モンスターハンターかと思ったらHUNTER×HUNTERだった… 作:レイトントン
味方に投球を封じられた俺は、指を咥えて皆とレイザーの戦いを眺めていた。激戦と言って差し支えない盛り上がりだ。
フィンクスの投球は念獣を2体外野に追いやったものの、レイザー本体には容易く掴まれる。『
「さて、今度はこちらの番だ」
レイザーの全力投球。マチやクロロは避ける構えだが、狙いはボールを投げたフィンクスだ。
「はっ、逃げるなんざ性に合わねぇぜ」
フィンクスは器用に『凝』を行い、腕に7割、両足に1.5割ずつくらいの割合でオーラを割り振り、正面から受け止めた。
が、どうやらかなりのダメージを受けた上、ボールの勢いに押され外野まで運ばれてしまう。これはアウト扱いだ。
「おい、フィンクス! 大丈夫か?」
「……すんません、右はなんとかオーラで守れましたが、左の骨はイッちまってますね」
「無茶すんなよ、あくまでゲームなんだからな」
「ゲームでも、アンタに頼まれちゃ本気でやらないわけにはいかねーんすよ」
フィンクスは言葉にした後、ちっ、と恥ずかしそうに視線を逸らす。なんだ、俺のこと結構尊敬してくれてるんじゃんか! カワイイやつめ。
さて、ドッジボールだが、敵の外野が増えたことによる連携は強固で、ボールが凄まじい速度で飛び交う。球を避けるのはなかなか面白い。
皆、華麗な体術でボールを苦もなくかわしていく。上手いな。でも、避けてるだけじゃいずれジリ貧になる。どうにかボールを捕らないとな。
「レイザー、俺に投げてこいよ!」
「嫌だね、待ち構えてるアンタに投げてもロクなことにならなそうだ」
ちくしょう、警戒しやがって……どーやって捕ろうかな、と考えているところ、クロロとマチが何やらアイコンタクトをしている様を見つける。
お、さすがクロロ。なんか策を練ってくれているのか!
「そろそろお疲れだろう。休むと、良いッ!」
レイザーはまたも全力で投球。狙いはクロロか。
しかし、放たれた豪速球は、俺たちのエリアに入った途端、何かに阻まれるように急速に勢いを弱めていく。
それでも勢いはかなりのものだったが、クロロにキャッチできない威力ではない。バシィ! と激しい音を立て、手の中に収まった。
「ふう。勢いを削いでこれか、参るな。マチ、よくやった」
「ん、まあね」
ピン、とマチが指で糸を弾く。よくよく凝で見てみれば、いつの間にやら俺たちの内野の至るところに、念の糸が張り巡らされている。天井と繋がり、俺たちを守るそれはまさに糸の結界。
「まさか糸に俺の球が防がれるとはな」
「何重にも張り巡らされてあるからね。こっちも驚かされたよ。こんだけ糸を張ってあるのに、無理やり引きちぎって突破されたのは初めてだ」
「さすがだぜ、マチのアネゴ!」
「誰がアネゴだい」
囃し立てるキルアの頭を照れ隠しに叩きながら、マチは再度糸の結界の張り直しにかかる。
マチの糸により、勢いは捕れなくはない威力まで抑えられている。が、マチの結界の張り直しにもそれなりに時間がかかるだろう。このボールは大事にしていきたい。
「ゴン、バックで戻ってきてくれ」
「え……う、うん!」
クロロはゴンを呼び戻すと、ボールをパスした。
「任せていいか?」
「え?」
「フィンクスは怪我をしているし、今この中で単純な
そして、言葉をかける。オレはお前に期待している、と。
そんなことを言われて、ゴンが燃えないわけがない。
「クロロ……オス! ……キルア、お願い!」
「ああ。全力で来いよ」
キルアがボールを抑え、ゴンが練でオーラを練り上げる。そのオーラ総量はかなりのものだ。
その巨大なオーラ全てを、右拳へ!
「ハァッ!!」
全力のパンチ。大砲のような威力のソレは、一番大きい念獣をふっ飛ばした。加えて、内野からフッ飛ばされたため、今度はこちらの外野ボールからの再開。
野次馬と化した残りの旅団メンバーとミルキ、ビスケから歓声が上がる。俺も思わず拍手してしまった。
ゴンだけじゃない。キルアも、達人級のオーラの攻防力移動により、ゴンの圧倒的な『硬』の威力を殺すことなく、そのオーラから自らの手を守っていた。
パワーのゴン。技術のキルア。それぞれに対し、レイザーからすら惜しみない拍手が送られる。
「まさに今のはオレ様の『
「いや、それただの念を込めた右ストレートでしょ」
隣のシャルがツッコむが意に介さず、ウボォーは続ける。
「ゴン、次からは技の名前を叫んでみな。気合いの乗りが違う」
「うん、ありがとうウボォー! やってみるよ」
こうしてゴンが何故か『
しかし、スッゲー威力だったな。これはゴンの今後に期待できそうだ。同じことを思っているのか、ヒソカは興奮のあまりいきり勃たせている様子だ。ヒェッ……
せ、せめて女性陣には見せないようにしようね……?
「よっしゃ、もう一発行ったれゴン!」
「オス! 行くよキルア……『
ゴンの『
衝撃を完全に殺している。レイザー本人のパワーもあるが、それよりも技巧が途方もないことが分かる。
ボールはレイザーの上空。しかし、ヒソカが『
「んー、ダメダメ。ボールはちゃんと掴まなきゃ♥」
「……バック!」
レイザーもたまらずバックを宣言。
そのまま、ヒソカは『
今度はレイザーたちの攻撃だ。彼はまたもボールを投げるが、対象はクロロだ。俺じゃない。
しかし、こっちにボールが来ないからヒマだなー。ボール投げれないし、ボールがこっち来てもマチの糸で威力は減衰してるだろうし。
「ユータ!」
ん? と思い声をかけられた方を向くと、目の前にボールが迫っていた。
「ヘ、ぶん!?」
顔面にモロにボールをくらい、仰け反る。
てーん、とボールは跳ねて外野へ。な、何が起きた!?
「ユータてめー、ボーッとしてんなよ!」
「な、なんで!? クロロ狙いだったじゃん!」
「レイザーは『凝』でマチの糸を見破った上、糸を避けて直角にシュート変化をボールに与えたんですよ。オレも服の一部がやられました、アウトです」
キルアに怒られ、クロロに状況を説明される。
俺とクロロの二枚抜きかよ。俺が完全に油断していたとはいえ、やるなレイザー!
「顔面顔面! セーフセーフ!」
「残念だがウチのシマじゃ有効だ」
どうやら顔面セーフは今回のルールにはないらしい。悲しみ。
「何やってんだユータ様!」
「アンタ今回なんの役にも立ってないぞ!」
「う、うるへー! じゃあ球投げさせろ!」
「絶対ダメ」
でも確かに、言われてみりゃ俺0キル1デスだわ……クロロもそうだけど、あいつは常に的確な指示出してるからな……
あっれぇ? 今回俺、お荷物じゃね?
壁に穴開けただけ?
ば、バックさせてくれ……!
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【悲報】主人公さん、役に立たない