モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
『一坪の海岸線』をクリアするには、15人のプレイヤーを集めなければならないという。しかも、仮に集められたとして、実力が足らなければカードの取得はできないという。
現状ではクリアは無理だな。俺
仲間集めもしたいし、一旦ゲーム外に戻るかあ。
「『
バシュン、と自宅に戻ってくる。グリードアイランドではケータイ使えないから、まずは履歴をチェック。まあ、さっき入金のためにゲーム外に出たばっかだから着信なんてないだろうけど……と思っていたら、一件の着信を見つける。ついさっきかかってきていたみたいだ。
相手は……おや、クラピカから電話? 珍しいな。
折り返し掛けてみる。
「もしもしクラピカ? 久しぶりぃ、元気?」
『ユータ、折り返しの電話感謝する。単刀直入に話すが、ハンターとして依頼があって連絡した。もちろん報酬は用意する』
「ハンターとしての依頼……てことは」
『ああ、モンスターだ。ユータは、幻獣ハンター志望だったはずだな?』
「りょーかい。会って話そう、そっちに行くよ」
『いや、こちらから依頼をしたのだから……』
「いーからいーから」
というわけで、クラピカのところへすぐさま飛行船で飛んだ。クラピカの泊まっているホテルでの話し合いとなる。
「で? 狩猟対象は?」
「これから探すところだ。このリストの中からな」
クラピカがデータカードを差し出してくる。ほーん……ターゲットのリスト、でもなく欲しい素材のリストか。モンスターが出現したわけじゃなく、この内どれかを狩りたいと。
人類の生活圏で見られるモンスターばかりだが、一般のハンターたちには手強いとされるモンスターたち。アオアシラからウルクススやプケプケ、ドスジャグラスなんかが対象のようだ。
「武器でも作るの?」
「いいや。雇用主から出された、試験のようなものだ。雇用主は人体収集家であり、かつモンスター素材収集家でもある。生物の肉体に強い興味を持っているようだ」
「リストにも色々あるみたいだな。なんとか病患者の皮膚とか」
「指定のモンスター素材でも良い、と言われては、そちらは集める気にはなれなくてな。ユータ、改めて頼む。モンスターを狩るのを手伝ってくれ」
「おー、いいよ。報酬は?」
「相場の依頼料を支払う。あとは指定の素材、今回は毛皮だな。それ以外の取り分は全て持っていってもらって構わない。加工屋で売ればかなりの値が付くだろう。また、必要なものがあれば全てこちらで用意する」
「おっけー。アテはある? 無ければ、見つけてくれさえすれば能力で飛んでくけど」
クラピカにも『
「完全に戦闘用ではない『発』とは。らしいと言えばそうだが」
「意外に便利なんだぜ。依頼者と顔合わせたりもできるし」
流星街にちゃんと帰る機会が少ないのも、能力でたびたび皆と顔を合わせているからっていうのが大きい。
それに、ちょっと裏ワザを使えば滞在時間を延ばせたりするし……
「既にモンスターの目撃情報は掴んでいるから、このまま向かうこともできる。能力でなく直接現地に向かうのであれば制限時間もないし、その方が良いのではないだろうか」
「そだね、そうしようか」
クラピカの能力は、鎖。具現化系の能力者らしい。
彼は対象モンスター、ウルクススの目撃情報のある地域にたどり着くと、目撃者の撮影した写真を元に『
「私が動きを封じる。トドメを任せても?」
「もちろん」
ウルクススを発見した俺たちは、分かれて飛び出す。クラピカは『
幸い、俺の攻撃が間に合い、ウルクススは雪上に沈んだ。
「すまない、足を引っ張ってしまったな」
「いや、一瞬動きを止めてくれただけで十分だ。あいつすばしっこいからな」
鎖の強度は足りなかったが、素早く動くウルクススを正確に鎖で縛る技術は賞賛できる。
「やはり強度が足りないか」
「人間相手には十分じゃないか? 本来は人を捕らえるためのものだろ?」
「まあな。しかし、強力な念能力者……たとえば強化系の手練なら容易に破ってしまえるだろう。何か強力な制約と誓約を設けるべきだな」
クラピカは薬指、小指とそれぞれに鎖を具現化し、かつ能力まで付与しているらしい。念を覚えて半年程度でそれは凄い。親指と人差し指についてはまだ決めかねているようだ。中指は捕縛用の能力にする、というところまでのみ決めてあり、試行錯誤中とのこと。
クラピカに感心しながら、ウルクススの剥ぎ取りをする。指定された素材は毛皮だったな。それ以外は俺の取り分だ。鼻歌交じりに解体していく。
その最中、クラピカが徐に口を開いた。
「私が仲間の遺体を探しているのを覚えているか?」
何やら重そうな話だ。
「ああ。殺された上、遺体が奪われたってヤツね」
「……すまない。説明に嘘はないが、一部正確ではなかった」
「というと?」
「仲間の遺体が奪われたのは本当だが、一部のみ……眼球のみ奪われたのだ。私たちクルタ族の瞳は感情が昂ると美しい緋色に染まる。それは『緋の眼』と呼ばれ、世界七大美色に数えられるほどだ」
「へぇ。それはそれは綺麗な緋色なんだろうな」
見てみたい、なんてことは言えないけど。
なるほど……それだけ美しい目を持つ一族。殺されて、目を奪われてしまったのか。
「私は、仲間の眼を取り戻したい」
「だから、人体収集家の依頼主に取り入ろうと?」
「ああ。ヤツらにはきっと横の繋がりがある。懐に潜り込み、それを一網打尽にする」
今になってこんな話をしてくれたということは、多少は信用してくれた、と考えていいんだろうか。
「そのつもりだったのだが……同じように遺体を奪われた者たちの気持ちが、私にはよく分かる。できることなら、モンスターの狩猟で済ませたかった。お前のお陰だ、ユータ。感謝する」
「よしてくれ、友達だろ。依頼料に加えてお礼までされちゃ、貰い過ぎってもんだ」
「……フ、そうか。また機会があれば頼まれてくれるか?」
「当然。友達料金で受けてやるよ」
タダで受けたらクラピカは気にしそうだしな。あくまで対等な取引で行こう。
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当作のネオンは人体のみでなくモンスターの素材も集めています。緋の眼を見たときの感想が『わーきれーい』だったので、ツェリとはまたちょっと違う感じなのかなと。
ツェリード王子は人体(総合芸術)にしか興味なさそう