モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
「ふははははは! やってやった! やってやったぞ! 何が天空闘技場の覇者だ、笑わせやがって。隙だらけの大間抜けが!」
ユータに発現した爆弾を『
「状況を理解すらできてなかったぜ。お前らにも見せたかったなあ、あの間抜けヅラ!」
事実、ゲンスルーの話を聞いてもユータはぽけーっと聞いているばかりで、事の重大さに気が付いたのは話し終える直前だった。
まるで警戒心のないユータの態度を思い出し、またゲンスルーは抑え切れないというように笑う。
それに釣られ、サブとバラも同様に笑った。
「やったなゲン!」
「これであとはハメ組の連中を皆殺しにしてカードを奪えば、ひとまず計画通りだ」
「ああ。問題はツェズゲラか。なにしろシングルの懸賞金ハンター。ヤツほど間抜けじゃないだろうからな」
早速、次のターゲットに意識を向けるゲンスルーだったが、その肩にポン、と手が置かれる。全く、サブかバラか? と思う彼だったが、異変に気付く。
仲間二人は目の前にいる。
では、この手は一体誰の?
目の前のサブとバラは驚愕に目を見開いている。ぶわ、と汗が噴き出す。
恐る恐る振り返ると、そこには……兜を取り、朗らかに笑うユータの姿があった。
「
ひ、と思わず声が出る。
間違いなく、それは死んだはずの男だった。
(馬鹿な、馬鹿な!? ゲーム外からでもゲーム内の対象を起爆できるのは確認済み! 『
ゲンスルーの脳内に駆け巡る様々な可能性。しかしそれは、一番考えたくなかったことが現実である、と目の前の男の言葉により否定される。
「あの爆弾、すげー威力だったと思ったら三人でのジョイントだったわけね。食らったのが俺じゃなかったら死んでるわ」
「食らっ、た……?」
愕然とする。
この男は、つまり、『
いや、それよりタチが悪い。
目の前で笑い話のように語る男には、見せつけるように鎧を脱いでいるその男には、少しも傷やダメージは残っちゃいない。
絶望と同時に、ゲンスルーは自らの考えが間違っていた、と認識を改める。
ユータは警戒心がまるでない?
違う。
自分たちは、警戒にすら値していなかった。
「う、おおおおおぉぉぉぉぉぉおあああ!!!」
「ゲン!?」
「無茶だ!」
ゲンスルーは自らの能力『
が、彼は身じろぎ一つしない。彼の顔と肩をその両手で掴み、ゲンスルーは全力で起爆した。
しかし、三人でのジョイントの上、能力内容の説明を行うという制約までこなした『
それが、今更ユータに通用するはずもなかった。
「げほごほ。ちょっと吸い込んじゃった」
ぱたぱた、と鬱陶しそうに舞う埃とゲンスルーの手を払うユータは、ゲンスルーの攻撃など全く意に介していない。
「ッッ〜〜〜〜〜〜」
「俺を殺して、ブループラネットのカード化限度枚数の枠を空けるつもりだったわけね。まー思うところはあるけど、ゲームのルール上そういう選択肢もあるわな……次は三人で来てみるかい?」
サブとバラは自らのメモリを『
ゲンスルーは尻餅を突き、サブとバラも拳を構えはするものの動けない。
「終わり? じゃ、こっちもちょっぴり反撃させてもらうぜ」
「待て! 参った! 参ったあああああああ!!」
「え?」
完全に戦意を喪失したゲンスルーは敗北を宣言し、ユータに『闇のヒスイ』を渡した。
『闇のヒスイ』ゲット!
よっしゃー。
ゲンスルーたちはもうゲームを降りる、と宣言したので、独占していたこのカードをもらい、ゲーム外に帰してやった。
これで後はツェズゲラさんの独占カード『身代わりの盾』『浮遊石』と、『一坪の海岸線』『奇運アレキサンドライト』『神隠しの祠』だけか。クリアが見えてきたぜ!
向こうも2種独占してるけど、こっちも『ブループラネット』を独占してる。いや、『一坪の海岸線』の入手を考えると、俺の方が有利だな。
もうクリア目前まで来てしまったな。ゴンたちと一緒にプレイしたかったのに、上手くいかないもんだ。
ま、せめてレイザーとの勝負は一緒にやるか。
ということで、ギャンブル都市でスロットを回したりしながらしばらくゲームを楽しむ。ミニゲームも山ほどあって、噛めば噛むほど味がするゲームだぜ。
一月ほどが経ったころ、スペルでゴンの所有カードを見てみる。すると……
「おっ!?」
マジか! もう80種くらい集めてるし、しかも。
『奇運アレキサンドライト』持ってる……!
入手方法知りたいし、久々に会いたくもあるし。『
というわけで、ゴンたちの元に飛んでく。実に数ヶ月ぶりの邂逅だ。
スペルを発動し降り立ったのは……マサドラか。
「あれ、ユータ!」
「よっ。ゴン、キルアと……」
「よぉ」
ミルキ、と言おうとして、俺は……爆笑した。
「ぷっ、あっははははははははははは!! ミルキお前、痩せすぎだろ!!」
「笑うな! くそ、オレの衝撃吸収まん丸ボディが……」
やべぇ腹いてぇ。
ミルキの贅肉が取れ、スリムになって高身長超イケメンになってら。
「なんでそんなことに? そっちのお嬢さんが関係してるのか?」
「うん、この人はビスケ! すっごい念能力者なんだよ!」
ゴンに紹介され、ビスケという少女と挨拶を交わす。ビスケ? どっかで聞いたことあるような。
「こんにちは、俺はユータ。三人の友達で、ゴンとキルアには念を教えたこともある」
「ユータ……?」
ぴく、と少女の眉が上がる。
「アタシはビスケ。ビスケット=クルーガー。ユータ、アンタまさかネテロやベンの友達?」
「おー、そうだよ。マブよマブ」
「アンタの話はあのエロジジイとハゲジジイからよく聞いてるわさ。よろしくね」
あー! ビスケちゃんってネテロのとこの!
名前だけ聞いてたけど思い出せんかったなあ。
「よろしく、ビスケちゃん」
頭防具を取って挨拶すると、ピシ、とビスケちゃんの動きが止まる。
「アンタ、年齢詐称が過ぎるわね……」
「ヒトのこと言えねーだろババア」
キルアのツッコミに対して、凄まじい速度かつ流麗な動きでのツッコミアッパーカット。それだけで相当な実力者であることが伺える。
念能力だけじゃないな。武術もかなりの練度で修めているようだ。すごいな。
「ユータが年齢詐称? ユータって幾つなの?」
「実は40歳くらいとか?」
「ちゃんと数えてないけど、120歳くらいじゃねーかな」
「な、なにぃぃぃいいいい!?」
ミルキとゴンは大いに驚き、復帰したキルアは「そういやハンター試験でンな事言ってたな……」と顎を摩っている。
シルバくんやゼノくんと仲良くしているところも見せているし、受け入れやすかったのかもしれない。
「ジジイじゃん!?」
「ふぉっふぉっふぉ。そうだぞい」
「取ってつけたようなジジイ言葉だなオイ!」
「そういえば、ウイングさんも『纏』を続けてたら若さを保てる、とか言ってたね」
「いやいや。そりゃ多少は影響するけど、ここまでのは普通あり得ないわよ。この人のは度が過ぎてるわさ」
「テメーもだろ」
今度は口を挟んだミルキがぶっ飛ばされる。
「ビスケちゃんはホントは幾つなの?」
「ご……57歳だわさ」
「へえ。まだまだ若者じゃん。俺からしたらだけど」
「うぅ。嬉しいようなそうでもないような……」
複雑な心境を吐露するビスケちゃんであった。
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ゲンスルーたちは288期ハンター試験のアモリ三兄弟状態になってます。いやもっと酷いか。