モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった…   作:レイトントン

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第45話

「ぼ、ボポボ!」

 

 かるーく片手で押し出され、壁に激突し白目を剥いてぶっ倒れたボポボとやらに仲間たちが駆け寄る。さすがにウボォーの敵じゃないか。

 

「オラ、早く呼んでこいよボスとやらをよぉ」

「日が暮れちまうぞ、オォン!?」

「完全にチンピラだな、こっち側……」

 

 ヒールと化したノブナガとフィンクスに、キルアが所感を述べる。ほんと、どっちが悪役か分からんね。

 旅団の実力、あるいは態度に怖気付いたのか、海賊たちはすぐにレイザーを呼んできた。よ、と手を挙げて挨拶すると、それを返しつつ灯台のアジトまで案内される。

 

「さて! じゃあ早速勝負を始めようか。あ、ボポボの分はそっちの彼の勝ちで構わないぞ。それはまあ置いておいて、まずはボクシング!」

「あ、棄権しますボス」

「ふざけてんのか?」

「あんなヤツと殴り合いできませんよ!!」

「いいから行け。頭フッ飛ばすぞ」

 

 ブラック企業感を漂わせながらリングに上がった、なんだか弱々しい雰囲気の男。リングに神字彫ってあるけど、何か特殊な念能力を使うのだろうか。

 

「ボクシングか。なら、オレが行くとするか」

「フランクリンか。まあ全く心配要らないな。逆に相手が心配なくらいだ。殺すなよ?」

「了解、神様」

 

 フランクリンとボクシングの彼と旅団メンバーには明確な力量差がある。オーラ量が既に桁違いだ。

 

「大体察しはつくぜ。ボクシングを選んだ理由は」

 

 フランクリンのグローブから念弾が飛び出す。

 

「はっ、え?」

 

 ヒュッ! とボクサーの彼の頬を掠めた。わざと外しているようだ。まともに当たったら頭フッ飛んでたな。

 

「アンタも十中八九放出系能力者なんだろ? 限られたエリアの中で敵と距離を取りつつ戦える。事前にリングに神字も書いてるし、放出系にとってこれほど都合の良い条件もねぇよな」

「ちょ、待っ……」

「アンタの誤算はただ一つ。アンタ以上の放出系能力者……オレの存在だ!」

 

 フランクリンはさっきよりかなり威力を絞った『俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)』を片手で放った。

 

「すげー連射砲!」

「アレは死んだぜ!」

 

 旅団のテンションがイカれてるが、フランクリンはしっかり手加減していたようで、死にはしなかった。ダウンして起き上がらないけど。

 し、死んでないよね……?

 

「キミたちの勝ちだな。次は……おい、お前だろ。早くリフティングしろ」

「待ってくれレイザー。ルールを変えてくるから。せめて、せめて相手への攻撃はナシにさせてくれ!!」

「大丈夫だ、ボクシングを見ただろ。手加減してくれてるから死にはしないさ。それとも俺に殺されるか?」

「どっちも嫌だあああああ!!」

「はあ、仕方ねえな……お前ら邪魔だから帰ってろ」

 

 海賊たちはレイザーが言い終わる前に速攻で帰っていった。ちなみにボポボさんは玉転がしみたいに転がされていった。

 どんだけ戦いたくなかったんだ……いや、でも天下の幻影旅団相手ならこうもなるか。

 

「残ったのはアンタだけか。ならオレたちの不戦勝かな?」

「いいや? オレの勝負形式(テーマ)は、8対8のドッジボールだ」

 

 レイザーの周囲から、人型の念獣が発生する。なるほど、クロロの予想通りだ。帳尻合わせが行われるわけだな。

 

「ならこっちは、俺、ゴン、キルア、ミルキ、ビスケと……」

「あ、オレはパス。元々フリースローやるつもりだったし、ドッジボールとかダルいし」

「ならアタシも。人員も足りてるし、アタシは見学に回らせてもらうわさ。あ、ゴン、キルア! アンタらは強制参加よ!」

 

 ミルキとビスケは不参加を表明した。こ、こんにゃろ共……!

 どうしよ。クロロの方を見る。

 

「なら、残りはオレ、フィンクス、ヒソカ、マチ、コルトピがいいでしょう」

「よし、皆頼んだぜ」

 

 というわけで、レイザーとのドッジボールが始まった。クッション制というルールを採用しているらしい。また、外野からは『バック』という宣言を試合中一度だけ使用でき、使った人は内野に戻ることができるそうだ。

 外野はレイザー側が念獣の一体、こっちはフィジカルに劣るコルトピとなっている。

 

 ジャンプボールはレイザーとフィンクスが競り合い、結果レイザー側のボールとなった。

 

「ところでお前。ゴンと呼ばれてたな?」

「え? うん」

 

 レイザーはゴンを指して問いかける。もちろん、ゴンはそれを肯定する。

 

「もしかしてお前、ゴン=フリークスか? ジンの息子の」

「ジンを知ってるの!?」

「ああ。ヤツに誘われて、オレはゲームマスターをやっているんだからな。しかし、そうか……おまえが来たら手加減するなと言われてるぜ」

 

 旧友の息子との出会いにギアが上がったのか、レイザーの纏うオーラが更に強力になる。

 ゴンは一瞬圧倒されながらも、キルアと共にスムーズな堅で対抗。

 

「行くぞ」

 

 レイザーが凄まじい勢いでボールを投げる。向かう先はゴン。狙われた彼は両手を額に合わせ、硬でガードした。が、体ごと後方に吹っ飛ばされる。

 

「うお!?」

「おい、大丈夫かゴン!」

 

 ゴンはむくりと起き上がる。吹っ飛ばされたが大事はなさそうだな。額からは血がダラダラ流れてるけど。

 弾かれたボールは天井にめり込み、見えなくなっている。位置的にはウチの内野のエリアだ。

 

「ゴン選手アウト! 挑戦者チームのボールで再開です!」

 

 審判から、新たなボールが近くにいたクロロにパスされる。

 

「ヘイヘイ! クロロ、ボールくれ!」

「ユータ様………………どうぞ」

「何、今の間は」

「相手に黙祷していただけです」

 

 見れば、旅団の何人かは手を合わせてお祈りしている。こ、殺さないよ? 大丈夫だよ?

 そんなことも言い出せないまま、俺はボールを回しながら、ふと浮かんだ疑問を口にする。一応ね。事前に確認しとかないとね。

 

「レイザー。念獣とダメージとか、感覚とか共有してないよな?」

「ん? ああ。たとえ念獣が吹っ飛ばされてもオレは無事だ」

「オッケー」

 

 なら、思い切りやっても大丈夫かな……なんか嬉しいな、あんまり全力出すことってないからさ。

 

「……! コルトピ、避難しろ!」

 

 クロロがコルトピに指示を出している。避難て大袈裟な……

 暗黒大陸では念を知らなかったからな。アトラル・カぶりくらいの()()かもしれない。

 レイザーは投げる時、念弾を放つ要領でオーラを込めていたみたいだ。真似してみるか。

 

 俺は片手でボールを掴み、オーラもたくさん込めて、念弾を放つようにボールを投げてみた。

 

 

 

 

 あ、やべ。ちょっとすっぽ抜けた。

 

 

 

 

 キュイン、と音がして、ボールは誰にもヒットしないまま消える。 

 

「……ぼ、ボールはどこだ?」

「わりー、外しちゃった。あそこあそこ」

 

 困惑する皆に、ボールの在処を示す。

 レイザーたちの遥か後方、壁に丸い穴が空いていた。

 

「ぼ、ボールは消滅しました。挑戦者チームの外野ボールで再開します!」

 

 外野の端っこにいたコルトピにボールが渡される。

 くっそー、一発目は外したけど、次だ次。

 

「ヘイ、コルトピヘイ!」

「嫌だ、渡さない」

「え?」

「馬鹿野郎ユータ様! 二度とアンタにボールなんか投げさせるか!」

 

 コルトピはボールを抱えたまま渡そうとせず、何故かフィンクスにがなられてしまう。

 

「なんでだよ!」

「失投した球がこっちに来たら死ぬわ!!!」

「し、失投は悪かったけども!?」

「ミスで殺されたらたまったもんじゃねーんだよ!!」

 

 というわけで、味方から投球禁止を言い渡されてしまう。そ、そんなぁ……




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ボール消失マジック
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