モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
あのワンちゃんはゾルディック家で飼っている狩猟犬で、ミケという名前らしい。いやそれ猫に付ける名前ェ!
古典的なツッコミを入れつつ、ひとしきりミケを撫で回した後、俺たちはゾルディック家の屋敷に向かった。
屋敷は……なんつーかこう……俺の語彙力では表せないが。
デカい!!!
そんな屋敷に入ると、俺たちは歓待を受けた。
「キル。よく帰ったな。ユータ殿も、よく来てくださった」
「シルバくん、久々〜。カンロク付いたねぇ。よっ、さすが当主!」
「やめてください、ユータ殿に言われても立つ瀬がない」
「親父! ユータと知り合いなの?」
照れたようにはにかむシルバくん。イケてるお父さんだな。俺よりずっと歳下なのに、マジで俺より全然貫禄がある。なんだこの差はァ!
シルバくんは、父親に馴れ馴れしい俺を驚いた様子で見ていたキルアに向き直る。
「キル、その話は後だ。まずは母さんとミルキに会って、刺したのを謝ってきなさい。まあ、母さんは喜んでいたが……ケジメとしてな」
「えー。オレ友達と遊びたいよ」
「キル?」
「う……はい。謝ってくる。ごめんユータ、知り合いみたいだし親父と話してて!」
とたた、と広い邸内を小走りで行くキルア。大人ぶってても、遊びたい盛りのようだ。カワイイ奴だな。
「すみません、ユータ殿。息子の面倒を見ていただいたようで」
「いやいや、面倒なんて見てねーって。出来た息子さんだよ。シルバくんがガキの頃そっくり」
「いやはや、昔の話をされるとなんともむず痒い。ぜひ試験でのキルアの様子でも聞かせてください。長旅でお疲れでしょうし、食事を用意させましょう」
「おっ、ありがとー。いただいてくわ。ジグは?」
「曽祖父はこの時間、書斎か武器庫ですね。食事には呼びますので、先に食堂へご案内します。あとは、本日は父と家内、次男と末妹もおります」
「おお、なんだよ暇してんなあ。ゾルディック家も廃業かー?」
シルバくんたちの腕でそれはないと思いつつイジってみる。が、シルバくんは豪快に笑い飛ばした。
「はは。暗殺業が廃業となるのは、悲しむべきか喜ぶべきか分かりませんな」
「ぬおっ、ユータのジジイ!」
シルバくんと談笑していると、ゼノくんが通りかかるところに遭遇する。
「ゼノくぅーん、久しぶりじゃないのぉ」
「おぬしといいネテロのジジイといい、ほんとどうなっとるんじゃ……特におぬし、そのツラで自分が幾つだと思っとるんじゃ」
「いやぁ、俺もなんで体がトシ食わねーのかわっかんねーんだよなぁ。俺の纏が実はバチくそ上手いとか?」
嘘である。
ネテロと歳の話をしている時に、『新大陸紀行』に描かれていた究極の長寿食、ニトロ米の話は既に聞いている。
多分……いやほぼ確実に、暗黒大陸で俺が食ってた米ってソレだよね……
実はまだアイテムBOXに保存してある(念空間だからか、腐ったりせず鮮度は保たれていた)ニトロ米もちょっとだけ残っていることもあり、割と厄ネタ染みていたので俺とネテロとジグ、ベン、リンネの5人だけの秘密なのだ。
ちなみに5人でニトロ米の稲作を目論んだこともあったが、人類領域の気候が合わないのか、俺らの育て方が悪かったのか、上手くいかなかった。
「纏か。うーん……滑らかではあるがのぉ、ありえんぞ普通。相変わらずテキトーなことばかり言うジジイじゃ」
「親父……ユータ殿は
「いいのいいの。ゼノくんは初めて会った時からこんなだし。キルアも似た感じだしさ」
「キルと同じ扱いかい。この歳になってガキ扱いされる方の身にもならんか、全く」
ゼノくんは肩を竦める。そりゃ申し訳ないな。でも、俺にとってはゼノくんはゼノくんだからなあ。
食堂までたどり着いた俺たちが大きなテーブルに座り、食事が運ばれてくるのを待ちながら談笑していると、ジグがやってきた。
「おお、ユータ……懐かしい。久しぶりじゃ」
「ジグ! ほんと久しぶりだな。おまえすっかり歳食っちまってぇ」
「おまえさんが歳食わなすぎじゃ」
「皆それ言うよね」
「そりゃそうじゃろ。歳食わない空から降ってきた男なんて、神扱いされるわ」
確かに、何も知らない人から見るとそう思われても仕方ないのか……
キキョウちゃんなんかはガチで俺が神様だと思ってる節があるからな……
「そうだ、キキョウちゃんは元気?」
「ええ。キルアに家出の際、刺されてましたが」
「やれやれ、本当やんちゃ坊主じゃ」
刺されたのをやんちゃで済ませる辺り暗殺一家感あるな……
そのことでキキョウちゃんと娘のカルトちゃん、次男のミルキくんは席を外している。
とりあえず、今夜は大人組で酒盛りだぜ。
「まあまあまあ! ユータ様、流星街からこちらにいらしてくださったのですね! 嬉しいわ!」
「キキョウちゃんおひさ。キルアに刺されたって聞いたけど、平気?」
「ええ、もちろんです。キルが立派に成長していて嬉しいですわ。平気かといえば、ユータ様が不在で、故郷は大丈夫なのでしょうか?」
「うん。俺の新しい能力でさ、モンスターが襲ってきたらいつでも狩りに行けるようになったんだ。『
「まあ……『
「たはは……」
キキョウちゃんは俺の訪問をいたく歓迎してくれた。
キキョウちゃんの勧めもあり、しばらくゾルディック家に厄介になることになった。
邸内をぶらぶらしていると、前から暗殺者らしくないことに丸々と太った男の子がドシドシと歩いてくる。
執事っぽくないし、多分ミルキくんかな。
「やあ、こんにちは」
「ん? おまえ……ああ、パパたちが言ってた客人っておまえか」
「うん、名前はユータ。よろしくね」
「オレ、ミルキ。キルの友達なんだって? あいつ相変わらず弱虫だな、友達なんて作っちゃってさ」
イルミくんといい、暗殺者に友達は要らないってタイプかぁ。俺ジグとも友達なんだがなぁ……
「……ん? って待てよ、ユータ!? 流星街の!?」
「え? そうだけど」
「マジかよ……こんなのほほんとしたのが……」
「え、なになに? なんて言われてんの俺?」
「いやさ。お爺ちゃんから言われてるんだよな。『ワシらの家業は暗殺者、人殺しじゃ。神殺しはワシらの仕事じゃない』ってさ。要するにアンタが対象の依頼は受けんなってコト」
「はえー。ま、ゼノくんと俺はマブだからよ!」
「嘘くせー……」
ほんとだもん!!!
ミルキくんは疑いの目を向けてくる。これは今日の昼飯やら晩飯やらの場でゼノくんにウザ絡みするしかねぇ。
「じゃ、オレ忙しいから」
「お、仕事? いやキルアの折檻だっけ」
「どっちもちげーよ。仕事は依頼されりゃやるけど自分から取りにはいかないし、キルはオレの折檻より先にママの手伝い。あいつ反抗期だから罰ゲームにはちょうど良いだろ」
「え、じゃあなんで忙しいの?」
「大作ゲームの新作出たからやんなきゃいけないのよ」
「最近出たヤツっていうと……あれか! そりゃ忙しいわ!」
色んなキャラが乱闘するヤツ!
こっちの世界にもあるんだなーと感動したもんだ……ただ、ちょっと前の世代のやつだったけど。
ちなみにゾンビ撃つヤツはあるのにモンハンはなかった。一体どうしちまったんだあの会社は。
「おまえ……もしかして
「ミルキくんもとはね……」
俺たちは固い握手を交わした。
「いやぁー。オレ外出ないからずっと家の中なんだけどさぁ。ウチの家族だとゲームやるヤツいないんだよ。キルを染めるのも大変だったんだぜ。それも中途半端に終わったし」
「あー、シルバくんとかがゲームしてるとこ想像できねーや。執事に命令すれば?」
「命令してやらせてもつまんないんだよなー、忖度されるし。ユータ、オレの部屋来いよ。一緒に新作やろーぜ」
「おお、良いねー。やろやろ」
こうして俺はオタク友達を手に入れたのであった。
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ハンター世界って飛行機ないっぽいですよね。
空の移動は基本飛行船……
モンスターに叩き落とされそうで怖い