モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった…   作:レイトントン

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第46話

 味方に投球を封じられた俺は、指を咥えて皆とレイザーの戦いを眺めていた。激戦と言って差し支えない盛り上がりだ。

 フィンクスの投球は念獣を2体外野に追いやったものの、レイザー本体には容易く掴まれる。『廻天(リッパーサイクロトロン)』を使わないことには、彼を打ち崩すことはできまい。

 

「さて、今度はこちらの番だ」

 

 レイザーの全力投球。マチやクロロは避ける構えだが、狙いはボールを投げたフィンクスだ。

 

「はっ、逃げるなんざ性に合わねぇぜ」

 

 フィンクスは器用に『凝』を行い、腕に7割、両足に1.5割ずつくらいの割合でオーラを割り振り、正面から受け止めた。

 

 が、どうやらかなりのダメージを受けた上、ボールの勢いに押され外野まで運ばれてしまう。これはアウト扱いだ。

 

「おい、フィンクス! 大丈夫か?」

「……すんません、右はなんとかオーラで守れましたが、左の骨はイッちまってますね」

「無茶すんなよ、あくまでゲームなんだからな」

「ゲームでも、アンタに頼まれちゃ本気でやらないわけにはいかねーんすよ」

 

 フィンクスは言葉にした後、ちっ、と恥ずかしそうに視線を逸らす。なんだ、俺のこと結構尊敬してくれてるんじゃんか! カワイイやつめ。

 

 さて、ドッジボールだが、敵の外野が増えたことによる連携は強固で、ボールが凄まじい速度で飛び交う。球を避けるのはなかなか面白い。

 

 皆、華麗な体術でボールを苦もなくかわしていく。上手いな。でも、避けてるだけじゃいずれジリ貧になる。どうにかボールを捕らないとな。

 

「レイザー、俺に投げてこいよ!」

「嫌だね、待ち構えてるアンタに投げてもロクなことにならなそうだ」

 

 ちくしょう、警戒しやがって……どーやって捕ろうかな、と考えているところ、クロロとマチが何やらアイコンタクトをしている様を見つける。

 お、さすがクロロ。なんか策を練ってくれているのか!

 

「そろそろお疲れだろう。休むと、良いッ!」

 

 レイザーはまたも全力で投球。狙いはクロロか。

 しかし、放たれた豪速球は、俺たちのエリアに入った途端、何かに阻まれるように急速に勢いを弱めていく。

 それでも勢いはかなりのものだったが、クロロにキャッチできない威力ではない。バシィ! と激しい音を立て、手の中に収まった。

 

「ふう。勢いを削いでこれか、参るな。マチ、よくやった」

「ん、まあね」

 

 ピン、とマチが指で糸を弾く。よくよく凝で見てみれば、いつの間にやら俺たちの内野の至るところに、念の糸が張り巡らされている。天井と繋がり、俺たちを守るそれはまさに糸の結界。

 

「まさか糸に俺の球が防がれるとはな」

「何重にも張り巡らされてあるからね。こっちも驚かされたよ。こんだけ糸を張ってあるのに、無理やり引きちぎって突破されたのは初めてだ」

「さすがだぜ、マチのアネゴ!」

「誰がアネゴだい」

 

 囃し立てるキルアの頭を照れ隠しに叩きながら、マチは再度糸の結界の張り直しにかかる。

 

 マチの糸により、勢いは捕れなくはない威力まで抑えられている。が、マチの結界の張り直しにもそれなりに時間がかかるだろう。このボールは大事にしていきたい。

 

「ゴン、バックで戻ってきてくれ」

「え……う、うん!」

 

 クロロはゴンを呼び戻すと、ボールをパスした。

 

「任せていいか?」

「え?」

「フィンクスは怪我をしているし、今この中で単純な攻撃力(パワー)が一番あるのはお前だ。修業の成果を見せてくれ」

 

 そして、言葉をかける。オレはお前に期待している、と。

 そんなことを言われて、ゴンが燃えないわけがない。

 

「クロロ……オス! ……キルア、お願い!」

「ああ。全力で来いよ」

 

 キルアがボールを抑え、ゴンが練でオーラを練り上げる。そのオーラ総量はかなりのものだ。

 その巨大なオーラ全てを、右拳へ!

 

「ハァッ!!」

 

 全力のパンチ。大砲のような威力のソレは、一番大きい念獣をふっ飛ばした。加えて、内野からフッ飛ばされたため、今度はこちらの外野ボールからの再開。

 野次馬と化した残りの旅団メンバーとミルキ、ビスケから歓声が上がる。俺も思わず拍手してしまった。

 ゴンだけじゃない。キルアも、達人級のオーラの攻防力移動により、ゴンの圧倒的な『硬』の威力を殺すことなく、そのオーラから自らの手を守っていた。

 パワーのゴン。技術のキルア。それぞれに対し、レイザーからすら惜しみない拍手が送られる。

 

「まさに今のはオレ様の『超破壊拳(ビックバンインパクト)』を名乗るに相応しい威力だったぜ」

「いや、それただの念を込めた右ストレートでしょ」

 

 隣のシャルがツッコむが意に介さず、ウボォーは続ける。

 

「ゴン、次からは技の名前を叫んでみな。気合いの乗りが違う」

「うん、ありがとうウボォー! やってみるよ」

 

 こうしてゴンが何故か『超破壊拳(ビックバンインパクト)』の後継者となった。てってれ〜。

 しかし、スッゲー威力だったな。これはゴンの今後に期待できそうだ。同じことを思っているのか、ヒソカは興奮のあまりいきり勃たせている様子だ。ヒェッ……

 せ、せめて女性陣には見せないようにしようね……?

 

 

 

「よっしゃ、もう一発行ったれゴン!」

「オス! 行くよキルア……『超破壊拳(ビックバンインパクト)』!」

 

 ゴンの『超破壊拳(ビックバンインパクト)』が放たれる。先ほどよりも更に高い威力がレイザーに向かう。が、レイザーはボールをレシーブした。うっま!

 衝撃を完全に殺している。レイザー本人のパワーもあるが、それよりも技巧が途方もないことが分かる。

 

 ボールはレイザーの上空。しかし、ヒソカが『伸縮自在の愛(バンジーガム)』でボールを奪い取る。

 

「んー、ダメダメ。ボールはちゃんと掴まなきゃ♥」

「……バック!」

 

 レイザーもたまらずバックを宣言。

 そのまま、ヒソカは『伸縮自在の愛(バンジーガム)』を使ったまま念獣の一人を倒す。が、次に狙った念獣は他二体と合体し、がっちりとボールを掴んだ。ヒソカは腕力で敵わないのを見ると、すぐにガムを離した。

 

 今度はレイザーたちの攻撃だ。彼はまたもボールを投げるが、対象はクロロだ。俺じゃない。

 

 しかし、こっちにボールが来ないからヒマだなー。ボール投げれないし、ボールがこっち来てもマチの糸で威力は減衰してるだろうし。

 

「ユータ!」

 

 ん? と思い声をかけられた方を向くと、目の前にボールが迫っていた。

 

「ヘ、ぶん!?」

 

 顔面にモロにボールをくらい、仰け反る。

 てーん、とボールは跳ねて外野へ。な、何が起きた!?

 

「ユータてめー、ボーッとしてんなよ!」

「な、なんで!? クロロ狙いだったじゃん!」

「レイザーは『凝』でマチの糸を見破った上、糸を避けて直角にシュート変化をボールに与えたんですよ。オレも服の一部がやられました、アウトです」

 

 キルアに怒られ、クロロに状況を説明される。

 俺とクロロの二枚抜きかよ。俺が完全に油断していたとはいえ、やるなレイザー!

 

「顔面顔面! セーフセーフ!」

「残念だがウチのシマじゃ有効だ」

 

 どうやら顔面セーフは今回のルールにはないらしい。悲しみ。

 

「何やってんだユータ様!」

「アンタ今回なんの役にも立ってないぞ!」

「う、うるへー! じゃあ球投げさせろ!」

「絶対ダメ」

 

 でも確かに、言われてみりゃ俺0キル1デスだわ……クロロもそうだけど、あいつは常に的確な指示出してるからな……

 あっれぇ? 今回俺、お荷物じゃね?

 壁に穴開けただけ?

 ば、バックさせてくれ……!




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【悲報】主人公さん、役に立たない
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