モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
第42話
「キル! グリードまだプレイしてないよな!?」
「落ち着けよ兄貴。ちゃんと待っててやったから」
ミルキが合流した。これで一応、グリードアイランド起動の準備が整ったわけだが……
ミルキの念能力は基準に達していなかった。が、これ以上ゴンとキルアを待たせるのは可哀想なので、ミルキはブレーン枠として同行させることにした。
また、ゴンとキルアに、ミルキを守るよう指示する。これも修業の一環だ。
「ちゃんと貢献しろよ? 兄貴」
「うるせー。おまえこそちゃんとオレを守れよ」
「よろしくね、キルアのお兄さん!」
「おまえがキルとユータの友達か……ま、よろしく頼むぜ」
と、挨拶も済ませたところで、アイテムBOXからジョイステを取り出す。それを置こうとした時、あ、と声が出る。
「なに? あっ!」
「これ……ゴンの親父さんのサイン?」
「そうそう。ジンと会った時のヤツな……ゴン?」
ゴンの目はメラメラと燃えていた。まさに目の前に、親父の手がかりがあるわけだし、ゴンなら燃えないわけがない、ってことかな。
「ゴン、セーブデータ持ってるんでしょ? それ使ったら?」
「あ、そうだね」
ゴンはジンの残したメモリーカードをジョイステに差し込む。順番は自然と決まっていた。ゴンが頷き、ジョイステに両手を翳す。
オーラを込めた瞬間、目の前からゴンの姿が消えた。
「うお、ホントに消えるんだ」
驚いているミルキをよそに、キルアが続けて起動。ミルキ、俺と続く。
既プレイ勢でも初見でも、変わらずスタート地点はこの草原だ。最早何度目になるか分からない階段を降りると、三人が待っていた。
「三人とも、ルールは聞いたね?」
「おう」
「完全に理解した」
「えっと……多分大丈夫」
ゴンは頬を掻きながら苦笑いしている。大丈夫大丈夫。慣れればカンタンさ。
「で、せっかく一緒にログインしたけどさ。俺は別行動を取ろうと思う」
「えっ! なんで?」
「一緒にやらないのかよ?」
「ユータ、もしかしてクリア目前だったりするのか?」
俺の意図を察したミルキが、そう指摘する。俺が頷き、ブック、と唱えると手元に本が浮かび上がった。指定ポケットカードを見せていくと、三人は驚きに目を見開く。
「すっげー! もう91種集まってるぜ」
「ゲームのネタバレはしない主義なんだ。クリア前のヤツが引っ張ったら楽しめないだろ? ジンはゴンにグリードアイランドを一から楽しんで貰いたいと思ってるはずだし。なんで、俺はテキトーに遊んでるから、三人で追いついてきな」
俺が挑発すると、三人はそれぞれがにやりと笑った。
「へ、上等!」
「待っててね、ユータ!」
「あ、おい! 置いてくな!」
キルアたちが勢いよく草原を駆け出していく。
あ、『
まあ、三人の攻略、そして一緒にプレイできる瞬間を楽しみにしておくとして……俺は俺でゲームを楽しませてもらうとしよう。
というわけで、俺は残りのカード集めを並行して行いつつ、恋愛都市アイアイでギャルゲーを楽しんでいた。
「きゃっ! ちょっとどこ見て歩いてんのよ!」
「そっちこそ気をつけろよな!」
「なんですって!」
「なにを!」
実際には見たことないけどあるあるらしい「遅刻遅刻ー!」と言いながら食パンを加えた女の子とぶつかり、楽しく言い合いをしてみたり。
「近付かないで、大声出すわよ!」
「げへへ、誰も助けになんてこねーよ!」
「お嬢さん、お困りかな?」
あからさまな悪役に絡まれている女の子を助け、悪役(NPC)をぶっ飛ばしてみたり。
「メガネメガネ」
「こちら、落とされましたよ」
「あら、どうもありがとう。親切なお兄さん」
メガネを落とした女の子の胸元に目を奪われながら、紳士ぶってみたり。
NPCの作り込みも凄いので、マジで俺のようにハマる人はどハマりするレベルのミニゲームだ。ジン、中々やるな……!
時折ゴンたちの収集状況をトレード店や『
様子を見に行ってみようかな。いや、ゴンたちを信じよう。
NPCとの恋愛を楽しんでいると、『
『久しぶりだな。早速だがトレードを申し込みたい。アンタが最近手に入れたブループラネットと、闇のヒスイでどうだ?』
「えー、SSとAで交換とか鮫トレじゃね?」
『ハハ、ゲーマーだな。闇のヒスイはゲイン待ち対策として大量にアイテム自体も入手してある。悪いが、これを逃すと手に入れる機会はないぞ』
「ブループラネットだってそうさ。鮫トレに応じるつもりはないよ。それに、そっちからはスペルで奪うことだってできる」
『『
「おう、構わないよ」
交信が切れて数十秒後、ゲンスルーが飛んできた。
しかし、なにやら雰囲気が以前会った時と違う気がする。以前は穏やかそうな雰囲気で、プレイヤーのことになると早口になるタイプだったが、今はにやにやと笑みを浮かべている。何かあるのか……?
「で、話したいことって?」
「ああ。オレは
……あー、ついに有名プレイヤーを自称するところまで来てしまったか……
†ボマー† みたいなプレイヤー名にするつもりかな。架空のキャラならともかく、それはちょっとダメじゃない……?
「オレの能力は『
いや、どこにも付いてないけど……いよいよゲンスルーを可哀想な人を見る目で見なきゃいけなくなってきそうだ。
「条件は、オレが体に触りながらキーワードを唱えること。キーワードは『
うん?
あれ、俺確か前にあった時、肩ポンされながら……
「解除条件はオレに触れながら『
ボマーがどうとか言われたわ!
と思った瞬間、俺の肩に時限爆弾ぽいものが出現する。うお、防具越しに体にくっついてやがる。
「『
あ! あんにゃろ、ゲーム外に逃げやがった!
くっそー、油断した……どーすんべこの爆弾。
とりあえず、着れる範囲でブラキ装備に変えとくか。
このカウントが0になったら起爆するわけか。多分、無理やり外しても起爆すんだろうなー。じゃないと解除方法の意味ないし。
でも、カウント0まで待つのも面倒だから無理やり外すか。俺は爆弾をブラキ腕で掴み、毟り取った。
その瞬間、ボン! という音と衝撃が俺を叩く。
「うおっ!」
吹っ飛ばされ、地面をゴロゴロ転がる。いてて……いや、威力高いな! 俺じゃなきゃ死んでるぞ……
「さて……ゲーム外までは追えねーよな。『
出待ちするとしますか。
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あけましておめでとうございます。
今年中に完結を目指します。よろしくお願いします。