モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった…   作:レイトントン

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Q.五大厄災の生息地ってそれぞれめっちゃ離れてるのでは?
A.発見された場所以外にも生息してる可能性はあるから……


第2話

 欲望っていうのは際限のないものだ。

 叶わないと思っていた願いが叶った。本来ならそこで満足しておくべきだってことはよく分かっている。

 でも、でもよ。憧れは止められねえんだ。

 

 何が言いたいか? 簡単な話だ。

 武器と防具を作りたい。

 

 

 

 このモンスターひしめく世界に来てから、数週間。モンスターを狩り、肉を食い、寝る。たまに周囲を探索。そんな日々を過ごしていた俺だったが、淡々とした毎日にはどうしたって飽きがくる。

 もちろん、モンスターとの死闘は刺激に溢れている。気を抜いたら強力な一撃を叩き込まれる緊張感。嵐のような攻撃の間隙を縫って叩き込む渾身の一斬。

 完璧な回避と完璧な攻撃が合わさったタイミングなど、まさに脳汁溢れるというものだ。

 

 けど、けどよぉ。

 この世界には拠点がねぇんだ。

 

 いや、もしかしたら俺が見つけてないだけで、村や里が探せばあるのかもしれない。しかし、今いる平原以外にも色々、森やら火山やら湿地帯やらを探し回ってはみたが、どっこにも見つからない。

 

 このままじゃ、素材が貯まる一方だ。一度試しに一張羅を拵えてみたが、完全に野蛮人だ。アニメやゲームで見る原始人そのものな布を巻きつけてあるだけスタイルである。

 やだやだ。もっと文明的な服着させて。最悪村は見つからなくてもいいから、加工屋をくれ。

 ……加工屋単品の方が可能性低いか。こんな危険地帯に一人でいるヤツなんているわけない。

 もしいるとしたら、どんな頭してんのか見てみたいね(ブーメラン)

 

 そんなことを考えていたある日、手作りの片手剣(盾なし)がぶっ壊れた。元々硬い石を適当に砕いて刃物の形にしただけのものだ。壊れるのは仕方ない。むしろよくここまで保ったものだ。

 ディアブロスの狩猟中に壊れたものだから死ぬほど焦ったが、そこは極めて冷静かつ適切な判断力を持った俺のこと。弱らせていたディアブロスの角は死闘の中で折れていた。それを掴み上げ、即席のランスとして使用。結果、ディアブロスは自らの角に突き刺されて倒される結末を辿った。

 

 命の奪い合いが終わり、さて代わりの武器を作るか、と考えたところで目に入ったのが俺の手の中にあるディアブロスの角である。

 俺は造形なんぞ一回もやったことがないが、これ削り出して武器っぽいもの作れねえかな……刃物は作れると思えないが、最悪ぶん殴れるなら、その場凌ぎとしては及第点だ。

 

 というわけで試しにやってみたが……なんか違う。俺のイメージ通りに作れない。一応、ハンマーっぽい形自体は作れたが……形だけだ。こんなんモンハンの武器とは呼べない。ハンマーというより棍棒だな。センスないわ俺。

 ただ、鈍器としては申し分ない働きをしてくれた。

 ……これ本格的に野蛮人じゃね?

 

 

 

 ブロスハンマー()を作り出してから数日後、またも転機が訪れる。

 今居るのはいつもの平原から離れた沼地。結構な危険地帯ではあるが、ここは狩りに疲れて休みたい日には丁度良い場所だ。なんか知らんがモンスター同士で殺し合い、屍を築き上げていることが多い。

 もちろん、縄張り争いやらなにやらでモンスター同士が戦うなんてのはよくある話だが、この地においてはその発生頻度がダンチなのだ。

 それに、なんか美味い米もこの辺に自生しているのだ。米食いたくなったらこの辺に来ている。米は良い。リリンが生み出した文化の極みだよ。

 

 さて、そんな沼地で何が起こったかといえば。

 人だ。人間と初めて出会った。

 正確には出会った、ではなく発見したというのが正しい。沼地をうろうろしている人間。なにやら腰にはナイフのようなものを携えている、ハゲたおっさんだ。

 ただ、すぐには話しかけない。何回か謎の原生生物に罠にかけられたことがある。人間の姿をしていると思ったら頭が球体の植物に乗っ取られてるとか、うーとかあーとかしか言わない青っちろい肌のゾンビみたいなやつとかが襲いかかってきた。

 

 今度は油断しないぞ、と気を入れてから声をかける。

 

「こんにちはぁ!」

 

 前方200メートルくらいの位置で、まずは元気に挨拶してみる。

 返事はない。こちらにぐるりと首を回した。一応もう一回挨拶しとくか。遠くて聞こえなかっただけかもしれないし。

 

「こんにちはぁ!」

 

 俺の挨拶には反応せず、男が走り出した。腰のナイフを取り出して振り回しながらこちらに突進してくる。こっわ。

 

 ハゲ男は俺に斬りかかる。対して俺はナイフを持った手を取り、背負い投げで沼の水面に叩きつける。

 沼だから死にはしないと思うけど、穏便に話し合うために一回意識を奪っておくか。ナイフを振らせないよう手を固定したまま、首根っこを掴み沼の水面に顔面を突っ込ませる。ガボガボガボ! って苦しそうな声が続き、しばらくして音が止んだ。

 

 あんまり浸けすぎると死んじゃうからな。音が止んですぐに顔を上げさせる。

 

「げほっ、ごほっ!」

 

 まだ意識があったか。

 

「ま、待て! 参った! 参ったあああああああ!」

 

 再び頭を水中にぶち込もうとすると、ハゲたおっさんは降参を宣言した。俺はナイフを取り上げてから離してやる。

 

「ぜえっ、ぜえっ」

「挨拶は?」

「は……え?」

「挨拶は大事だ。そう思うだろ? せーの、こんにちは!」

「こ、こんにちはっ!」

「あと、いきなり殺しにきて?」

「ごめんなさい!!」

「よしよし。しょうがないなあ、許してあげるよ」

 

 挨拶と謝罪は大事だ。俺はこの世界に生まれ落ちてからまともな会話ができていなかったからな。基礎から固めたいところ。

 しかし、このおっさん誰だ?

 

「おっちゃん誰?」

「おっちゃ……ごほん。オレはベンニー・ドロンだ。刀鍛冶をやっている……やっていた」

「へえ。そういや、このナイフかっちょいいもんな。貰っていい?」

 

 ベンニーと名乗るおっさんが持っていたナイフを拾い上げる。実は彼を見つけた時から目を付けていた。普通のナイフではない、機能性と芸術性が両立したナイスデザイン。俺の厨二心をくすぐりまくるぜ。

 

「……そんなものでよければくれてやるよ」

 

 あんまり良くなさそうな間だったが、まあいいか。くれると言うなら貰っておこう。よっしゃあ。新しい剥ぎ取り用のナイフゲット。

 しかし、刀鍛冶か。こりゃあ良い人材を拾ったかもしれない。

 

「ベンニー……ベン。俺は幸運だ。まさにちょうどアンタのような人間を探していたんだ」

「な、なんだ。オレに何の用だって言うんだ?」

「別に変なことじゃねえよ。この辺のモンスターの素材で、武器や防具を作って欲しいんだよ」

 

 米を回収した後で沼地から引き上げ、アイテムBOX(念じたら出てくる超便利仕様だった。モンハンの新作はストレスフリーなのかもしれない)から素材を出して見せてやる。

 するとベンは今までにないほど目を輝かせ、俺の要求する武器や防具を作り始めた。

 金はない、と伝えると、構わないけど端材を貰ってナイフを作って良いかと聞かれたので許可する。

 

 こうして俺は加工屋を手に入れた。







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