モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
ユータと戦い初めて数分。ヒソカはユータの力が期待と違っていたことに失望を感じ始めていた。
身体能力やオーラ量は自らと比べるべくもないほどに上。最高の速度に最高のオーラを乗せての打撃が、モロに入ったにも関わらずまるでダメージを受けちゃいない。
だが、はっきり言って対人戦闘技能はお粗末。隙だらけだし足運びも杜撰。オーラの扱いは上手いが、対人戦における技術は稚拙そのものだ。
(固い壁を相手に殴ってるみたいだ……♦︎)
手応えのなさ。自らの最大火力に近い攻撃でもダメージはほぼない。残るは硬を使った攻撃か、『
そんなことを考えていると、目の前の男がぼそりと呟く。
「おまえ強いな」
男の視線がヒソカを貫いた瞬間、ヒソカは己の体が自らの言うことを聞かず、後退するという事象に初めて遭遇した。
原因ははっきりしている。目の前でゆらりと構える男のせいだ。
「行くぜ」
ビュン、と凄まじい速度でユータが接近してくる。そして腕を突き出し拳をくり出してきた。
(凝……速い!)
ユータは凝で足にオーラを集中させ、地面を蹴ることで移動速度を高めていた。ヒソカはそれを目で捉え、その移動方法ゆえにユータの拳が纏うオーラ量が、足に比べて随分と少ないことを理解する。
(これなら凝で受け……
ぞわ、と悪寒がヒソカの全身を襲う。
受けはせず、
ボッ!! と暴風がヒソカの背後を吹き抜ける。客席まで届いた風は、観客たちの帽子や持ち物を飛ばしてしまう。
今のを受けていたら死んでいた。
「くそ、当たんねー」
「当たったらまずいからね♠︎ なるほどなるほど。理解したよ♥」
ヒソカは認識を改める。
これはいつもヒソカが求めるバトルではない。
(一撃受けたら即
だが、それなら別の楽しみ方をするまで。
ヒソカは自らをノーマルだと自称する。
が、こういったゲームに近いバトルが嫌いな訳ではない。
それからユータは速度でヒソカに攻撃を当てようとするが、避ける、避ける、また避ける。
まるでダンスを踊るように。
「
「うおっ」
また、逃げるだけではない。ヒソカは隙を突いて天井とリングの石板を
足場を畳返しのようにひっくり返し、ユータの隙を作る。反撃が来ないだけの隙を作った上で、今度は硬による蹴りで攻撃。
「うおっ」
「クリーンヒット、アンドダウン! ヒソカ2ポイント!」
これでヒソカは4ポイント。あと6点を獲れば試合上は勝利となる。
(
ヒソカは戦略を組み立て直し、ユータへの対抗策を練っていく。
「なるほど……そういう技ね」
しかし、ユータもただやられていた訳ではないようだ。目に凝でオーラを集め、ヒソカの
「
「ガムだったのか……ゴムだと思ったんだけど」
「どっちもアタリ♠︎」
能力はバレたが、ある程度の能力者相手に使用していれば当然のリスク。ヒソカは気にしない。能力の性質がバレても致命的な類の能力ではないからだ。
ヒソカには自信があった。能力がバレても自らの対応力でカバーする自信が。
しかし、ユータも考えていた。ヒソカに攻撃を当てる方法を。
「審判、質問。武器の使用はオーケーなんだよな? 隠してたヤツとかは使ってもいいの?」
「ああ、認められている」
「オーケー」
確認をした上で、ユータはにやりと笑う。
ユータの隣に大きな箱が現れる。
(能力……箱……? 直前の会話から考えると、武器を取り出す類の能力か♦︎)
ヒソカの予想通り、ユータは箱の中から何やら玉を取り出した。そしてそれをヒソカの方へ投げる。
避けようとするヒソカだが、玉は彼の体に接触する遙か手前で炸裂し、眩い閃光を放つ。
(目眩まし……!? まずい!)
ヒソカは天井に保険として付けておいた
ユータは凝でヒソカの隠を見破っていた。
閃光玉と同じく取り出した太刀で、オーラのガムを切り裂いたのだ。
が、これがヒソカが攻撃を避けられなかった理由にして、彼の命が助かった第一の理由でもあった。
そして、第二の理由。
「腹ね」
ユータの声が聞こえたのと同時、ヒソカは己の腹を硬で守り、また同時にガムをクッションにするため展開した。
直後、閃光により閉じた視界の中、腹部に凄まじい衝撃。
ヒソカの体は後方に吹っ飛び、客席の柵に直撃。リング外に倒れ伏す。
「クリティカルアンドダウン! ユータ3ポイント!」
審判の声が遠くに聞こえる。ヒソカは血反吐を吐きながら、仰向けに転がり己の状態を把握しにかかる。
(内臓や骨があちこち
立ち上がることができない。どころか、すぐに処置しないと死にかねない怪我。
しかし、奇術師の顔から笑みは剥がれない。
(次はボクももっとレベルを上げておくよ♥ そうしたら、もっと楽しいバトルになりそうだ……♥)
ズタボロで、しかしそれでもある一箇所は元気なまま、ヒソカは敗北した。
やべえ!!
一応予告してからパンチしたけど、予想以上のぶっ飛びっぷり。
加えて血反吐吐いてる……し、死んでない……よね……?
審判がKO、俺の勝利を宣言する中、慌ててヒソカに駆け寄る。粉塵したら許してくれ!!
アイテムBOXから生命の粉塵を取り出して撒こうとした俺だったが……仰向けに倒れ血を吐くヒソカの様子を見た時、あることに気付く。
「ぎゃあああああ!!!」
なんでこいつこの状況でおっ勃ててんだ!?
怖ェよ!!!
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ドッキリテクスチャーくんも活躍させたかったけど無理でした。