリングに上がり、相手と対峙する。オーラは……垂れ流し。非能力者か。手加減しないとな。
試合開始と同時に、まっすぐ突っ込んできて殴りかかってくる相手選手。
対人戦かあ。あんまやらないから久々だな……どうすっかなあ、と考えていると、目の前で相手選手が蹲っている。
あれ?
「お、折れた……ッ!」
「あっ、悪い大丈夫か?」
ボーッとしてて避けずに受けちゃったよ。念も覚えてないやつが俺を殴ったら拳痛めちゃうよな……ごめんね……
「……キミは50階に行きなさい」
「は、はーい」
俺の勝ちってことで良いみたいだ。審判から証明書みたいなのを貰う。
ボーッとし過ぎたな……気を引き締めよう、もっと。
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???「ふぉふぉ、ユータのハンター試験参加楽しみじゃのぉ。……え、予選落ち……?」