モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
第三次試験会場へは飛行船で移動することになった。
また、驚いたことに飛行船にはネテロが乗っていたのだ。本来は最終試験会場で待つらしいが、都合が合ったからと来たとのこと。ちょっとちょっと、俺に会いに来てくれたんじゃないの〜?
というわけで、俺は飛行船が目的地に向かっている間、防具を脱ぎ、ネテロと軽く酒を飲み交わしていた。
「おいおい、久しぶりだなーネテロ! 随分とヒゲ伸ばしちゃって偉そーに!!」
「オマエさんの方は相変わらず見た目が全然変わらんのぉ。マジで神様になっちまったんじゃなかろうな」
「いや、もう現人神生活も長いけどさー、いまだに俺が神ってガラかよって思うわ。もう後に退けねーから続けてるけどさぁ」
「ふぉふぉ。まあよいのではないか? 住民には感謝されとるのじゃから」
酒のおかげもあり、また久しぶりに会ったため積もる話もあるため、話が弾む弾む。
「そーいやアイツ副会長になったって? ほら、ずっと笑顔の!」
「パリストンか?」
「そうそう! あいつ副会長って……大丈夫なん?」
「んー、ことあるごとにちょっかいかけてくるのは面白いがのぉ。周りは迷惑しとるかもな」
「だぁから言ったじゃんやめとけって! アイツなんか俺とおまえを見る目が怖いんだよマジで!! ネテロ死んだら多分アイツ会長だろ? おまえアイツが生きてる間は絶対死ぬなよ?」
「もう遅いよーん。ワシももうすぐ寿命だよーん」
「冗談なのか分かんないのやめてね……」
「そういうオマエさんは、ここ最近派手にやっとるそうじゃの。バトルオリンピア優勝だの、グリードアイランドとかいうゲームだの。その歳でまだまだ心が若々しいのは羨ましいことじゃ」
「歳の話はやめよーぜぇ……もう年齢とかちゃんと数えてねーもんよ……」
「けど、さすがにカタヅケンジャーではしゃぐのはどうかと思うがのぉ」
「バカヤロー!! 幾つになっても面白いもんは面白いんだよ!! おまえも観ろ、絶対ハマるから!」
そんな感じで近況を話し合っているうちに、内容はハンター試験の話に移る。
「今年は豊作じゃのう」
「へぇ? そーなの。でも確かに、気になる子は多いかもね。ネテロは誰がイチ推し?」
「バカモン、ワシゃハンター協会会長で、試験の最高責任者じゃぞ。そんなこと、おいそれと口にできるか」
普段おちゃらけてるクセにこういうとこは真面目なんだな……
「本音は?」
「405番と99番じゃな」
「おいハゲ」
「オマエさんが誘導したんじゃろーが!」
「ゴンくんとキルアくんかー、うわなんか堅いとこ行ったなー。ネテロも歳かぁ?」
「だまらっしゃい。そう言うオマエさんは誰を推しとるんじゃ?」
「うーん……いや、俺も同じだったわ……」
「おいバカ」
酷い!!
ネテロとの酒盛りもそこそこで終わらせて、ほろよい状態を冷ますために飛行船内をネテロと散歩してると、俺たちの一推し受験生、ゴンくんとキルアくんが何やら話し込んでいる。
子供たちの友情、いいね! って思っていると、ネテロは何やら指差して企んでいる。コイツ……俺の精神がガキみたいなこと言っときながら、おめーもガキじゃねーか……
ネテロは気配を飛ばし、その後一瞬で二人の背後を通り過ぎる。気配を察知した二人は振り返るが、ネテロは既に廊下の向こう。俺は廊下の陰に隠れている。
何事もなかったかのようにネテロは二人に近づき、話しかけるが、キルアくんは気付いているみたいだった。やるなー。
と思ったら、ネテロは自分からボールを奪えばハンター試験合格とかいう謎イベントを開催し始め、ゴンくんとキルアくんと遊び始めた。
相変わらずイタズラ好きだなぁ。
……これ俺も参加すればハンター資格もらえるとかない?
さすがにダメか……
そんなことをしているうちに三次試験会場に到着。天空闘技場ほどじゃないがまあまあ高いタワーの上に受験生たちは降ろされる。
このタワーはトリックタワーと呼ばれており、ここから72時間以内に生きて地上まで降りてくるのが試験内容とのこと。
「ひえー、たっか」
バルファルクの時ほどじゃないが、安全柵もない場所でこの高さはフツーにビビる。
「窓もないしここから降りるのは無理だな」
「普通の人間ならな」
ドヤァ、と腕を組んで現れたのは……誰ェ?
86番のプレートを付けた彼は、自らを一流のロッククライマーと自称し、壁の僅かな出っ張りに掴まりぐんぐんと降りていった。すげーな。
しかし、そう上手くは行かなかった。
壁を伝う彼に目がけて、キショい怪鳥が集まってくる。
あの人食べられちゃいそうだな……俺は弓をアイテムBOXから取り出した。
「う、うわあああああ……あ……?」
「おーい、大丈夫かー?」
弓で撃ち落とし続けてるけど、かなりの数が居るなー、キリがない。
「おーい、上がってこれるか?」
「あ、ああ! すまない! ありがとう……!」
86番さんはなんとか上がってきた。壁から降りるのは無理そうだね……
「ありがとう、本当にありがとう……!」
「良いってことよー。職業柄、モンスターを狩るのには慣れてんだ。じゃーね」
86番は腰が抜けたのか、しばらくそこに座り込んだままだった。一方、なんだか嫌な視線を感じてそちらを向くと、16番の鼻の大きい男が、面白くなさそうにこちらを見ている。
あれかな、俺がライバルを助けたから、余計なことしやがって的な感じに思ってるのかな。そりゃ他の受験生からしたら面白くはないよな、ごめんね……
居た堪れずその場を離れる。
「あ、ユータ! こっち来てー!」
遠くからゴンくんの呼ぶ声がしたのでそっちに行ってみると、なんとこの何もない屋上には隠し扉があるということで、ゴンくんとキルアくんは見つけた扉を俺に教えてくれた。
「ありがと、助かったよ」
「へへ、二次試験では助けられたからね。お互い様!」
え、ええ子や……!
俺、ゴンくん、キルアくん、クラピカ、レオリオさんはそれぞれ、近くにあった5つの床の扉から好きなものを選んだ。どれが罠でも恨みっこなしだ。
「じゃあ皆、地上で会おうぜ」
「せーの!」
回転式の隠し扉を押し回し、タワー内に侵入する。
そこには……広々とした部屋、そして、たった今別れた友達四人。
「……短い別れだったな」
クラピカの言葉に全員が同意した。
俺たちが入ったのは『多数決の道』というらしく、⚪︎と×の付いた腕時計型のタイマーを5人が身に付け、多数決で意思決定をして進むというルールのようだった。
まあ、特に揉めることもないだろう。皆良い子だし。
そんなこんなで進んでいると、やがて試練官とかいう連中が現れた。なんでも5人と一人ずつ勝負して、3勝以上でこの場所を通過できるらしい。
「この勝負受けるかどうか、⚪︎か×かで決められよ!」
「ちなみに受けないとどうなるの?」
「ここは通過できない」
「じゃあ受けるしかないじゃん」
「あらゆることは多数決で決めるのだ」
ほーん。じゃー⚪︎で。
意見は全員一致しており、バトルが始まる。
あのスキンヘッドにーさん見た目は強そうだけど、纏できてないな……実は頭脳系の人なのかな……だとしたらちょっと自信ないかも……
「お、俺パス」
「なんだよ。ユータならあいつにビビる必要なんてないだろ? しょーがねーな、オレが行くよ」
「おいおい、あいつの体格見えるだろ? おまえじゃ危ねーよ、オレが行く」
「はぁ!? 的外れなことばっか言ってんじゃねーよ!」
「なんだとぉ!?」
キルアくんとレオリオさんの口論が始まってしまった。呆れたのか、クラピカが「私が行く」と一言伝えてスキンヘッドの元へ。
結果、スキンヘッドが負けを認めてクラピカの勝利。
続く第二戦もゴンくんが勝利。ゴンくんって頭イイんだな……
「よし、次は俺が行くぜ」
もう2勝してるし、頭脳戦で負けてもなんとかなるだろうしね……
俺の相手は、カッパみたいな頭をし、フランケンシュタインのようなツギハギの顔の大男だった。
なんと19人も人を殺している極悪人らしい。すげー悪いヤツだな……まあ、俺は別に裁判官でも検察でもないし、こいつの罪をどうこう言うつもりはない。
俺が狩るのはモンスターだけだ。
「で、勝負の方法は?」
「デスマッチだ。どちらかが死ぬか降参するまで続ける。だが、おまえが降参したところでオレが攻撃を止めるだなんて思わないことだな」
「いいよ」
「……待て! こっちは丸腰だ、おまえの鎧は脱いでもらう。武器もナシだ」
「あっ、そう? じゃあ着替えてくるからちょっと待ってて」
俺は一旦退がり、鎧を脱いで戻ってくる。
「やっぱオレとそんな変わんねーじゃん、ユータ」
キルアくんから冷やかされながら、俺はカッパくんのいるリングへ戻る。
「さ! やろっか」
「くくく……ひゃおっ!」
カッパくんはぴょん、と飛び上がり、俺に向けて殴りかかってくる。いや、あれ?
ドゴン! という音と共に、俺の目の前に拳が振り下ろされる。え、当てる気なかったの?
「お、おまえなんで避けないんだ! 危ないじゃないか!」
え……この人、意外と良い人……?
なんだ、俺が弱そうだと思って、脅して降参させようとしていたのか。そんなに気を遣わなくていいのに。
「……あれ? そのタトゥー……」
「お、気付いたか。そう、12本足の蜘蛛のタトゥー……これこそ幻影旅団の証! オレこそ旅団四天王の一人、マジタニ様よぉ!」
「りょ、旅団四天王!?」
クロロ、そんなのあるなんて俺聞いてないよ……!?
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トリックタワー周辺の怪鳥、顔怖すぎ