モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
第37話
クラピカからの依頼をこなした後日、今度はキルアから連絡がきていた。
「おー、どしたどした。フロアマスターにでもなったかい?」
『フロアマスターはあんま興味ないかな、オレら目的果たしたしさ。それより、聞きたいことがあんだよね。グリードアイランドってゲーム持ってる?』
「おー、持ってる持ってる。おもしれーよあのゲーム」
『マジ!? さっすがゲーマー! ミルキも持ってなかったのに!』
キルアは大喜びしている。しかし、なんでまたグリードアイランドを急に……あ、開発者のジンがゴンの父親だからか。
親父に会いに行くって言ってたな。ジンは会いたくねーみたいだけど。
『ユータ頼む、オレらにもプレイさせてくれ!』
「うーん」
『え、ダメ?』
「ダメじゃないけどさー、もうちょいレベル上げてからにしない? 今のままだと最悪死ぬかもだし」
『大丈夫だって! 舐めんなよ? これでもオレらだってハンターだぜ? オレはアマチュアだけど』
いや、どうだろう……?
最後に会ったのってウイングさんの指導を受けて纏が使えるようになったくらいのところだったよな。
纏だけだったらそもそもグリード起動できねぇしな……いや、二人ならもう能力くらい開発してるかな?
「なら、テストしよう。直接会って『練』を見せてもらおうかな」
『そんなことでいいなら楽勝だよ。『練』なんてとっくにマスターしたっての』
やべ、ハンター用語出ちゃった。
『練』を見せろってのは『鍛錬の成果』を見せろって意味なんだけど……まだ念覚えたての2人が知るわけないわな。
「いや、そのね……」
『じゃあ練を見せるからさ。合流しようよ。9月1日から始まるドリームオークションのためにヨークシンにいるんだ。始まるまでに来てくれよな!』
ブツ、と電話を切られてしまう。
違うんだキルア……俺が見たいのは練じゃねぇんだ……
まあでも、当日にネタバラシしてやればいいか。ビックリするキルアたちの顔も見たいし。
しかし、キルアの勘違いを聞いてて改めて思ったが、『練』を見せろというハンター用語はやっぱり誤解を招きやすい言い回しだな。
誰が考えたんだこれ……ネテロか? あいつイタズラ好きだしな。
ヨークシンドリームオークション。
9月1日から10日までの10日間、年に一度開催される世界最大規模のオークションだ。
ヨークシン自体もかなりデカい都市だ。ヨークシン……ヨーク新……ニューヨーク……?
今はオークション前日、8月31日。時期が時期だからか、人もめちゃくちゃに多い。
そんな中キルアとゴンの二人と合流する。話題はやはりオークションについてだ。
「いやー、ユータがグリード持ってて助かったぜ。最低落札価格89億だもんなー」
「今の所持金は?」
「大体500万ジェニー」
「全然足りねぇ〜」
「いいんだよ、ユータのヤツをプレイするんだからさ!」
実際、ゴンたちの今の実力はどんなもんかな。ホテルの部屋で見せてもらおう。
というわけで、二人は勘違いしたまま練を見せてくれた。
「どう? ユータ」
「ちゃんとできてるだろ?」
「うーん……やっぱもうちょいレベル上げてからにしない?」
「なんでだよ!」
キルアがお怒りだが、練のオーラ量もそこまででもないし、グリードの敵キャラで言ったらDランクに勝てなそうだな……
どうしよ……
「ほら。ジン的にはさ、グリードを手に入れられるレベルになってから挑戦してほしいと思うんだよね。59億だっけ? そんくらい余裕で稼ぐレベルのハンターなら楽しめる、みたいな?」
「でもオレ、立ち止まってられないよ。目の前にチャンスがあるなら、今できることは最大限やってそれを掴みたい。お願い、ユータ!」
「むむむ……」
純朴な少年に頼み込まれると、首を縦に振りたくなる……
「ん? ユータ、ゴンの親父さんの名前知ってたっけ?」
「あり?」
「あ、たしかに! ユータ、ジンを知ってるの!?」
そういや、ジンの名前って直接ジン本人に聞いたんだった。ゴンからは聞いてねぇ!
やべ、ジンはゴンに会いたくないって言ってたよな。言ったら怒られるかな……でもまあ、今頃はジャポンから出てるだろうし、いいか。
「あ、ああ。こないだハンゾーの故郷、ジャポンに旅行した時に会ったのよ。グリードアイランドの開発者だとは知らなかったなあ……」
「ほ、ほんと!? ジンはジャポンって国にいるの!?」
「ゴンに負い目があるみたいだから、こっそり近づかないと逃げられると思うよ。俺がゴンと友達ってことは言ってあるから、ジャポンからはもう立ち去ってるかもな」
「そっか……うん、ありがとうユータ。よーし、絶対ジンを見つけるぞ!」
ちょっと残念そうにしながらも、気持ちを新たに決意を固めた様子のゴン。
自力で見つけた方が良いだろうし、俺がジンの連絡先を知っていることは言わないでおこう。
ふ、ふう。なんとか乗り切ったか……?
「でさ、なんでオレらの練じゃダメなんだよ」
結局その話に戻るか……
俺はハンター用語『練を見せろ』について解説する。
「なんだ、そうだったのか」
「でも、今までの鍛練の成果って言っても……オレたち、基本の四大行と凝しか教わってないよ?」
「うーん、それだとグリードはかなり危ないかもなー。能力あるのとないのじゃ天と地だし」
「じゃあ、オレらも『発』を考えてみるよ。それを見てから判断してもらっても遅くないだろ?」
キルアも随分食い下がってくるな。
「分かった。ただ、テキトーな必殺技だったら容赦なく落とすから、満足いくものをきっちり仕上げて来なよ?」
「オス!」
二人はズシくんと同じようなポーズを取りながら、元気よく返事した。
「あ、でもさ。もしグリード買えたら俺の許可なんてなくてもプレイできるよ?」
「たった数日で89億稼ぐのは無理だって!」
そりゃそうか……
キルアの言葉に納得していると、俺のケータイが鳴る。お、ミルキからか。
「もしも……」
『ユータ、グリード持ってるか!?』
ミルキも探してたのか……
「持ってるよー」
『やった! ユータ、うち来てくれよ! 一緒にグリードやろうぜ!』
「今ちょうどキルアともそのことで話してたとこでさ。キルアと友達が先約だから、やりたいならミルキがこっち来てよ」
『えー、オレ外出たくねーよ。面倒くせーし。つーかキル! おまえ何抜け駆けしようとしてんだよ!』
「人聞き悪いこと言うんじゃねーよ。取引内容はてめーがグリードアイランドの情報をオレに渡す、オレはグリードアイランドのセーブデータを渡す、それだけじゃん」
ぐぬ、とミルキは電話越しでも分かるくらい悔しそうに呻いた。
「外出たくないかあ。じゃあ一緒にプレイすんのは随分先になんな」
『くっ……分かったよ、行くよ! 今どこ?』
「ヨークシン」
『クソ遠いじゃねーか……いいか、オレが行くまで待ってろよ? 絶対抜け駆けでプレイすんなよ? 特にキル!』
「うっせーバカ兄貴」
キルアは俺からケータイをひったくると、電話を切ってしまった。
「ユータ、おまえすげーな。ミルキを家の外に出すなんてさ。快挙だ快挙」
「でも、これでミルキと合流するまでに『発』ができないといけなくなったな。できないと兄貴に置いてかれるかもよ?」
「大丈夫! オレとキルアならやれるよ!」
「そうそう。それに、あいつが今のオレら以上に念使えるかも分かんねーし」
そっか、ミルキが基準に達してない可能性もあるな。その場合は……修業してもらうしかないか。
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ヨークシンドリームオークションとかいう恐らく原作で1回しか出てきてない名称