モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
ヒソカには色々な意味で驚かされたが、幸い粉塵や秘薬の効果もあり殺さずに済んだ。
ヒソカは変態だけど良いヤツだったみたいで、死にかけたというのに「また闘ろう♥」と声をかけてくれた。
ちなみに手品のタネは能力によるものだったようで俺には真似できない。くそう。
200階クラスの闘技者で、ヒソカ以上の実力を持つ者はいなかった。8勝する頃には試合内容も出回り、俺と積極的に対戦しようとする闘士はいなくなってしまった。
が、そこは天空闘技場のシステム上、最後に試合した日から90日の戦闘準備期間内に試合をしないと登録が抹消されてしまう。戦闘準備期間ギリギリのヤツと当たったり、不本意だが初狩りのような真似をしてどうにか10勝に漕ぎ着けた。
フロアマスターとやらに挑戦できるようになった。
「ユータ様、どのフロアマスターを対戦相手に指名いたしますか?」
ダウナーおねーさんは俺と仲が良いこともあり、様々な事務手続きを行ってくれる。まるで専属秘書のような扱いだ。
「おねーさんのオススメは?」
「そうですね……238階のフロアマスターなどは、2年前のバトルオリンピアで準優勝した実力者です。ユータ様の相手になるとは思えませんが、最も可能性のある相手でしょう」
「へぇ。あれ? 優勝者は?」
「フロアマスターは230階から250階までを支配する21名を指します。優勝者は251階、つまりは最上階を私邸とする者で、フロアマスター入替戦の対象にはできません。彼と戦えるのはバトルオリンピアでのみです」
バトルオリンピアとやらは2年おきに開催されるらしいから、挑める機会自体そう多くはないみたいだな。
どうやら今年は大会開催の年らしく、今回俺がフロアマスターとなれば参加権を得られるそうだ。せっかくなら出場するのもアリだな。
おねーさんオススメのフロアマスターと対戦を組んでもらうことにした。が、彼もまたヒソカほどの強者ではなかった。あっさりと勝利。
これで俺は彼と入れ替わりで晴れてフロアマスターとなったわけだ。
「フロアマスター昇格おめでとうございます、ユータ様」
「ありがとねー」
すっかり俺の秘書と化したダウナーおねーさんも祝福してくれた。
「ふふ。只者ではないと思っていましたが、これほどあっさりとフロアマスターとなられるとは。感服いたしました」
「おねーさんの応援のお陰だよ。ね、ね。一緒にお祝いしようよ、俺のフロアでさ」
「そうですね……分かりました、お邪魔させていただきます」
やったー! おねーさんが部屋に来てくれることになった。
その夜は238階から街を見下ろす夜景を観ながらの食事。おねーさんと仲を深めるのだった。
「バトルオリンピアはフロアマスター21名に前回大会優勝者を加えた22名での戦いとなります。200階クラスの試合ともさらに別次元のレベルの戦い……ですが、ユータ様なら苦もなく優勝できるでしょう。なにせ前回大会準優勝者に圧勝したのですから」
「分かんないじゃん。優勝者はもっと強いんでしょ?」
「前回大会決勝戦は大会ベストバウトにも選ばれた激闘でした。つまり、最も接戦で盛り上がった試合だったということです」
「なるほど、あの人とそんなに実力が変わらないんだ……でもさあ、この2年でレベルアップしてるかもよ」
「その可能性は否定できませんが……あなたが敗北するイメージが私には湧きません」
「おねーさんにそう言ってもらっちゃ、勝つしかないね」
「ふふ、当日は観客の一人として楽しませていただきます」
数ヶ月後、バトルオリンピア当日。
おねーさんとした会話を思い出しながら、表彰台の上でトロフィーを掲げる。
結局フロアマスターにヒソカやネテロのような強者はいなかった。残念……
さらに、優勝したことで251階、最上階が俺の自宅となった。眺めが最高な上、色んな人が褒めたり祝ってくれるので悪い気はしないのだが、ちょっと前に238階に引っ越したばかりなのにまた引っ越しをしなきゃいけないのはちょっと面倒だ。
前回大会覇者と入れ替わりになる。向こうも引越しが面倒なのは可哀想だ。なにせフロア丸々にある荷物を退けなきゃいけないからな。
トレーニング機材とかは運び出すのが面倒だったのか、よかったら残しとくという提案まで受けた。ラッキー、貰えるものはもらっとこう。
さて、これで天空闘技場は制覇したわけだが、色々と面倒事も多い。
カストロを筆頭に色んなヤツから弟子にしてくれだの新しい流派を立ち上げないのかだの言われるし、なんか講演を開いてほしいとか言われるし。
講演て言われてもなあ……狩猟の知識くらいしか提供できるものがない。まあ、あとは念の知識くらいか……
しかし講演なんてものをやるガラでもない。俺はカストロたちにはテキトーに基礎だけ教えて追い返し、流派や講演だのは面倒だから実施しないゆったりとした日々を過ごしていた。
まあ、おねーさんも苦笑するだけで運営として何か言ってくるわけでもないし大丈夫大丈夫。ちゃんと『
さてそんなある日のこと。次の大会は2年後だし、そろそろ流星街に帰ってみるかな、なんて思っていた時だ。
「お宝?」
「はい。バトルオリンピア優勝者であるユータ様への景品でございます。毎年別の景品が幾つも用意されているのですが、今回運営が用意したうちの一つがこちらの品です」
ダウナーおねーさんと運営スタッフらしき人が最上階を訪れ、景品のお宝とやらを渡しにくる。
「……これは………」
何やら指輪と……
え、プレステ?
渡されたのは、なんか見慣れたものとはちょっと違うゲームハードらしき機械。
「おいおい、ゲーム機なんてあんの! 言ってよー、俺なかなかゲーマーだよ?」
見たところ、初代プレステに近いデザインのゲームハード。触ったことないけど、動画とかで見たことはある。
「へぇー。JOYSTATION……ジョイステ? これがお宝?」
「ユータ様……ハード自体は一般販売もされているもので、そちらはお宝ではありませんよ」
「え、もう手に入らないヤツとかじゃなくて?」
「現行の3世代前の機器のようですが、まだ市場に流通しております。景品はゲームソフトの方です」
言われるまま、ジョイステをモニターに繋いでセーブデータから保存されているゲームタイトルを見てみる。
「グリードアイランド……?」
閲覧・お気に入り・感想・評価・ここすき・誤字報告していただいた皆さん、ありがとうございます。
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!
フロアマスターになったと思ったらバトルオリンピアに優勝していた
記憶喪失だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……