モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
ゴンとキルアが楽しく旅団メンバーと修業している中、俺のケータイに着信が入る。クラピーからか。
「もしもしクラピー?」
『……ユータ、少し会えないか? 相談事がある。あと、そのあだ名だが』
「オッケー! じゃあ正午に、場所はメールするわ!」
『いや、あだ名……』
ぶつ、と電話を切る。
というわけでクラピーに会いに行ったが、相談内容に俺は冷や汗を流した。
「依頼主の緋の眼が消えた。近隣のマフィアたちも同じように、落札した競売品が次々と消えているらしい。恐らくだが、幻影旅団の仕業だろう」
「な、なんでそう思うの?」
「……? ヒソカに、旅団が地下競売を狙っていると聞かされてな。それより、何か知っているのか?」
ぎ、ぎくぅ。
「ししし知らないよ?」
「私に偽証は無意味だと知っているだろう? 大人しく話してくれ」
つ、と『
俺は話した。
「ふむ……なるほど。強いとは思っていたが、旅団の師とは」
「ま、まあね。旅団のしたことは、師匠である俺の責任でもある。何か俺にできることがあれば遠慮なく言ってくれよ」
「……ほう、いいのか?」
クラピーの目がきらりと光った気がした。
「で、できる範囲でお願いします」
「マフィアたちの競売品を強奪したことをとやかく言うつもりはない。私もマフィアの一部ではあるが、目的あってのいわば潜入だからな。しかし、緋の眼は話が別だ」
クラピーの目的は、仲間の眼の奪還だからなあ。
「分かった。緋の眼は話して貰ってくるよ」
「すまない。あと一つ頼みがあってな」
「え?」
「依頼主のことだ」
「ネオン? あっ……」
緋の眼とかって、ネオンが落札したんだよな。それが消えたってことは……
「大層ご機嫌斜めでな……私やリーダー、仲間も少々辟易している。ご機嫌取りに付き合ってくれないか?」
吐いた言葉は戻せない。俺は一も二もなく頷いた。
というわけで、クラピーとダルさん、ネオンと俺の四人でモンスターの狩猟を行うことにした。
ドスランポスとかドスフロギィとかなら瞬殺だし、危険はないしな。
「ネオンお嬢様は念能力を知りませんが……」
「そこはまー、話すしかないんじゃないすか? 念覚えたいとか言い出したら教えてあげればいいんじゃ?」
「……いえ、本人には生まれつきのものだと説明します。口裏合わせをお願いします」
「俺は構わないっすよ」
ということで、ネオンに『
また、これは俺の無意識によるこだわりだと思われるが、参加人数は四人までとなっている。
ともかく、こうして流星街の付近に飛ぶことで、ネオンの前に初めて、本物のモンスターが現れた。
「きゃあ! これが本物の毒狗竜!?」
「お嬢様、私とクラピカの後ろに」
騒ぐ三人を背に、俺はフルフル大剣を一振りし、ドスフロギィの首を刎ね飛ばす。さすがに下位レベルの中型モンスター、かつこっちは周で武器にオーラを纏わせている状態。苦戦する要素はない。
「い、一撃……」
「なーんだ。毒狗竜って、てんで弱っちいのね。つまんないの」
「まあ、ライゼ……電竜とかと比べちゃうとね。でも本当はとても危険なモンスターだから、見かけても絶対近付くなよ?」
「はーい。……ねえユータ、今度は電竜の狩猟に……」
「絶対ダメ」
えー、とネオンは不満顔だが、ダメなもんはダメだ。キャンパーならまだマシだが、モンスターの目の前で一般人を抱えておくのはさすがにヤだ。
流星街の住人から報酬を受け取り、クエストクリア。元のホテルベーチタクルに戻る。
「思ったよりあっさりしたものだったわ。でも、凄い迫力だった! ねえユータ、また連れてってよ」
「ダルさんや、ネオンのパパさんから許可降りたらな。じゃないと俺が怒られる」
「うー。じゃあ、私の欲しい素材を取ってくるよう依頼してもいい?」
「そんくらいならいつでもいいよ。いつ取ってこれるかは知らねーけど」
といった具合にクラピーやネオンと狩猟に行っている間、ゴンとキルアは念能力の修業に明け暮れていた。的確なアドバイス、また組み手などの実践的な訓練によって、彼らの実力は更に飛躍的に向上。
俺は力加減ミスるのにビビって組み手とかできなかったからな……さすが旅団の皆だ。
ゴンとキルアはますますメンバーに気に入られており、特にウボォーとノブナガはゴンに相当期待しているようだ。
「
「アホか。オレよりテメエが先に死ぬに決まってんだろうが。こんなアホじゃなく、ゴンと組んだ方がよっぽど仕事が捗るぜ」
「やめてよ二人ともー」
二人は睨み合いを始め、ゴンを困らせている。どっちが子供か分からんな……
まあ、どっちも認め合ってるからこその軽口なんだけども。
「明日にはミルキも合流するし、そろそろもう一回『練』を見せてもらうか」
俺がそう伝えると、二人の顔付きが真剣なものへと変わる。
広い場所へ出て、俺はテキトーな棒で地面に小さく円を描く。二歩も動けば外に出ちまうかなってくらいの大きさだ。
「こっから五分以内に俺を外に出せれば合格だ」
「そんなことでいいの?」
「舐めんなよな……とはもう言わないけどさ。オレらだってだいぶ成長したぜ。旅団の皆のおかげでさ」
キルアの言葉に、試験が気になって仕方ないらしい、見物の旅団メンバーが後方師匠面で頷いている。こいつら……
「ま、やってみりゃ分かるさ」
「たしかに」
「同感」
「んじゃ……スタート」
言い終わるより先に、二人は高速で動き出す。背後と左に回り、パンチと蹴りで押し出すつもりのようだ。が、そちらに向き直り、苦もなくゴンの手首、キルアの足首を掴み投げ飛ばす。
「うわっ!」
「っと」
二人とも軽く受け身を取った。良い体術だな。
「おいユータ様! ちょっとガチすぎじゃねえ?」
「大人げなーい」
「うるせー野次馬ども!」
旅団は「おっとなっげない! おっとなっげない!」とコールを始めた。ゴンとキルア贔屓すぎるだろ!
その後二分ほど攻防が続くが、外に出せる気配はない。
「おいおーい。もう時間来ちまうぜ〜?」
制限時間的に、次がラストチャンスだろう。
ゴンとキルアは互いを見て頷き合い、最後の攻撃を始めた。まずキルアが動き始め、複数人に分身する。肢曲か……
次の瞬間、キルアは上に跳んだ。上から攻撃? と思ったが、手には雷のオーラが蓄えられている。やべ、この円の中だとアレは避けれん……
「『
ビリビリするぅ!
と、目の前からゴンが消えていることに気付く。そして、背後から衝撃。俺は吹っ飛ばされ、ぐえ、とカエルのような声をあげながら地面を転がる。
円から出ちまった。旅団メンバーは歓喜の声を上げる。
「やるなー二人とも。合格!」
「お……オス!」
二人は達成感でか少し返事を遅らせながらも、元気良く返事をした。旅団メンバーに褒められているのを見ながら、弟子たちの成長に俺も鼻が高いのであった。
「ゴン……おまえ『硬』で殴ったよな?」
「うん。ユータは『硬』なんてしてなかったと思うけど、なんで平気なんだろ……」
「それはオレたちにも分からん。多分、本物の神様なんだろうな」
「オレたちの地元に星と一緒に降ってきたらしいからね。地元じゃあの人を祀る宗教もあるし」
クロロとシャルナークにこんな話をこっそりされていたことを、ユータは気が付かなかった。
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