モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
第31話
パリストンからなんとか逃れ、俺はハンゾーの故郷、ジャポンを訪れていた。
現代日本っぽい感じではなく、時代劇っぽい風景がより現代化した感じの街並み。
街の人は和服で、建物のほとんどが木造建築だが、当然ケータイや車などの文明の利器も使っている。なんか感覚がバグるなー。
「よう! 久しぶりだなユータ」
「ハンゾー!」
待ち合わせた場所でハンゾーと再会。握手を交わし、早速ジャポンの観光を始める。
ハンゾーおすすめの蕎麦屋は素晴らしかった。蕎麦自体もコシがあって美味いし、一緒に頼んだミニカツ丼もマジで美味かった。
「ハンター試験終わってからは何してたんだ、ユータは」
「おー。キルアの家行ってたよ」
「キルア……99番か。あの兄貴にはオレもちょっとムカついたぜ。心配して付いてったわけだ」
「まあねー。兄貴に色々言われて、もし思い詰めてたらかわいそーだと思ってさ。そっちは?」
「オレはクニに帰ってからはずっと修業だよ。ハンターの資格取ったら特別な訓練があるとか上の連中が言い出してよ……あ、詳しいことは言えないんだがな?」
「念のこと?」
ぴく、とハンゾーが反応する。だっておめー、試験の時と比べて随分オーラの流れが静かだもんよ。纏、あるいは点の修業を毎日やってるんだろうなー。
「なんだ、念を知ってたのかよ」
「まーね。でも試験会場で知ってたのは俺とヒソカ、イルミくんくらいじゃない?」
ヒソカはわざとオーラ使ってなかったみたいだけど。あいつほんとバトルマニアだなー。
あ、あと裏試験のことは言っちゃいけないらしいから気を付けよ。講習受けといて昨日の今日でお漏らししたら、パリストンに何言われるか分かんないからな……
「知ってるだけじゃなく、もちろん使えるんだよな? 練のコツ教えてくんね?」
「おー、良いよ良いよ。つーか、もう練まで行ってんの。早いな!」
「ウチの忍軍で『燃』っつー精神修業を随分前からやらされてたんだよ。なんの意味があんだよって思ってたが、念のためのもんだったんだな。言ってくれりゃいいのによ、ジジイどもめ」
なるほど。念を教えるのには早くても、燃は教えてもなんも問題ないしその後の修業にも有効だもんな。
ネテロもたしか、念を教えられない時に方便として燃を教える、みたいな話をしてた気がする。
「よし、じゃあ飯も食ったし移動すっか」
街の外れの竹林まで移動し、ハンゾーの練を見る。
絶と練は習得課程だけでいえば、苦手なヤツがそれぞれ別れるイメージあるんだよな。絶が得意なら練は苦手、練が得意なら絶が苦手、みたいな。旅団のヤツらもそうだったんだけど。
まあもちろん、両方苦手、あるいは最初から両方得意なんてヤツもいるけど、特に後者は稀だ。
ハンゾーも忍者だけあり絶はカンペキだった。
「練のコツはタメと解放、それとタイミングだな。細胞一つ一つでオーラを練り上げる。そんでそれを一気に解放する」
「それは師匠から聞いてんだけどよ。タイミングがイマイチ掴めないんだよな」
「オーラが練り上がった時がちょうどいいけど、ムズイよな。ちょっとずつ解放のタイミングずらして試してくのが近道かも」
俺はオーラを体に閉じ込めといて、溢れそうになったら解放する感じでイメージしてるけど、これ伝えてもハンゾーのタイミングと合ってるか分かんねえんだよな。
余計なイメージして、ハンゾー自身のやり方が崩れる方が大変だ。
「お、今の良い感じだったぜ」
「マジか。自分じゃ分かんなかったな」
そんな感じでハンゾーの練を見つつ、引き続きジャポン観光を楽しむ。
特に、久々の日本食が嬉しくてたまらねえ。やっぱり米だな。
泊まる旅館は、バトルオリンピア優勝者として金にモノを言わせてすげー良いとこを予約しておいた。その甲斐あって快適そのものだった。晩飯も美味かったし、温泉はサイコー!
ふう、ジャポン良い国だなー。ここに住むのもアリだな全然。
さて、毎週のルーティンではあるが、ぼちぼちグリードアイランドにログインしとくか……と思った矢先、旅館の窓の外から気になる声が聞こえてくる。
「また泡狐が出たらしいぞ」
「まあ、怖いわね……泡や狐自体の見た目は綺麗だし、子供達が近づかないか不安だわ」
タマミツネか。この近くに出るとはな。
俺は窓から飛び降り、ハンターライセンスを見せて噂話をしていた二人に話を聞いた。
どうやら、最近この街から見える山間部の水辺でタマミツネが目撃されているらしい。一応、目に傷とかないよね? と聞いたところバッチリ開眼してるとのこと。
夜の狩りも乙なもんだ。行くか。
山間部に到着。人も少ないし、円を使って
俺の円の範囲内にタマミツネはいた。
が、どうにも様子がおかしい。
何者かと戦っている。
これは……人? 円でその人物の外形を確認する。感じ取ったその姿に、俺は大いに驚いた。ぜひ、直接見てみたい。
タマミツネとその人物のところへ急行する。
俺がたどり着いたまさにその時、謎の人物は剣を首元に突き刺し、タマミツネを仕留めたところだった。
その男は赤い鎧を身に纏っていた。
俺には分かる。その鎧に使われた素材が、リオレウスから剥ぎ取ったものであろうことが。
俺以外にもハンター……いや、モンスターハンターがいたのか……?
「さっきの円。アンタか?」
向こうも同じく円を使ったようで、あちらから話しかけてくる。声は低く落ち着いており、おそらく成人男性と思われる。
「ああ。ごめんな、びっくりさせて。街の人がタマ……泡狐が出たって言うから、探してたんだ」
「そうか、アンタもハンターなんだな。それにしてもアンタのオーラ、相当なモンだ。悪意がなくて助かったよ。下手したら隙を突かれてこっちがやられてたかもしれん」
「あんたも凄いな。そいつをソロで狩るなんてさ」
彼が剥ぎ取りをする様を眺めながら、タマミツネを改めて見る。俺以外でモンスターを狩っているのを直接見るのは、何気に初めてかもしれない。
街に加工屋があったし、いないことはないんだろうが。
「俺はユータ。あんたは?」
一通り剥ぎ取りを終えた彼は立ち上がり、頭防具を取って俺に顔を見せる。
その顔にはどこか見覚えというか、誰かの面影があった。黒髪に、力強い瞳に、無精髭。
「オレはジン。ジン=フリークス。ハンターだ」
ジンと名乗った男。フリークスというその苗字を聞いて、俺はツンツン頭の少年を思い浮かべる。
「もしかして、ゴンのお父さん?」
ぴく、とジンは反応する。
「なんだアンタ。ゴンの知り合いか」
「ああ、友達だよ。ハンター試験で知り合ってね」
「ハンター試験……そうか、あいつもやっぱハンターになったか」
返答はもらえなかったけど、父親ということで間違いないらしい。
「ゴンはジンみたいなハンターになりたくてハンター試験受けたんだってよ。尊敬されてんね」
「やめてくれ。オレは自分のガキほっぽり出してハンターやってるクズだ。ロクなもんじゃねー」
「でも、ゴンはそう思っちゃいないみたいだぜ?」
「……そーかよ」
あ、照れてる? ぽりぽりと頬を掻いている。
「それにしても、その鎧。ユータもモンスターの素材から鎧を作ってるみたいだな。それも、そのモンスターは相当強かっただろ」
「分かるの?」
「なんとなくな」
気恥ずかしかったのか、ジンは話題を俺の装備に逸らした。
俺が今装備しているのはオロミドロ素材の防具。古龍ではないが、地形を操作するなかなか厄介な相手だ。
「しかも加工屋は相当な凄腕だな。俺もダチに仕上げてもらったが、同等……いや、それ以上の出来栄えだ」
「まーよ。あいつの腕前はピカイチよ」
ベンのことを褒められて、なんだか嬉しくなった俺は、ジンの手伝いをしてタマミツネの骸を運ぶことにした。
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ジャポン編というか、ジン遭遇編です。